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7-663

663 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:50:57 ID:xm+YVQd9
眼帯裏|・)ピチピチ

>>660
フェイトさんがんばれ.まぢがんばれっ!

さて.
>>514氏に期待されたようなので,書いてみました.
期待に答えられるか,ちょっと心配ですが.

ヴィヴィ&チンクと,フェイ⇒なの少々.
前スレの奴の続きという感じでのんびりしたお話.フェイトさんは(ryですが.
お目汚し失礼.

664 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:52:26 ID:xm+YVQd9
「チンク姉どうしたんっすかー?」
茶を静々と飲みながら物思いに悩む私の目の前で,ウェンディがアイスを口にしながら呆と聞いてくる.
その姿に,はしたない,と思うもののそれを返す気力がなく,私はふぅ,と本日何度目かになる溜息を吐く.
「チンク姉様,お加減が宜しくないようでしたら…」
心配するディードにもやはり,返す気力もなく,もう一度溜息を.
この場にいる他の妹達―――セイン,オットーもまた私を心配している様子ではあるが,これもやはり……
次第,反応のない私に妹達は少し距離を取り,円陣を組みながら何事かを相談しあっていた.
曰く,『チンク姉どうしたんっすかね?』『ヴィヴィちゃんと何かあったんじゃない?』『やっぱりそれでしょうか』『―――』
こちらを見ながら,こちらに聞こえるような声量で相談しあう妹達に,はぁ,と今度は別の意味での溜息を吐くが,
とてもそれに何かを返す気力は沸いてこない.
『これはあれっすね!』『アレ?』『恋患いって奴ッス!』
「ぶっ!!」
瞬間,口に含んでいた茶が…噴出した.
飛び散った茶は机に飛び散り,妹達の湯呑を汚染しながら,茶菓子にまで降りかかる.
あぁ…なんたる失態.などと考える暇もなく,私は咽ていた.
「けほっ,けほっ……」
器官に入った茶に苦しみ,僅か涙が流れだしたりもしたが…暫くして,落ち着きを取り戻した頃には…
「相手はだれっすか!」
「チンク姉様,是非詳しく」
囲まれていた.
姉は,ディードはもうちょっとクールな子だと思っていたよ.ウェンディと一緒に私を挟み込むように横につくとは思いもしなかった.
くわえて,オットーは物静かは物静かだが,セインと一緒に私の座っている椅子の後ろについている.
逃げ場なし,四面楚歌.
あぁ,ノーヴェ,ディエチ,私を助けてくれまいか?
―――けれど,ここに二人はいない.
ノーヴェは遺伝子元の影響かゲンヤ・ナカジマ殿にお近づきになるために陸士訓練校にて一人暮らし中.
『姉より男を取るようになったか…その成長は嬉しいが,姉としては寂しいな』などと愚痴ったのももう結構前の事だ.
ディエチはディエチで,管理局に逮捕される直前に頂いた衝撃的な砲撃の御蔭で何かに目覚めたようで,自身の事をもっと理解するために
大学にて機械工学のお勉強中につき,不在な日々.マリー女史の所で砲撃魔法の研究に余念がない様子.


