RACDAブログ 原発事故以後の特集
平成23年3月12日 地震と原発
今回の地震、やはりリアス式海岸の被害が大きいようだ。先般の盛岡での講演のとき、宮古に行きたかったが、それはリアス式海岸を見ておきたかったからだ。
テレビのニュースでは、当初仙台空港あたりの模様が実況中継されたが、あそこであれだけ被害が出たなら、リアス式海岸は大変なことになっていると想像した。陸前高田ではおそらく数千人がわからなくなっているのではないか。阪神大震災以上の被害になっているだろう。
さてやはり原発は予想通りの事故を起こした。地震国日本に、原発はいらない。あってはいけないことを人々はやっとわかってくれるだろう。だからＬＲＴや公共交通の充実で、できるだけ石油や石炭の化石エネルギーに頼らない社会を作ることが日本の国防なのだ。ばかな政府だから、とくに経済産業省は原発政策を推し進め、「クリーンなエネルギー」などといってテレビで大々的に宣伝してきたが、どうだろう、これで見直さなかったら、それこそ大馬鹿政府と言うことになる。
東京を直撃はしなかったが、東京のエネルギー原たる原発群は壊滅したに等しい。しかしもっと怖い原発がある。愛媛県の伊方原発のように、東西の中央構造線上にあるのもある。東京の住民はまだまだ今回の事態を呑み込めていないだろうが。こういう津波は東京の地下鉄を全部水没させるだろうし、静岡の原発がメルトダウンしたら、東京は住めなくなる。原発は、国後島でも買って作るしかない。
それにしても痛ましい事態だ。こういうとき、すぐには国も行政も守ってはくれない。大事なのは、自分で自分をまず守る知恵と行動だ。そしてこうした地震や津波は、東海でも南海でも起る。この教訓をどれだけ生かせるか、我々の知性が試されている
これで国会の泥試合も終息するだろう。小沢氏はこういうとき、何か言ったどうなのか。地元だろう。チュルドレンはどうなったのか。政治的メッセージをひとつもださないのか。牛耳ることしか知らないのか。
平成23年3月15日 原発報道について
原発報道
私はＮＨＫの中国地区番組審議会委員をやっているので、今回の地震や原発の報道について、あさっての広島の会議で意見を述べようと思う。
ＮＨＫのニュースはともすると、政府など行政発表に頼る場合が多い。しかし東電の発表は右往左往した、意味のわからない発表であり、それを垂れ流すのではかえって不安をあおる。大至急そういう場合は、解説を加えないといけない。
今回の一連の発表には多くの議論のすり替えや疑問が感じられる。たとえば原発周辺の放射能数値は１時間あたりで発表。一方人体の影響は１年単位だ。１時間と１年では２４×３６５＝８７６０ということで約９０００倍の差だ。報道機関たるや、すぐにこうした解説を入れるべきだ。
またマイクロシーベルトとミリシーベルトの使い方にも発表のごまかしが感じられるが、さっきのニュースでは至急に解説をしていた。しかしそもそも首相のコメントで「単位が違うから」という表現でなく、単位が１０００倍だから」とはっきり言うべきだし、ＮＨＫは即にそこで解説を入れるべきだったろう。
こういう内容を言おうと思う。菅首相は今朝早く、東京電力に乗り込んだ。これは辻元補佐官などの投入の効果が出ていると思う。最近、交通基本法関係で辻元さんと数回意見交換する気があったが、なかなかできる政治家に育っていると思う。こういうときは、東電の官僚的職員、経済産業省の官僚的広報官などでは埒があかない。そもそも記者会見というのは、隠すためにやるのでなく、相手に自分をわかってもらうためにやるのに、どこの広報官もそういう訓練ができていないようだ。またこうした大企業の幹部は現場を知らないエリートばかりだから、自分で記者発表することさえできない。
東京電力も政府も、まず鉄道を止めるのでなく、大企業の操業を止めて電車の電力を確保するべきである。とりあえずすぐに必要のない、（実際は止まってしまうが）自動車、家電などの生産は止めるべきである。ライフラインを先に止めてどうするのだ。「原子力がなかったら困る」というキャンペーンの可能性がある。
東京から避難を検討しておけ
３０ｋｍの自宅待機命令は、事実上の退去命令だ。５０ｋｍ程度がとりあえずの風上の安全範囲だろう。約２００ｋｍ離れた東京在住の、学生など、とりあえず帰省することのできる人々は、至急新幹線の動いているうちに、関西などに避難するべきだ。それは節電にもつながる。１週間もすれば状況もわかるだろう。東京だって風下になれば危険だ。
詳しくはウィキペディアの下記「被爆」を参照されたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D
福島第一原発の４００ミリシーベルトは、白血球が減少するレベル。３０００−５０００では半数が死亡。７０００以上では全員死亡。５００だとリンパ減少。１０００で吐き気嘔吐。２０００で脱毛。１９８６年のチェルノブイリ事故では、１３０ｋｍ離れたゴメリ市で脱毛減少が出たという。
チェルノブイリの時は、風に乗って北欧でも大問題となった。
チェルノブイリの時も、１９７９年のスリーマイル島の時も、政府の発表は常に後手後手にまわるものである。なぜなら避難による混乱、経済への影響を考えざるをえないからで、それは理解してあげよう。また誰しもそうだが、サラリーマンとして勤務している以上、上司が逃げろと言わないかぎり、職場放棄になるから、つまり首にはなりたくないから、避難しにくい。あとは自分の判断だけだ。
今ニュースで、新宿でも０．８９マイクロシーベルトの放射線を確認したらしい。通常の２２倍。この数値、０．０００８９ミリシーベルトという意味である。この数値、１年間浴び続けると、Ｘ線ＣＴ１回分の被爆量ということだ。
東北ではガソリン不足でバスが動かない。
山形の知人から、さっきメールがきた。軽油不足でバスもあぶないという。青森でもバス会社がもう燃料がないと言っている。こうなるとガソリンも当然不足しているし、原発被爆から避難することもままならない。通常風は西から吹いて、天気も西から東に動く。だから福島原発は風下になる確率の一番高い位置にある。けれども風はいつも変化している。風下にいたアメリカの空母は、放射能を検知して、そそくさと逃げている。原子力空母が逃げている。
平成23年3月17日 歴史的一日
今日は広島でＮＨＫ番組審議会があり、震災と原発について、色々深い議論をやった。私は、一昨日予告した内容を発言した。今日の審議会は、原発の放水がどうなるか、という重大な局面の中で行われ、何か異様な雰囲気でもあった。
新幹線
ところで岡山からの新幹線は平常通りに動いている。一昨日のＲＡＣＤＡ幹部会では、原発問題についても議論した。なんと東海道新幹線が支障なく動いているのは、作るときに６０ｋｈｚで電化した関係で、電力供給は中部電力から受けているのだそうだ。だから電力が足りてる。しかし新幹線を走らせるには原発１基分もいるとか。その原発の発電量は１基あたり１００万Ｗともいいますが、実際には今回の福島のはたとえば１号炉は４０年前の旧型で、発電量も小さい。しかし今後計画している７−８号炉は１３７万Ｗだそうですよ。もっとももう作れはしない。
「電車を走らせるのも原発の電力がなければいけないから、ＬＲＴだってそうでしょ」と原発反対論者から攻撃されたことがある。今回確かにそれも証明されたわけだが、だからといってエネルギー効率からいえば、自家用車やバスよりも鉄道ははるかに効率的なわけだ。またＲＡＣＤＡ会長は車に乗るのはおかしい、とも言われたことがある。
そういう極論を言われても困る。今日の番組審議会でも公共交通についての議論があった。原発にしろ、官僚制度にしろ、過度に自動車に依存する社会にしろ、それを是正する必要はあるものの、だからといってどうしてそうなったかという歴史的経緯を考慮するべきだし、それらに依存する利益集団を納得させて政策変更するのは、時間と手間がかかるのだ。
エネルギー政策とＬＲＴ
私は企業家だったから、環境問題に理解があったわけではないのだが、１９９７年の岡山での路面電車サミット以来、環境団体から講演に招かれるようになり、ちょうど京都議定書の年でもあって環境問題について勉強した。その結果、ドイツやフランス、アメリカのエネルギー政策と交通政策の連動、さらには国防政策との連動に気がついた。だから資源がない日本は、唯一自給できるお米の生産を重視するべきだし、さらに狭い国土での原発は何か事故がおこると危険だし、エネルギー危機がくれば、過度に自家用車を利用するライフスタイルは一瞬にして破壊されると気がついた。
だから日本のエネルギー政策では、もっと自然エネルギー、太陽光発電、地熱発電、風力発電を増やし、せめて原発５基分とかの目標を設定する必要がある。公共交通重視は石油依存を減らせる。ＬＲＴの推進市民団体を全国に広めようとしたのは、こうした意識のもとに、日本のエネルギー政策をソフトランディングさせようという国家間から出たものだ。私の講演を聞いた人々は、それに感激して仲間になってくれた方々が多いと思う。
今日の政治的意味
さて今回の震災は、「関東大震災」と同程度に、歴史的な出来事だ。おそらく今から日本の社会が大きく変革していくだろう。少なくとも一昨年の民主党政権誕生以上の意味があるだろう。そしてこの国難は、どの政権であっても解決困難な課題だ。民主党の小沢氏が仕掛けていた倒閣運動が、雲霧散消したのも、名古屋の河村市長の地域政党勝利の影が薄くなったのも、何か運命的なものを感じる。どちらも少しうさんくさかったわけだ。こうした国難では、どんなパーフォーマンスも通用しない。この国難の中で、国のトップリーダーの求心力が問われているのも事実だが、少なくともこの数年の政争があまりにレベルが低かったかということが証明されたようなものだ。
ところで民放は昨日あたりから、普通の放送を始めたが、これから経済的にも大打撃を被った関東を支えるためにも、関西が一致団結して、あまり自粛などせず、どんどん経済を動かしていかないと、景気が悪くなればますますお金が詰まっていく。そういう意味で、暗い話題だけではいけない。あの太平洋戦争でも、ちゃんと慰問団という歌手などの派遣が行われていたよね。コメディアンやアーティストが、慰問団を結成して、避難所をまわるという救援の仕方もあるということだ。
原発放水
今日の番組審議会でも指摘したのは、東京電力や政府の発表がとても下手だということだ。官房長官とは、いわば政権のスポークスマン。と同時にその発言は並みの大臣以上の影響力がある。アメリカや中国のスポークスマンの力強さは、ともかくいつも説得力があるように見える。ところが今回特に東京電力や原子力保安院の広報のなんたる無能なことか。結局現場を知らないだけでなく、胆力不足、世間知らずを露呈していて、何のために記者発表してるのかさえわかっていないのではないかと思う。
１５日のブログで書いたように、まず言葉が専門的すぎて、数字にもごまかしが多い、次に質問されても答えられない、さらに対策というものはいくつかのシナリオがあるはずなのに、その多様な可能性についてしゃべる権限を与えられていないということだ。これだけの事態だから、東京電力は役員が記者発表するのが普通の企業だと思うのだが、誰も出てこない。社長はわずか１回、つまり答えられる能力のある役員は一人もいないということを表している。こんな企業に我々は安全を託していた、しかもほとんどの人はそれに気がついてもいなかった。
今朝の自衛隊ヘリコプターの放水には、正直言って落胆した。見るからにほとんど風に流されていた。百聞は一見にしかず。また新幹線には、避難する子連れのお母さんが多かった。三十六計逃げるにしかず。今の東海道新幹線は毎時１０本はのぞみを走らせられる。朝６時から２０時まで１４時間、また１本１４００人位は座れるのですから、東京脱出には１日で１０×１４×１４００＝１９６０００で、毎日２０万人は運べる。もし福島の原発がメルトダウンをおこして、３００ｋｍ範囲の避難命令を出す必要があれば、関東にいる４２００万人全部を西に避難させる必要がある。上越、長野新幹線を使ってもせいぜい毎日４０万人というところだろうか。ということは１００日かかるということだ。「日本沈没」という映画を思い出す。そういう悪夢さえ今日の昼には考える必要があった。
チェルノブイリやスリーマイルはわずか１基の原発の事故だが、今回はまとめて４基、さらにそれが手遅れになれば、５号６号からも人は退避、さらに福島第二原発も同様になる。そういうシナリオを想定すると、どんなことがあっても今日解決の糸口を探さなければならなかった。そういう歴史的一日だったと思う。
ヘリがだめ、警察の放水車がだめ。最後に自衛隊の放水車は、航空機事故のためのもので、ようやく３０ｔの放水に成功。水槽には２０００ｔの水が入ると聞いたときにはぞっとしたが、今日の温度上昇分をカバーするには５０ｔでもいいと聞いて、少し安心。こうした数字をもっと記者会見ではだしていかなければならない。
人はミスをする。機械は壊れる。自然には勝てない。そうした思想は、ＮＨＫの解説をやっていた柳田邦男さんがいつも言っていた。僕はその著作で「フェイルセイフ」という発想を知った。だから「オール電化住宅」なんて電力会社が営業しているのには、嫌悪感さえ覚えていた。常に複数の手段、可能性を考えて行動することが自分の身を守ることになる。
平成23年3月18日 高速無料化見直し
民主党の岡田幹事長は、高速無料化を見直しを表明した。その分のまずは新規交通実験分１２００億円を震災復興にまわし、さらに２兆円の高速無料化予算そのものも見直すという。
実は我々も、そろそろ緊急アピールを用意していた。「高速無料化を廃止して、震災復興にまわそう」と。官邸の福山哲郎氏、辻元清美氏はともにＬＲＴ議連のメンバーだが、彼らからも当然こうした意見は出たであろう。
そもそも小沢氏がある評論家の「高速無料化で物流コストを下げれば、景気がよくなる」という説を信じて、いや利用して、地球温暖化対策やエネルギー節減に反する「高速無料化」をマニュフェストに入れたことが誤りであった。我々全国路面電車ネットワークでは、一昨年１２月緊急アピールでこの政策に異を唱えた。新政権は、選挙のための財源なきマニュフェストに縛られて、思うままには政策を実行できなかった。自民党は、そのマニュフェストに対抗して週末１０００円という愚策を実行した。
壮大なる社会実験の結果、多くの国民は高速無料化を望まなかった。もちろん地方にいる我々にし、まだまだ高速道路も必要でし、ＬＲＴを中心とした交通転換には、環状道路整備や自転車道整備も必要である。高速料金そのものも、やや高すぎるのも事実だ。しかし今回の震災で、ようやく政治的メンツでちゃんとした政策がとれなかったことが解決されるわけである。
与野党ともに、首相経験者の子や孫の２世議員が安倍、福田、麻生、鳩山と４代続けて総理になるという、北朝鮮顔負けの異常な事態は、日本の政治的不毛を象徴していた。しかも日替わりメニューのような１年政権の連続であった。これでは政策の実行はできない。菅政権は、震災と原発事故という国難に対して、果敢に取り組んでもらいたい。我々市民団体も全面協力である。この国難は誰がやっても大変なのだから、当分選挙はいらない。
平成23年3月22日 おいでんせぇ岡山
東北関東大震災も発生から１０日あまり。あまりの被害に、岡山あたりでは、何かしたいと思いつつも、具体的に何かすぐできるというわけではない。まずは生存者の救出と避難場所の確保ということだが、今回は原発事故問題が重くのしかかっている。
さて一昨日「おいでんせぇ岡山」というネットワークが立ち上がった。発起人代表は吉備津彦神社宮司の西江さん。たまたま先般から「吉備邪馬台国説」を真正面からとらえた吉備路観光の将来を考える会を模索する中で、吉備線一宮近くのＳＡＬＡさんというレストランで会合をしていたネットワークとつながった。
だからもともとは吉備線ＬＲＴ化を見越した動きであったのだが、地元の「吉備の国をみなおそう」という動きとつながり、そのメンバーが４月１１日のワイン電車に乗ろうと決めたのが、震災前日の１０日だった。このＳＡＬＡには、アーティストやセラピストなど多彩な方々が、ミクシーなどでつながり、オフ会を繰り返している。
ＲＡＣＤＡのデザイナーであり写真家の白井さん（全国大会のイラストを描いた）から、「あれだけの大量の被災者を岡山で緊急に大量に受け入れられないか」との提案があったのだが、ほほ同時に一宮でも同様のことを考えていたので、合流することになり、ＲＡＣＤＡのＭＬでも流した。２０日の第一回会議では当初１０人位の参加かと思ったが、３５人ほどがあつまり、「おいでんせぇ岡山」が結成された。今日の１８：１５のＲＳＫイブニングニュースでも取り上げられることになった。
岡山県内では、県市町村で合計１８９戸の公営住宅を受け入れ準備しているが、今後原発問題などもあり、関東圏から関西圏に移住したいという方々も増えてきそうだ。そこで我々は今から、岡山に永住し、仕事も持つということを前提とした受け入れを図ろうと思う。阪神大震災の時は私も救援物資を整えて、自前で乗り込み、日帰りできた。今回さすがに遠隔地の岡山では、食糧と寝袋、ガソリンを持参しないかぎりボランティアでも現地に乗り込むことは現実的ではないから、できることをはじめようと思う。長期支援に絞って活動を始めようというわけだ。
具体的にはまず岡山県内の空き住宅、空き部屋の情報を収集、次に現地からの移住や避難希望情報を収集し、受け入れを調整。受け入れ後の医療から仕事の紹介、子育て支援、精神的ケアなどそれぞれの特技を生かしてやろうというものだ。本当は現地のコミュニティーごとのそっくり移住までもやりたいが、それはまだ想定されていない。
原発問題では、関東圏からの大量避難者が想定される事態である。そうなるともう難民である。そうしたことも想定して今から大量に受け入れを考えようというものだ。関東に何かあれば数十万人規模の受け入れさえありうる。プレートの不気味な動きを考えれば、政府は津波対策の不十分に浜岡原発は停止するべきだと思う。四国の原発も危ない。
こうした事態になると、エコポイントはなんだったのかとも思う。私も喜んで大画面テレビを購入した口だが、結局電力消費量を増加させただけのことかもしれない。また地デジ実施も延期だろうな。
と、これを書いていたら、同級生の岡山県環境生活部の幹部から電話があったので、「おいでんせぇ岡山」について伝えた。岡山県では１８９戸のあと、さらに雇用促進住宅や民間企業の空き団地など５０００戸を確保したいそうである。明日第二回の連絡会議があるそうだ。
平成23年3月24日 岡山県5000戸受入、JR岡山支社震災で減便
今日の連絡会議の結果（佐藤真治県議からの情報）
岡山県の東北地方太平洋沖地震に係る救援物資の受入品目の変更があります。
被災地において、毛布等一部の物資は概ね充足しつつあること等から、毛布、タオル、その他日用品（トイレットペーパー）等の受入は休止。現在、被災地からの支援要請があり、かつ、今後も引き続き要請が見込まれる、以下の品目に限られます。�〇罎�むつ（大人用、乳幼児用とも、梱包品に限る）、�∪戸�用品（梱包品に限る）、��マスク（未使用品に限る）、�で┐譽謄�ッシュ、お尻ふき（未使用品に限る）食料品等については、受付を行っていません。
被災者受入に関する方針（案）によると、避難所で生活中の被災者が２５万人あまり、全員への仮設住宅供給や被災地での生活再建の困難性、被災地周辺での仮設住宅整備には長期間を要する見込みから、希望される方については、本格的な移住も受入れ、生活支援、就職支援、コミュニティ継続、岡山県の移動の便宜などで、５０００人程度の受入を準備する方向で検討されています。
既存の公共施設、廃校となった高校校舎などを一時遠隔避難所に。県営・市町村営住宅＝約２５０戸、県職員・教職員住宅＝約２０戸、雇用促進住宅＝最大約８００個、中山間等の空家＝約８０戸、その他、民間賃貸住宅、民間企業社宅、個人住宅の離れ・空き部屋等、応急仮設住宅建設を住宅に。
ＪＲ岡山支社減便（ＲＡＣＤＡの大塚会員からの情報）
4月2日から日中、最大50%の列車数の削減が行われる模様です。詳細はJR西日本のプレスリリースを見てください。
http://www.westjr.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2011/0...
