考察

現時点で明らかになっている記述を元に、推理考察を試みるコーナーです。

ハルヒシリーズの結末

『動揺』内でキョンが時間平面理論の比喩を参考にして
「全てのページにギャグを重ねていって、最後のページだけ
 ホラーになるんて納得できない。誰だってそうだろ?」
と独白している部分があるが、
直前のみくる云々の記述からこの独白への移行は
少々強引すぎる気がしないでもない。
これは、キョンの独白という形を借りた著者の決意表明ではないだろうか。
ファンの間でハルヒシリーズのバッドエンドを予想する声は少なくない。
(夢オチや妄想、メタオチ等もこの際バッドエンド扱いにしておく)
「そんなことはしない、きちんと作中世界の出来事として終わらせる」
という、著者の想いの表れとも解釈できる。
実際問題、暗いオチが待っているハルヒシリーズなど、
誰も娯楽として読みたくはないだろう。
また、アニメ化で更にファン層を広げた手前、
ビジネス的にも迂闊な展開や結末は迎えることができないと思われる。

キョンの本名

少なくとも、出席番号順的には谷口の1つ前に座っていたこと、
そのキョンよりも前に国木田が座っていたであろうことから、
苗字は「く」〜「た」間で始まるものと思われる。
(アニメ版では、国木田とキョンの間には二人の男子生徒が存在している)
名に関しては、「本名をもじってキョンになった」と本人が述べているので、
それに近い音を持つ名であろうと推測される。(例:キョウなど)

キョンの朝比奈みくるに対する好意的言動

単純に憧れの上級生という他に、後に確実な別離が控えていることにも
影響を受けていると思われる。
実際、キョンはその状況を竹取物語になぞらえている。

キョンの長門有希への言動

4巻以降のキョンの長門への言動は、その記述から察するに
おそらく恋愛感情に端を発するものではなく、
「父性の発揮」即ち父親が愛娘に向ける愛情と同義であると思われる。
当人には今のところそういった自覚はないようであるが。

キョンの属性(正体)

「機関」から「極めて普通の人」というお墨付きを貰っているキョンであるが、
自身にも他の4人のようなとんでもないプロフィールがあるのではないかと
時折疑っているようである。
もしキョンに属性があるとすれば、と考えた時、真っ先に挙げられるのが
「実はキョンが神なんじゃ?」など、安易に作品全体の秘密に
結びつける意見であるが、もっと地に足をつけて考えてみると、
既に答えが出ているのではないだろうか。

  • 『パートナー=選ばれし者』
 世の物語の中で、主人公は高位の存在に「選ばれる」事が多々ある。
 つまり、「ハルヒに選ばれた者」というそのフレーズ自体が、
 キョンの属性なのではないだろうか。見方を変えるとこういうことになる。

 ハルヒは女性である。女性は常に自分の理想とする異性像を求めるもの。
 今の現状を一変させるほど強力なそれは「白馬の王子様」という
 表現で語られることが多い。つまり、自分にとってのパートナーである。
 ハルヒは、自分の言動を理解してくるパートナーを求めたのでは
 ないだろうか。それは別に恋愛相手でなくても良いのだ。
 古泉達超能力者は、ハルヒが望んだから能力発現に至ったようだが、
 パートナーというのは能力というよりは適性と呼ぶべきもの。
 ハルヒは「そういう適性を持つ者と引き合わせて欲しい」と
 願ったのではないだろうか。
 時間遡行したキョンの影響で、ハルヒは北高に興味を持ったようであるから、
 「いずれ北高でそういう人と出会いたい」と願ったのかもしれない。
 つまり、キョンは「能力を授けられた者」ではなく「引き寄せられた者」
 といえるだろう。くじびきで一等賞を押し付けられたようなものだ。