665 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:53:17 ID:xm+YVQd9
ともあれ,今私を助けてくれる人はおらず,どうにかせねば,どうにかせねば,と思い,出てきたのが…
「あ,姉は女性同士でも,ふ,不毛ではないと思うぞ?」
だった…いや,何を言っているのだ私.
「チンクねぇ,言動がおかしいよ」
即座にセインの突っ込みが入る辺り,かなりの動揺が伺える.
「んーでも,今の発言を省みるに,私はヴィヴィちゃんだと思う」
「私もッス!」
「私もそう思います」
「同じく」
……そう,言われると考えないようにしようとしていたヴィヴィの姿が自然と脳裏に浮かんでくる.
あの日嘆く私に口付けをしてくれたヴィヴィの可愛い姿が……
「赤くなった」
「なりましたね」
「ッス」
「―――図星のようですね」
オットーっ!と叫び声を上げかけ,これでは認める事になるではないか,などと思いながらも,脳裏には相変わらずヴィヴィの姿が…
『もう一度する?』と問われ,自身から口付けをした事を,思い出し…ヴィヴィの唇の柔らかさを,それをした時の心の安堵を覚え,
自身の頬が紅潮していくのが分かる.
しかもその後自分からヴィヴィが好きだ,なんて口にした事を思い出すともう……
「くっ……」
恥かしさに頭を抱えたくなったり,のた打ち回りたくなったりして,今すぐ逃げ出したいと思うものの,逃げられない.
「チンク姉様可愛い……」
ありがとう.けれど,そう思うのならば姉を解放して欲しい.是非.今すぐに.
「別に責めてるわけじゃなくて,皆嬉しいんだよチンクねぇ」
ふいに,セインが後ろから私の肩を掴み,声を掛けてくる.
「私達は戦闘するためだけに生まれたけど,でもそれでも,そんな私達でもそうやって恋をする事ができるなら…嬉しいんだよ」
「ノーヴェがいるではないか…」
「ノーヴェのそれも,本当に恋なのか遺伝子なのか分からなかったから.けど,チンクねぇとヴィヴィちゃんなら,
そんな事関係ないからね…だから,嬉しいんだ皆…」


666 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:53:52 ID:xm+YVQd9
「………」
「ま,チンクねぇは気にせずヴィヴィちゃんと愛を育んでくれれば良いの!」
「あ,愛……」
口にすれば,恥かしさがこみ上げてくる.ヴィヴィと一緒にこれから愛を育む事を想像すると,なんだかとっても…恥かしい.
けれど,心地の悪いものなどでは決して無い.
「まぁ,身長的にもお似合いだしね.体型的にも」
「セ,セイン…それは酷いぞ」
人が気にしている事を…などと憤慨しながら,ふいに思う.
ヴィヴィは成長するだろう.いつだったか,管理局の映像資料をヴィヴィの母に見せてもらった事がある.
なんだかとってもコンプレックスを感じる程に見事な成長を遂げていた聖王姿のヴィヴィ.
長い髪を母と同じくサイドに止め,またその左右で異なる色をした綺麗な瞳がよりいっそう映える容貌に.
私の手の平ではありあまる程の柔らかそうな乳房……さておき.ヴィヴィが成長したとき,私は成長しているのだろうか?
都合8年ほどこの姿のままなのだが……タイプ0,スバル・ナカジマとギンガ・ナカジマは成長しているのだから,私もその内,と思うのだが…
ヴィヴィが成長した時私は変わらずこの姿のままだとすると…う〜ん,などと悩んでいると,
「ここはこれの出番ッすね!」
と,いつのまにか席を外し,部屋に戻って何やら持ってきたウェンディが私に向かってそれを広げる.
『女性同士でも気持ち良い!』などと言うふしだらなタイトルがついた本を….
「ま,待てウェンディ…何故そんなものを…」
「え?必要かと思って」
いや,何故必要になると思うのだ,お前は.
「ウェンディ.是非次は私に」
…ディードも待て.何に使う気だ.
「もちろんOKッス!」
いつのまにか本当に仲が良くなったのだな,姉として嬉しい,とは思うものの…
「ウェンディ,私は,その…い,いらないぞこんなもの」
「えー!すごいっすよ?」
「……わ,私にはまだ早い!」
「『まだ』……ね」「『まだ』ですか」
セインもオットーも…
…あぁ,妹達は何故こんなにもそっち方面に強くなってしまったのだろう…姉はちょっと泣きたい.