ＪＲ岡山支社の在籍車両は古いのですが、震災の影響でモーターの消耗部品工場が被災し、供給間に合わないみたいです。赤穂線に関しては1時間に2本設定されているものうち長船止めの列車を削減するらしいので1時間に1本は確保されていますが、宇野線に関しては2時間に1本という状態になってしまいます。沿線高校なども年度初めは午前授業が多く、帰宅時間にもろに影響が出てしまいます。直島などへの客の流れもありますし、バスの増便・臨時便の設定などを交通事業者に提案した方がいいのではないでしょうか？
平成23年3月26日 日本の行方
東京電力の失敗は、日本の失敗でもある。その原点は戦後総括の不足でもある。
１９９７年、全国路面電車サミット開催のとき、ドイツはなぜ路面電車を残したのかについて、「あの第二次大戦、ナチスドイツは石油を求めて戦争を起こした。その反省のもとに、できる限り石油に依存しない体制を構築しようと考え、いざというときの油断に備えて公共交通の維持する政策を取った」というコメントを読んだことがある。
一方、日本だってＡＢＣＤラインから石油禁輸という経済制裁を受けて、インドネシアに石油を取りに行ったのが太平洋戦争だった。その結果、原爆を落とされ、世界唯一の被爆国家になった。もしその反省があるなら、ドイツのようにできる限り石油や原子力に依存しないエネルギー政策を取るべきであった。ドイツは原子力発電さえ廃止しようとして、最近その廃止をやめようとしていたが、今回の事故を見てまた原発廃止の方向に向かおうとしている。
日本だって努力すれば原発廃止は可能であるはず。被爆国の使命としてもそれはやるべきだ。まあ２０年はかかるかもしれないが、どっちみちこの事故で原発はもう一基もできることはあるまい。それどころか、浜岡原発はすぐにでも止めなければ危ない。少々経済が落ちても、浜岡は止めるべきだろう。東西から放射能で汚染されたら、東京が持たない。今回の原発事故で、東京一極集中の危うさもようやく判明したわけだから、地方都市への経済政治機能の分散が必要なことは明らかだ。
原子力発電をやってプルトニウムをため込むことは、軍事的には「いつでも原爆を持てる」ことでもあった。だが、この放射能の恐怖はなんだろう。本当に安全なら、原発は皇居につくればいいのだ。その自信があるばすはない。あの東京電力の記者会見を見ていたら、どんな会社かと思う。
菅総理の今日の会見、ちょっと涙目に見えたのは、僕の錯覚なのか。つらかろう。でももう少しつから強いアピールが欲しかった。
平成23年3月26日 地学の素養
私は大学入試で地学を取った。その理由は、鉄道模型のレイアウト（ジオラマ）製作には、地学の知識が必要という、きわめて単純なものだった。また大学２年の頃は吉備の古墳分布図を作っていて、岡山の地形図で標高３Ｍラインをもとに当時の海岸線を予想し、そこから古墳の立地を考えた。
高校１年の時、１９７０年に地学の授業を受けた。当時プレート理論、すなわちウェゲナーの大陸移動説を習った。アフリカと南アメリカの海岸線の形が似ていることから、ウェゲナーは大陸移動説をとなえ、それがプレート理論で証明できるというものだった。
我々は今や誰でもこの理論を高校で習う。だから地殻変動についても知っているはずだ。海岸段丘や河岸段丘も断層運動の結果で、一度の地震で５ｍもの段ができる例であることを知っているはずだ。ところが地学など本気で教える高校はあまりない。下手すると、地学を取ったことにして、化学や物理の授業をやるところがある。受験で重要でないからと冷遇されてきたのが地学だ。また地理ではリアス式海岸は津波に弱いと習う。
最近では東海地震への恐れから、各テレビ局も再々津波の恐ろしさについて番組にしてきた。まして数年前のスマトラ島沖大地震では、２０ｍもの津波がおこるときの模様を、我々はテレビで見てきた。それでつい最近もＮＨＫはもし首都圏を津波が襲ったらどうなるか、番組にしていた。
だから今回、福島第一原発の津波の想定について、「想定外だった」などというのは、とんでもないことで、単なる無知だったということだ。原子力を扱ってるから、頭がいい科学者だろう、などというのは幻想である。オウムの事件が、多くの科学者や医者を巻き込んだように、知識＝知恵ではないということのいい例である。
洪水だってそうだ。数年前、京都府北部での洪水で、バスが流され助かった美談があった。日本は山の多い短くて急な地形で、しかも多雨なわけだから、当然洪水は多い。吉備の古代史を調べていると、たとえば百間川遺跡などでは、たびたび洪水に見舞われていることがわかる。古墳時代からざっと３ｍも土砂がたまっている。考古学とはその洪水の歴史と地層を科学して、そこに埋まっているものの時代を推定することなのである。つまり今我々は利用している「平野」とはすべて洪水のせいでできたというわけだ。
国土交通省は、最近１００年に一度の洪水に耐える堤防を作ろうとしているが、せいぜい１００年に一度であって、１０００年に一度の洪水に耐える堤防などは造れないものなのだ。先人はそれを知っていて、池田家では洪水防止に百間川を作った。旭川との分岐点は荒手というが、この構造は実に巧妙である。岡山の後楽園の南端にある木造の橋は、洪水時は流れるようにできていて、洪水が終わるとまた元の位置にもどす。四国の吉野川では潜水橋といって、増水時には潜ってしまう橋もある。これらはあえて洪水にあらがわないという試みなのだ。
平野も、なだらかな山並みも、すべて水が山を崩した結果だ。地球は水の惑星、そして我々の体の７０％は水なのである。水は強く、そしてありがたい存在だ。だがある時は我々に無情なものにもなる。今回の津波と災害、そして原子力の利用、深く考えていきたい。
平成23年3月27日 おいでんせぇ岡山始動
今朝の山陽新聞の朝刊で、「おいでんせぇ岡山」の活動が紹介された。
連絡先を私の携帯にしていたので、早朝からたくさんの電話がかかっている。ボランティアスタッフの応募、たとえば災害支援、メンタルケア、就職支援などの方々だ。
またアパートなどの格安提供や無料提供の話も来ている。今日１８：００−２１：００に吉備津彦神社での第二回会議があるので、何人かは直接来てもらうことにした。輪は広がっている。
岡山県でし１１００戸５０００人の受入を決めており、さらに宅建業界も動いているし、旅館関係も受入準備を進めている。一方岡山県は明日幹部を含めた応援部隊を福島県に派遣するので、ここからの情報も取りたい。幹部は私の知人でもある。岡山県は一応福島県を支援することになっているようだ。
ここからは１次避難から２次避難ということになる。いつまでも学校や公民館というわけにもいかず、被災者は現地に残って仮設住宅の建設を待つか、知人などを頼って地元を離れるかという決断をせまられる。これは原発被災者も同様であろう。怖いのは原発の場合、さらに範囲が広がることも想定されるし、また原発被災者は風評被害にも会い始めていることだ。
昨日はそういう事例の相談もあり、我々もあわてて原子力被爆の情報収集をした。現在の被災者に他の人に影響をおよぼすような高濃度汚染はないようだが、今からそういう事態も想定しておく必要がある。勉強したい人は、以下のホームページに基礎知識から汚染除去までのマニュアルが掲載されているので、御参考にされたい。
http://www.nirs.go.jp/index.shtml
平成23年3月29日 私達の使命
１９９７年の岡山での路面電車サミットは、京都議定書の年であり、地球温暖化対策の元年でした。私はそれまで原子力の平和利用、すなわち原子力発電所の存在に何ら疑問を持っていませんでした。
しかしこの年、私はドイツが原子力発電所を全廃しようとしていることを知りました。あの第二次世界大戦が石油を中東に取りに行くことによって起こった反省、またチェルノブイリ原発事故への反省から、原子力、石油に出来る限り頼らない社会を作るために、路面電車や公共交通を重視する政策を強化したのです。
岡山の超低床路面電車ＭＯＭＯの技術は、そうしたドイツのものです。私は路面電車推進を通じて、実は原発反対運動を行っていました。しかし残念ながら、もう遅かった。既に福島原発５０ｋｍ以内では、チェルノブイリ以上の土壌汚染が起こっており、人は住めません。私は今日大変な無力感に浸っています。
けれど今からでも、すぐやるべきは、東海地震の震源域にある浜岡原発を止めることです。そして、路面電車など人と環境にやさしい交通を拡大して、石油に頼らない社会を作ることです。なぜなら石油は温暖化をおこすけれど、とりあえず発電に回すしかないからです。日本は、省エネだけでなく、あらゆる自然エネルギー発電を推進する義務があります。世界に原爆以上の放射能を撒き散らしてしまったのですから。
そういう使命感をもとに、私は「おいでんせぇ岡山」設立に参加しました。放射能汚染地域の農民市民を、せめて岡山や西日本に迎え入れたいと思います。
参考
福島原発事故の歴史的意義について、元慶応大学教授の藤田祐幸さんの緊急講演会の模様が以下の動画サイトに投稿されています。是非見てください。「浜岡原発を今すぐ止めるべきだ」ということがよくわかりますし、岡山でも放射性ヨウ素が検出された意味もよくわかります。
2011 3 26 藤田祐幸講演 長崎「始まりの始まり」
http://www.youtube.com/watch?v=3UAY2oXyInk
平成23年3月30日 福島現場廃炉の署名
私の知人の娘さんが、原発反対運動を実施されています。昨日の日記を書いて寝て起きた時、メールが来て知りました。実は私の娘も大学時代に環境学をやっていて、今回の原発事故にはとても神経質になっています。なぜなら子供がまだ２歳だからです。保守的な娘さえも、デモをしたいと言いますし、妻は東京にいる次女の被爆を心配しています。
原爆反対運動は、母の心でやっていただくのが最もいいのではないですか。そして原発を生んだ競争原理の男性中心社会を打ち破るべきでしょう。
以下、メール転送
市場恵子＠岡山です。
東北関東大震災の被害は大きな地震と津波に原発事故が加わり、目に見えない放射能に対する不安が今も続いています。原発事故の処理が一刻も早く収束しますように、これ以上放射能漏れの被害が拡大しませんように、事故処理に携わっている現場の方々の命と安全が守られますように、と祈らずにいられません。
私の娘一家は福島県川内村の山奥にある「漠原人村」で自然農を営んでいましたが、１１日の深夜、一家４人で岡山に避難してきました。地震は大きな揺れだったにもかかわらず、ガラスコップが割れた程度で、家はびくともせず、いつもどおり夕食を作って食べ（薪ストーブ、井戸水）、薪で沸かした五右衛門風呂に入り、子どもたちに絵本を読んでやり・・・、原発事故さえなければ、このまま生活を続けることもできたのですが、放射能から幼子を守るために、新潟経由で岡山に逃げてきました。
彼女は以前から原発の危険性を訴え、福島原発の廃炉を求めていたので、各地に避難している「ハイロアクション」実行委員と連絡を取り合って、緊急声明を出し、２５日（金）１１時〜、避難先の１府８県（全国９か所）で全国統一記者会見を行いました。声明文は「ハイロアクション〜福島原発４０年」で読むことができます。
http://hairoaction.com/
岡山県庁で行った記者会見の模様は、朝日新聞（岡山版）をご覧ください。
http://mytown.asahi.com/okayama/news.php?k_id=3400...
（以下、転送歓迎します。）
★福島原発の「廃炉」を求める緊急署名にご協力ください。
署名用紙はウェブからダウンロードできます。
http://fukushimahairo.web.fc2.com/（送付先は署名用紙をご参照ください）
メール署名の送り先： fukushima.hairo@gmail.com
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福島原発の「廃炉」を求める有志の会
連絡先：fukushima.hairo@gmail.com
平成23年3月30日 原発廃止のシナリオ
みなさん、福島第一原発の復活は、あれだけの放射性物質を排出し、世界にばらまいたからには、もう事実上不可能です。しかし一方で、中国電力の社長はあいかわらず、建設中の原発を多少遅れていても、建設すると発表しているのです。「計画停電なんかになったら、困りますよ、だから原発はいるんです。というわけです。東海地震の震源域に近い浜岡原発は即時停止させなければいけませんが、原発に反対するなら、国民全員が納得する、経済にも配慮した綿密なシナリオを描かなければなりません。
みなさんここで日本のエネルギー政策を転換させましょう。私はすでにそのシナリオを持っています。そしてその一環としていま「交通基本法」の上程がなされました。来月には国会の審議がはじまります。その具体的提案のひとつが吉備線ＬＲＴ化なのです。
１．公共交通重視で全国の自動車のガソリン消費量大幅削減
電車バスなどの公共交通の分担率は岡山では現在５％ですが、それを１５％に引き上げ、自動車分担率を７０％から５０％に引き下げ、自転車利用を５％増加させるため、国交省に働きかけて、自転車道の整備促進を図っています。これを１０年でやる。
そうして日本全体でガソリンの消費量が３０％減少。その分の費用をＬＮＧの輸入にあてて、火力発電を拡大し（ＬＮＧ発電は出てくるのは水ですから環境にやさしい）、原発を順次廃止していくのです。２０年かかる大事業です。しかし子供たちのため、やらなくてはいけません。そしてそれを実行していくのは、母親たちの力です。日本の女性たちよ、いまこそ立ち上がるべきときです。
２．電気自動車の普及と、自動車の小型化
地方都市では、自動車の分担率は５０％以下にはさがりません。そこで自動車地震の省エネ化が必要。まずば電気自動車の緊急実用化が必要です。ベネッセの福武会長のかかわる「シムドライブ」では３００ｋｍ以上の航続距離を達成したと今日報道されていましたが、１回の充電で航続距離の３００ｋｍが一つの目安です。
さらに大事なのは小型化。大型自動車には税金をかけて購入を小型車に向かわせる必要があります。さらに高齢化時代に向けて、自転車道を走れる新モビリティーの実用化も必要。特に高齢化に向けてセグウェイを改良したような、電動車椅子とシニアカーの小型版も必要でしょう。
もちろん自転車や電動アシスト自転車の活用で自動車利用を減らすことも必要。ここまでは私の専門の交通の領域ですから、特に貢献できると思います。
３．代替エネルギーの緊急開発
今まで日本では電力会社の力が強すぎて、それが原子力政策の誤り、エネルギー政策の誤りを生みました。資源のない国でしかも狭い日本が、石油と放射性残量物の処理も満足できない原発に頼るのは愚の骨頂だったのです。数年前、せっかく増加していた太陽光発電の電力買取を電力会社の圧力で政府がやめてしまったのですが、民主党政権でようやく復活しました。その間の遅れを取り戻すべく、各家庭や企業の太陽光発電に大規模投資が必要です。
また地熱などあらゆる発電のオプションを作る必要があります。また各家庭では、できる限り太陽光発電の電気を自前で蓄電する必要あります。クーラーの使用ができなくても暮らせる住宅の開発も大事でしょう。昔ながらの日本家屋が見直されるでしょう。
４．緊急対策
とはいうものの、この夏の関東での電力不足は深刻です。この際まずできるのは、計画停電しなくてもいいよう、各生産企業は週休３日制をとって、計画的に減産することです。月曜日から金曜日まで、順番に休みを取るのです。そうすればまず生産企業の電力需要が８０％になります。さらに夜間操業できる体制を整えて、交代制を敷き、夜間電力を利用するという手段もあります。原発事故にもっとも責任がある経済産業省は、至急検討に入るべきです。
コンビニなども、夜間営業は交代制にするべきです。夜間のネオンは全面禁止。クーラーがなければ生活できないマンションなども多いので、かなりの省エネをやらないといけません。今夏は熱中症の膨大な発生が予測されます。とりあえず関東から関西への１００万人単位の移住、あるいは避暑という選択も必要でしょう。元気な高齢者や子供たちなど、関西の温泉地などに移ってもらって、関東のクーラー需要を減少させるのです。いわば「計画的電気疎開」が必要ということです。またこうすれば関西の観光地に宿泊需要ができて、経済の拡大につながります。
などなど、みなさん、アイデアを出そうではありませんか。
平成23年4月4日 朝市で募金、生活保護と寄付
京橋朝市
昨日の京橋朝市では、ＲＡＣＤＡのブースで５つの事業を行った。
１．毎月の瓦版配布 今回は表が「九州新幹線開業」、裏が「原発に頼らないシナリオ」
２．バスマップ２０１１の販売
３．ＭＯＭＯ購入応援募金
４．おいでんせぇ岡山の空き家探しやボランティア募集チラシの配布
５．東日本大震災被災者受入支援募金
最初は５人ほどの参加だったが、おそらくは初めての京橋朝市に、おいでんせぇ岡山のメンバーが次々と来訪されて、結構にぎやかになった。チラシは５００枚配布できた。通常ＲＡＣＤＡ瓦版は３００枚がなかなか配れない。空き家チラシの配布に注力した結果、募金は５９６２円だった。ＭＯＭＯ募金やバスマップ販売にはほとんど注力できなかった。募金には、若い方々の集団の小銭投入が目立った。遠方の災害でボランティアにも行けないけれど、「何かしたい」という心意気が感じられた。
生活保護と募金
いつも来られる男性が話し込んで行かれた。「生活保護をもらっているので、募金しようとしてら今までは役所の人から生活保護をもらっている身で募金はいけない、と言われていたのだが、今回は千円募金させてもらう事ができて、うれしい」とのことだった。
一方、今日の山陽新聞によれば、さいたま市で被災者が生活保護申請を断られるケースが頻発しているので、改めて指導しなおしたという。僕も自治体の本音は「被災者が流れ込んで、生活保護が増加したり、犯罪が増えたりしたらまずい」であり、かならず表面化する時期が来るだろうと思っていた。今回の場合、地震や津波の被害も甚大かつ広範な上、原発問題も長期化するのは間違いなく、行政の対応も複雑になる事が予想される。
原発被災者支援のシナリオ
地震津波の被災者は、おそらくなるべく地元周辺に定住を望むだろうが、生活再建を地元でどれだけできるかによる。一方原発被災者については、２０ｋｍ、３０ｋｍの範囲以外の自主避難者の扱いについては、受入自治体の判断が分かれる場合があるだろう。最悪のシナリオとしては、福島県中心に２００万人程度の難民が出るおそれもあるが、その受入をどうするか、政府はシナリオを提示していない。
首都機能の分散と地域主権
関東圏にいる４０００万人以上の人々も、放射線被害の恐怖に恐れおののいているし、継続する余震や計画停電、さらには景気の落ち込み、収入減少でかなりまいっているはずだ。今後こうした恐怖から関西に逃げ込む人々も増えるだろう。外国企業がそうしているように、企業も関西に拠点を移す場合が増加するだろう。しかし関東直下型地震や東南海地震、その結果としての浜岡原発壊滅による首都圏放射能汚染という事態で東京が壊滅する前に、こうした首都機能分散化を本格的に検討することができるということを、ひとつのチャンスととらえ、日本の将来に向けたシナリオづくりをする必要がありそうだ。つまり本当の地方分権、地域主権をやるべき時が来たということだ。
大連立と交通基本法
京橋朝市では自民党の国対委員長で幼稚園からの同級生の逢澤一郎氏と話した。僕が震災以後「今は大連立をやるべき」と言っていたのだが、「岡の言うような方向になるかもしれない」とのこと。また夜は市議会の応援演説で民主党小沢派の姫井参議院議員と同席、交通基本法は確実に通るだろうとの認識で一致。大連立についても肯定的だった。おそらく原発の安定化までは菅政権でいくしかないのではないか。
平成23年6月28日 原発反対デモは報道されない
アメリカやヨーロッパの原発反対デモはあるのに、なんで日本人はやらないのかと思ったら、ちゃんとやっているようです。動画もあります。また４月１０日には。東京、名古屋、札幌でもあるようです。しかし岡山ではまだまだデモはない。ただ、福島から逃げてきた大塚愛さんのお話があります。
メンズリブ・東北大震災応援講座
『自然とともに生きる 自給自足の暮らし〜そこに訪れた震災、原発災害〜』
講師：大塚 愛（福島県川内村・自給的農・大工・２児の母）
電気、ガス、水道、電話の通ってない福島県川内村の山の中、通称「獏原人村」。そこに１１年前、自分の手で小さな小屋を作り住み始めました。水は沢水、炊事は薪ストーブ、灯りはランプでした。田畑をつくりつつ、村の大工さんに弟子入りして念願だった大工修行も始まりました。４年後修行が終わり、結婚を機に設計士の夫とともに今度は本格的な木造土壁の家をつくりました。新しい家には、独立型ソーラー発電を取り入れ、エネルギーの自給も始まりました。子どもが二人生まれ家族４人となり、めぐる季節のなか山菜をとったり、田んぼのイモリを捕まえたり、秋にはきのこをとったり… 山の暮らしは不便で大変なこともあるけれど、うつりゆく四季を感じながら生きることが何よりのしあわせでした。
そこへ訪れた３月１１日の地震。揺れは震度６ほどで大きかったけど、家の被害はほとんどなくひと安心。つづく余震のなか、風呂のかまどに火をくべ、夕食を作り、生活はいつものように再開しました。その夜流れてきた原発のニュース、「冷却水ストップ、３キロ圏内避難指示」 自宅は原発から２０キロでしたが、以前から原発の危なさを心配していた私たちは、念のため、その夜からとりあえずの荷物を持って家を離れました。そしてそのまま帰れる見込みが立たず、２日後岡山の実家へ避難しました。起きてしまったことは受けとめるしかありませんが、大地に根をおろし生きてきた私にとって、土や水が汚染されることは何にもましてつらく悲しいことです。自然のなかで楽しく生きてきた私のくらしをお伝えしながら、被災地福島へ思いをはせていただけたら、と思っています。
★ とき：４月１０日（日）１３時３０分〜１５時３０分
★ ところ：岡山市中央公民館４階第４会議室
（岡山市小橋町１−１−３０ �筺В娃牽供檻横沓押檻沓牽牽供�
★参加費：５００円
★主催：メンズリブフォーラム岡山
０８６−２７７−７５２２（FAX兼用）
原発反対デモの一覧
http://www.youtube.com/watch?v=6GKZYtgiQxM
３月２７日 銀座から日比谷公園、参加者１２００人
4/1みんな集まれ！関西電力に抗議デー ●時間 2011年4月1日 • 14:30 - 17:30 ●場所 関西電力本社前
4月3日（日）14時〜東京電力前で抗議アピール・ライブ！15時半から経済産業省＆原子力保安院前でに移動して抗議＆ライブ（17時まで。徒歩10分）
4月8日（金）18時〜東京電力前で抗議アピール＆ライブ！3／30抗議申し入れ書の回答を受け取ります。新しく申し入れをしたい方はぜひ持参して下さい。
4月10日夕方反原発デモ djやバンドなども参加がある ジャーナリストも参加
http://s.ameblo.jp/tsukiji14/entry-10844839979.htm...
