PS3Video - SD解像度アプコン評価

SD解像度への圧縮のすすめ

最近のTVは地デジになりHD画質も増えましたが、正直何TBもあるうちのHDDもすぐに容量が逼迫してしまいます。アニメなど(特に深夜アニメ)は未だほとんどのタイトルがSD解像度などからのアプコンのようです。しかもこれらのアプコンの性能はあまり良くはないようで、それならSD解像度で保存して容量を1/4〜1/8程度にしても、閲覧時にPS3によるアプコンで広げてしまえば元の映像と同等以上になるかもという期待が。
どうせ映像的にはBDがリファレンスなわけで、地デジ(やBS)のあまり精度の良くないアプコンHD映像を保持していてもしょうがないわけです。極論かもしれませんが、PS3を持っている人にとっては下手なアプコンを掛けて帯域を上げて送られるよりは、その帯域でSDを劣化なく送ってもらった方がなんぼかましかもしれません(もちろんネイティブHDで送られるのが一番ですが、諸処の事情もおありのようですし)。というわけで、どれだけ画質の変化があるのか、PS3のアプコン機能はどれだけ優れているのかをチェックしていこうというのがこのページの趣旨です。

個別評価

評価方法

エンコード
1440x1080iのTS映像をaviutl + x264 + meguiを用いて720x540のMPEG-4 AVCに再エンコします。720x540にするのはプラグインのLanczos3縮小だと時間がかかりすぎるので、aviutlデフォのリサイズでも問題のない1/2縮小にするため。x264のパラメータは以下の通り。
--bitrate 2048 --pass 3 --stats ".\x264.stats" --aq-mode 0 --psy-rd 0.5:0 --qpmin 1 --qpstep 16 --scenecut 54 --min-keyint 1 --keyint 300 --8x8dct --partitions "p8x8,b8x8,i8x8,i4x4" --bframes 3 --b-pyramid --weightb --b-adapt 2 --ref 5 --mixed-refs --direct "auto" --me "umh" --subme 9 --merange 64 --sar 4:3 --threads "auto" --trellis 2 --deblock -2:-2 --interlaced --cqm "flat" --no-fast-pskip --no-dct-decimate
PS3の設定(基本的にデフォルト設定を用います)
ディスプレイ設定
  • 1080p
  • クロスカラー低減フィルター 切
  • RGBフルレンジ(HDMI) リミテッド
  • Y Pb/Cb/ Pr/Crスーパーホワイト(HDMI) 切
映像音声設定
  • フレームノイズリダクション  2
  • ブロックノイズリダクション  2
  • モスキートノイズリダクション 2
アプコン映像評価
PS3で映像評価する場合の注意点を何点か
  • TS抜きなどによるインタレース映像において、PS3内でIP(インタレース・ノンインタレース)変換が行われていますが、シーンが切り替わってから数フレーム(2〜3フレーム?)は安定した映像が出ていないようです。なので安定したと思う映像が出るまではコマ送りで進めてキャプチャする必要があります。
  • アプコンを掛けていない映像を出力させるには、一時停止して戻り側にコマ送りをさせればアプコンが掛かっていない映像になります。

評価により判明したもの

評価で判明したことを、Tips的にアップします
  • 同色系のエッジはアプコンしづらい
  • コンポジットマスターによるノイズ(色にじみ、偽色など)は、SD縮小によりいい感じで削減される
  • アプコンではないが、PS3VideoのIP変換機能(インタレースからノンインタレースへの変換)は、シーンの切り替え1〜2フレームは安定しない。そのためSD再圧縮時にノンインタレース化をしておく方がいい

履歴

Rev.1.3 2009/05/15 けいおん!追加
Rev.1.2 2009/05/06 x264エンコードパラメータ掲載、評価注意点掲載
Rev.1.1 2009/01/27 初版
Rev.1.0 2009/01/18 新規開始