667 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:54:44 ID:xm+YVQd9
…………
……ちなみにその頃のフェイト・T・ハラオウンさん

「…ふむふむ.なるほど.そっちも良いんだ…」
執務官室の椅子に座る彼女の手には『女性同士でも気持ち良い!』と書かれた本が.
何やら彼女にとって興味深い事が記載してあったようで,その表情は酷く緩んでいる.
ふいに,思い立ったかのように通信を開始する.相手は技術局に勤めるマリエル・アテンザ.
「マリーさんに頼めば手にはいるかな…?」
嬉しそうに笑みを浮かべながら,通信が開始され,そして暫くして終了する.
「―――――――――それじゃ,お願いします」
通信を終えたフェイトの表情は先程よりも尚,歪んでいた.少なからず紅潮している頬を見れば,ある種の性的愉悦を含んでいる事が直にわかる.
待ち遠しいな,と洩らすフェイトの太ももが僅か,擦り合わせるように動いていたのを…同室にいるティアナ・ランスターは確かに見ていた.
……いや,見るつもりはなかったんだ,とは彼女の弁である.
ともあれ,上司が仕事をほっぽらかして雑誌を読んだり私用の通信をしたりしている以上,残務は自身の下へ来るだろう.
同じく補佐官のシャリオ・フィニーノは今日は休んでいるのだから尚更….
「はぁ…今日は残業かなぁ……ごめんね,スバル」
「あ,ティアナ.これ読む〜?」
「は,はい!!!是非!」
…言いながら,即座にフェイトの所まで向かうティアナの姿.
フェイトから本を受け取り,満面の笑みを浮かべている辺り…どうやら,先程からフェイトを見ていたのは,本が気になっていたのだろう.
「スバル,ごめんね.今日はちょっ〜っと遅れそうだけど,私がんばるね」
一通り本の内容を眺めた後,最初からじっくり読み直し始めながら,そんな事を口にする彼女の瞳は,やはりどこか…潤んでいた……



668 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:56:38 ID:xm+YVQd9
椅子に座り,黒板をじっくりと眺めているヴィヴィを…横目で見つめ,その視線に気付いたヴィヴィがこちらを見て,微笑む姿に,紅潮する.
なんだか紅面症になった人のようだな,と思考はクリアなまま,少し俯いていた所,先生に当てられ,前に出て問題を解けと言われ,
席を立ち,黒板に向かおうとした所,
「がんばって…」
とヴィヴィが伝えてくる.
それに視線で答え,前に出て問いに答える.私にとっては特別難しくもないなんて事のない問題を解き,再び戻ってきた所に,
ヴィヴィがやったね!と嬉しそうに微笑んでいる姿を目に映る.
それはいつもと変わらない日常だった.
けれど,思いを告げ,思いを伝えられた後となっては,なんだかとっても気恥ずかしいやり取りにすら思えてくる.
再び,講義を受けるヴィヴィを時折見つめていると,漸く午前の授業が終わる.
「チンクちゃん,いこ!」
その掛け声に,ヴィヴィと連れ立って食事へと.
二人ともお弁当…ヴィヴィは母親に,私は,なぜだか料理に凝っているオットーに作って貰った…を手に,
自然と,どちらからともなく,手を繋ぎ,先日の記憶の御蔭かヴィヴィも私も少し気恥ずかしげな気分になりながら,屋上へと向かう.
屋上までの短い道のりを,けれど永遠のように感じながらゆっくりと進む.
「今日はフェイトママが帰ってくるの!」
と,嬉しそうに笑むヴィヴィに…しかし,相変わらず少し苦手意識を持ったフェイト・T・ハラオウンの話である.うっ,と強張ってしまう.
そんな私に気付いたのか気付かないのか,気にせずヴィヴィは続ける.
「だからね,今日はチンクちゃんの所にお泊りして良い?」
……一瞬,頭が真っ白になる.
「あ……い,いや.そ,それは構わないが…良いのか?」
「うん.たまにはお友達の所でお泊りするのも良いものだってフェイトママが」
なるほど.納得した.
本日の,特に夜中のヴィヴィの母親の事を思ってしばし黙祷する.明日,腰が抜けてヴィヴィのお弁当が用意できなくならないように,祈るばかり.
厄介払いのように思えなくも無いが…実際問題Win&Winだろう.皆喜ぶ選択である.たまには夫婦水入らずの時間も欲しいだろう…
それに,私はヴィヴィと一緒に寝たりできるのだし…はっ!?
「チンクちゃん,顔赤いけどどうしたの?」
「な,なんでもない.そうか,ヴィヴィが今日家に泊まりに来るのか……」
「うん!楽しみ!」