4月10日、１時から 「浜岡原発すぐ止めて! ４・１０東京集会＆デモ」 芝公園出発
http://www.cnic.jp/modules/news/
4月10日は高円寺へ！ さらには、全国・全世界同時アクションをやってしまおう！
呼びかけ：素人の乱 http://www.shirouto.org/
「高円寺・原発やめろデモ!!!!!!」スケジュール
１４：００ 高円寺中央公園（駅南口徒歩１分）に集合 １５：００ デモ出発！！！！！
新高円寺駅、東高円寺駅を通り、一周して高円寺駅北口解散！
4月10日 開催場所 愛知県名古屋市東区東桜１丁目１３ 栄公園
１３時〜 集合 黙祷 情報交換 お話など おもいを言ってみる場
１３時３０分〜 希望の行進 （中部電力本社を含めた 栄一周）
１４時３０分〜 公園にもどり 各署名活動 お話
「脱原発デモ」札幌 原子力あぶナスぎ！！
4月10日（日） 集合：11：00札幌大通公園4丁目 デモ開始：11：30
呼びかけ人：泉かおり「泊をとめよ SHUTT!!」
4月16日（土）御堂筋でデモ
場所 大阪市・中之島公園（女神像エリア）−大阪市役所/中之島図書館の南側川べり
時間 午後３：３０〜短い集会 その後御堂筋南下デモ 〜５：３０
淀屋橋−本町−心斎橋−ナンバ （体力に応じて途中ドロップアウトＯＫ）
プラカード、鳴り物、横断幕もって集まってください！
呼びかけ団体
ストップ・ザ・もんじゅ、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、グリーン・アクション、若狭連帯行動ネットワーク、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、原発を知る滋賀連絡会、奈良脱原発ネットワーク
連絡先：ストップ・ザ・もんじゅ Tel：072-843-1904 Fax：072-843-6807
メール：stopthemonju@sannet.ne.jp
平成23年4月7日 全漁連、避難指示の裏を読む
福島原発の状況が、予断を許さない。早くなんとかしてほしいけれども、それこそ原発だけは一般市民は逃げるか閉じこもるくらいしか、できない。
全漁連に東電会長合う
さて昨日、全漁連が東京電力に汚染水を相談なくいきなり放水したとして、抗議に訪れ、会長が受け取ったという。なかなか国民の前に現れなかった会長が、全漁連には逢うのだ。これには裏があるかもしれない。
原発は各地の漁連の同意がなければできない。また既にあちこちで魚の大量死や奇形の発生が報告されている。それを電力会社は全部「お金」で解決し突破してきた。だから今回もその筋で読むのが適切だろう。今回の保障は当然として、わざわざ会ったのは、原発復活のためだということだ。
避難指示の基準年間２０ミリシーベルト
飯館村で高い放射能汚染のある土壌が検出されているが、地図を見るとここは阿武隈山地のふもとになり、風が止まって空気中の浮遊放射線微粒子が落下する地点にあたるのだろう。怖いのはかぜん飛んでやってくる微粒子であり、それは体外被爆を起こすとともに、口から体内に入ると体内被爆を起こすから、被爆数値は倍になる可能性か高い。
さて今回原子力委員会は避難指示の基準を、累積２０ミリシーベルトとしたが、これは従来の短期で５０ミリシーベルトとしていたのより具体的でわかりやすい。福島原発の事故の長期化が避けられない現在、早急に長期被爆基準による避難指示が必要だった。ただ乳幼児や妊婦については５とか１０ミリシーベルトの別基準も示してほしい。（それにしてもこのひと月で随分原発問題に詳しくなってしまった）
この報道も別の点からみると、自治体がこの基準に照らして避難指示を出せるようになるのは、国が判断を自治体に投げているようにも見える。その場合保障はだれがどうするのか、明確にしないといけない。ただそれは後のこととして、住民を守るためには、自治体の長は勇気を持って自分の自治体に避難命令を出すべきだ。国が守ってくれない、決定できないなら、首長がやるべきだ。
平成23年4月11日 1990年代に戻ろう
原発問題は、安全な日本のエネルギー政策への大転換を必要としていることはあきらかだ。しかし計画停電などは「原子力は必要」と国民にすり込もうとしているようにも見られる。
我々は今具体的なシナリオをえがかなければならないが、まずは基本的な考え方として環境自治体会議の上岡さんの「１９９０年代に戻ろう」というというのに賛成する。
【提案】JANJNA BLOG
「今年の夏は都区内で車に乗るな」
http://www.janjanblog.com/archives/35901
「バック・トゥ・ザ・９０ｓ」
http://www.janjanblog.com/archives/36143
環境自治体会議 環境政策研究所 上岡直見
９０年代の水準で行くなら、ほとんど原発なしでもやれる事を示している。
平成23年6月28日 児童疎開をやろう、武田教授のビデオ
今回の原発事故を、私の判断では最も的確に語っている、武田邦彦さんが、ＢＳ朝日の「ニュースの深層」に４／８に出演し、たくさんの事を語っている。これを見ればおおよその対策ができる。
原発 動画で説明を見ることができます
武田邦彦ブログ http://takedanet.com/
この前、ＢＳ朝日の「ニュースの深層」に出させていただき、福島原発の状態について解説をしました。もし、パソコンで動画を見ることができる方は文章とはまた違った方法で理解ができるかも知れません。（武田） http://g2o.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-9a5... （平成23年4月12日）
きくちゆみブログ http://kikuchiyumi.blogspot.com/
昨晩は、きくちゆみみさんの講演を２時間聞いた。そのあとどうやって学童疎開を実現するかを相談した。おいでんせぇ岡山も連動して学童疎開にも取り組もうと思う。
二人に共通しているのは、「子供たちは収まるまで疎開させるしかない」ということだ。昨日出た政府発表の避難相当の累積放射線量の「大人は２０ｍｓｖ、子供は１０ｍｓｖ」というのでは危険だ。本来１ｍｓｖなのだから、それを守るべきということだ。（子供は１０ｍｓｖはまだ政府自体が発表してはいない）
もし現在の放射線値が１μｓｖ／時ならば、年間換算は２４時間×３６５日を掛ける、つまり８７６０倍しなければならないから、８７６０μｓｖ、つまり８．７６ｍｓｖ／年となる。年間１ｍｓｖに抑えるには、０．１１４μｓｖ／時ということになる。 週刊現代は原発特集をやっていて、一番よく書いている。４月６日現在の各地の放射線量を計算してみると、
飯館村 ５．７７μｓｖ／時 ５０．５４５ｍｓｖ／年
福島市 １．５３μｓｖ／時 １３．４０２ｍｓｖ／年
郡山市 １．７２μｓｖ／時 １５．０６７ｍｓｖ／年
日光市 ０．２６μｓｖ／時 ２．２７７ｍｓｖ／年
ひたちなか市 ０．４４μｓｖ／時 ３．８５４ｍｓｖ／年
水戸市 ０．１５９μｓｖ／時 １．３９２ｍｓｖ／年
新宿区 ０．０８６４μｓｖ／時 ０．７５７ｍｓｖ／年
となって、新宿以外は全部避難してもいいということになる。年間１０ｍｓｖ／年の政府の基準でも福島、郡山の子供は全員避難対象ということになる。政府はせめて自分の発表した数値くらい守らないといけないだろう。政府が守らないなら、我々市民が立ち上がって守っていくしかないのではないか。
平成23年4月17日 ミツバチの羽音と地球の回転
今日はデジタルミュージアムで鎌仲ひとみ監督の「ミツバチの羽音と地球の回転」という自主製作映画を見てきた。１２０ほどの座席は超満員となり、監督も驚くほどの反響。３．１１で劇的に変わっていく予感、甘いか！！
中国電力の上関原発阻止運動を２７年間も行ってきた、山口県祝島の漁民たちを「ミツバチの羽音」にたとえ、その運動がやがて「地球の回転」すなわち世の中を変えていって欲しい、という意味を込めている。
上関原発ができると毎分１８０トンだかの温水を排出し、周囲の生態系が崩れてしまえば、当然漁業は壊滅的影響を受けるだろう。しかし原発予定地の正面３ｋｍにある祝島の住民５００人の平均年齢は７５歳。丁度昨年よく通った犬島みたいなものである。その島に戻ってきた３２歳の青年が原発運動に目覚めていく。
埋め立て開始を強行する中国電力の副所長が「対話」として叫ぶ言葉がむなしく響く。ただしあの東日本大震災までは中電社員は原発の安全を本当に信じていたのだろうが、今日は観客の失笑を買っていたね。
社員「農業とか第一次産業だけでこの島がよくなると本当にお考えですか」
漁民「お前らにいらん世話を焼かれんでもええ」
社員「海が壊れることは絶対にありません」
漁民「中電が絶対と言って絶対の試しはないじゃないか。台風が来たときに台船を流されて事故を起こしたのはどこのどいつだ、軽々しく絶対なんて言葉を使うから、嘘つきと言われるのがわからないのか。」（抜粋）
絶対安全でクリーンなエネルギーだとテレビのＣＭで散々流してきた中国電力。（それでも埋め立てを強行しようとしていたが、震災後山口県知事が少し態度を変えて、現在止まっているのだが、まだあきらめたわけではない。）
エネルギーを自給しているスウェーデンでも取材しているが、現地の青年は日本では自然エネルギーの購入を選べないことに絶句する。またどうして地域で自給できるのに、しかも日本は地熱や太陽電池発電の可能性が北欧よりも２倍もあるのに、どうして高い石油を輸入したり危ない原発を使ったりするのかと不思議がる。発電の独占と電気事業法を変えないといけない。
これらすべて今の日本のエネルギー政策に対する改革の答案になっている。
上映後の監督のスピーチがすばらしかった。劣化ウラン弾の影響でイラクに子供のガン患者が増え、多くの生まれない奇形児が発生しているという衝撃的事実、さすがに映像にはできなかったという。だからまず福島から子供や妊婦、若い男女を逃がして欲しいという。
結論 放射能被曝に安全はない。政府は嘘をついている。上関原発はいらない。浜岡原発はまず止めよう。地震国日本に原発はいらない。我々日本の未来のために、できることをしよう。そしてその為に国のエネルギー政策を転換し、公共交通を充実させよう。もう目先のコストだけで我々の安全を犠牲にする社会はやめよう。
とまあ、そのあと、チボリの模型に解説文を貼ってきました。映画は４階、模型は５階でした。
昨日は甦山陽新聞でバスマップの転入者キットについて掲載された。
昨日は「バスマップの底力」を一緒に書いた鈴木文彦さんが吉備線を鉄道ジャーナルで取り上げるとのことで、取材に来られた。三陸鉄道の復旧には１８０億円以上とのこと、鈴木さんも相談されているらしい。ひたちなか海浜鉄道は３憶円で、吉田社長たちは国交大臣に協力要請をしたらしい。
また今日の山陽新聞朝刊では、自転車マップについて掲載されていた。
平成23年4月20日 メルト ダウン
うちの娘たちは、パパがシムシティーをやるものだから、小さいときから当然のように「メルトダウン」を知っていた。当然今回の事態には敏感である。
今日のニュース
経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は１８日の記者会見で、１〜３号機の核燃料が「溶融していると思われる」と述べ、内閣府の原子力安全委員会に報告したことを明らかにした。
保安院はこれまで、核燃料の損傷が３％以上としてきたが、「溶融」との見解を出したのは初めて。
損傷とは、燃料を覆う金属製の管が壊れた状態で核燃料が一部露出している場合もあるが、燃料の形は崩れていない。溶融は核燃料が高温で溶け、形をとどめない状態のことを指す。
シムシティーはとてもよくできたゲームで、要するに市長になってまちづくりをやるのだが、環境を良くしないと人も移住してこないし、税収も上がらない。ゲームで重要なのは、交通とエネルギーである。道路を作るのはいいが、道路沿いは排気ガス公害が激しく、また渋滞で快適度が下がる。一方鉄道の方が建設にお金はかかるが、大気汚染が少なく、地下は上がる。
また火力発電所は大気汚染があるが、原子力発電所は当座の大気汚染はない。けれども４０年を超えると時々「メルトダウン」を起こし、しばらく住めなくなる。天然ガス発電所や風力発電もある。風力は場所がたくさんいる。シムシティーでは時々ゴジラが出現したり、竜巻が出現し、原発がやられるとメルトダウンも起る。地震はあるが津波はなかった。まあゴジラなら「想定外」とも言えるだろう。
今回の事態、炉心が溶融して「メルト」状態で、これが原子炉の底を突き破ったら「メルトダウン」というわけだ。だんだん政府は小出しに悪い情報を出している。
いやらしいのは、避難地域を拡大せず、１ヶ月後に避難させるという対応。官僚組織が「総理、あまり拡大すると、お金がかかりますよ」と言っているだろうね。あちこちの自治体でも「市長、あまり沢山被災者を受け入れると、生活保護が増えて困りますよ」と言っているだろう。こういうのがわかってしまうから、どうも素直でないから、面白くない、困る。
夕方の参議院の震災集中審議で、社民党の福島党首が「浜岡をすぐ止めなさい」とか「原発の新規建設はやめなさい」と厳しくやっていたが、残念ながら弱小政党の質問時間は短くて、詰め切れな…
平成23年4月20日 震災復興緊急アピール
いよいよ大震災も復興の局面を迎えつつある。発売中の文芸春秋では、国交省の東北地方整備局の奮闘の模様が描かれている。徳山整備局長は岡山出身で、私の妹の同級生、直前は道路局企画課長で私もちょくちょくお邪魔して話し込むこともあった。岡山で自転車道をもっと整備するとべきだと話していたら、岡山に専門家が行ってるから早く会えと言われたのが３年前。その専門家が岡山国道事務所の方で、今回の自転車マップにもいろいろと骨を折っていただいた。
さて道路の方の修復は着々と進み、復興そのものも別に高台に住宅地を造成するなどの方針が語られはじめた。また懸案のひたちなか海浜鉄道については、おおむね３憶円ということで、社長や関係者が国交大臣にも会い、明るい見通しとなった。
しかし１８０億円といわれる三陸鉄道についてはまだまだ不透明だし、バス路線などの復旧は遅れている。原発に頼れないかもしれない今後の日本で、また高齢化している被災地の状況も考慮すれば、この際過度に自動車に頼らない公共の交通の再構築が必要だ。そこでこのタイミングで復興緊急アピールを準備しようと思う。ＲＡＣＤＡ高岡からの提案で、文案の素案ができてきた。是非みなさんに揉んでもらいたい。
公共の交通を活かした震災復興への緊急アピール（文案）ＮＰＯ共同声明
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
■われわれはこれまで人と環境にやさしい交通やまちの実現を目指して、市民活動を続けてまいりましたが、震災復興についてもこうした理念・活動の重要性を認識しております。
■このまま被災地の鉄道やバスの復興が遅れ、まちの復興にあたっても住宅や公共施設が公共交通から離れて無秩序に建設されてしまうと、被災を受けた方々や新たな生活を始めようとされている方々が自動車でしか移動できない状況となり、生活の負担が重くなってしまいます。地域全体としても道路やインフラの整備費が増加し、限られたエネルギーの消費やCO2の排出などによる環境負荷も増加してしまいます。
■そこで、われわれは「公共の交通」注1）を活かした震災復興を目指して募金活動・利用促進等を進めて参りますが、国や地方自治体、関係各所におかれましても、公共交通・特に莫大な資金を必要とし単独で復興の難しいローカル鉄道注2）に対する早急な復興支援策の実施、今後の地域復興にあたっては土地利用と施設配置を「公共の交通」の整備と一体的に進めるよう要請したいと思います。
なお、要請の具体的な方策と理由は以下のとおりです。
１．地方のローカル鉄道は人々の足となっているにもかかわらず、施設整備や運営に関して国の支援策が乏しく、莫大な資金を単独で賄うことが難しい状況にあります。災害復旧補助の制度がありますが、鉄道会社は自己負担を伴い、被災地の自治体も負担が重くなります。そこで、国が負担する補助率の割増し、自己負担分に対する特別支援金の支給や無利子融資等の支援策が必要です。
２．ふるさと納税制度等を活用した鉄道・バスの支援に特化した義援金の創設。道路・公共施設等の復興に関しては既存の財源や復興予算等が配分される可能性が高いのですが、民間の事業者が運営する鉄道、路線バス等は社会的責任や役割を求められているにもかかわらず、財源や支援策が乏しいのが現状です。国や地方自治体の支援策の充実を求めるとともに、われわれが集めた義援金を鉄道等の復興に充てられる制度の創設を求めます。
３．復興にあたっては、既存の鉄道駅やバス停と近接した地区に住宅や公共施設・病院・商業施設等を整備し、それが困難な場所に建設する場合は公共交通と一体的に整備することを望みます。鉄道やバス等の整備にあたっては地域住民も参画した計画・運営を行うことで、自動車に頼らなくても生活でき、「公共の交通」を活かしたまちづくりが進められることを望みます。
我々は「人と環境にやさしい社会」の実現に向けて、地方自治体および国の政策に対して積極的に議論に参加し、情報発信や公共交通の利用促進に努めていきます。
注1）「公共の交通」は交通機関としての鉄道やバスを指すのではなく、徒歩、自転車、公共性を重視した役割が明確となっている自動車（タクシー・物流のトラック等）や道路（歩行者・自転車専用道等）を含めて計画・整備された総合的なもの。
注2）被災の甚大なローカル鉄道：三陸鉄道、仙台空港鉄道、阿武隈急行、ひたちなか海浜鉄道、
鹿島臨海鉄道
平成23年4月26日 脱原発のシナリオとLRTの建設
飯田哲也環境エネルギー研究所長は、「原子力村」という電力会社、経済産業省原子力保安院、原子力委員会の３者のもたれあい癒着を表す言葉を作った人だが、ＳＭＣサイエンス・メディア・センターに「３．１１後の日本の原子力・エネルギー政策の方向性」という論文を掲載している。
http://smc-japan.org/?p=1657
さて、東京都民はまだ「原子力以外の自然エネルギーはまだ当てにならない」と発言する方向音痴の石原氏を都知事に選んでしまったが、一方で世田谷区では原発に批判的な社民党の区長が選出された。今回かろうじて東京は自己崩壊を免れたが、もし原発を東京都心に作っていたら、４０００万人が避難を余儀なくされていた事を想像するべきだ。もはや地震国日本に原発を存在させてはいけないことは、明らかだが、それを認めたくない、あるいは認めると食えなくなることの恐怖から目を覆っている人が多いのではないだろうか。
我々岡山の「おいでんせぇ岡山」では、今日千葉県からの原発自主避難者のために、空家清掃を行っている。大和朝廷の延長の東京・日本国家が自分たちを守ってくれないので、岡山・吉備の国に避難してきたのだから、１７００年ほど前大和朝廷に吸収された吉備邪馬台国が今度は政権交代して、それらの人々を受け入れようと思う。福島県の子供たちよ、日本国の文部科学省は、法律で定められている年間１ミリシーベルトの基準を勝手に無視して、年間２０ミリシーベルトという線で区切って、無理やり将来の健康被害を強要しているではないか、岡山に逃げてこい。
岡山は晴れの国で太陽光線が一杯ある。だから太陽光発電にこれから力を入れていくだろう。早く電気事業法を改正し、独占電力会社支配体制（上関でやっていることを見れば彼らは人間の心を失っている）をやめて自由な電力市場をつくり、原子力発電への補助金や開発費を全面的に自然エネルギー開発に向けるべきである。
さらに自動車交通の制限と路面電車など鉄道と公共交通の拡大を行う必要がある。地方都市での自動車分担率を７０％から５０％に減少させればそれだけ石油消費と輸入が減少し、地球温暖化対策として原子力を使う必要性も減少するし、輸入コストも減少する。率先して鉄道会社は自然エネルギー購入を進めるべきだし、そうしても鉄道会社の経営を圧迫しないコストにする仕組みを作るべきである。
近年「安心安全」が叫ばれているが、もっとも安心安全でないのは原子力発電だった。ここでそれを認めないならば、我々は経験から何も学べないことになる。「災害は忘れた頃にやってくる」とは漱石門下で内田百�里反鑄�のうまさでは両巨頭といわれた寺田寅彦の言葉である。ここでちゃんとやっておかないと、また同じようなレベル７を東海地震と浜岡原発メルトダウンで経験することになるだろう。そうなれば風下の関東圏は人が住めなくなるのは確実だ。そうなると映画「日本沈没」のような事態になる。作者の小松左京はすごい予測をしているように思える。
平成23年4月27日 顕教と密教
分布図発表
今朝の山陽新聞によれば、放射線分布図がようやく発表された。４月２４日時点の汚染分布図と、１年間推計だ。毎日インターネットで、日本の気象庁のデータをもとにしたドイツや中国の予測に一喜一憂するという変な構造から、ようやく脱却できる。昨日の記者会見では、「原則的にすべての情報を公開する」と細野補佐官が言っていた。ということは、今まですべての情報を公表しなかったという意味だし「原則的に」の言葉で、「やっぱり全部は公表しないよ」と言っているのである。
しかし２０ミリシーベルトと１０ミリシーベルトの年間推計はわかるけど、本来の基準の１ミリシーベルトの予測はない。やはり福島や郡山でも乳幼児子供や妊婦には厳しい数字になるだろうが、公表されていない。
政府はわかっていて公表していない。もしそれを公表すると、避難区域は何倍にもなるし、人口集中地域を含むから避難対象人数も１００万人単位になるはずだ。東北新幹線も目張りが必要となる。
官僚の立場に立てば、容易に想像できる。そんな大規模避難は想定外だし、経済的打撃が大きいから、発表しないし、できないのである。すなわち経済優先。２０年後に子供たちがガンになるとしても、それはしょうがないと切り捨てている。そしてもしそういう事態になったとしても、チェルノブイリの例のように、発生から２５年たっても何人亡くなったかについては評価が多数あって定まらない。当然何人に影響したかについてはわからない。死者も数十人単位から数万人単位までばらついている。
チェルノブイリの評価でさえも大きくばらつきがあるのは、放射線被曝とガン発生の因果関係が証明しにくいからである。「疑わしきは罰せず」なのである。そして疑わしいだけでは補償は生じない。
顕教と密教、情報操作
既に情報操作は大規模に行われている。情報操作の意志が総理にあるとないとにかかわらず、国家という大規模組織はあたかも「ガイヤ」の様に一定の意志を持って暴走するものなのである。
政治学では「顕教と密教」という概念がある。たとえば太平洋戦争に突き進む時、軍部を中心としてアメリカとの戦争を決定した。しかし一度決定して突き進み始めれば、今度は扇動された民衆が暴走を始めてしまう。軍部が和平を模索しようとしてもそういう動きは抹殺されてします。和平しようという意志は密教、扇動…
平成23年5月18日 歓迎・浜岡停止
環境自治体会議からの報告
【論説】JANJAN BLOG
「議論しなくても原発は止まる」
※ほどなく原発関係者が全員被曝上限に達して、国内すべての原発で保守・点検もできなくなる。もはや「原発がいるか、いらないか」の段階ではない。
http://www.janjanblog.com/archives/39755
【論説】JANJAN BLOG「周辺住民線量評価システム」は危険な誤解のおそれ
http://www.janjanblog.com/archives/40269
【論説】JANJAN BLOG
「福島収束見通しは非現実的─水に依存した対策の限界」
※「6〜9か月で収束」とのロードマップが早くも修正を迫られているがこれは技術的にはすでに予測されていたことである。
http://www.janjanblog.com/archives/36837
【論説】JANJAN BLOG「脱クルマ」も「脱原発」への道
※家計のクルマ関係の支出は鉄道より多くの電力需要を誘発。
http://www.janjanblog.com/archives/39075
【行事】気候ネットワーク総会記念シンポジウム
キャンペーン実行委員会企画「3.11震災後の地域社会をエネルギー・温暖化対策の視点でデザインする」
2011年5月28日(土) 13:30〜17:30
http://www.kikonet.org/event/20110427b.html
コメント：環境自治体会議の上岡さんは、我々全国路面電車ネットワークの情報センター的な役割を担っている。私が環境問題に興味をいだくきっかけを作った方だ。また気候ネットワークは日本の地球温暖化対策の先陣を切った団体で、私も１９９７年の京都議定書の年から何回か講演に招かれたことがある。
さて原発の作業員が足りなくなるのは、この福島の危機が続く限り大問題だ。既に騙されて福島で働かされた例も出ている。メルトダウンもゲームの「シムシティー」を やってきた僕らには予想されたこと。シムシティーでは各発電モードの建設価格、発電量、利点欠点がうまく表現されている。時々竜巻が来たりゴジラが来て原発が破壊されるとメルトダウンこが起こるが、４０年を超えるといつ起こっても父不思議ではないとなっていた。
それにしても原発問題は、我々の心になんとなく憂鬱なものを残し続けている。そうした気持ちが「浜岡を止める」という菅総理の判断に７０％以上の賛同を与えている。しかし我々はいま、単に反原発を言うのではなく、国家的エネルギー転換と生き方の転換を大胆に行わなければならない。そのためには電力会社を含めて市民協働で進まなければならない。
今日の山陽新聞によれば、２０１２年からメガソーラー（１０００ＫＷ以上）への国の補助がなくなるのに対して、岡山県は最大１憶円の補助を創設するといい、すでに多くの問い合わせが来ているという。中国電力もメガソーラーを計画している。原発の場合は１００万ＫＷというから、ギガソーラーになるわけで、原発１基分なら、メガソーラーを１０００個作らなければならないわけだ。
今年の路面電車祭りでは、こうしたエネルギー転換まで含めたパネル展示を計画している。昨年の全国大会冊子の表紙では、電気自動車や京山太陽光発電のイラストをＭＯＭＯとともに描いたが、まさに新エネルギー時代がやってくる。
平成23年5月20日 ガスコンバインドサイクル発電
広瀬隆さんの、以下の動画を見てもらいたい。
http://www.youtube.com/watch?v=LrYXGx5trgs&feature...