 この推察には全く裏づけがないわけではない。
 それは、1巻「憂鬱」でのハルヒの入学当初の態度である。
 入学当初のハルヒは、極めて排他的な態度をとっておりクラスから完全に
 孤立していた。つまり、彼女的普通人には用がないという意思表示である。
 しかし、その後キョンだけはわりとあっさりハルヒとの意思疎通を
 成功させている。しかし、本来はキョンだってクラスの一生徒でしかない。
 その彼を受け入れるには、相応しい理由が必要なのである。
 その時の事をよーく思い出して欲しい。
 ハルヒはあることを習慣にしており、キョンがそれを指摘した。
 「曜日で髪型を変えるのは宇宙人対策か?」
 ハルヒは曜日毎に髪型を変えていた、当人はその目的がキョンの
 指摘通りだと認めている。だが、本当にそうか?
 それには、もう1つの目的があったのではないだろうか?
 即ち、パートナー適性を持つ者を引き寄せるという目的が。
 ハルヒ的パートナーは、自分の言動を理解してくれる者でないといけない。
 ならば、髪型を変える意図を正確に指摘できる者こそが、
 待望のパートナーであると考えたのではないだろうか。適性テストである。
 そして、それはまさしく彼女の目の前に現れたのだ。
 表面にこそ出さなかったが、ハルヒの心中では稲妻が迸ったであろう。
 まさにそれは運命の出会い、白馬の王子様の登場だったのだから。
 だからこそ、もう長髪は用済みとばかりにハルヒは
 キョンが指摘したその日に髪をバッサリ切ったのではないだろうか。
 ハルヒにとって、世界は自分の望みを何一つ叶えてくれない非情な
 ものでしかなかった(実際は違うのだが)。しかし、パートナー=キョン
 との出会いは、そんな中でたった一つ叶った願いなのである。
 ハルヒにとって、パートナーであるキョンの存在は何物にも変えがたい
 「証」なのだ。
 つまり、ハルヒのキョンへの態度の急激な変化は、上記のような
 「前提」でもない限り説明がつかないのだ。
 しかし、相手は生きた人間であり、良好な関係の成立には
 コミュニケーションは不可欠である。案外、当初のハルヒはキョンを
 逃がしたくない一心であれこれやっていたのかもしれない。
 無論、そこは男女の仲である。その後、女性であるハルヒが
 キョンを異性として認識し出すのは自然な流れといえるだろう。

総じて、以上の事からキョンは「パートナー属性の保持者」という
プロフィールを持つ者ではないかと推測される。
「機関」がキョンを「普通の人」としか判断できないのも無理はない。
キョンの属性は、超能力者や宇宙人等のわかり易い形をしていないのだ。
それは、「パートナー」「運命の人」「白馬の王子様」といった
非常に抽象的な属性なのではないだろうか。 

ハルヒの性格と魅力

この手のキャラはDQN女として忌避されがちであるが、
ハルヒに限っては高い人気を得ている。
その理由として、ハルヒの奇天烈な言動が、
我々誰しもが一度はそうであろう普遍的な願いに端を発しているからでは
ないだろうか。それ故に読者は共感を覚える事ができ、
尚且つひたむきに努力するその姿にエールの1つでも送りたくなるのだと
推測する。
つまり、ハルヒは我々の代弁者であり、代行者なのだ。

長門の趣味

長門は読書が趣味のようであるが、これはそういう「設定」を
入力されたという以外にも、理由があるのかもしれない。

  • 検証1「勝負事」
 運動面においては、情報操作能力もあるのでほぼ無敵レベルである。
 つまり、人並みでやろうとするなら手抜きするしかない。
 ゲーム面でも同じである。TVゲーム等の操作性が重要なゲームの類は
 長門の独壇場であるのは作中からも明らかである。
 アナログなテーブルゲームも同じである。テーブルゲームの多くは
 相手の手を読んでできるだけ有利な手を思い描くというのが重要だが、
 手=勝利の可能性の列挙など、長門には朝飯前だろう。
 つまり、対人戦が絡む勝負事は、長門を楽しませる趣味にはなりえない。
  • 検証2「推理物」
 こちらは要するに頭脳勝負事であるが、これも長門の独壇場であろう。
 古泉が仕掛けるイベント程度ならば、あっさりと見抜いていると思われる。
 ロジックで答えがでる類のものもまた、長門の趣味にはなりえない。
  • 検証3「創作」
 長門は、作中から知る限りでは自宅での料理はレトルトや出来合いの物
 ばかりのようである。合理性重視というべきであろうか。
 おそらく、創作の楽しみを知らないのだと思われる。

