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合成生物学の安全性と倫理

合成生物学は新たな生命システムを組み立てるため、社会が得る恩恵も
大きい分、負の部分も大きいのです。すでに科学者はウイルスや生物マシンを
日常的に組み立てています。最近はスペイン風邪(高病原性インフルエンザ)
が作製されたというニュースをお聞きになった方もいると思います。
一部のウイルスは完全にゼロから組み立てられるため、テロリストに作製法と
材料がわたることは避けねばなりません。テロばかりではなく、軍事利用
されるかもしれません。不慮の事故で漏れ出すということもありえます。
特に、軍需産業には注意が必要です。
参考>バイオテロ対策の慶応大学研究室Wiki
http://biopreparedness.jp/
また、2008年7月に、合成生物学についても議論されています。
http://biopreparedness.jp/index.php?MEXTPJ#ws4th
(文部科学省)科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 安全・安心科学技術委員会 安全・安心に資する科学技術の推進について http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyut...
(日本学術会議・外務省・防衛省)学術フォーラム「生命科学の進展に伴う新たなリスクと科学者の役割」 平成23年8月29日 日本学術会議講堂 http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf/130-s-0829.pdf

しかし、いたずらに市民を脅かすのはよくありません。
実際はアカデミックな研究者はかなり厳しい規制のもとで実験しています。
日本では、どんなに厳しい規制がかかり十分な対処がなされていても
危険な病原体の研究は市民の反対により不可能な状態にあります。
これは危険な病原体が万が一流行した場合に、日本は外国に頼るしか
ないということです。

テロリストだけではなく、研究者の無邪気な好奇心こそが危険であると
言う主張も一理あります。商業主義と出合った時に自主規制がかからなく
なるかもしれません。例えばカナダのグループが世界社会フォーラムで
報告した「過度の遺伝子操作:合成生物学序論」などが参考になると
おもいます。あるいはTaqdotのニュースをチェックするのもよいでしょう。
「細胞を創る」研究会においては、社会学者、サイエンスコミュニケーターと
常に一緒に研究を進めていく方針が確認されました。
参考として「細胞を創る」研究とは? 〜科学・技術と文化の対話に向けて
http://www.f.waseda.jp/hideo-iwasaki/agora.html
を読んで見てください。
新しい学問を進めるに当たっては、研究成果について議論するだけでは
不十分で、これからできそうなことについても議論しなければなりません。
従って、科学者、社会学者、市民の話し合いが常に必要不可欠です。

同様の問題を孕むナノテクノロジーにおいても、研究者が一つ一つの論文に対して
コメントしていき、市民や企業の理解を助ける試みが行われています。
ナノリスクネットパネル http://www.riskcenter.jp/nanorisknetpanel/
どうようのサイトを合成生物学でも立ち上げませんか?

つまり合成生物学は遺伝子組み換え技術よりもパワーがあるぶん、責任も
重大になるわけです。21世紀の食糧難と資源不足を救う救世主になるか、
それとも21世紀のマンハッタン計画になるかは、人類の選択しだいです。
間違っても”使える最終兵器”にしてはなりません。
難しいから科学者に任せてしまうという姿勢は正しくないでしょう。



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2011年09月20日(火) 10:29:31 Modified by nonnatural




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