いわゆる天然ガスを利用した、ガスコンパインドサイクル発電の効率が、５９％まできたこと。そして埋蔵量が３６０年もあるかもしれないこと。安全で公害がないこと。
ジェットエンジン（ガスタービンエンジン）で発電し、さらに排気ガスを３度まで発電に利用するのだから、効率はいい。原発は危険だから、倍もの温水を排出しているという非効率。これらを見事に説明している。また太陽電池では面積がたくさん必要で、短期的に建設できないことも語っている。
いずれにしても、原発は無理だから、中部電力だって浜岡を止めるとなったとき、すぐさま天然ガスを買いに行ったではないか。本当は電力会社だってもうわかっていて、ガスコンパインドサイクル発電に向かっているということなのだ。岡山の水島の第１号機も既に改良されている。安心して原発を止められる。経済にも影響は出ない
平成23年6月8日 原子力発電は純粋経済的に合わない
日本の法律では、年間1msv以上の被曝をさせるといけないことになっている。だから当然福島や郡山で小学校などで年間20msvまで認める、などととんでもない数値を提示した文部科学省は、将来たくさんの訴訟にさらされることになるだろう。その場合当然ながら、菅首相や高木文部科学大臣の責任も問われることになる。
私が総理なら、住民の安全を考えれば、なにはさておき、ほぼ福島県民200万人全員の避難命令を出し、そのための方策を考える。少なくとも18歳までの子供たち数十万人は疎開させるだろう。仮に46都道府県が200万人の被災者受入をするならば、岡山県は大体5万人ほどを受け入れないといけない。住宅にして2万戸。それができるかできないかではなく、本来はやるべきなのである。
しかしもちろん、それらの人々がいきなり生活するにしても大変な困難があり、その先の生活補償をどれだけするか、とんでもないと思われて、そこで思考は停止する。できっこないから。
だがここで私はもし避難させたらいくらかかるか、計算してみようと思う。
200万人を避難させ、1年間生活補償をしたらいくらかかるか。仮に1人100万円なら2兆円。200万円なら4兆円。一方東京電力の年間電気販売額は4兆5000億円。日本の10電力会社の合計電気販売金額は13兆7500億円。だから200万人避難させたら、東電は売上の半分や全部を補償に回せるわけはないから経営は成り立たず、国が補てんするしかなくなる。
政府がホットスポットを無視し、避難命令でなく自主避難とするのは、お金を出したくないからだ。命令すれば、東電に責任があるとしてもいずれ政府が補償するしかなくなる。しかも2兆円という数字は、生活補償だけであって、損害賠償は含まれていない。仮に損害賠償が福島県民1人200万円だったらそれだけで4兆円になり、もし3年間帰還ができなければ、合計で10兆円もかかることになる。もし年間1msvを守れば10兆円もいることになる。国家予算が2011年度92.4兆円、GDPが2010年で540兆円。
さしあたって健康には影響はない、と政府のスポークスマンの枝野氏はいつもおっしゃるが、それでもいずれガンだけでなく様々な健康被害は出てくる。しかしそれらのほとんどは因果関係が証明されないから、補償はされないかもしれないが、それでも健康被害は出てきて医療費の増大や、いわゆるぶらぶら病のような労働意欲の低下を生み、社会保障費用の増大にもつながる。さらには被曝の恐怖から結婚や出産への抵抗感が出て、さらなる少子化の原因になるかもしれない。要するに今は見えない影響があるはずなのだが、それらを政治家たちは見通せないのだろう。知識レベルだけでなく、人間的レベルが低いということである。
とにかく今回の原発事故の影響は、国民生活のあらゆる方面にわたっており、これからその影響を係数的に明らかにしていく必要がある。しかしたかだか4.5兆円の売上の東京電力の失敗によって、これだけの影響がでるのだから、社会経済的にも原子力発電は合わない事業だと証明できるだろう。
原子力発電が高いか安いか、の議論などこの社会経済的分析に比べたら、もう計算が簡単すぎる。原子力発電が全体の3割というのは嘘で、本当は大体25%くらい。つまり全電力会社の売電金額13.75兆円の25%は3.4兆円ほどなのだから、その売上を得るために毎年2兆円とか補償していたのでは、合わないだろう。さらにこれから廃炉費用とか使用済み核燃料の処理費用など数兆円も必要になるだろう。もんじゅなんか、もう常識外の開発費をかけて運転ゼロなのだから。原子力推進の方々は、どうも小学校程度の算数ができない人の集団なのだろう。
純粋経済的に、あるいは純粋経営学的に、原子力発電は計算に合わないと思う。これから仲間たちと詳細に計算していこうと思う。
平成23年6月15日 ヘタレの政治家
今回の福島原発周辺のa避難地域、b自主避難地域、cおよび汚染度が比較的高く、本来避難するべきだと私が判断する地域の人口を計算してみた。いわき市のみは北部の一部でホットスポットがあるとのことなので、一部だけ入れた。
もしa地区住民に1000万円の補償をしたら1兆2705億円。それがbまで入れると2兆3900億円。C地区まで広げたら、11兆6668億円と一挙に増加する。
現時点で、いわき市では北部の一部でホットスポットがあることが、NHKのETV特集に出てくる調査でわかっている。一方福島市や郡山市では風邪の関係からか、予想以上に汚染されていることがわかってきた。
政府がこういった人口分布を見て、賠償金や生活保障金の金額を考慮して、避難地域を考えたであろうことは、想像がつく。補佐官あたりが「総理、福島や郡山まで入れると、東電の賠償能力を越えすぎますよ」と助言したのであろうか。東電の年間売上は4兆5000億程度なのだから、まずは2兆円くらいまでを想定したのではないだろうか。
政府の責任者の立場というのは、常に「お金」を考慮する。首相の権力は「国家の予算配分権」に由来するのだから、ある意味当然なのだろうが、はたしてそういう現状のお金の問題だけで国家のトップが政治判断をしていいものだろうか。今回の避難範囲の設定は、歴史がその是非を判断するだろう。私は歴史が評価できる判断ではないと思う。
LRTを建設するという判断も、これに似たものだ。これだけの自動車社会の中で、自動車を制限して路面電車は走らせようという判断は、まあヘタレの市長ではできないだろう。そして日本には実にヘタレの市長、ヘタレの政治家が多いことか。日本の民主主義がヘタレだということなのだろう。
双葉町 6,917 浪江町 20,686 大熊町 11,264 南相馬市 70,971
富岡町 15,735 葛尾村 1,484
20km 範囲の市町村 127,057人
飯館村 6,189 相馬市 37,919 田村市 41,297 川内村 2,915
楢葉村 7,847 川俣村 15,810
20-30kmの市町村 111,977人
伊達市 66,456 福島市 294,191 桑折町 12,991 国見町 10,242
二本松市 60,437 大玉村 8,456 本宮市 31,757 三春町 18,431
郡山市 338,835 小野町 11,408 広野町 5,383
いわき市345,310の20% 69,042
30-80kmの汚染市町村 927,649人
全合計 1,166,683人
平成23年6月23日 原発削減の方向確定と交通基本法の関係
国会が70日間延長されて、ようやく交通基本法が審議入りするのではないかと思う。今回の立法、おおむね反対する政党はいないだろう。だが大震災の発生した現状では、決して重要法案というわけではないが、対立法案にもならないだろう。しかし本当はこの法律がこの国会に上程されているということは、原発事故を経験した日本にとってはとてもタイムリーな事なのではないかと思う。というのは原発事故によって、我々の生活はエネルギーの使い方についての大転換を迫られるからである。
●戦災復興は石炭と水力、電車で
戦後の我々の社会は、まずは石油を輸入するお金がないから国内にそれなりにあった石炭を掘って産業を活性化させた。本当は石油の方が流体であるだけに産業としては使いやすかったから、日本は南方のインドネシアの石油を取りに行くために、太平洋戦争を始めた。もちろんその前提には中国をめぐる利権の対立からABCDライン、すなわちアメリカ、イギリス、中国、オランダの貿易制限によって石油禁輸措置が取られたからであったが。
戦後日本がもう一つ力を入れたのは、水力発電だ。雨が多く山が険しい日本では、ダムを作って水力発電をするのに適していた。そうして発電した電力で東京、大阪などの電車を動かし、大人口を効率的に移動させることができた。その一環としてモータリゼーションが始まるまでは路面電車の営業キロが増加し続けた。つまり日本の戦災復興は石炭と水力発電、電車で行ったとも言えるのだ。
●ドイツの交通政策とエネルギー政策は国防のため
ドイツも日本と同じように、石炭は沢山あるが中東の石油を取るために第二次大戦を起こした。石油は液体で便利だ。戦車も自動車も飛行機も石炭では動かない。内燃機関は小型化できてとても便利だったのである。自動車や飛行機の発明が第二次大戦を起こしたともいえるのである。
二度も戦争に負けたドイツでは、現在でもナチスドイツの残党を捕まえているという。戦争の総括を徹底的に行ったドイツでは、いざとなれば便利な石油にできるだけ頼らない社会を作ろうとした。だからベンツを筆頭とする自動車産業の育成には力を入れたものの、だからといって都市交通における路面電車の路線を税金を使って維持する政策を取ってきた。トラックによる物流には石油が必要だが、人を乗せる交通は、いざとなれば個人の自家用車を徹底的に削減して、公共交通で代替できるのだ。
チェルノブイリ原発事故を契機に、ドイツでは原発全廃を計画した。すでに大気汚染による公害で、黒い森に大被害が出ていたので、国民の環境に対する意識も高くなっていた背景はある。ドイツも狭い国土なので原発は危険と感じたのでもあろう。また自然エネルギーの積極的開発なども一連の流れで説明できる。
広い意味での国を守るための政策、それは究極は食糧とエネルギーの自給をすることだと思うのだが、ドイツでは路面電車を走らせ、自然エネルギーを積極的に開発していった。だからこそ原発廃止を決定できるのだ。
●日本の原発は削減の方向で決定した
日本の原発は段階的削減に入ったことは間違いないが、これは菅さんが決めたわけでもなく、誰が今後総理になっても、流れは決まっている。なぜなら今後20年は少なくとも新規原発を作れないからである。今日現在日本には54基の原発があるが、今運転しているのは19基(定期点検調整運転中2基を含む)。今回の地震で止まったのが12基と、浜岡の2基が停止。中越地震でも柏崎刈羽原発が3基止まったままだ。
チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故はそれぞれの国で原発新規建設を止めてしまった。アメリカでもロシアでもそれほど恐怖は大きかったのである。だから20年間、原発は両国でできなかった。これは当然日本でもそうなるわけだ。まして福島はまだ収束どころか、収束させる方法さえ見えていない。さらに汚染水の処理もままならないばかりか、フランスのアレバ社の放射性物質を除去できると主張する装置を日本は使っているが、アレバ社はなんと1tの処理に2億円もふっかけてきており、現状10万t以上という汚染水を処理するには20兆円もかかる計算になる。これではまさにフランスは火事場泥棒みたいなもので、本当にこんな金額を払えるとも思えないし、払う必要もない。値切ればいい。日本の国家予算は90兆円ほどなのだから、なんでそんな金を払う必要があろうか。ちゃんと原価計算させて値切ればいいのである。フランスのサルコジは日本に救援に来たのでなく、商売に来たのだと、どうしてマスコミはちゃんと書かないのか。マスコミはそんなにお拍子者だったのか。
話が飛んだが、日本の原発のうち30年以上が19基もある。(35年以上が11基) 福島第一の6基は全部30年以上だった。フランスの原発は58基中35年以上が0。原発の寿命はおおむねせいぜい50年だが、福島第一のような古い原発は安全性が低い。仮に40年使うとすれば、20年後には16基しか運転できない。16基のうち2基は浜岡であり、その間に東南海地震の来る可能性は何%になっているのだろうか。
仮にすべての都道府県で知事が定期検査からの再稼働を許可したとしても、20年後には新規建設ができないかぎり、原発の数は16基になると考えたほうがいい。それで日本の産業を支えることはできない。
●自然エネルギーはやらざるをえない
今年の夏の停電はとりあえず、稼働率48%の火力発電を本格稼働すれば回避されるだろう。1年もすれば細心のガスコンバインドサイクル発電機が大量に稼働していくので、停電はもうない。ただ問題なのは地球温暖化との関係だ。大量に放射性物質を出しておいて、「原発は二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーです」というコマーシャルは、悪い冗談だったと思うが、それをまじめに放送させていた電力会社と経済産業省、大手マスコミの知性というのは、一体どうなっていたのだろうか。私などはよく娘と「冗談きついよなあ」と言っていたが、この事だけでも彼らの言うことは信じられないと思う。
しかしともかく原発が発電のところだけみれば二酸化炭素を出さなかったことは事実で、その数値をどこで減らすかといえば、自然エネルギーをやるしかないのである。今まで原発で儲けたい人々が、意識的に電力独占体制を作り、原発は安いと嘘を並べ、自然エネルギーは合わないと情報操作してきたのだが、これはもう嘘だとばれてしまった。もう我々の社会には自然エネルギーに向かう方向しかないのである。そう腹をくくれない大企業の経営者は時代遅れなのだから、そんな会社の株式は売ったほうがいい。そういう会社に勤める社員は、転職を考えたほうがいい。私はソフトバンクの孫社長は、人間としては大嫌いだが、少なくともそろそろ先が見えてきた携帯電話事業から、自然エネルギーとスマートグリッドに的を絞った経営者としての判断は正しいと思う。嫌いな奴でも正しいことは正しい。
それに乗って政権維持をはかる菅首相の態度をどう思うかといえば、それなりに先が見えているなと思う。国民に蔓延する漠然とした原発への不安感、この前の世論調査では70%以上が原発は段階的に削減するべきだと答えているのは、その不安感の表れだし、それを見て菅さんは原発をテーマに解散に打ってでるとすれば、マキャべリストとしてのセンスは抜群ということになる。ひょっとしてまた福島4号機の鉄骨が台風か巨大余震で崩れたら、燃料棒が倒壊して大変な放射性物質放出になるかもしれないので、僕は本当に不安なのであるが。
●交通部門に改革で温暖化対策を進める
さてさてまた筆がすべったが、ようやく交通基本法の話になった。要するにすぐに温暖化対策をやれるほど自然エネルギーの開発が進むわけではないのだから、交通部門で大幅な削減を図ることは理にかなっている。いわばドイツのやったように、まずはLRTとバスによってできる限り自家用車の排出量を減少させる必要がある。
次には効率のいい電気自動車の開発である。岡山の三菱自動車では昨年からアイミーブという電気自動車を販売しているが、まだ航続距離が短いのが難点。だがベネッセの福武会長が関与するシムドライブではホイールモーターを使って既に300km以上の航続距離を達成しているし、電気バスの開発もできている。
こうした新しい技術と、公共交通の重視政策によって、交通部門での排出量削減を急ぐ必要がある。そしてそのためには交通基本法を今制定するということは、公共交通に予算を重点配分する根拠にもなるのだから、一石二鳥ではないか。
私はRACDAの提案として「クリーンモバイル都市岡山構想」をぶちあげる。LRT、電気バス、電気自動車、バイクビズ(自転車)、晴れの国岡山の太陽電池発電やメガソーラーなどを組み合わせて、日本の将来を岡山から描きたい。
平成23年3月12日 地震と原発
今回の地震、やはりリアス式海岸の被害が大きいようだ。先般の盛岡での講演のとき、宮古に行きたかったが、それはリアス式海岸を見ておきたかったからだ。
テレビのニュースでは、当初仙台空港あたりの模様が実況中継されたが、あそこであれだけ被害が出たなら、リアス式海岸は大変なことになっていると想像した。陸前高田ではおそらく数千人がわからなくなっているのではないか。阪神大震災以上の被害になっているだろう。
さてやはり原発は予想通りの事故を起こした。地震国日本に、原発はいらない。あってはいけないことを人々はやっとわかってくれるだろう。だからＬＲＴや公共交通の充実で、できるだけ石油や石炭の化石エネルギーに頼らない社会を作ることが日本の国防なのだ。ばかな政府だから、とくに経済産業省は原発政策を推し進め、「クリーンなエネルギー」などといってテレビで大々的に宣伝してきたが、どうだろう、これで見直さなかったら、それこそ大馬鹿政府と言うことになる。
東京を直撃はしなかったが、東京のエネルギー原たる原発群は壊滅したに等しい。しかしもっと怖い原発がある。愛媛県の伊方原発のように、東西の中央構造線上にあるのもある。東京の住民はまだまだ今回の事態を呑み込めていないだろうが。こういう津波は東京の地下鉄を全部水没させるだろうし、静岡の原発がメルトダウンしたら、東京は住めなくなる。原発は、国後島でも買って作るしかない。
それにしても痛ましい事態だ。こういうとき、すぐには国も行政も守ってはくれない。大事なのは、自分で自分をまず守る知恵と行動だ。そしてこうした地震や津波は、東海でも南海でも起る。この教訓をどれだけ生かせるか、我々の知性が試されている
これで国会の泥試合も終息するだろう。小沢氏はこういうとき、何か言ったどうなのか。地元だろう。チュルドレンはどうなったのか。政治的メッセージをひとつもださないのか。牛耳ることしか知らないのか。
平成23年3月15日 原発報道について
原発報道
私はＮＨＫの中国地区番組審議会委員をやっているので、今回の地震や原発の報道について、あさっての広島の会議で意見を述べようと思う。