以上3点から解ることは、長門が人間が持つ多くの趣味の外に位置していると
いうことである。唯一、読書以外で継続的に興味を示しているのが
コンピ研のPCゲームであるが、他のゲームがどういう内容なのかは
不明なので何故興味を持ったのかという考察は難しい。おそらく、
ある程度の「ランダム性」を有する内容のゲームなのではないかと思われる。
 長門が読書を趣味にしているのは、れっきとした自身の趣味だからでは
ないだろうか。本には「物語」や「思想」など、人間のあらゆる要素が
詰まっている。高度な宇宙人的存在である長門にとって、それは
「稚拙ではあるが知性の産物」であり、惹かれるところがあったのでは
ないだろうか。事実、本に対するキョンの質問に「ユニーク」と答えている。
或いは、そこには、自分の知らない事が書いてあるからかもしれない。
即ち「有機生命体の持つ感情」である。8巻でキョンに恋愛物の本を
勧めたことからみて、そうした類の本を読んでいるのは確かである。
SFが好きな理由としては、宇宙規模の話という以外に、
人外の者が活躍する話が多いからかもしれない。
どうも、長門はウルトラマンのような宇宙人や鬼といった存在に
興味があるようである。キョンは、その点を「人外の人」という要素に
興味を抱いているのかもしれない、と言っている。
自身とそういった人外の人とを重ねているのかもしれない。

古泉の本性

今の性格表情は演技だという彼の主張を裏付ける要素はいくつかある。

  • まず「字」。作中の登場人物の筆跡は、ハルヒ=豪快な字、みくる=丸字、
 長門=見事な明朝体と性格に準じたものになっている。
 その際明らかになった古泉の筆跡は、キョンをして意外と思わせるほど
 「乱暴な筆跡」だったことから、今のような爽やかな性格ではなく
 かなり男らしい性格なのではないかとも推測できる。
  • 次に「勝負事」。野球練習ではハルヒのノックを軽くさばいたり、
 サッカーでは司令塔的役割を果たしキラーパスを出したりと、
 かなり運動神経が良い。「機関」に所属して以降に肉体的訓練を
 受けた可能性もあるが、野球に関しては子供の頃に嗜んでいたようである。
 しかし、テーブルゲームとなると途端に弱くなる。こうしたテーブル系は
 どちらかといえば頭脳戦であるが、古泉は勉強成績では秀才の部類に入る
 頭脳の持ち主あるから、これは不自然である。キョンが疑問に思う通り
 キョンのご機嫌取りに為にわざと負けているか、或いは理由があって
 負けているかのどちらかである。頭脳的勝負事で負ける場合、
 パターンとしては「深読みのしずぎ」か「欲張りすぎ」が挙げられる。
 しかし、深読みのしすぎでほぼ一年中負け続けることはないであろうから、
 マジで負けているとすれば欲を出しすぎて負けている可能性が高い。
 そうすると、上記の男らしい性格に通じる部分がないでもない。
  • しかし「趣味」の部分では上2つと違える一面が出てくる。
 古泉の子供の頃の趣味は「天体観測」というどちらかといえば大人しめな
 趣味である。子供の頃というのは、その後よりは大概やんちゃ気味である
 から、古泉=男らしい説にはマッチしない事実である。
 しかし、こちらを主として考えると、以下の推察に繋げることができる。
  • 注目すべきは、古泉が超能力発現時の事を振り返り、
 「気が狂いそうになった」「随分と怖い思いもした」と述べている点。

