公共の交通ラクダ（RACDA）　事務局

拝啓　私は吉備線沿線に住む普通のサラリーマン、妻がいて子供がいます。今日はこちらで起こっている変化についてお知らせしたいと思いまして…
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ゆう太：「パパ、早く行こうよー」「約束の映画だよ−」
　今年最後の連休だというのに、ゆう太は寝かせてくれない。冬休み映画の「ドラえもん〜ウルトラマンの逆襲」に連れて行けというのだ。眠いが、約束だ、観念するしかないか。
　いつもどおり車に乗って出かける。お出かけと聞いてママがついて来ないわけがない。以前と違うのは…
ママ：「ねぇ、どうする？　吉備線で行く？」
　もちろんそうする。クリスマス直前で岡山市内の道は大渋滞しているに違いない。路面電車が走るようになった吉備線の駅には電車利用者のための駐車場が設置された。戻ってくるまで車は置いておけばいい。以前は駅まで来ても３０分に１本しか列車がなかったが、今は本数が増えて時刻表はいらない。備中高松駅と足守駅の間に新設されたのが、うちがよく使う小山新駅だ。
ゆう太：「あ、MOMOが来た」
　吉備線には路面電車MOMOが走っている。岡山駅前からの路面電車につながっているので、これに乗れば岡山の中心街に直通できる。運賃には家族割引があり、中心部の有料駐車場に車を置くことを考えれば損はしない。車窓から見える１８０号線は車の列が続いている。吉備線を選んで正解だ。皆が早く新しい吉備線の便利さに気づけばいいと思う。きっと来年の車窓は変わっていることだろう。
　岡山駅近く、私たちが乗ったMOMOは西口の再開発ビルの横を通って跨線橋を渡り、市内線の路面電車に乗り入れる。目まぐるしく変わるこの辺の車窓がゆう太はお気に入りだ。中央郵便局前の電停でMOMOを降りる。
ママ：「道が車で埋まっている。すごい渋滞！」「みんな電車やバスで来ればいいのに」
　ママはそんなことを言っているが、去年の私たち一家はあの駐車場待ちの列の中にいた。車の中でゆう太がグズって困った。もったいない時間の使い方をしていたものだ…。車列が邪魔になってバスが曲がれず立ち往生している。動けない車の横を、歩いている私たちが抜き去っていく。爽快だ。なぜこんなことが今までできなかったのだろう。でもやがて多くの人は電車やバスを使って中心部に出てくるようになるはずだ。吉備線沿線ではこの直通MOMOに乗って街に出るのが普通になりつつある。渋滞もなく、駐車場待ちの無駄もなく、車を停めた後の（駐車料金も！）心配がない。身軽で気軽なこの外出スタイルの評判は他の地域にも広がっていくに違いない。
ゆう太：「早く、早く！」
　ゆう太はもうドラえもんが気になってしょうがない。ママは映画の後の買い物と食事がお目当てだ。以前は駐車料金が気になって、用事が済んだら、急いで車に戻っていたものだ。
ゆう太：「パパ、起きてよ！」
　・・・映画がつまらなくて途中で寝てしまった。公共交通優待割引があるにしても、料金を払って寝たことはなかった。タイトルからして寝てしまいそうな気がしていた。このあとはゆう太のクリスマスプレゼントとママの買い物か…。表町には県内の特産物を扱う店もある。正月用品はそこで仕入れか？　おっと、安いのがあったら、ホットカーペットを買って帰ろう。
ゆう太：「良かったね。最後にはウルトラマンが機嫌なおしてくれて。」
ママとゆう太は映画の話題で盛り上がっている。じゃ、買い物に行くか。
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　…と今日１日、家族サービスをしてきたところです。お手紙をしたのは吉備線が路面電車化して、中心部直通運転を実現することの便利さに感激したからです。ああそう、今日買ったホットカーペットなどはICカード乗車券と連動した宅配サービスで家に届きます。このサービスにはいつも重宝しています。明日はゆう太のクリスマスプレゼントをサンタの格好で届けてくれるでしょう。吉備線の中心部直通で都心も私たちも大きく変わりました。この身軽で気軽な外出スタイルが１日も早く他の地域に広がることを切に願います。

■昨年末の１２月１６・１７・２３・２４日そして年が明けた１月４日、岡山市中心部である 表町周辺では、終日ひどい渋滞が起こっていた。いつもであれば、ノロノロ運転にせよ多 少なりとも車の流れが あるものの、今回の渋滞ではビクともしなかった。一体何が起こっていたのだろう？
■南行は柳川交差点付近まで、北行は大雲寺交差点付近まで、ともに車列が出来ていた。それらのほとんどが、中央郵便局前交差点で東へ折れて県庁通りへと向かっている。
■行ってみると（県庁通りは東行一方通行の２車線道路だが）、この道の両端に駐車 場へ入るための列が出来ているではないか。これが大渋滞の原因だ。この為に、通行出来る車線は実質１車線になってしまっていた。
■その結果、バスターミナルに入ろうとするバスが角で曲がれず、交差点で多数立ち往生する羽目になった。バスまでも数珠つなぎだ。バスの動線を無視した一般車の停め方が原因である。
■あるバス運転者に聞くと、ひどい時は岡山駅⇒天満屋間で１時間かかったこともあるという。通常なら１０分程度の距離である。この対策として、最近では年末年始やお中元シーズンなど車が多くなる時期には、一部バス路線の替道運行を実施することがあるほどだ。
■もちろん、この状態は正常な交通の姿とは言えず、改善しなければならない。駐車場へ入るために待つ人は良いのかもしれないが、それとは関係のないバスの乗客からすれば耐え難いものがある。その為にも、まずは個々の人がもっと、公共の交通機関を使うという意識を持ってほしい。多くの人が車から公共交通機関に利用を転換すれば、このような渋滞は発生しないはずだ。

□岡電バス［津高台団地・免許センター］
　＜運行終了＞１月４日より中鉄バスのみの運行になりました。
□中鉄バス［岡南飛行場・労災病院］
　＜運行終了＞１月４日より岡電バスのみの運行になりました。
□中鉄バス［奥田経由　新保万倍線・福富西線］
　＜路線移管＞１月４日より岡電バスに運行会社が変わりました。
　＜乗場変更＞岡山駅・・・３番のりば　天満屋・・・２番のりば
□岡山空港リムジンバス
　＜共同運行＞１月１日より岡電・中鉄の共同運行に変わりました。
　＜乗場変更＞岡山駅・・・１番のりば　岡山空港・・・２番のりば（旧４番のりば）
□岡電バス［岡山駅バスターミナル］
　＜乗場変更＞●築港元町・中央市場・・・４番のりば　●三野・妙善寺・・・３番のりば