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元記事 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080217-O...


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人権擁護法案 公権力抑止という原点に戻れ(2月18日付・読売社説)

 人権擁護法案に対する懸念は一向に解消されていない。それなのに自民党内に法案の国会再提出を目指す動きが出ている。当然、断念すべきだ。

 この法案は、2002年に国会に提出されたが、強い反対で廃案となった。法案自体に、数多くの問題点が含まれていたからだ。

 まず、人権侵害の定義があやふやである。「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」としているが、判断基準が不明確だ。

 その分かりにくい基準で人権侵害の有無を判断するのが、新設する人権委員会だ。差別や虐待の疑いがあると判断しさえすれば、裁判所の令状なしで立ち入り調査などができる強い権限を持つ。こんな“危険”な組織が必要だろうか。

 そもそも、国連規約人権委員会が法整備を勧告したのは、公権力による人権侵害を抑止するのが目的だった。

 人権委は、法務省の外局に置くとしている。名古屋刑務所での受刑者暴行事件のように、重大な人権侵害は公権力を行使する場で起きることが多い。

 刑務所や入国管理施設は法務省の所管だ。人権委が法務省の外局では、公正な調査ができるのか大きな疑問が残る。

 まして人権委の事務局には、法務省人権擁護局の職員をあてることが想定されている。地方事務所の仕事も、その多くが地方法務局に委任される予定だ。これでは、まるで法務省の出先機関ではないか。内閣府の下に中立的な機関として置くべきである。

 メディアに対する規制も問題だ。

 過剰な取材とされる「つきまとい、待ち伏せ、見張り」などは、メディア側がすでに自粛している。なのに、通常の取材活動に過剰反応し、人権侵害だと恣意(しい)的に認定する恐れがある。このメディア規制条項は削除すべきだ。

 地域社会の人権問題に携わる人権擁護委員の選任資格の問題も残されている。国籍条項がなく、外国人が委員になることも可能である。

 朝鮮総連など特定の団体の関係者が委員に選ばれ、批判的な政治家や報道機関を根拠もなく“告発”するケースも考えられよう。

 自民党人権問題等調査会で、鳩山法相は法案提出への意欲を示しつつ、「前の法案をベースにしないでフリーに議論してもらいたい」と述べた。

 だが、調査会では反対論が続出した。重大な疑問点が残されたままなのだから当然だ。法案はゼロから作り直すべきだ。公権力による人権侵害の抑止という原点に戻らなければならない。
(2008年2月18日01時45分 読売新聞)

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