以上の点を踏まえると、次のような仮説が成り立つ。

  • 古泉の性格が変わったのは、超能力発現以降である。

おそらく、古泉は元々(今の演技仕様とまではいかないまでも)
理知的で爽やかな性格だったのであろう。しかし、思春期真っ盛りの
中学1年時に超能力が発現した事で、結果的に性格が変わってしまったのだ。
悪く言えば、性格が荒んでしまったのである。何しろ、彼を保護した
「機関」は敵対勢力と血みどろの潰しあいをしているような連中であり、
自身は神人とやりあわねばならない。まさに戦いの日々である。
しかも自分が望んだ事ではないのだから、その心中は察してやるべきだろう。
ハルヒと同じ学校に転入する為に演技を身に着けたとして、
その影響は本性の部分にも多少は出ているであろうから、今の古泉の本性は
転入前よりは幾分か穏やかさを取り戻した性格、例えばワイルドさを残しつつも、クラスで常に輪の中心にいた朝倉程度にはリーダーシップを発揮できる性格ではないだろうか。

谷口が必ずハルヒと同じクラスになる理由

谷口の正体が他の登場人物のように曰く付のものでない限り、
谷口がハルヒのクラスメートであり続けるのにも、
何か特別な理由があってもおかしくはない。
資料となる記述が少ないので妄想の域を出ないが、
こうは考えられないだろうか?

中学1年時は、本当に偶然同じクラスになったのだろう。
その時、谷口は入学早々にハルヒを口説いたかハルヒに告白したのでは
ないだろうか。あの女好きな性格である。可能性はかなり高い。
中学進学時のハルヒは、決意は秘めていても奇行をすぐに
実行していたわけではなく、多少のタイムラグがあったはずであるし、
何よりハルヒは美少女には違いなかったのである。
だが、結果はハルヒが断ったのではなかろうか。そしてその後しばらく、
谷口はハルヒ目当てで頻繁に何かとハルヒに絡んだのかもしれない。
ハルヒが男を拒まないようになったのは、断ったままだと
何度も言い寄ってくる男(谷口)がいた事に対する経験則ではないだろうか。

谷口のハルヒを避ける態度は異様である。
ちょっとやそっとの事があったぐらいではああいう態度はとるまい。
たぶん、何度も断られ続けるうちに、ハルヒが奇態を現し始めたので
ハルヒを避けるようになったか、その間に、
もしかしたら奇態に巻き込まれたのかもしれない。

しかし、それはハルヒと同じクラスであり続ける理由としては弱い。
肝心なのは、ハルヒが谷口をどう認識していたかということだ。
言い寄ってくる男は数多くいたらしいから、ルックス的な事が
同じクラスであリ続ける原因ではないだろう。
入学して最初に言い寄ってきた男が谷口だったからかもしれないし、
案外、谷口はハルヒの気を引きたい一心で、ハルヒの奇態に理解を示す風を
装った事があるのかもしれない。結果として、それらがハルヒの中で
言い寄ってきた数多くの男達の中から頭1つ分浮かんで見えたのでは
ないだろうか。無論、そこにそれ以上の理由はなく、
いわば東中三年間における自分の孤独をほんの少しでも紛らわせる、
ただそれだけの理由で谷口を同じクラスに置いておいたのではないだろうか。
高校入学してなお同じクラスになったのも、そうした無意識下における
孤独・不安対策ではなかろうか。

改変世界について

4巻の舞台となった改変世界であるが、これは随所に
改変者の意匠をみることができないだろうか。

  • 検証1「涼宮ハルヒ」の扱い
 改変者にとって、最も「邪魔」な存在なのがハルヒである。
 故に、ハルヒは北高以外の生徒として「再設定」されたのではないだろうか。
 