ＮＨＫのニュースはともすると、政府など行政発表に頼る場合が多い。しかし東電の発表は右往左往した、意味のわからない発表であり、それを垂れ流すのではかえって不安をあおる。大至急そういう場合は、解説を加えないといけない。
今回の一連の発表には多くの議論のすり替えや疑問が感じられる。たとえば原発周辺の放射能数値は１時間あたりで発表。一方人体の影響は１年単位だ。１時間と１年では２４×３６５＝８７６０ということで約９０００倍の差だ。報道機関たるや、すぐにこうした解説を入れるべきだ。
またマイクロシーベルトとミリシーベルトの使い方にも発表のごまかしが感じられるが、さっきのニュースでは至急に解説をしていた。しかしそもそも首相のコメントで「単位が違うから」という表現でなく、単位が１０００倍だから」とはっきり言うべきだし、ＮＨＫは即にそこで解説を入れるべきだったろう。
こういう内容を言おうと思う。菅首相は今朝早く、東京電力に乗り込んだ。これは辻元補佐官などの投入の効果が出ていると思う。最近、交通基本法関係で辻元さんと数回意見交換する気があったが、なかなかできる政治家に育っていると思う。こういうときは、東電の官僚的職員、経済産業省の官僚的広報官などでは埒があかない。そもそも記者会見というのは、隠すためにやるのでなく、相手に自分をわかってもらうためにやるのに、どこの広報官もそういう訓練ができていないようだ。またこうした大企業の幹部は現場を知らないエリートばかりだから、自分で記者発表することさえできない。
東京電力も政府も、まず鉄道を止めるのでなく、大企業の操業を止めて電車の電力を確保するべきである。とりあえずすぐに必要のない、（実際は止まってしまうが）自動車、家電などの生産は止めるべきである。ライフラインを先に止めてどうするのだ。「原子力がなかったら困る」というキャンペーンの可能性がある。
東京から避難を検討しておけ
３０ｋｍの自宅待機命令は、事実上の退去命令だ。５０ｋｍ程度がとりあえずの風上の安全範囲だろう。約２００ｋｍ離れた東京在住の、学生など、とりあえず帰省することのできる人々は、至急新幹線の動いているうちに、関西などに避難するべきだ。それは節電にもつながる。１週間もすれば状況もわかるだろう。東京だって風下になれば危険だ。
詳しくはウィキペディアの下記「被爆」を参照されたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D
福島第一原発の４００ミリシーベルトは、白血球が減少するレベル。３０００−５０００では半数が死亡。７０００以上では全員死亡。５００だとリンパ減少。１０００で吐き気嘔吐。２０００で脱毛。１９８６年のチェルノブイリ事故では、１３０ｋｍ離れたゴメリ市で脱毛減少が出たという。
チェルノブイリの時は、風に乗って北欧でも大問題となった。
チェルノブイリの時も、１９７９年のスリーマイル島の時も、政府の発表は常に後手後手にまわるものである。なぜなら避難による混乱、経済への影響を考えざるをえないからで、それは理解してあげよう。また誰しもそうだが、サラリーマンとして勤務している以上、上司が逃げろと言わないかぎり、職場放棄になるから、つまり首にはなりたくないから、避難しにくい。あとは自分の判断だけだ。
今ニュースで、新宿でも０．８９マイクロシーベルトの放射線を確認したらしい。通常の２２倍。この数値、０．０００８９ミリシーベルトという意味である。この数値、１年間浴び続けると、Ｘ線ＣＴ１回分の被爆量ということだ。
東北ではガソリン不足でバスが動かない。
山形の知人から、さっきメールがきた。軽油不足でバスもあぶないという。青森でもバス会社がもう燃料がないと言っている。こうなるとガソリンも当然不足しているし、原発被爆から避難することもままならない。通常風は西から吹いて、天気も西から東に動く。だから福島原発は風下になる確率の一番高い位置にある。けれども風はいつも変化している。風下にいたアメリカの空母は、放射能を検知して、そそくさと逃げている。原子力空母が逃げている。
平成23年3月17日 歴史的一日
今日は広島でＮＨＫ番組審議会があり、震災と原発について、色々深い議論をやった。私は、一昨日予告した内容を発言した。今日の審議会は、原発の放水がどうなるか、という重大な局面の中で行われ、何か異様な雰囲気でもあった。
新幹線
ところで岡山からの新幹線は平常通りに動いている。一昨日のＲＡＣＤＡ幹部会では、原発問題についても議論した。なんと東海道新幹線が支障なく動いているのは、作るときに６０ｋｈｚで電化した関係で、電力供給は中部電力から受けているのだそうだ。だから電力が足りてる。しかし新幹線を走らせるには原発１基分もいるとか。その原発の発電量は１基あたり１００万Ｗともいいますが、実際には今回の福島のはたとえば１号炉は４０年前の旧型で、発電量も小さい。しかし今後計画している７−８号炉は１３７万Ｗだそうですよ。もっとももう作れはしない。
「電車を走らせるのも原発の電力がなければいけないから、ＬＲＴだってそうでしょ」と原発反対論者から攻撃されたことがある。今回確かにそれも証明されたわけだが、だからといってエネルギー効率からいえば、自家用車やバスよりも鉄道ははるかに効率的なわけだ。またＲＡＣＤＡ会長は車に乗るのはおかしい、とも言われたことがある。
そういう極論を言われても困る。今日の番組審議会でも公共交通についての議論があった。原発にしろ、官僚制度にしろ、過度に自動車に依存する社会にしろ、それを是正する必要はあるものの、だからといってどうしてそうなったかという歴史的経緯を考慮するべきだし、それらに依存する利益集団を納得させて政策変更するのは、時間と手間がかかるのだ。
エネルギー政策とＬＲＴ
私は企業家だったから、環境問題に理解があったわけではないのだが、１９９７年の岡山での路面電車サミット以来、環境団体から講演に招かれるようになり、ちょうど京都議定書の年でもあって環境問題について勉強した。その結果、ドイツやフランス、アメリカのエネルギー政策と交通政策の連動、さらには国防政策との連動に気がついた。だから資源がない日本は、唯一自給できるお米の生産を重視するべきだし、さらに狭い国土での原発は何か事故がおこると危険だし、エネルギー危機がくれば、過度に自家用車を利用するライフスタイルは一瞬にして破壊されると気がついた。
だから日本のエネルギー政策では、もっと自然エネルギー、太陽光発電、地熱発電、風力発電を増やし、せめて原発５基分とかの目標を設定する必要がある。公共交通重視は石油依存を減らせる。ＬＲＴの推進市民団体を全国に広めようとしたのは、こうした意識のもとに、日本のエネルギー政策をソフトランディングさせようという国家間から出たものだ。私の講演を聞いた人々は、それに感激して仲間になってくれた方々が多いと思う。
今日の政治的意味
さて今回の震災は、「関東大震災」と同程度に、歴史的な出来事だ。おそらく今から日本の社会が大きく変革していくだろう。少なくとも一昨年の民主党政権誕生以上の意味があるだろう。そしてこの国難は、どの政権であっても解決困難な課題だ。民主党の小沢氏が仕掛けていた倒閣運動が、雲霧散消したのも、名古屋の河村市長の地域政党勝利の影が薄くなったのも、何か運命的なものを感じる。どちらも少しうさんくさかったわけだ。こうした国難では、どんなパーフォーマンスも通用しない。この国難の中で、国のトップリーダーの求心力が問われているのも事実だが、少なくともこの数年の政争があまりにレベルが低かったかということが証明されたようなものだ。
ところで民放は昨日あたりから、普通の放送を始めたが、これから経済的にも大打撃を被った関東を支えるためにも、関西が一致団結して、あまり自粛などせず、どんどん経済を動かしていかないと、景気が悪くなればますますお金が詰まっていく。そういう意味で、暗い話題だけではいけない。あの太平洋戦争でも、ちゃんと慰問団という歌手などの派遣が行われていたよね。コメディアンやアーティストが、慰問団を結成して、避難所をまわるという救援の仕方もあるということだ。
原発放水
今日の番組審議会でも指摘したのは、東京電力や政府の発表がとても下手だということだ。官房長官とは、いわば政権のスポークスマン。と同時にその発言は並みの大臣以上の影響力がある。アメリカや中国のスポークスマンの力強さは、ともかくいつも説得力があるように見える。ところが今回特に東京電力や原子力保安院の広報のなんたる無能なことか。結局現場を知らないだけでなく、胆力不足、世間知らずを露呈していて、何のために記者発表してるのかさえわかっていないのではないかと思う。
１５日のブログで書いたように、まず言葉が専門的すぎて、数字にもごまかしが多い、次に質問されても答えられない、さらに対策というものはいくつかのシナリオがあるはずなのに、その多様な可能性についてしゃべる権限を与えられていないということだ。これだけの事態だから、東京電力は役員が記者発表するのが普通の企業だと思うのだが、誰も出てこない。社長はわずか１回、つまり答えられる能力のある役員は一人もいないということを表している。こんな企業に我々は安全を託していた、しかもほとんどの人はそれに気がついてもいなかった。
今朝の自衛隊ヘリコプターの放水には、正直言って落胆した。見るからにほとんど風に流されていた。百聞は一見にしかず。また新幹線には、避難する子連れのお母さんが多かった。三十六計逃げるにしかず。今の東海道新幹線は毎時１０本はのぞみを走らせられる。朝６時から２０時まで１４時間、また１本１４００人位は座れるのですから、東京脱出には１日で１０×１４×１４００＝１９６０００で、毎日２０万人は運べる。もし福島の原発がメルトダウンをおこして、３００ｋｍ範囲の避難命令を出す必要があれば、関東にいる４２００万人全部を西に避難させる必要がある。上越、長野新幹線を使ってもせいぜい毎日４０万人というところだろうか。ということは１００日かかるということだ。「日本沈没」という映画を思い出す。そういう悪夢さえ今日の昼には考える必要があった。
チェルノブイリやスリーマイルはわずか１基の原発の事故だが、今回はまとめて４基、さらにそれが手遅れになれば、５号６号からも人は退避、さらに福島第二原発も同様になる。そういうシナリオを想定すると、どんなことがあっても今日解決の糸口を探さなければならなかった。そういう歴史的一日だったと思う。
ヘリがだめ、警察の放水車がだめ。最後に自衛隊の放水車は、航空機事故のためのもので、ようやく３０ｔの放水に成功。水槽には２０００ｔの水が入ると聞いたときにはぞっとしたが、今日の温度上昇分をカバーするには５０ｔでもいいと聞いて、少し安心。こうした数字をもっと記者会見ではだしていかなければならない。
人はミスをする。機械は壊れる。自然には勝てない。そうした思想は、ＮＨＫの解説をやっていた柳田邦男さんがいつも言っていた。僕はその著作で「フェイルセイフ」という発想を知った。だから「オール電化住宅」なんて電力会社が営業しているのには、嫌悪感さえ覚えていた。常に複数の手段、可能性を考えて行動することが自分の身を守ることになる。
平成23年3月18日 高速無料化見直し
民主党の岡田幹事長は、高速無料化を見直しを表明した。その分のまずは新規交通実験分１２００億円を震災復興にまわし、さらに２兆円の高速無料化予算そのものも見直すという。
実は我々も、そろそろ緊急アピールを用意していた。「高速無料化を廃止して、震災復興にまわそう」と。官邸の福山哲郎氏、辻元清美氏はともにＬＲＴ議連のメンバーだが、彼らからも当然こうした意見は出たであろう。
そもそも小沢氏がある評論家の「高速無料化で物流コストを下げれば、景気がよくなる」という説を信じて、いや利用して、地球温暖化対策やエネルギー節減に反する「高速無料化」をマニュフェストに入れたことが誤りであった。我々全国路面電車ネットワークでは、一昨年１２月緊急アピールでこの政策に異を唱えた。新政権は、選挙のための財源なきマニュフェストに縛られて、思うままには政策を実行できなかった。自民党は、そのマニュフェストに対抗して週末１０００円という愚策を実行した。
壮大なる社会実験の結果、多くの国民は高速無料化を望まなかった。もちろん地方にいる我々にし、まだまだ高速道路も必要でし、ＬＲＴを中心とした交通転換には、環状道路整備や自転車道整備も必要である。高速料金そのものも、やや高すぎるのも事実だ。しかし今回の震災で、ようやく政治的メンツでちゃんとした政策がとれなかったことが解決されるわけである。
与野党ともに、首相経験者の子や孫の２世議員が安倍、福田、麻生、鳩山と４代続けて総理になるという、北朝鮮顔負けの異常な事態は、日本の政治的不毛を象徴していた。しかも日替わりメニューのような１年政権の連続であった。これでは政策の実行はできない。菅政権は、震災と原発事故という国難に対して、果敢に取り組んでもらいたい。我々市民団体も全面協力である。この国難は誰がやっても大変なのだから、当分選挙はいらない。
平成23年3月22日 おいでんせぇ岡山
東北関東大震災も発生から１０日あまり。あまりの被害に、岡山あたりでは、何かしたいと思いつつも、具体的に何かすぐできるというわけではない。まずは生存者の救出と避難場所の確保ということだが、今回は原発事故問題が重くのしかかっている。
さて一昨日「おいでんせぇ岡山」というネットワークが立ち上がった。発起人代表は吉備津彦神社宮司の西江さん。たまたま先般から「吉備邪馬台国説」を真正面からとらえた吉備路観光の将来を考える会を模索する中で、吉備線一宮近くのＳＡＬＡさんというレストランで会合をしていたネットワークとつながった。
だからもともとは吉備線ＬＲＴ化を見越した動きであったのだが、地元の「吉備の国をみなおそう」という動きとつながり、そのメンバーが４月１１日のワイン電車に乗ろうと決めたのが、震災前日の１０日だった。このＳＡＬＡには、アーティストやセラピストなど多彩な方々が、ミクシーなどでつながり、オフ会を繰り返している。
ＲＡＣＤＡのデザイナーであり写真家の白井さん（全国大会のイラストを描いた）から、「あれだけの大量の被災者を岡山で緊急に大量に受け入れられないか」との提案があったのだが、ほほ同時に一宮でも同様のことを考えていたので、合流することになり、ＲＡＣＤＡのＭＬでも流した。２０日の第一回会議では当初１０人位の参加かと思ったが、３５人ほどがあつまり、「おいでんせぇ岡山」が結成された。今日の１８：１５のＲＳＫイブニングニュースでも取り上げられることになった。
岡山県内では、県市町村で合計１８９戸の公営住宅を受け入れ準備しているが、今後原発問題などもあり、関東圏から関西圏に移住したいという方々も増えてきそうだ。そこで我々は今から、岡山に永住し、仕事も持つということを前提とした受け入れを図ろうと思う。阪神大震災の時は私も救援物資を整えて、自前で乗り込み、日帰りできた。今回さすがに遠隔地の岡山では、食糧と寝袋、ガソリンを持参しないかぎりボランティアでも現地に乗り込むことは現実的ではないから、できることをはじめようと思う。長期支援に絞って活動を始めようというわけだ。
具体的にはまず岡山県内の空き住宅、空き部屋の情報を収集、次に現地からの移住や避難希望情報を収集し、受け入れを調整。受け入れ後の医療から仕事の紹介、子育て支援、精神的ケアなどそれぞれの特技を生かしてやろうというものだ。本当は現地のコミュニティーごとのそっくり移住までもやりたいが、それはまだ想定されていない。
原発問題では、関東圏からの大量避難者が想定される事態である。そうなるともう難民である。そうしたことも想定して今から大量に受け入れを考えようというものだ。関東に何かあれば数十万人規模の受け入れさえありうる。プレートの不気味な動きを考えれば、政府は津波対策の不十分に浜岡原発は停止するべきだと思う。四国の原発も危ない。
こうした事態になると、エコポイントはなんだったのかとも思う。私も喜んで大画面テレビを購入した口だが、結局電力消費量を増加させただけのことかもしれない。また地デジ実施も延期だろうな。
と、これを書いていたら、同級生の岡山県環境生活部の幹部から電話があったので、「おいでんせぇ岡山」について伝えた。岡山県では１８９戸のあと、さらに雇用促進住宅や民間企業の空き団地など５０００戸を確保したいそうである。明日第二回の連絡会議があるそうだ。
平成23年3月24日 岡山県5000戸受入、JR岡山支社震災で減便
今日の連絡会議の結果（佐藤真治県議からの情報）
岡山県の東北地方太平洋沖地震に係る救援物資の受入品目の変更があります。
被災地において、毛布等一部の物資は概ね充足しつつあること等から、毛布、タオル、その他日用品（トイレットペーパー）等の受入は休止。現在、被災地からの支援要請があり、かつ、今後も引き続き要請が見込まれる、以下の品目に限られます。�〇罎�むつ（大人用、乳幼児用とも、梱包品に限る）、�∪戸�用品（梱包品に限る）、��マスク（未使用品に限る）、�で┐譽謄�ッシュ、お尻ふき（未使用品に限る）食料品等については、受付を行っていません。
被災者受入に関する方針（案）によると、避難所で生活中の被災者が２５万人あまり、全員への仮設住宅供給や被災地での生活再建の困難性、被災地周辺での仮設住宅整備には長期間を要する見込みから、希望される方については、本格的な移住も受入れ、生活支援、就職支援、コミュニティ継続、岡山県の移動の便宜などで、５０００人程度の受入を準備する方向で検討されています。
既存の公共施設、廃校となった高校校舎などを一時遠隔避難所に。県営・市町村営住宅＝約２５０戸、県職員・教職員住宅＝約２０戸、雇用促進住宅＝最大約８００個、中山間等の空家＝約８０戸、その他、民間賃貸住宅、民間企業社宅、個人住宅の離れ・空き部屋等、応急仮設住宅建設を住宅に。
ＪＲ岡山支社減便（ＲＡＣＤＡの大塚会員からの情報）
4月2日から日中、最大50%の列車数の削減が行われる模様です。詳細はJR西日本のプレスリリースを見てください。
http://www.westjr.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2011/0...