669 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:57:29 ID:xm+YVQd9
というような会話をしながら,屋上に着き,いつものようにベンチに座って食事を開始する.
時折,互いのお弁当を交換しながら,安穏とした時間を過す.
そういえば,以前お弁当誰に作ってもらってるの?という質問をされ,妹だ,と答えた時にヴィヴィが凄い不思議そうな顔をしていたのを思い出す.
その説明として一応の私達の経緯を説明したのだが,その際にヴィヴィに『チンクお姉ちゃん!』と呼ばれそうになったのだった.
確かにヴィヴィにも姉のような対応をしているとはいえ…その,あれだ.
私は,ヴィヴィには『お姉ちゃん』じゃなくて『ちゃん』だけで呼ばれたかったのだ.
それを説明する事は非常に照れたのだが…それを告げた時のヴィヴィの笑顔は今でも覚えている.
にぱっと,まるで太陽のような笑顔を見せながら,私に抱きつきむちゅ〜っとばかりに頬にキスをしてくれたのだった.
……ついでに,唇で良かったのに,なんて恥かしい事を考えていた事も思い出してしまい,紅潮してしまう.
これだから,妹達にからかわれるのだろうが…….
「それでね,それでね」
嬉しそうに身の回りの事や,母親達の事を告げるヴィヴィ.そこに嫉妬など湧きようも無い.
「そうだ.ヴィヴィ」
「うん?」
「折角泊まりにくるのだから二人で料理でもしてみようか」
「あ!うん!」
「良し.では何を作ろうか相談でもしよう」
「うん!たのしみ〜」
こうやって一歩一歩私達は進んでいくのだ.これをセイン風に言えば,愛を育む,という事になるのかもしれないが,
ただ,今はそんな事も考えずに二人の時間を過ごしていきたい,とだけ思う.



…………
……ちなみにその頃のフェイト・T・ハラオウンさん その2

「それじゃ,ティアナ後宜しくね」
「あ,はい」
言いながら,執務官室を後にし,地上へと戻るために色々と手続きをしながら,地上へと.