  • 検証2「古泉一樹」の扱い
 古泉の扱いは、かなり露骨である。改変者にとってハルヒが
 邪魔なのは上記の通りだが、おそらく他校の生徒にしただけは
 安心できなかったのだろう。何しろあのハルヒである。
 どこでイレギュラーな行動に出るか解ったものではない。
 そこで、更なる安全策としてハルヒと同じ高校に古泉を在籍させる
 ことにしたのである。しかも、「中途半端な時期に転入してきた」という
 オリジナルの事実はそのままで。実際、ハルヒはそんな古泉に興味を抱き
 半ば公然の仲になっていたようである。まさに、改変者は当て馬として
 古泉を活用したのであろう。

  • 検証3「朝比奈みくる」の扱い
 本来、未来人であるみくるはこの改変世界にいる必要がない。
 しかし、改変世界ではごく普通の北高の2年生として存在している。
 改変者がみくるを存在させたのは、まさに彼女がキョンにとっての
 突破口の1つだからなのだが、それ以外に理由がないだろうか。
 おそらく、みくるは無害と判断されたのであろう。本来存在させるならば
 ハルヒや古泉と同じ学校に存在させておけば良かったのだ。
 そうしなかったのは、みくるには頼もしいボディガードがいたからである。
 鶴屋さんである。実際、キョンはこの鶴屋さんに撃退させられている。
 つまり、わざわざ所属情報を書き換えるまでもなかったということであり、
 改変者にとってみくるは居ないのと同意義だったのではないだろうか。

  • 検証4「朝倉涼子」の扱い
 改変世界では、改変者及び改変世界の守護者的役割を担っていた
 朝倉だが、なぜ改変者は彼女をわざわざ守護者に選んだのだろうか。
 史実世界では、暴走したために消去された朝倉だが、案外、
 暴走する以前は改変者と良いコンビだったのではないだろうか。
 あまり的確に適応できているとは言い難い改変者と違い、朝倉は
 充分すぎるほど人間社会に適応できていた。
 史実世界でも、改変世界と同じように朝倉が改変者を
 フォローしていた可能性は否定できない。
 
改変世界は、改変者の改変願望と突破プログラムとが混じりあって出来た
非常に中途半端な世界ではある。しかし、その改変願望の部分には
改変者の本音が見え隠れしていると言えないだろうか。 

改変世界の長門の性格

改変世界では、本来の無口・無表情・無感情仕様のアンドロイドから、
読書好きで口下手な普通の少女へと設定が変わっていた長門だが、
この改変後の性格は、史実世界の長門の理想ということなのだろうか。
史実世界の長門は観察主体のアンドロイドであると同時に、
無類の読書好きでもあった。その読んだ本の中には、様々な性格の
キャラクターがいたことだろう。そこで得た性格情報に、
自分の心の琴線に触れるものがあったということなのだろうか。
或いは、単に消去法でそうなったとも考えられる。
ハルヒは元気娘、みくるはおしとやかな感じである。
そうなると、キャラが被らないようにするには残った枠内に収まる範囲で
検討するしかない。
7巻でのキョンとのやりとりをみる限り、他人のポジションや性格に
憧れを抱くということはないようであるから、
あくまで自分オリジナル路線での性格改変を考えたとみて良いようではある。

SOS団結成の真相

「ないなら作ろう」の発想からハルヒによって結成されたSOS団だが、
果たして表明しているような所信が結成の理由なのだろうか?
もっと、他の理由があるのではないだろうか。
この推察には時間遡行ネタも微妙に絡んでいるのだが、
結成までのハルヒの言動を順に追っていくことにする。

まず、ハルヒは北高の部活動に次々と仮入部していた。
そもそも、ハルヒが北高を選んだのは時間遡行したキョンが原因である。
その時ハルヒの中で、変化のない状況打破の有効な手段として
北高入学という選択肢が生まれたのだろう。
その後、いくら探しても姿がないジョン・スミスの件も相まって、
ハルヒの中で北高は「あやしい所」「変わった所」という認識になったに
違いない。そして、そこにジョン・スミスがいないにしても、
ジョン・スミスの痕跡が残るような部、或いは
変わった要素を含んだ部活動等があってもおかしくはないと考え、
仮入部を繰り返したとは考えられないだろうか。
事実、「少しは変な部活動があってもよさそうなのに」と述べている。
しかし、結果としてそれは空振りに終わった。怪しさの漂う部活動は
なかったのだ。

