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拡張ラテン文字辞典 - 拡張ラテンD】カテゴリです。
ここでは、ラテン文字ETH LATIN LETTER ETH 及び スモールキャピタルETH SMALL CAPITAL ETH を取り上げます。

LATIN CAPITAL/SMALL LETTER ETH - アイスランド語ETH大・小文字【Ð ð】

文字名称エズ / ETH
大文字Ð
小文字ð
文字部首D部
IPANo.131 有声歯摩擦音
IPA英意味VOICED DENTAL FRICATIVE
ユニコード(大)U+00D0、(小)U+00F0
文字参照(大)Ð、(小)ð
(大)&#ETH;、(小)&#eth;
LaTeX(大)\DH、(小)\dh
JIS X 0213(大)1-9-39、(小)1-9-70
仮名転写ズ[ð]
点字(アイスランド式)DOTS-12356《⠷》(U+2837)
点字(WBU90年式)DOTS-2346《⠮》(U+282E)
IPA点字DOTS-12456《⠻》(U+283B)
ASCII翻字X-SAMPA《D》, キルシェン《D》, ワールドベット《D》

LATIN LETTER SMALL CAPITAL ETH - スモールキャピタルETH【ᴆ】

スモールキャップ
ユニコードU+1D06
文字参照ᴆ

その他

上付き小文字
ユニコード(小)U+1D9E
文字参照(小)ᶞ

由来

  • 小文字《ð》はdのアンシャル体に由来。

解説

古英語や古ノルド語で使用された文字。現在でもアイスランド語やフェロー語など北欧諸言語の字母に含まれている。
大文字は、Dの左側に横棒を加線したものであるが、アフリカ・リファレンス・アルファベット(1978年式)ではアフリカンD《Ɖ ɖ》と同型のため、小文字を変形させた大文字が使用される。
人工文字としては、17〜18世紀ごろから英語にこの字母を復活させる目的で追加されていることが多かった。
現代英語の人工文字でもこの字母を取り入れる例が多い。
音声記号ではローミックがアイスランド語の字母の発音をそのまま取り入れ、IPAでもアイスランド語の字母の発音を取り入れている。

発音が異なる言語

フェロー語では、19世紀に語源に忠実な表記を示すためにETHが採用されたが、[ð]音が音変化の影響で以下の発音に変わり、語中・語末では前に置かれる母音・子音によって発音が大幅に異なる。
  • [j]音グループ……EI-, EY-, I-/Y-, Í-/Ý-, OY-.
  • [w]音グループ……Ó-, U-, Ú-.
  • ÐI[-jɪ]音或いはÐU[-vʊ]音グループ……A/Æ- ,Á-, E-, O-, Ø-.
    • 末尾がAの場合は無音になる(つまり、ÐA[-a])。
  • 子音字……ÐR[ɡr], GÐ[ɡd], VÐ[vd] ; ÐD[dd], ÐN[dn].
2009年に制定されたブラーフイー語 Brahui language ラテン文字では、有声歯茎そり舌音[ɖ]を表し、アラビア文字《ﮈ》に対応する。対になる字母はストローク付きT《Ŧ ŧ》である。

スモールキャピタル

ウラル音声記号では、無声化した[ð]音を示す。

点字

WBU 1990年式では、DOTS-2346《⠮》が基本字形で、DH[ð]音を示す非ラテン系文字の点字翻字もこれに当てはめている。
アイスランド式と現行のIPA式では微妙に点の位置が異なる(前者はDOTS-12356《⠷》, 後者はDOTS-12456《⠻》)。
フェロー語点字ではDOTS-1456《⠹》。

使用言語・文字

言語

・アイスランド[ð]、ヴォズギア[ð]、エルヴダーレン[ð]、古英語[ð, θ]、ゴール[ts]、古ノルド[ð]、ドニ[ð]、ノーン[ð]、フェロー[ゼロ, j, v, w, d, ɡ]、ブラーフイー[ɖ]、フリジア[ð]、ヤムトランド[ð]、ルイセーニョ[ð]

特殊文字

・IPA、†アフリカ・リファレンス(1978年式)[ð]、アメリカ音声学[ð]、アルファダズン[ð]、ヴィラル[ð]、ウラル音声学[ð]、OR-E[ð]、CanIPA、キリル翻字(KNAB式)[ð]、ケルト語学、サー・トーマス・スミス[ð]、新ピットマン[θ]、タッカー[ð]、タロッサ[ð]、トーアスクリプト[ð]、ヌスペル[ð]、ローミック[ð]
スモールキャピタル
・ウラル音声学[ð̥]、ソーントン[ð]

異体字

  • ゴール語の大文字は《Ɵ》のようにDの内部に横棒を収めた字形あるいは、横棒を伸ばした字形。ストローク付きDの説もある。
  • 1978年式アフリカ・リファレンス・アルファベットは大文字が《ɖ》のものと重複するため、《ð》を変形させた大文字を使用。SIL Encore フォントでこの字母が収録されている。
  • 韓国語フォントでは《ə》上部に短い斜線を付加したものが見られるものが多い。
  • Linguist’s社のフォントでは、ストローク付きD大文字との区別のために横線が内部に入らない大文字グリフがある。
  • 英語の人工文字のひとつ、サー・トーマス・スミス文字での大文字はDELTA【Δ】。

備考

・韓国のKS文字コードや日本語の“JIS X 0212”及び“JIS X 0213”では、D WITH STROKE《Đ đ》の大文字もETHに包括されている。

関連項目

対になる発音

参考HP

ラテン文字

【LATIN CAPITAL LETTER ETH - fileformat.info】
http://www.fileformat.info/info/unicode/char/00d0/...
【LATIN CAPITAL LETTER ETH - decodeunicode.org】
http://www.decodeunicode.org/en/u+00d0/properties 【Eth - Wikipedia】
http://en.wikipedia.org/wiki/Eth 【Voiced dental fricative - Wikipedia】
http://en.wikipedia.org/wiki/Voiced_dental_fricati... 【Brahui Language Board】
https://sites.google.com/site/brahuilb/

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記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
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  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

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