670 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:58:18 ID:xm+YVQd9
高町なのはの邸宅へ向かう前に,仕事中にした約束の物を受け取りに地上本部にいるというマリエル・アテンザの下にフェイトは向かう.
「あれ?フェイトちゃん.帰ってきたんか?」
数週間ぶりに愛車に乗り,こちらにも少しは構わないと拗ねるかもしれない,などと思い全力全開!とアクセルペダルを踏みしめ,
管理局地上本部に訪れたフェイトを待ち受けていた,わけではないがフェイトを見つけ近寄ってきたのは,八神はやてだった.
「はやて!うん,ちょっとなのはに用事があってね」
「……聞かん方が良さそうな用事やね」
「………別にいいけどね」
触らぬフェイトにタタリなし,とばかりにはやては目を逸らす.
大きな事件もない今現在では比較的自由に休暇を取る事が出来るとはいえ,執務官というのは忙しい職業である.
それを,なのはに会うために帰ってくるなどと,言っているフェイトに何をしに?などと聞く勇気ははやてにはなかった.
「そ,そうそう,フェイトちゃん.シグナムがさびしがっとったで?」
「シグナムが?」
「この間のフルドライブありの摸擬戦のおかげで普通の訓練じゃものたりんらしくてなぁ…」
「……あー」
そういえば,とフェイトは先日の事を思い出す.
シグナムが余計な事を言ってくれた事に対する,落とし前を付けさせるとばかりに行なったフルドライブありの模擬戦.
なんだかんだと,久しぶりに全力でやれた御蔭でフェイト自身も,楽しかった,と思っていた.
またやりたいといえば,確かにそうなのだが…と,口にしながら
「今日はなのは『の』訓練だから,また今度って伝えておいて」
「あ〜……うん,そか…なのはちゃん『の』訓練かぁ……」
「うん.なのは『の』訓練だよ.なのは耐えられるかなぁ,ちょっと心配だけど,大丈夫だよね?ね?はやて?」
「う,う〜ん.そう言われてもやな…」
「ほら,あれだよ.読んでないの?今月号の特集」
「いや,なんであたしがそんな雑誌を…はっ!?」
「言わなくてもどの雑誌か分かるって事はやっぱり読んでるんじゃないか…」
「いやいやいやいや,見てない!毎月連載してるおっぱいの揉み方講座なんて!」
「………はやてはやっぱりそこなんだ」
「うっ!」
今度から,なのはちゃんに用事のある時のフェイトちゃんには声を掛けないでおこう,と硬く誓ったはやてであった……


671 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 05:58:58 ID:xm+YVQd9
「失敗しちゃったね」
浴槽に浸かりながら,残念そうに,けれど嬉しそうにしているヴィヴィに少し不思議を感じる.
残念だけど嬉しいなどという感情は,私には,そして私の妹達にもない.事実良く料理をしているオットーに至っては失敗したものは即座に破棄.
私も特にそれを咎める事もなければ,それを褒める事もない.
それを省みてのヴィヴィの反応は,私達には不可思議な事だった.
折角一緒に料理をして,失敗したものはなんとも出来そこないといった料理だった.
けれど,ヴィヴィは…そして一緒に私はそれを食し,美味しくないね,今度はもっと巧くできるかな?などと会話した後に,
こうして一緒にお風呂を入るに至ったのだが…
失敗したものを食べるという事もなかった私や私達.けれど,それをやはり残念そうに嬉しそうに食すヴィヴィ.
なんとも不可思議だ,と思っていた私に,ヴィヴィは一言…
「一緒に料理して,失敗して.けど,チンクちゃんと一緒だったから楽しかったの!」
と.
あぁ…なるほど.
確かにそれは,私も分かる.一緒に試行錯誤しながら,妹達がそんな私達を見ながら心配しているのは…ひどく,楽しかった.
なるほど.
そう云う事か,とヴィヴィと一緒の浴槽に浸かりながら思う.
これだから,これだから,ヴィヴィと一緒にいるのは楽しい.この時間をいつまでも堪能していたいと思うのだ…この浴槽でのひと時さえも…
「チンクちゃん,もうちょっとこっちこっち!」
ふいに,ヴィヴィが私を呼ぶ,といっても元々さほど広い浴槽ではないので,対面になって座っていたわけだが…
これで,どうそっちにいけと?と,思っていたらば,ヴィヴィの方から寄ってきた.
後ろ向きで.
つまり,私の股の間に入るようにして,躰を私に預け…上を,私の顔を見つめてくる.
「遅いからきちゃった!」
嬉しそうに言いながら,私に背を預け,ヴィヴィは目を閉じる.もうそろそろ眠くなってくる頃合だというのは分かるが…
「ねぇ,チンクちゃん」
「どうした?ヴィヴィ?」
「チンクちゃん,暖かいね」
「う……まぁ,それは」
「うん.暖かい……あのね,チンクちゃん」
「うん?」