しかし、時を空けずしてハルヒは遂に出会う。
(その辺の事は、上記の「キョンの属性」項を参照されたし)
こうなると、ハルヒの中で優先事項が一気に変わってくる。
この時点で、ハルヒの思考は「いかにを自然な形でキョンを傍に
置いておくか」という一点に絞られていたのではないだろうか。
まず、恋人関係の成立は最も自然な形ではあるが絶望的である。
なにしろ、男を拒まない代わりに破局も早いと知られている上、
恋人は宇宙人かそれに準ずる何かが良いと言ってしまった事に対し、
一般人であるキョンがドン引きしたのは間違いないであろうからだ。
しかし、ようやく天啓が閃いた。無論、キョンとの会話がヒントであろう。
一緒にいても不自然ではない状況、即ち同じ部活動への参加である。
そして、できれば自分が主導権を握れる部活が望ましい。
それを裏付ける記述は幾つかある。
まず、名称が後付で、ものすごい適当である。
無論、ベースは時間遡行したキョンが叫んだアレなのだろうが。
次に、活動目的が明らかになったのはその後、古泉加入時であり、
これも後付感が漂う。
その面子も、実は適当に選んだということが2巻「溜息」で発覚した。
つまり、全てが後付けなのだ。それは、「キョンと一緒にいる」という事が
前提になっていたからこそではないだろうか。
実際、ハルヒはキョンに部活の内容を聞かれた時に「後で考えればいい、
まずは作る」と答えている。

そもそも、行動的なハルヒの性格からいけば、連続仮入部を終えた時点で
「じゃあ自分で作る」となって然るべきである。そうならなかったのは、
おそらくハルヒ自身が「作ったって誰もつきあってくれない」と
理解してことに加えて、そこにひょっこりとキョンが現れたせいで
思考が遠回りしてしまったからではないだろうか。
以上が、SOS団結成に対する私見である。

長門のアドリブ

「大きな分岐」やその他の様々な要素を加えて推測すると、
「未来人が望む未来=そのまま自分達の知る未来へと続く歴史」と
「宇宙人的存在が望む未来=自律進化の謎が解かれる未来=解明された自律進化の仕組みの恩恵を得て人類が今以上の存在になる未来へと続く歴史」の二択と
いうことではないかとも考えられる。

各勢力の立場と関係

ハルヒに対する「静観」や「現状維持」という3者共通の姿勢のままだと、
損をする勢力と得をする勢力に分かれることになる。

みくる派未来人の立場
  • みくる(小)の言では、彼女達は「ハルヒの起こした時空震」の原因を
 調査しにきたとされているが、
 今では「既定事項」を遵守する事に奔走している。
 つまり、みくる(小)とみくる(大)では目的が違う事になる。
 みくる(大)はみくる(小)の未来の姿であるから、
(小)から(大)までの間に何か決定的な発見(転換)があったことになる。
  • みくる派未来人は、ハルヒが不思議現象を発見する=ハルヒの力が
 発揮されるのが不都合であるという。それは、みくる達の未来に続く
 歴史ではハルヒは不思議現象に遭遇していなかったことになり、
 それがみくる派未来人にとっての「既定事項」ということである。
  • つまり、みくる派未来人達は朝比奈(大)の時代の意向で動いている以上、
 ハルヒに対して「静観」「現状維持」といった姿勢を通すことで
 得をする勢力である。そして、方針がそれ一択なだけに、
 ハルヒの力の発揮を望む他の勢力と必ずぶつかることになる。