ＪＲ岡山支社の在籍車両は古いのですが、震災の影響でモーターの消耗部品工場が被災し、供給間に合わないみたいです。赤穂線に関しては1時間に2本設定されているものうち長船止めの列車を削減するらしいので1時間に1本は確保されていますが、宇野線に関しては2時間に1本という状態になってしまいます。沿線高校なども年度初めは午前授業が多く、帰宅時間にもろに影響が出てしまいます。直島などへの客の流れもありますし、バスの増便・臨時便の設定などを交通事業者に提案した方がいいのではないでしょうか？
平成23年3月26日 日本の行方
東京電力の失敗は、日本の失敗でもある。その原点は戦後総括の不足でもある。
１９９７年、全国路面電車サミット開催のとき、ドイツはなぜ路面電車を残したのかについて、「あの第二次大戦、ナチスドイツは石油を求めて戦争を起こした。その反省のもとに、できる限り石油に依存しない体制を構築しようと考え、いざというときの油断に備えて公共交通の維持する政策を取った」というコメントを読んだことがある。
一方、日本だってＡＢＣＤラインから石油禁輸という経済制裁を受けて、インドネシアに石油を取りに行ったのが太平洋戦争だった。その結果、原爆を落とされ、世界唯一の被爆国家になった。もしその反省があるなら、ドイツのようにできる限り石油や原子力に依存しないエネルギー政策を取るべきであった。ドイツは原子力発電さえ廃止しようとして、最近その廃止をやめようとしていたが、今回の事故を見てまた原発廃止の方向に向かおうとしている。
日本だって努力すれば原発廃止は可能であるはず。被爆国の使命としてもそれはやるべきだ。まあ２０年はかかるかもしれないが、どっちみちこの事故で原発はもう一基もできることはあるまい。それどころか、浜岡原発はすぐにでも止めなければ危ない。少々経済が落ちても、浜岡は止めるべきだろう。東西から放射能で汚染されたら、東京が持たない。今回の原発事故で、東京一極集中の危うさもようやく判明したわけだから、地方都市への経済政治機能の分散が必要なことは明らかだ。
原子力発電をやってプルトニウムをため込むことは、軍事的には「いつでも原爆を持てる」ことでもあった。だが、この放射能の恐怖はなんだろう。本当に安全なら、原発は皇居につくればいいのだ。その自信があるばすはない。あの東京電力の記者会見を見ていたら、どんな会社かと思う。
菅総理の今日の会見、ちょっと涙目に見えたのは、僕の錯覚なのか。つらかろう。でももう少しつから強いアピールが欲しかった。
平成23年3月26日 地学の素養
私は大学入試で地学を取った。その理由は、鉄道模型のレイアウト（ジオラマ）製作には、地学の知識が必要という、きわめて単純なものだった。また大学２年の頃は吉備の古墳分布図を作っていて、岡山の地形図で標高３Ｍラインをもとに当時の海岸線を予想し、そこから古墳の立地を考えた。
高校１年の時、１９７０年に地学の授業を受けた。当時プレート理論、すなわちウェゲナーの大陸移動説を習った。アフリカと南アメリカの海岸線の形が似ていることから、ウェゲナーは大陸移動説をとなえ、それがプレート理論で証明できるというものだった。
我々は今や誰でもこの理論を高校で習う。だから地殻変動についても知っているはずだ。海岸段丘や河岸段丘も断層運動の結果で、一度の地震で５ｍもの段ができる例であることを知っているはずだ。ところが地学など本気で教える高校はあまりない。下手すると、地学を取ったことにして、化学や物理の授業をやるところがある。受験で重要でないからと冷遇されてきたのが地学だ。また地理ではリアス式海岸は津波に弱いと習う。
最近では東海地震への恐れから、各テレビ局も再々津波の恐ろしさについて番組にしてきた。まして数年前のスマトラ島沖大地震では、２０ｍもの津波がおこるときの模様を、我々はテレビで見てきた。それでつい最近もＮＨＫはもし首都圏を津波が襲ったらどうなるか、番組にしていた。
だから今回、福島第一原発の津波の想定について、「想定外だった」などというのは、とんでもないことで、単なる無知だったということだ。原子力を扱ってるから、頭がいい科学者だろう、などというのは幻想である。オウムの事件が、多くの科学者や医者を巻き込んだように、知識＝知恵ではないということのいい例である。
洪水だってそうだ。数年前、京都府北部での洪水で、バスが流され助かった美談があった。日本は山の多い短くて急な地形で、しかも多雨なわけだから、当然洪水は多い。吉備の古代史を調べていると、たとえば百間川遺跡などでは、たびたび洪水に見舞われていることがわかる。古墳時代からざっと３ｍも土砂がたまっている。考古学とはその洪水の歴史と地層を科学して、そこに埋まっているものの時代を推定することなのである。つまり今我々は利用している「平野」とはすべて洪水のせいでできたというわけだ。
国土交通省は、最近１００年に一度の洪水に耐える堤防を作ろうとしているが、せいぜい１００年に一度であって、１０００年に一度の洪水に耐える堤防などは造れないものなのだ。先人はそれを知っていて、池田家では洪水防止に百間川を作った。旭川との分岐点は荒手というが、この構造は実に巧妙である。岡山の後楽園の南端にある木造の橋は、洪水時は流れるようにできていて、洪水が終わるとまた元の位置にもどす。四国の吉野川では潜水橋といって、増水時には潜ってしまう橋もある。これらはあえて洪水にあらがわないという試みなのだ。
平野も、なだらかな山並みも、すべて水が山を崩した結果だ。地球は水の惑星、そして我々の体の７０％は水なのである。水は強く、そしてありがたい存在だ。だがある時は我々に無情なものにもなる。今回の津波と災害、そして原子力の利用、深く考えていきたい。
平成23年3月27日 おいでんせぇ岡山始動
今朝の山陽新聞の朝刊で、「おいでんせぇ岡山」の活動が紹介された。
連絡先を私の携帯にしていたので、早朝からたくさんの電話がかかっている。ボランティアスタッフの応募、たとえば災害支援、メンタルケア、就職支援などの方々だ。
またアパートなどの格安提供や無料提供の話も来ている。今日１８：００−２１：００に吉備津彦神社での第二回会議があるので、何人かは直接来てもらうことにした。輪は広がっている。
岡山県でし１１００戸５０００人の受入を決めており、さらに宅建業界も動いているし、旅館関係も受入準備を進めている。一方岡山県は明日幹部を含めた応援部隊を福島県に派遣するので、ここからの情報も取りたい。幹部は私の知人でもある。岡山県は一応福島県を支援することになっているようだ。
ここからは１次避難から２次避難ということになる。いつまでも学校や公民館というわけにもいかず、被災者は現地に残って仮設住宅の建設を待つか、知人などを頼って地元を離れるかという決断をせまられる。これは原発被災者も同様であろう。怖いのは原発の場合、さらに範囲が広がることも想定されるし、また原発被災者は風評被害にも会い始めていることだ。
昨日はそういう事例の相談もあり、我々もあわてて原子力被爆の情報収集をした。現在の被災者に他の人に影響をおよぼすような高濃度汚染はないようだが、今からそういう事態も想定しておく必要がある。勉強したい人は、以下のホームページに基礎知識から汚染除去までのマニュアルが掲載されているので、御参考にされたい。
http://www.nirs.go.jp/index.shtml
平成23年3月29日 私達の使命
１９９７年の岡山での路面電車サミットは、京都議定書の年であり、地球温暖化対策の元年でした。私はそれまで原子力の平和利用、すなわち原子力発電所の存在に何ら疑問を持っていませんでした。
しかしこの年、私はドイツが原子力発電所を全廃しようとしていることを知りました。あの第二次世界大戦が石油を中東に取りに行くことによって起こった反省、またチェルノブイリ原発事故への反省から、原子力、石油に出来る限り頼らない社会を作るために、路面電車や公共交通を重視する政策を強化したのです。
岡山の超低床路面電車ＭＯＭＯの技術は、そうしたドイツのものです。私は路面電車推進を通じて、実は原発反対運動を行っていました。しかし残念ながら、もう遅かった。既に福島原発５０ｋｍ以内では、チェルノブイリ以上の土壌汚染が起こっており、人は住めません。私は今日大変な無力感に浸っています。
けれど今からでも、すぐやるべきは、東海地震の震源域にある浜岡原発を止めることです。そして、路面電車など人と環境にやさしい交通を拡大して、石油に頼らない社会を作ることです。なぜなら石油は温暖化をおこすけれど、とりあえず発電に回すしかないからです。日本は、省エネだけでなく、あらゆる自然エネルギー発電を推進する義務があります。世界に原爆以上の放射能を撒き散らしてしまったのですから。
そういう使命感をもとに、私は「おいでんせぇ岡山」設立に参加しました。放射能汚染地域の農民市民を、せめて岡山や西日本に迎え入れたいと思います。
参考
福島原発事故の歴史的意義について、元慶応大学教授の藤田祐幸さんの緊急講演会の模様が以下の動画サイトに投稿されています。是非見てください。「浜岡原発を今すぐ止めるべきだ」ということがよくわかりますし、岡山でも放射性ヨウ素が検出された意味もよくわかります。
2011 3 26 藤田祐幸講演 長崎「始まりの始まり」
http://www.youtube.com/watch?v=3UAY2oXyInk
平成23年3月30日 福島現場廃炉の署名
私の知人の娘さんが、原発反対運動を実施されています。昨日の日記を書いて寝て起きた時、メールが来て知りました。実は私の娘も大学時代に環境学をやっていて、今回の原発事故にはとても神経質になっています。なぜなら子供がまだ２歳だからです。保守的な娘さえも、デモをしたいと言いますし、妻は東京にいる次女の被爆を心配しています。
原爆反対運動は、母の心でやっていただくのが最もいいのではないですか。そして原発を生んだ競争原理の男性中心社会を打ち破るべきでしょう。
以下、メール転送
市場恵子＠岡山です。
東北関東大震災の被害は大きな地震と津波に原発事故が加わり、目に見えない放射能に対する不安が今も続いています。原発事故の処理が一刻も早く収束しますように、これ以上放射能漏れの被害が拡大しませんように、事故処理に携わっている現場の方々の命と安全が守られますように、と祈らずにいられません。
私の娘一家は福島県川内村の山奥にある「漠原人村」で自然農を営んでいましたが、１１日の深夜、一家４人で岡山に避難してきました。地震は大きな揺れだったにもかかわらず、ガラスコップが割れた程度で、家はびくともせず、いつもどおり夕食を作って食べ（薪ストーブ、井戸水）、薪で沸かした五右衛門風呂に入り、子どもたちに絵本を読んでやり・・・、原発事故さえなければ、このまま生活を続けることもできたのですが、放射能から幼子を守るために、新潟経由で岡山に逃げてきました。
彼女は以前から原発の危険性を訴え、福島原発の廃炉を求めていたので、各地に避難している「ハイロアクション」実行委員と連絡を取り合って、緊急声明を出し、２５日（金）１１時〜、避難先の１府８県（全国９か所）で全国統一記者会見を行いました。声明文は「ハイロアクション〜福島原発４０年」で読むことができます。
http://hairoaction.com/
岡山県庁で行った記者会見の模様は、朝日新聞（岡山版）をご覧ください。
http://mytown.asahi.com/okayama/news.php?k_id=3400...
（以下、転送歓迎します。）
★福島原発の「廃炉」を求める緊急署名にご協力ください。
署名用紙はウェブからダウンロードできます。
http://fukushimahairo.web.fc2.com/（送付先は署名用紙をご参照ください）
メール署名の送り先： fukushima.hairo@gmail.com
署名方法：上記アドレスに氏名（ハンドルネームは不可）、住所を書いて送信して下さい。識別のためメールのタイトルを「署名賛同」として下さい。
署名での個人情報の取り扱い本署名、メール署名での個人情報は本署名行動のため以外には使用しなことを約束いたします。メール署名でのメールアドレス等個人情報は署名行動終了後廃棄します。
締め切り：第１次集約 ３月末日、第２次集約 ４月末日
福島原発の「廃炉」を求める有志の会
連絡先：fukushima.hairo@gmail.com
平成23年3月30日 原発廃止のシナリオ
みなさん、福島第一原発の復活は、あれだけの放射性物質を排出し、世界にばらまいたからには、もう事実上不可能です。しかし一方で、中国電力の社長はあいかわらず、建設中の原発を多少遅れていても、建設すると発表しているのです。「計画停電なんかになったら、困りますよ、だから原発はいるんです。というわけです。東海地震の震源域に近い浜岡原発は即時停止させなければいけませんが、原発に反対するなら、国民全員が納得する、経済にも配慮した綿密なシナリオを描かなければなりません。
みなさんここで日本のエネルギー政策を転換させましょう。私はすでにそのシナリオを持っています。そしてその一環としていま「交通基本法」の上程がなされました。来月には国会の審議がはじまります。その具体的提案のひとつが吉備線ＬＲＴ化なのです。
１．公共交通重視で全国の自動車のガソリン消費量大幅削減
電車バスなどの公共交通の分担率は岡山では現在５％ですが、それを１５％に引き上げ、自動車分担率を７０％から５０％に引き下げ、自転車利用を５％増加させるため、国交省に働きかけて、自転車道の整備促進を図っています。これを１０年でやる。
そうして日本全体でガソリンの消費量が３０％減少。その分の費用をＬＮＧの輸入にあてて、火力発電を拡大し（ＬＮＧ発電は出てくるのは水ですから環境にやさしい）、原発を順次廃止していくのです。２０年かかる大事業です。しかし子供たちのため、やらなくてはいけません。そしてそれを実行していくのは、母親たちの力です。日本の女性たちよ、いまこそ立ち上がるべきときです。
２．電気自動車の普及と、自動車の小型化
地方都市では、自動車の分担率は５０％以下にはさがりません。そこで自動車地震の省エネ化が必要。まずば電気自動車の緊急実用化が必要です。ベネッセの福武会長のかかわる「シムドライブ」では３００ｋｍ以上の航続距離を達成したと今日報道されていましたが、１回の充電で航続距離の３００ｋｍが一つの目安です。
さらに大事なのは小型化。大型自動車には税金をかけて購入を小型車に向かわせる必要があります。さらに高齢化時代に向けて、自転車道を走れる新モビリティーの実用化も必要。特に高齢化に向けてセグウェイを改良したような、電動車椅子とシニアカーの小型版も必要でしょう。
もちろん自転車や電動アシスト自転車の活用で自動車利用を減らすことも必要。ここまでは私の専門の交通の領域ですから、特に貢献できると思います。
３．代替エネルギーの緊急開発
今まで日本では電力会社の力が強すぎて、それが原子力政策の誤り、エネルギー政策の誤りを生みました。資源のない国でしかも狭い日本が、石油と放射性残量物の処理も満足できない原発に頼るのは愚の骨頂だったのです。数年前、せっかく増加していた太陽光発電の電力買取を電力会社の圧力で政府がやめてしまったのですが、民主党政権でようやく復活しました。その間の遅れを取り戻すべく、各家庭や企業の太陽光発電に大規模投資が必要です。
また地熱などあらゆる発電のオプションを作る必要があります。また各家庭では、できる限り太陽光発電の電気を自前で蓄電する必要あります。クーラーの使用ができなくても暮らせる住宅の開発も大事でしょう。昔ながらの日本家屋が見直されるでしょう。
４．緊急対策
とはいうものの、この夏の関東での電力不足は深刻です。この際まずできるのは、計画停電しなくてもいいよう、各生産企業は週休３日制をとって、計画的に減産することです。月曜日から金曜日まで、順番に休みを取るのです。そうすればまず生産企業の電力需要が８０％になります。さらに夜間操業できる体制を整えて、交代制を敷き、夜間電力を利用するという手段もあります。原発事故にもっとも責任がある経済産業省は、至急検討に入るべきです。
コンビニなども、夜間営業は交代制にするべきです。夜間のネオンは全面禁止。クーラーがなければ生活できないマンションなども多いので、かなりの省エネをやらないといけません。今夏は熱中症の膨大な発生が予測されます。とりあえず関東から関西への１００万人単位の移住、あるいは避暑という選択も必要でしょう。元気な高齢者や子供たちなど、関西の温泉地などに移ってもらって、関東のクーラー需要を減少させるのです。いわば「計画的電気疎開」が必要ということです。またこうすれば関西の観光地に宿泊需要ができて、経済の拡大につながります。
などなど、みなさん、アイデアを出そうではありませんか。
平成23年4月4日 朝市で募金、生活保護と寄付
京橋朝市
昨日の京橋朝市では、ＲＡＣＤＡのブースで５つの事業を行った。
１．毎月の瓦版配布 今回は表が「九州新幹線開業」、裏が「原発に頼らないシナリオ」
２．バスマップ２０１１の販売
３．ＭＯＭＯ購入応援募金
４．おいでんせぇ岡山の空き家探しやボランティア募集チラシの配布
５．東日本大震災被災者受入支援募金
最初は５人ほどの参加だったが、おそらくは初めての京橋朝市に、おいでんせぇ岡山のメンバーが次々と来訪されて、結構にぎやかになった。チラシは５００枚配布できた。通常ＲＡＣＤＡ瓦版は３００枚がなかなか配れない。空き家チラシの配布に注力した結果、募金は５９６２円だった。ＭＯＭＯ募金やバスマップ販売にはほとんど注力できなかった。募金には、若い方々の集団の小銭投入が目立った。遠方の災害でボランティアにも行けないけれど、「何かしたい」という心意気が感じられた。
生活保護と募金
いつも来られる男性が話し込んで行かれた。「生活保護をもらっているので、募金しようとしてら今までは役所の人から生活保護をもらっている身で募金はいけない、と言われていたのだが、今回は千円募金させてもらう事ができて、うれしい」とのことだった。
一方、今日の山陽新聞によれば、さいたま市で被災者が生活保護申請を断られるケースが頻発しているので、改めて指導しなおしたという。僕も自治体の本音は「被災者が流れ込んで、生活保護が増加したり、犯罪が増えたりしたらまずい」であり、かならず表面化する時期が来るだろうと思っていた。今回の場合、地震や津波の被害も甚大かつ広範な上、原発問題も長期化するのは間違いなく、行政の対応も複雑になる事が予想される。
原発被災者支援のシナリオ
地震津波の被災者は、おそらくなるべく地元周辺に定住を望むだろうが、生活再建を地元でどれだけできるかによる。一方原発被災者については、２０ｋｍ、３０ｋｍの範囲以外の自主避難者の扱いについては、受入自治体の判断が分かれる場合があるだろう。最悪のシナリオとしては、福島県中心に２００万人程度の難民が出るおそれもあるが、その受入をどうするか、政府はシナリオを提示していない。
首都機能の分散と地域主権
関東圏にいる４０００万人以上の人々も、放射線被害の恐怖に恐れおののいているし、継続する余震や計画停電、さらには景気の落ち込み、収入減少でかなりまいっているはずだ。今後こうした恐怖から関西に逃げ込む人々も増えるだろう。外国企業がそうしているように、企業も関西に拠点を移す場合が増加するだろう。しかし関東直下型地震や東南海地震、その結果としての浜岡原発壊滅による首都圏放射能汚染という事態で東京が壊滅する前に、こうした首都機能分散化を本格的に検討することができるということを、ひとつのチャンスととらえ、日本の将来に向けたシナリオづくりをする必要がありそうだ。つまり本当の地方分権、地域主権をやるべき時が来たということだ。
大連立と交通基本法
京橋朝市では自民党の国対委員長で幼稚園からの同級生の逢澤一郎氏と話した。僕が震災以後「今は大連立をやるべき」と言っていたのだが、「岡の言うような方向になるかもしれない」とのこと。また夜は市議会の応援演説で民主党小沢派の姫井参議院議員と同席、交通基本法は確実に通るだろうとの認識で一致。大連立についても肯定的だった。おそらく原発の安定化までは菅政権でいくしかないのではないか。
平成23年6月28日 原発反対デモは報道されない
アメリカやヨーロッパの原発反対デモはあるのに、なんで日本人はやらないのかと思ったら、ちゃんとやっているようです。動画もあります。また４月１０日には。東京、名古屋、札幌でもあるようです。しかし岡山ではまだまだデモはない。ただ、福島から逃げてきた大塚愛さんのお話があります。
メンズリブ・東北大震災応援講座
『自然とともに生きる 自給自足の暮らし〜そこに訪れた震災、原発災害〜』
講師：大塚 愛（福島県川内村・自給的農・大工・２児の母）
電気、ガス、水道、電話の通ってない福島県川内村の山の中、通称「獏原人村」。そこに１１年前、自分の手で小さな小屋を作り住み始めました。水は沢水、炊事は薪ストーブ、灯りはランプでした。田畑をつくりつつ、村の大工さんに弟子入りして念願だった大工修行も始まりました。４年後修行が終わり、結婚を機に設計士の夫とともに今度は本格的な木造土壁の家をつくりました。新しい家には、独立型ソーラー発電を取り入れ、エネルギーの自給も始まりました。子どもが二人生まれ家族４人となり、めぐる季節のなか山菜をとったり、田んぼのイモリを捕まえたり、秋にはきのこをとったり… 山の暮らしは不便で大変なこともあるけれど、うつりゆく四季を感じながら生きることが何よりのしあわせでした。
そこへ訪れた３月１１日の地震。揺れは震度６ほどで大きかったけど、家の被害はほとんどなくひと安心。つづく余震のなか、風呂のかまどに火をくべ、夕食を作り、生活はいつものように再開しました。その夜流れてきた原発のニュース、「冷却水ストップ、３キロ圏内避難指示」 自宅は原発から２０キロでしたが、以前から原発の危なさを心配していた私たちは、念のため、その夜からとりあえずの荷物を持って家を離れました。そしてそのまま帰れる見込みが立たず、２日後岡山の実家へ避難しました。起きてしまったことは受けとめるしかありませんが、大地に根をおろし生きてきた私にとって、土や水が汚染されることは何にもましてつらく悲しいことです。自然のなかで楽しく生きてきた私のくらしをお伝えしながら、被災地福島へ思いをはせていただけたら、と思っています。
★ とき：４月１０日（日）１３時３０分〜１５時３０分
★ ところ：岡山市中央公民館４階第４会議室
（岡山市小橋町１−１−３０ �筺В娃牽供檻横沓押檻沓牽牽供�
★参加費：５００円
★主催：メンズリブフォーラム岡山
０８６−２７７−７５２２（FAX兼用）
原発反対デモの一覧
http://www.youtube.com/watch?v=6GKZYtgiQxM
３月２７日 銀座から日比谷公園、参加者１２００人
4/1みんな集まれ！関西電力に抗議デー ●時間 2011年4月1日 • 14:30 - 17:30 ●場所 関西電力本社前
4月3日（日）14時〜東京電力前で抗議アピール・ライブ！15時半から経済産業省＆原子力保安院前でに移動して抗議＆ライブ（17時まで。徒歩10分）
4月8日（金）18時〜東京電力前で抗議アピール＆ライブ！3／30抗議申し入れ書の回答を受け取ります。新しく申し入れをしたい方はぜひ持参して下さい。
4月10日夕方反原発デモ djやバンドなども参加がある ジャーナリストも参加
http://s.ameblo.jp/tsukiji14/entry-10844839979.htm...