672 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 06:00:08 ID:xm+YVQd9
「大好き……」
「っ!」
瞬間,湯の所為ではなく,顔が火照り始める.なんでこんなに唐突にそういう事をいうのか,この子は,なんて・・・思いながらも
隠せない喜びが,沸いてくる.それが,ヴィヴィにも…多分伝わっている.
どく,どくと心臓の鳴る音が自身の耳に届く.実際にはそんな音は出ていないのだろうが,けれど…確かにそれが聞こえる.
ヴィヴィにも伝わるように,大きな音を立てて.
「チンクちゃんがくるまでヴィヴィオ寂しかった.こんな目してる子…他にいないもんね,気味悪いって……」
そう,言われたのだろう.子供は残酷だ.『同じ』ではない事を恐れ退ける.
けれど,それでもヴィヴィは持ち前の明るさでがんばったのだろう.
だから,私が転入した頃にはそんな影が無かったのだろうが…けれど,それでもヴィヴィの心に少なからず傷跡を残していたと…
「そんな事はない.ヴィヴィの目は綺麗だ」
「あ…ありがとう……それで,でも,チンクちゃんは何も言わなかった.ヴィヴィオの目を見て,ただ綺麗だって…」
「あぁ…」
「それだけじゃないけど……チンクちゃんと会えてヴィヴィオ嬉しい」
「あぁ.私もだ」
そう口にした瞬間,ヴィヴィが目を閉じたまま微笑む.本当にそのまま寝てしまいそうに穏やかに.
そして,少し顔を逸らし,私が向かいやすいようにしながら,唇を尖らせる.
それの意味がわからない程,私は…あぁいや,言葉は無粋だ.
「んっ……」
浴槽で,生まれたままの姿で,お互いを抱き締めながら…私とヴィヴィは確かに…そう,確かに繋がっていた……
それは幼い,拙い繋がりだろうが…それでも,お互いを思い合う気持ちを感じ取っていた.
私達はまだこれで良い.雑誌に書いてある事とかそんな事なんて…必要ない.
ただこれだけで私達は幸せだ,とそう感じられるのだから.






673 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 06:00:47 ID:xm+YVQd9
…………
……ちなみに余韻をぶち壊すその頃のフェイト・T・ハラオウンさん その3
【Sound Only】

「フェ,フェイトちゃん!そ,そこ違うよ!?」
「うん,大丈夫だよ.こっちも良くなるんだって……ほら…」
「ぅっ!んっ・…だ,だめだよそっちは〜」
「そんな事言ってるけど,こっちは…ほら,ひくひくって私の指くわえ込んで離さない」
「そ,そんなこといわないでよ〜って…………え”?」
「こっち専用バンドをマリーさんに作ってもらったんだ.どう?」
「ど,どうって…フェ,フェイトちゃん…そ,そのそれ本当に……?」
「うん.だからこうやって今ほぐしてるんじゃないか」
「や,やめよう?ね?フェイトちゃん……」
「ん〜,でも,私見たんだよ……ねぇ,な・の・は?」
「え”……な,何の事かな?な,なのは分からないよ?」
「『特集号を読んだ.ちょっと興味が湧いたけど,でも…そんな事して欲しいなんて言ったらフェイトちゃんに嫌われるかも…』だったかな?
あの日記隠すの下手だよねなのはは.もしかして,わざと見つかるようにして私を誘ってるの?」
「あ…えっと,その……その!」
「さて,同意が得られた所で,イクヨ?」
「ま,まって!まってまだ心の準備が〜!?」
「大丈夫,躰の準備は出来てるよ?」
「フェ,フェイトちゃ〜〜〜〜〜ん!!!」




674 名前:(ω・`ミэ)ピチピチ[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 06:04:19 ID:xm+YVQd9
いじょー.

朝からお目汚し失礼.
34氏のようなしんみりしたお話を書きたいと思ったのですが,何故かこんな感じに…
精進してきます.
まぁ,次は多分ヤンデレなのはさんですが…

それでは,またいずれ.
山|(ω・`ミэ)ピチピチ
2007年11月05日(月) 23:13:06 Modified by nanohayuri




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