情報統合思念体の立場
  • 彼らの目的はただ1つ、「自律進化」の可能性を探ることであり、
 その為にハルヒに注目している。彼らはハルヒを
 「もう二度と宇宙には生まれないであろう貴重な存在」とかなり重要視して
 おり、第1巻『憂鬱』ではハルヒ(とキョン)の一時的消失に失望したほど。
  • ただ、ハルヒの力は下手をすると自分達の存在が消されてしまう程
 強力な為、迂闊に手出しできず、またその力を恣意的に使用されても
 困るので、現在は「静観」という姿勢である。
 この姿勢は徹底していて、文化祭の映画撮影にてハルヒの周囲が改変され、
 機関と未来人が対応に四苦八苦していた際も一切干渉せず、
 観察を続けていた。
  • しかし、ハルヒが「人間」である以上、その寿命は約100年前後で、
 宇宙開闢以来存在し、また時間を超越する存在でもある彼らからすれば、
 100年などほんの一瞬のことであり、加えて時間の経過と共にハルヒの力が
 沈静化していることを考えると、本来ならば「静観」というわけには
 いかないはず。
  • つまり、情報統合思念体の目的が「ハルヒを介しての自律進化の解明」で
 ある以上、彼らは「静観」「現状維持」することで損をする勢力である。
 事実、朝倉涼子が属する急進派のように、ハルヒのリアクションを求め、
 独自に行動しようとする派閥も存在する。
 そして、首領派閥が入れ替わるなどで方針が変わった場合、
 ハルヒの力の発揮を望まない「静観」「現状維持」派の勢力と
 ぶつかることになる可能性は非常に高い。

「機関」の立場
  • 機関は、基本的に「ハルヒ=神」説と「現状維持」姿勢を採っている。
 しかし、この説は「ハルヒの死=世界の終わりなのでは?」という
 一番重要な疑念が拭いきれないでいる。
  • 「現状維持」という基本方針は、
 「ハルヒの死=世界の終わりではない」という事実が前提になければならず、 そんな事実は未だ判明していない事から、これはある種の賭けに近い。
 しかし、「機関」は他の2者とは違い「現代に生きる地球人の勢力」
 なのであり、「ハルヒ=神」説を本気で信じているなら、
 ハルヒが天寿を全うするまでには事の真偽を明らかにしなければならず、
 本来ならば「その時が来るまでわかりません」などと言って
 賭けにでている場合ではない。
  • つまり、「現状維持=ハルヒの力の発揮の防止」という意味であるならば、
 機関もまた「静観」「現状維持」することで損をする勢力である。
  • ただし、それらはあくまで「ハルヒ=神」説を採っている場合であり、
 その説から脱すれば、選択肢が途端に増加することになる。
 機関は現代人勢力なので、極端な話「既定事項を辿る未来」や
 「自律進化の可能性」がどうなろうがかまわない。
 今の時代さえおかしな事にならなければそれでいいのである。
 そういう意味では、機関は最も身軽な勢力であるが、
 他の2者からすれば厄介な存在であろう。
  • つまり、「ハルヒ=神」説さえ採らなければ、
 機関は「静観」「現状維持」してもしなくても損はしない勢力である。
 そういう立場であるから、他の勢力からアプローチがあった際には
 条件のよい方につけば良い。

3勢力に共通する点
  • 3勢力が困るのは、ハルヒによる「世界の再構築」「不思議現象の固定」
 である。極端な話、それ以外の力の発揮ならば、適度のスケール内で
 起きてくれた方が「時空震の原因」「自律進化」「神の真偽&超能力発生」
 の解明に役立つので、どの勢力にとっても好都合なはずである。
  • つまり、現状で「静観」「現状維持」を保っている3勢力は、
 本来なら最も適している「目的」と「手段」が噛み合わないという
 ジレンマに陥っていることになる。

こうした歪な組織間の関係こそが、物語上の最大の謎である(ハルヒの力の正体云々は、どちらかといえば設定上の謎)。
2006年06月21日(水) 18:05:29 Modified by organ18




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