4月10日、１時から 「浜岡原発すぐ止めて! ４・１０東京集会＆デモ」 芝公園出発
http://www.cnic.jp/modules/news/
4月10日は高円寺へ！ さらには、全国・全世界同時アクションをやってしまおう！
呼びかけ：素人の乱 http://www.shirouto.org/
「高円寺・原発やめろデモ!!!!!!」スケジュール
１４：００ 高円寺中央公園（駅南口徒歩１分）に集合 １５：００ デモ出発！！！！！
新高円寺駅、東高円寺駅を通り、一周して高円寺駅北口解散！
4月10日 開催場所 愛知県名古屋市東区東桜１丁目１３ 栄公園
１３時〜 集合 黙祷 情報交換 お話など おもいを言ってみる場
１３時３０分〜 希望の行進 （中部電力本社を含めた 栄一周）
１４時３０分〜 公園にもどり 各署名活動 お話
「脱原発デモ」札幌 原子力あぶナスぎ！！
4月10日（日） 集合：11：00札幌大通公園4丁目 デモ開始：11：30
呼びかけ人：泉かおり「泊をとめよ SHUTT!!」
4月16日（土）御堂筋でデモ
場所 大阪市・中之島公園（女神像エリア）−大阪市役所/中之島図書館の南側川べり
時間 午後３：３０〜短い集会 その後御堂筋南下デモ 〜５：３０
淀屋橋−本町−心斎橋−ナンバ （体力に応じて途中ドロップアウトＯＫ）
プラカード、鳴り物、横断幕もって集まってください！
呼びかけ団体
ストップ・ザ・もんじゅ、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、グリーン・アクション、若狭連帯行動ネットワーク、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、原発を知る滋賀連絡会、奈良脱原発ネットワーク
連絡先：ストップ・ザ・もんじゅ Tel：072-843-1904 Fax：072-843-6807
メール：stopthemonju@sannet.ne.jp
平成23年4月7日 全漁連、避難指示の裏を読む
福島原発の状況が、予断を許さない。早くなんとかしてほしいけれども、それこそ原発だけは一般市民は逃げるか閉じこもるくらいしか、できない。
全漁連に東電会長合う
さて昨日、全漁連が東京電力に汚染水を相談なくいきなり放水したとして、抗議に訪れ、会長が受け取ったという。なかなか国民の前に現れなかった会長が、全漁連には逢うのだ。これには裏があるかもしれない。
原発は各地の漁連の同意がなければできない。また既にあちこちで魚の大量死や奇形の発生が報告されている。それを電力会社は全部「お金」で解決し突破してきた。だから今回もその筋で読むのが適切だろう。今回の保障は当然として、わざわざ会ったのは、原発復活のためだということだ。
避難指示の基準年間２０ミリシーベルト
飯館村で高い放射能汚染のある土壌が検出されているが、地図を見るとここは阿武隈山地のふもとになり、風が止まって空気中の浮遊放射線微粒子が落下する地点にあたるのだろう。怖いのはかぜん飛んでやってくる微粒子であり、それは体外被爆を起こすとともに、口から体内に入ると体内被爆を起こすから、被爆数値は倍になる可能性か高い。
さて今回原子力委員会は避難指示の基準を、累積２０ミリシーベルトとしたが、これは従来の短期で５０ミリシーベルトとしていたのより具体的でわかりやすい。福島原発の事故の長期化が避けられない現在、早急に長期被爆基準による避難指示が必要だった。ただ乳幼児や妊婦については５とか１０ミリシーベルトの別基準も示してほしい。（それにしてもこのひと月で随分原発問題に詳しくなってしまった）
この報道も別の点からみると、自治体がこの基準に照らして避難指示を出せるようになるのは、国が判断を自治体に投げているようにも見える。その場合保障はだれがどうするのか、明確にしないといけない。ただそれは後のこととして、住民を守るためには、自治体の長は勇気を持って自分の自治体に避難命令を出すべきだ。国が守ってくれない、決定できないなら、首長がやるべきだ。
平成23年4月11日 1990年代に戻ろう
原発問題は、安全な日本のエネルギー政策への大転換を必要としていることはあきらかだ。しかし計画停電などは「原子力は必要」と国民にすり込もうとしているようにも見られる。
我々は今具体的なシナリオをえがかなければならないが、まずは基本的な考え方として環境自治体会議の上岡さんの「１９９０年代に戻ろう」というというのに賛成する。
【提案】JANJNA BLOG
「今年の夏は都区内で車に乗るな」
http://www.janjanblog.com/archives/35901
「バック・トゥ・ザ・９０ｓ」
http://www.janjanblog.com/archives/36143
環境自治体会議 環境政策研究所 上岡直見
９０年代の水準で行くなら、ほとんど原発なしでもやれる事を示している。
平成23年6月28日 児童疎開をやろう、武田教授のビデオ
今回の原発事故を、私の判断では最も的確に語っている、武田邦彦さんが、ＢＳ朝日の「ニュースの深層」に４／８に出演し、たくさんの事を語っている。これを見ればおおよその対策ができる。
原発 動画で説明を見ることができます
武田邦彦ブログ http://takedanet.com/
この前、ＢＳ朝日の「ニュースの深層」に出させていただき、福島原発の状態について解説をしました。もし、パソコンで動画を見ることができる方は文章とはまた違った方法で理解ができるかも知れません。（武田） http://g2o.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-9a5... （平成23年4月12日）
きくちゆみブログ http://kikuchiyumi.blogspot.com/
昨晩は、きくちゆみみさんの講演を２時間聞いた。そのあとどうやって学童疎開を実現するかを相談した。おいでんせぇ岡山も連動して学童疎開にも取り組もうと思う。
二人に共通しているのは、「子供たちは収まるまで疎開させるしかない」ということだ。昨日出た政府発表の避難相当の累積放射線量の「大人は２０ｍｓｖ、子供は１０ｍｓｖ」というのでは危険だ。本来１ｍｓｖなのだから、それを守るべきということだ。（子供は１０ｍｓｖはまだ政府自体が発表してはいない）
もし現在の放射線値が１μｓｖ／時ならば、年間換算は２４時間×３６５日を掛ける、つまり８７６０倍しなければならないから、８７６０μｓｖ、つまり８．７６ｍｓｖ／年となる。年間１ｍｓｖに抑えるには、０．１１４μｓｖ／時ということになる。 週刊現代は原発特集をやっていて、一番よく書いている。４月６日現在の各地の放射線量を計算してみると、
飯館村 ５．７７μｓｖ／時 ５０．５４５ｍｓｖ／年
福島市 １．５３μｓｖ／時 １３．４０２ｍｓｖ／年
郡山市 １．７２μｓｖ／時 １５．０６７ｍｓｖ／年
日光市 ０．２６μｓｖ／時 ２．２７７ｍｓｖ／年
ひたちなか市 ０．４４μｓｖ／時 ３．８５４ｍｓｖ／年
水戸市 ０．１５９μｓｖ／時 １．３９２ｍｓｖ／年
新宿区 ０．０８６４μｓｖ／時 ０．７５７ｍｓｖ／年
となって、新宿以外は全部避難してもいいということになる。年間１０ｍｓｖ／年の政府の基準でも福島、郡山の子供は全員避難対象ということになる。政府はせめて自分の発表した数値くらい守らないといけないだろう。政府が守らないなら、我々市民が立ち上がって守っていくしかないのではないか。
平成23年4月17日 ミツバチの羽音と地球の回転
今日はデジタルミュージアムで鎌仲ひとみ監督の「ミツバチの羽音と地球の回転」という自主製作映画を見てきた。１２０ほどの座席は超満員となり、監督も驚くほどの反響。３．１１で劇的に変わっていく予感、甘いか！！
中国電力の上関原発阻止運動を２７年間も行ってきた、山口県祝島の漁民たちを「ミツバチの羽音」にたとえ、その運動がやがて「地球の回転」すなわち世の中を変えていって欲しい、という意味を込めている。
上関原発ができると毎分１８０トンだかの温水を排出し、周囲の生態系が崩れてしまえば、当然漁業は壊滅的影響を受けるだろう。しかし原発予定地の正面３ｋｍにある祝島の住民５００人の平均年齢は７５歳。丁度昨年よく通った犬島みたいなものである。その島に戻ってきた３２歳の青年が原発運動に目覚めていく。
埋め立て開始を強行する中国電力の副所長が「対話」として叫ぶ言葉がむなしく響く。ただしあの東日本大震災までは中電社員は原発の安全を本当に信じていたのだろうが、今日は観客の失笑を買っていたね。
社員「農業とか第一次産業だけでこの島がよくなると本当にお考えですか」
漁民「お前らにいらん世話を焼かれんでもええ」
社員「海が壊れることは絶対にありません」
漁民「中電が絶対と言って絶対の試しはないじゃないか。台風が来たときに台船を流されて事故を起こしたのはどこのどいつだ、軽々しく絶対なんて言葉を使うから、嘘つきと言われるのがわからないのか。」（抜粋）
絶対安全でクリーンなエネルギーだとテレビのＣＭで散々流してきた中国電力。（それでも埋め立てを強行しようとしていたが、震災後山口県知事が少し態度を変えて、現在止まっているのだが、まだあきらめたわけではない。）
エネルギーを自給しているスウェーデンでも取材しているが、現地の青年は日本では自然エネルギーの購入を選べないことに絶句する。またどうして地域で自給できるのに、しかも日本は地熱や太陽電池発電の可能性が北欧よりも２倍もあるのに、どうして高い石油を輸入したり危ない原発を使ったりするのかと不思議がる。発電の独占と電気事業法を変えないといけない。
これらすべて今の日本のエネルギー政策に対する改革の答案になっている。
上映後の監督のスピーチがすばらしかった。劣化ウラン弾の影響でイラクに子供のガン患者が増え、多くの生まれない奇形児が発生しているという衝撃的事実、さすがに映像にはできなかったという。だからまず福島から子供や妊婦、若い男女を逃がして欲しいという。
結論 放射能被曝に安全はない。政府は嘘をついている。上関原発はいらない。浜岡原発はまず止めよう。地震国日本に原発はいらない。我々日本の未来のために、できることをしよう。そしてその為に国のエネルギー政策を転換し、公共交通を充実させよう。もう目先のコストだけで我々の安全を犠牲にする社会はやめよう。
とまあ、そのあと、チボリの模型に解説文を貼ってきました。映画は４階、模型は５階でした。
昨日は甦山陽新聞でバスマップの転入者キットについて掲載された。
昨日は「バスマップの底力」を一緒に書いた鈴木文彦さんが吉備線を鉄道ジャーナルで取り上げるとのことで、取材に来られた。三陸鉄道の復旧には１８０億円以上とのこと、鈴木さんも相談されているらしい。ひたちなか海浜鉄道は３憶円で、吉田社長たちは国交大臣に協力要請をしたらしい。
また今日の山陽新聞朝刊では、自転車マップについて掲載されていた。
平成23年4月20日 メルト ダウン
うちの娘たちは、パパがシムシティーをやるものだから、小さいときから当然のように「メルトダウン」を知っていた。当然今回の事態には敏感である。
今日のニュース
経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は１８日の記者会見で、１〜３号機の核燃料が「溶融していると思われる」と述べ、内閣府の原子力安全委員会に報告したことを明らかにした。
保安院はこれまで、核燃料の損傷が３％以上としてきたが、「溶融」との見解を出したのは初めて。
損傷とは、燃料を覆う金属製の管が壊れた状態で核燃料が一部露出している場合もあるが、燃料の形は崩れていない。溶融は核燃料が高温で溶け、形をとどめない状態のことを指す。
シムシティーはとてもよくできたゲームで、要するに市長になってまちづくりをやるのだが、環境を良くしないと人も移住してこないし、税収も上がらない。ゲームで重要なのは、交通とエネルギーである。道路を作るのはいいが、道路沿いは排気ガス公害が激しく、また渋滞で快適度が下がる。一方鉄道の方が建設にお金はかかるが、大気汚染が少なく、地下は上がる。
また火力発電所は大気汚染があるが、原子力発電所は当座の大気汚染はない。けれども４０年を超えると時々「メルトダウン」を起こし、しばらく住めなくなる。天然ガス発電所や風力発電もある。風力は場所がたくさんいる。シムシティーでは時々ゴジラが出現したり、竜巻が出現し、原発がやられるとメルトダウンも起る。地震はあるが津波はなかった。まあゴジラなら「想定外」とも言えるだろう。
今回の事態、炉心が溶融して「メルト」状態で、これが原子炉の底を突き破ったら「メルトダウン」というわけだ。だんだん政府は小出しに悪い情報を出している。
いやらしいのは、避難地域を拡大せず、１ヶ月後に避難させるという対応。官僚組織が「総理、あまり拡大すると、お金がかかりますよ」と言っているだろうね。あちこちの自治体でも「市長、あまり沢山被災者を受け入れると、生活保護が増えて困りますよ」と言っているだろう。こういうのがわかってしまうから、どうも素直でないから、面白くない、困る。
夕方の参議院の震災集中審議で、社民党の福島党首が「浜岡をすぐ止めなさい」とか「原発の新規建設はやめなさい」と厳しくやっていたが、残念ながら弱小政党の質問時間は短くて、詰め切れな…
平成23年4月20日 震災復興緊急アピール
いよいよ大震災も復興の局面を迎えつつある。発売中の文芸春秋では、国交省の東北地方整備局の奮闘の模様が描かれている。徳山整備局長は岡山出身で、私の妹の同級生、直前は道路局企画課長で私もちょくちょくお邪魔して話し込むこともあった。岡山で自転車道をもっと整備するとべきだと話していたら、岡山に専門家が行ってるから早く会えと言われたのが３年前。その専門家が岡山国道事務所の方で、今回の自転車マップにもいろいろと骨を折っていただいた。
さて道路の方の修復は着々と進み、復興そのものも別に高台に住宅地を造成するなどの方針が語られはじめた。また懸案のひたちなか海浜鉄道については、おおむね３憶円ということで、社長や関係者が国交大臣にも会い、明るい見通しとなった。
しかし１８０億円といわれる三陸鉄道についてはまだまだ不透明だし、バス路線などの復旧は遅れている。原発に頼れないかもしれない今後の日本で、また高齢化している被災地の状況も考慮すれば、この際過度に自動車に頼らない公共の交通の再構築が必要だ。そこでこのタイミングで復興緊急アピールを準備しようと思う。ＲＡＣＤＡ高岡からの提案で、文案の素案ができてきた。是非みなさんに揉んでもらいたい。
公共の交通を活かした震災復興への緊急アピール（文案）ＮＰＯ共同声明
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
■われわれはこれまで人と環境にやさしい交通やまちの実現を目指して、市民活動を続けてまいりましたが、震災復興についてもこうした理念・活動の重要性を認識しております。
■このまま被災地の鉄道やバスの復興が遅れ、まちの復興にあたっても住宅や公共施設が公共交通から離れて無秩序に建設されてしまうと、被災を受けた方々や新たな生活を始めようとされている方々が自動車でしか移動できない状況となり、生活の負担が重くなってしまいます。地域全体としても道路やインフラの整備費が増加し、限られたエネルギーの消費やCO2の排出などによる環境負荷も増加してしまいます。
■そこで、われわれは「公共の交通」注1）を活かした震災復興を目指して募金活動・利用促進等を進めて参りますが、国や地方自治体、関係各所におかれましても、公共交通・特に莫大な資金を必要とし単独で復興の難しいローカル鉄道注2）に対する早急な復興支援策の実施、今後の地域復興にあたっては土地利用と施設配置を「公共の交通」の整備と一体的に進めるよう要請したいと思います。
なお、要請の具体的な方策と理由は以下のとおりです。
１．地方のローカル鉄道は人々の足となっているにもかかわらず、施設整備や運営に関して国の支援策が乏しく、莫大な資金を単独で賄うことが難しい状況にあります。災害復旧補助の制度がありますが、鉄道会社は自己負担を伴い、被災地の自治体も負担が重くなります。そこで、国が負担する補助率の割増し、自己負担分に対する特別支援金の支給や無利子融資等の支援策が必要です。
２．ふるさと納税制度等を活用した鉄道・バスの支援に特化した義援金の創設。道路・公共施設等の復興に関しては既存の財源や復興予算等が配分される可能性が高いのですが、民間の事業者が運営する鉄道、路線バス等は社会的責任や役割を求められているにもかかわらず、財源や支援策が乏しいのが現状です。国や地方自治体の支援策の充実を求めるとともに、われわれが集めた義援金を鉄道等の復興に充てられる制度の創設を求めます。
３．復興にあたっては、既存の鉄道駅やバス停と近接した地区に住宅や公共施設・病院・商業施設等を整備し、それが困難な場所に建設する場合は公共交通と一体的に整備することを望みます。鉄道やバス等の整備にあたっては地域住民も参画した計画・運営を行うことで、自動車に頼らなくても生活でき、「公共の交通」を活かしたまちづくりが進められることを望みます。
我々は「人と環境にやさしい社会」の実現に向けて、地方自治体および国の政策に対して積極的に議論に参加し、情報発信や公共交通の利用促進に努めていきます。
注1）「公共の交通」は交通機関としての鉄道やバスを指すのではなく、徒歩、自転車、公共性を重視した役割が明確となっている自動車（タクシー・物流のトラック等）や道路（歩行者・自転車専用道等）を含めて計画・整備された総合的なもの。
注2）被災の甚大なローカル鉄道：三陸鉄道、仙台空港鉄道、阿武隈急行、ひたちなか海浜鉄道、
鹿島臨海鉄道
平成23年4月26日 脱原発のシナリオとLRTの建設
飯田哲也環境エネルギー研究所長は、「原子力村」という電力会社、経済産業省原子力保安院、原子力委員会の３者のもたれあい癒着を表す言葉を作った人だが、ＳＭＣサイエンス・メディア・センターに「３．１１後の日本の原子力・エネルギー政策の方向性」という論文を掲載している。
http://smc-japan.org/?p=1657
さて、東京都民はまだ「原子力以外の自然エネルギーはまだ当てにならない」と発言する方向音痴の石原氏を都知事に選んでしまったが、一方で世田谷区では原発に批判的な社民党の区長が選出された。今回かろうじて東京は自己崩壊を免れたが、もし原発を東京都心に作っていたら、４０００万人が避難を余儀なくされていた事を想像するべきだ。もはや地震国日本に原発を存在させてはいけないことは、明らかだが、それを認めたくない、あるいは認めると食えなくなることの恐怖から目を覆っている人が多いのではないだろうか。
我々岡山の「おいでんせぇ岡山」では、今日千葉県からの原発自主避難者のために、空家清掃を行っている。大和朝廷の延長の東京・日本国家が自分たちを守ってくれないので、岡山・吉備の国に避難してきたのだから、１７００年ほど前大和朝廷に吸収された吉備邪馬台国が今度は政権交代して、それらの人々を受け入れようと思う。福島県の子供たちよ、日本国の文部科学省は、法律で定められている年間１ミリシーベルトの基準を勝手に無視して、年間２０ミリシーベルトという線で区切って、無理やり将来の健康被害を強要しているではないか、岡山に逃げてこい。
岡山は晴れの国で太陽光線が一杯ある。だから太陽光発電にこれから力を入れていくだろう。早く電気事業法を改正し、独占電力会社支配体制（上関でやっていることを見れば彼らは人間の心を失っている）をやめて自由な電力市場をつくり、原子力発電への補助金や開発費を全面的に自然エネルギー開発に向けるべきである。
さらに自動車交通の制限と路面電車など鉄道と公共交通の拡大を行う必要がある。地方都市での自動車分担率を７０％から５０％に減少させればそれだけ石油消費と輸入が減少し、地球温暖化対策として原子力を使う必要性も減少するし、輸入コストも減少する。率先して鉄道会社は自然エネルギー購入を進めるべきだし、そうしても鉄道会社の経営を圧迫しないコストにする仕組みを作るべきである。
近年「安心安全」が叫ばれているが、もっとも安心安全でないのは原子力発電だった。ここでそれを認めないならば、我々は経験から何も学べないことになる。「災害は忘れた頃にやってくる」とは漱石門下で内田百�里反鑄�のうまさでは両巨頭といわれた寺田寅彦の言葉である。ここでちゃんとやっておかないと、また同じようなレベル７を東海地震と浜岡原発メルトダウンで経験することになるだろう。そうなれば風下の関東圏は人が住めなくなるのは確実だ。そうなると映画「日本沈没」のような事態になる。作者の小松左京はすごい予測をしているように思える。
平成23年4月27日 顕教と密教
分布図発表
今朝の山陽新聞によれば、放射線分布図がようやく発表された。４月２４日時点の汚染分布図と、１年間推計だ。毎日インターネットで、日本の気象庁のデータをもとにしたドイツや中国の予測に一喜一憂するという変な構造から、ようやく脱却できる。昨日の記者会見では、「原則的にすべての情報を公開する」と細野補佐官が言っていた。ということは、今まですべての情報を公表しなかったという意味だし「原則的に」の言葉で、「やっぱり全部は公表しないよ」と言っているのである。
しかし２０ミリシーベルトと１０ミリシーベルトの年間推計はわかるけど、本来の基準の１ミリシーベルトの予測はない。やはり福島や郡山でも乳幼児子供や妊婦には厳しい数字になるだろうが、公表されていない。
政府はわかっていて公表していない。もしそれを公表すると、避難区域は何倍にもなるし、人口集中地域を含むから避難対象人数も１００万人単位になるはずだ。東北新幹線も目張りが必要となる。
官僚の立場に立てば、容易に想像できる。そんな大規模避難は想定外だし、経済的打撃が大きいから、発表しないし、できないのである。すなわち経済優先。２０年後に子供たちがガンになるとしても、それはしょうがないと切り捨てている。そしてもしそういう事態になったとしても、チェルノブイリの例のように、発生から２５年たっても何人亡くなったかについては評価が多数あって定まらない。当然何人に影響したかについてはわからない。死者も数十人単位から数万人単位までばらついている。
チェルノブイリの評価でさえも大きくばらつきがあるのは、放射線被曝とガン発生の因果関係が証明しにくいからである。「疑わしきは罰せず」なのである。そして疑わしいだけでは補償は生じない。
顕教と密教、情報操作
既に情報操作は大規模に行われている。情報操作の意志が総理にあるとないとにかかわらず、国家という大規模組織はあたかも「ガイヤ」の様に一定の意志を持って暴走するものなのである。
政治学では「顕教と密教」という概念がある。たとえば太平洋戦争に突き進む時、軍部を中心としてアメリカとの戦争を決定した。しかし一度決定して突き進み始めれば、今度は扇動された民衆が暴走を始めてしまう。軍部が和平を模索しようとしてもそういう動きは抹殺されてします。和平しようという意志は密教、扇動…
平成23年5月18日 歓迎・浜岡停止
環境自治体会議からの報告
【論説】JANJAN BLOG
「議論しなくても原発は止まる」
※ほどなく原発関係者が全員被曝上限に達して、国内すべての原発で保守・点検もできなくなる。もはや「原発がいるか、いらないか」の段階ではない。
http://www.janjanblog.com/archives/39755
【論説】JANJAN BLOG「周辺住民線量評価システム」は危険な誤解のおそれ
http://www.janjanblog.com/archives/40269
【論説】JANJAN BLOG
「福島収束見通しは非現実的─水に依存した対策の限界」
※「6〜9か月で収束」とのロードマップが早くも修正を迫られているがこれは技術的にはすでに予測されていたことである。
http://www.janjanblog.com/archives/36837
【論説】JANJAN BLOG「脱クルマ」も「脱原発」への道
※家計のクルマ関係の支出は鉄道より多くの電力需要を誘発。
http://www.janjanblog.com/archives/39075
【行事】気候ネットワーク総会記念シンポジウム
キャンペーン実行委員会企画「3.11震災後の地域社会をエネルギー・温暖化対策の視点でデザインする」
2011年5月28日(土) 13:30〜17:30
http://www.kikonet.org/event/20110427b.html
コメント：環境自治体会議の上岡さんは、我々全国路面電車ネットワークの情報センター的な役割を担っている。私が環境問題に興味をいだくきっかけを作った方だ。また気候ネットワークは日本の地球温暖化対策の先陣を切った団体で、私も１９９７年の京都議定書の年から何回か講演に招かれたことがある。
さて原発の作業員が足りなくなるのは、この福島の危機が続く限り大問題だ。既に騙されて福島で働かされた例も出ている。メルトダウンもゲームの「シムシティー」を やってきた僕らには予想されたこと。シムシティーでは各発電モードの建設価格、発電量、利点欠点がうまく表現されている。時々竜巻が来たりゴジラが来て原発が破壊されるとメルトダウンこが起こるが、４０年を超えるといつ起こっても父不思議ではないとなっていた。
それにしても原発問題は、我々の心になんとなく憂鬱なものを残し続けている。そうした気持ちが「浜岡を止める」という菅総理の判断に７０％以上の賛同を与えている。しかし我々はいま、単に反原発を言うのではなく、国家的エネルギー転換と生き方の転換を大胆に行わなければならない。そのためには電力会社を含めて市民協働で進まなければならない。
今日の山陽新聞によれば、２０１２年からメガソーラー（１０００ＫＷ以上）への国の補助がなくなるのに対して、岡山県は最大１憶円の補助を創設するといい、すでに多くの問い合わせが来ているという。中国電力もメガソーラーを計画している。原発の場合は１００万ＫＷというから、ギガソーラーになるわけで、原発１基分なら、メガソーラーを１０００個作らなければならないわけだ。
今年の路面電車祭りでは、こうしたエネルギー転換まで含めたパネル展示を計画している。昨年の全国大会冊子の表紙では、電気自動車や京山太陽光発電のイラストをＭＯＭＯとともに描いたが、まさに新エネルギー時代がやってくる。
平成23年5月20日 ガスコンバインドサイクル発電
広瀬隆さんの、以下の動画を見てもらいたい。
http://www.youtube.com/watch?v=LrYXGx5trgs&feature...
いわゆる天然ガスを利用した、ガスコンパインドサイクル発電の効率が、５９％まできたこと。そして埋蔵量が３６０年もあるかもしれないこと。安全で公害がないこと。
ジェットエンジン（ガスタービンエンジン）で発電し、さらに排気ガスを３度まで発電に利用するのだから、効率はいい。原発は危険だから、倍もの温水を排出しているという非効率。これらを見事に説明している。また太陽電池では面積がたくさん必要で、短期的に建設できないことも語っている。
いずれにしても、原発は無理だから、中部電力だって浜岡を止めるとなったとき、すぐさま天然ガスを買いに行ったではないか。本当は電力会社だってもうわかっていて、ガスコンパインドサイクル発電に向かっているということなのだ。岡山の水島の第１号機も既に改良されている。安心して原発を止められる。経済にも影響は出ない
平成23年6月8日 原子力発電は純粋経済的に合わない
日本の法律では、年間1msv以上の被曝をさせるといけないことになっている。だから当然福島や郡山で小学校などで年間20msvまで認める、などととんでもない数値を提示した文部科学省は、将来たくさんの訴訟にさらされることになるだろう。その場合当然ながら、菅首相や高木文部科学大臣の責任も問われることになる。
私が総理なら、住民の安全を考えれば、なにはさておき、ほぼ福島県民200万人全員の避難命令を出し、そのための方策を考える。少なくとも18歳までの子供たち数十万人は疎開させるだろう。仮に46都道府県が200万人の被災者受入をするならば、岡山県は大体5万人ほどを受け入れないといけない。住宅にして2万戸。それができるかできないかではなく、本来はやるべきなのである。
しかしもちろん、それらの人々がいきなり生活するにしても大変な困難があり、その先の生活補償をどれだけするか、とんでもないと思われて、そこで思考は停止する。できっこないから。
だがここで私はもし避難させたらいくらかかるか、計算してみようと思う。
200万人を避難させ、1年間生活補償をしたらいくらかかるか。仮に1人100万円なら2兆円。200万円なら4兆円。一方東京電力の年間電気販売額は4兆5000億円。日本の10電力会社の合計電気販売金額は13兆7500億円。だから200万人避難させたら、東電は売上の半分や全部を補償に回せるわけはないから経営は成り立たず、国が補てんするしかなくなる。
政府がホットスポットを無視し、避難命令でなく自主避難とするのは、お金を出したくないからだ。命令すれば、東電に責任があるとしてもいずれ政府が補償するしかなくなる。しかも2兆円という数字は、生活補償だけであって、損害賠償は含まれていない。仮に損害賠償が福島県民1人200万円だったらそれだけで4兆円になり、もし3年間帰還ができなければ、合計で10兆円もかかることになる。もし年間1msvを守れば10兆円もいることになる。国家予算が2011年度92.4兆円、GDPが2010年で540兆円。
さしあたって健康には影響はない、と政府のスポークスマンの枝野氏はいつもおっしゃるが、それでもいずれガンだけでなく様々な健康被害は出てくる。しかしそれらのほとんどは因果関係が証明されないから、補償はされないかもしれないが、それでも健康被害は出てきて医療費の増大や、いわゆるぶらぶら病のような労働意欲の低下を生み、社会保障費用の増大にもつながる。さらには被曝の恐怖から結婚や出産への抵抗感が出て、さらなる少子化の原因になるかもしれない。要するに今は見えない影響があるはずなのだが、それらを政治家たちは見通せないのだろう。知識レベルだけでなく、人間的レベルが低いということである。
とにかく今回の原発事故の影響は、国民生活のあらゆる方面にわたっており、これからその影響を係数的に明らかにしていく必要がある。しかしたかだか4.5兆円の売上の東京電力の失敗によって、これだけの影響がでるのだから、社会経済的にも原子力発電は合わない事業だと証明できるだろう。
原子力発電が高いか安いか、の議論などこの社会経済的分析に比べたら、もう計算が簡単すぎる。原子力発電が全体の3割というのは嘘で、本当は大体25%くらい。つまり全電力会社の売電金額13.75兆円の25%は3.4兆円ほどなのだから、その売上を得るために毎年2兆円とか補償していたのでは、合わないだろう。さらにこれから廃炉費用とか使用済み核燃料の処理費用など数兆円も必要になるだろう。もんじゅなんか、もう常識外の開発費をかけて運転ゼロなのだから。原子力推進の方々は、どうも小学校程度の算数ができない人の集団なのだろう。
純粋経済的に、あるいは純粋経営学的に、原子力発電は計算に合わないと思う。これから仲間たちと詳細に計算していこうと思う。
平成23年6月15日 ヘタレの政治家
今回の福島原発周辺のa避難地域、b自主避難地域、cおよび汚染度が比較的高く、本来避難するべきだと私が判断する地域の人口を計算してみた。いわき市のみは北部の一部でホットスポットがあるとのことなので、一部だけ入れた。
もしa地区住民に1000万円の補償をしたら1兆2705億円。それがbまで入れると2兆3900億円。C地区まで広げたら、11兆6668億円と一挙に増加する。
現時点で、いわき市では北部の一部でホットスポットがあることが、NHKのETV特集に出てくる調査でわかっている。一方福島市や郡山市では風邪の関係からか、予想以上に汚染されていることがわかってきた。
政府がこういった人口分布を見て、賠償金や生活保障金の金額を考慮して、避難地域を考えたであろうことは、想像がつく。補佐官あたりが「総理、福島や郡山まで入れると、東電の賠償能力を越えすぎますよ」と助言したのであろうか。東電の年間売上は4兆5000億程度なのだから、まずは2兆円くらいまでを想定したのではないだろうか。
政府の責任者の立場というのは、常に「お金」を考慮する。首相の権力は「国家の予算配分権」に由来するのだから、ある意味当然なのだろうが、はたしてそういう現状のお金の問題だけで国家のトップが政治判断をしていいものだろうか。今回の避難範囲の設定は、歴史がその是非を判断するだろう。私は歴史が評価できる判断ではないと思う。
LRTを建設するという判断も、これに似たものだ。これだけの自動車社会の中で、自動車を制限して路面電車は走らせようという判断は、まあヘタレの市長ではできないだろう。そして日本には実にヘタレの市長、ヘタレの政治家が多いことか。日本の民主主義がヘタレだということなのだろう。
双葉町 6,917 浪江町 20,686 大熊町 11,264 南相馬市 70,971
富岡町 15,735 葛尾村 1,484
20km 範囲の市町村 127,057人
飯館村 6,189 相馬市 37,919 田村市 41,297 川内村 2,915
楢葉村 7,847 川俣村 15,810
20-30kmの市町村 111,977人
伊達市 66,456 福島市 294,191 桑折町 12,991 国見町 10,242
二本松市 60,437 大玉村 8,456 本宮市 31,757 三春町 18,431
郡山市 338,835 小野町 11,408 広野町 5,383
いわき市345,310の20% 69,042
30-80kmの汚染市町村 927,649人
全合計 1,166,683人
平成23年6月23日 原発削減の方向確定と交通基本法の関係
国会が70日間延長されて、ようやく交通基本法が審議入りするのではないかと思う。今回の立法、おおむね反対する政党はいないだろう。だが大震災の発生した現状では、決して重要法案というわけではないが、対立法案にもならないだろう。しかし本当はこの法律がこの国会に上程されているということは、原発事故を経験した日本にとってはとてもタイムリーな事なのではないかと思う。というのは原発事故によって、我々の生活はエネルギーの使い方についての大転換を迫られるからである。
●戦災復興は石炭と水力、電車で
戦後の我々の社会は、まずは石油を輸入するお金がないから国内にそれなりにあった石炭を掘って産業を活性化させた。本当は石油の方が流体であるだけに産業としては使いやすかったから、日本は南方のインドネシアの石油を取りに行くために、太平洋戦争を始めた。もちろんその前提には中国をめぐる利権の対立からABCDライン、すなわちアメリカ、イギリス、中国、オランダの貿易制限によって石油禁輸措置が取られたからであったが。
戦後日本がもう一つ力を入れたのは、水力発電だ。雨が多く山が険しい日本では、ダムを作って水力発電をするのに適していた。そうして発電した電力で東京、大阪などの電車を動かし、大人口を効率的に移動させることができた。その一環としてモータリゼーションが始まるまでは路面電車の営業キロが増加し続けた。つまり日本の戦災復興は石炭と水力発電、電車で行ったとも言えるのだ。
●ドイツの交通政策とエネルギー政策は国防のため
ドイツも日本と同じように、石炭は沢山あるが中東の石油を取るために第二次大戦を起こした。石油は液体で便利だ。戦車も自動車も飛行機も石炭では動かない。内燃機関は小型化できてとても便利だったのである。自動車や飛行機の発明が第二次大戦を起こしたともいえるのである。
二度も戦争に負けたドイツでは、現在でもナチスドイツの残党を捕まえているという。戦争の総括を徹底的に行ったドイツでは、いざとなれば便利な石油にできるだけ頼らない社会を作ろうとした。だからベンツを筆頭とする自動車産業の育成には力を入れたものの、だからといって都市交通における路面電車の路線を税金を使って維持する政策を取ってきた。トラックによる物流には石油が必要だが、人を乗せる交通は、いざとなれば個人の自家用車を徹底的に削減して、公共交通で代替できるのだ。
チェルノブイリ原発事故を契機に、ドイツでは原発全廃を計画した。すでに大気汚染による公害で、黒い森に大被害が出ていたので、国民の環境に対する意識も高くなっていた背景はある。ドイツも狭い国土なので原発は危険と感じたのでもあろう。また自然エネルギーの積極的開発なども一連の流れで説明できる。
広い意味での国を守るための政策、それは究極は食糧とエネルギーの自給をすることだと思うのだが、ドイツでは路面電車を走らせ、自然エネルギーを積極的に開発していった。だからこそ原発廃止を決定できるのだ。
●日本の原発は削減の方向で決定した
日本の原発は段階的削減に入ったことは間違いないが、これは菅さんが決めたわけでもなく、誰が今後総理になっても、流れは決まっている。なぜなら今後20年は少なくとも新規原発を作れないからである。今日現在日本には54基の原発があるが、今運転しているのは19基(定期点検調整運転中2基を含む)。今回の地震で止まったのが12基と、浜岡の2基が停止。中越地震でも柏崎刈羽原発が3基止まったままだ。
チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故はそれぞれの国で原発新規建設を止めてしまった。アメリカでもロシアでもそれほど恐怖は大きかったのである。だから20年間、原発は両国でできなかった。これは当然日本でもそうなるわけだ。まして福島はまだ収束どころか、収束させる方法さえ見えていない。さらに汚染水の処理もままならないばかりか、フランスのアレバ社の放射性物質を除去できると主張する装置を日本は使っているが、アレバ社はなんと1tの処理に2億円もふっかけてきており、現状10万t以上という汚染水を処理するには20兆円もかかる計算になる。これではまさにフランスは火事場泥棒みたいなもので、本当にこんな金額を払えるとも思えないし、払う必要もない。値切ればいい。日本の国家予算は90兆円ほどなのだから、なんでそんな金を払う必要があろうか。ちゃんと原価計算させて値切ればいいのである。フランスのサルコジは日本に救援に来たのでなく、商売に来たのだと、どうしてマスコミはちゃんと書かないのか。マスコミはそんなにお拍子者だったのか。
話が飛んだが、日本の原発のうち30年以上が19基もある。(35年以上が11基) 福島第一の6基は全部30年以上だった。フランスの原発は58基中35年以上が0。原発の寿命はおおむねせいぜい50年だが、福島第一のような古い原発は安全性が低い。仮に40年使うとすれば、20年後には16基しか運転できない。16基のうち2基は浜岡であり、その間に東南海地震の来る可能性は何%になっているのだろうか。
仮にすべての都道府県で知事が定期検査からの再稼働を許可したとしても、20年後には新規建設ができないかぎり、原発の数は16基になると考えたほうがいい。それで日本の産業を支えることはできない。
●自然エネルギーはやらざるをえない
今年の夏の停電はとりあえず、稼働率48%の火力発電を本格稼働すれば回避されるだろう。1年もすれば細心のガスコンバインドサイクル発電機が大量に稼働していくので、停電はもうない。ただ問題なのは地球温暖化との関係だ。大量に放射性物質を出しておいて、「原発は二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーです」というコマーシャルは、悪い冗談だったと思うが、それをまじめに放送させていた電力会社と経済産業省、大手マスコミの知性というのは、一体どうなっていたのだろうか。私などはよく娘と「冗談きついよなあ」と言っていたが、この事だけでも彼らの言うことは信じられないと思う。
しかしともかく原発が発電のところだけみれば二酸化炭素を出さなかったことは事実で、その数値をどこで減らすかといえば、自然エネルギーをやるしかないのである。今まで原発で儲けたい人々が、意識的に電力独占体制を作り、原発は安いと嘘を並べ、自然エネルギーは合わないと情報操作してきたのだが、これはもう嘘だとばれてしまった。もう我々の社会には自然エネルギーに向かう方向しかないのである。そう腹をくくれない大企業の経営者は時代遅れなのだから、そんな会社の株式は売ったほうがいい。そういう会社に勤める社員は、転職を考えたほうがいい。私はソフトバンクの孫社長は、人間としては大嫌いだが、少なくともそろそろ先が見えてきた携帯電話事業から、自然エネルギーとスマートグリッドに的を絞った経営者としての判断は正しいと思う。嫌いな奴でも正しいことは正しい。
それに乗って政権維持をはかる菅首相の態度をどう思うかといえば、それなりに先が見えているなと思う。国民に蔓延する漠然とした原発への不安感、この前の世論調査では70%以上が原発は段階的に削減するべきだと答えているのは、その不安感の表れだし、それを見て菅さんは原発をテーマに解散に打ってでるとすれば、マキャべリストとしてのセンスは抜群ということになる。ひょっとしてまた福島4号機の鉄骨が台風か巨大余震で崩れたら、燃料棒が倒壊して大変な放射性物質放出になるかもしれないので、僕は本当に不安なのであるが。
●交通部門に改革で温暖化対策を進める
さてさてまた筆がすべったが、ようやく交通基本法の話になった。要するにすぐに温暖化対策をやれるほど自然エネルギーの開発が進むわけではないのだから、交通部門で大幅な削減を図ることは理にかなっている。いわばドイツのやったように、まずはLRTとバスによってできる限り自家用車の排出量を減少させる必要がある。
次には効率のいい電気自動車の開発である。岡山の三菱自動車では昨年からアイミーブという電気自動車を販売しているが、まだ航続距離が短いのが難点。だがベネッセの福武会長が関与するシムドライブではホイールモーターを使って既に300km以上の航続距離を達成しているし、電気バスの開発もできている。
こうした新しい技術と、公共交通の重視政策によって、交通部門での排出量削減を急ぐ必要がある。そしてそのためには交通基本法を今制定するということは、公共交通に予算を重点配分する根拠にもなるのだから、一石二鳥ではないか。
私はRACDAの提案として「クリーンモバイル都市岡山構想」をぶちあげる。LRT、電気バス、電気自動車、バイクビズ(自転車)、晴れの国岡山の太陽電池発電やメガソーラーなどを組み合わせて、日本の将来を岡山から描きたい。
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