821 名前:それは愛の深さ [sage] 投稿日:2009/07/22(水) 23:03:08 ID:E1A0Wgyg
822 名前:それは愛の深さ [sage] 投稿日:2009/07/22(水) 23:04:44 ID:E1A0Wgyg
823 名前:それは愛の深さ [sage] 投稿日:2009/07/22(水) 23:06:15 ID:E1A0Wgyg
824 名前:それは愛の深さ [sage] 投稿日:2009/07/22(水) 23:08:04 ID:E1A0Wgyg
825 名前:それは愛の深さ [sage] 投稿日:2009/07/22(水) 23:09:29 ID:E1A0Wgyg
826 名前:それは愛の深さ [sage] 投稿日:2009/07/22(水) 23:10:35 ID:E1A0Wgyg

『それは愛の深さ』


「ふぅ……」


 溜息を吐くと同時、左側で結ったサイドポニーテールの茶髪を宙に舞わせながらブラウンの制服に包まれた肢体が揺れる。
 ボフッ、と音を立てて彼女、高町なのはの身体はベッドに沈んだ。
 今日も一日の業務、フォワードメンバーの訓練やデスクワークを終えてようやく安堵の時が訪れた。
 全身に蓄積した疲労がジワジワと蝕むように肉体の細胞の隅々に広がり、気だるい睡魔を誘う。
 このまま一気に眠りの世界に堕ちてしまいたい、そんな衝動が湧き上がる。
 が、なのははそれを懸命に制した。
 しばしの間、あーうー、と意味の無い言葉を呟きながらベッドの上をゴロゴロ。
 日ごろ人前では決して見せない分、おもいきり脱力する。
 そして直後に覚醒。
 ガバッと身体を起こして思考を常のそれへと戻す。
 先ほどまで眠たげに霞んでいた青い瞳はパッチリと開かれた。
 立ち上がり、完全にベッドから離れてなのはは考える。
 まずどうするべきか。
 今夜なのはは一人だった。
 明日から休日という事でフェイトはヴィヴィオを連れてハラオウンの家にお泊りに出かけており、しばらく帰ってこない。
 久しぶりにこの部屋を、日常を過ごすこの空間を支配できる一握りの時間。
 だから、彼女は迷う事無く“彼”を呼んだのだ。
 約束の時間まであと少し、もう少し怠惰に過ごしたかったが、それは我慢。
 とりあえずシャワーを浴びて、着替えて、もてなす為に軽い食事の用意でも……
 と、そこまで考えた時だった、唐突に硬質な音が響く。
 音源はドア、コンコン、と規則的なノック音。
 来客の告げる音色に続けて、今度は声が響いた。


『なのは、今いる? 僕だけど』


 女性のような高音域のソプラノボイス、聞き間違う筈のない彼の声だ。
 途端になのはは大慌てとなる。
 脱ぎかけのソックスをそのままに急いで、全速力でドアまで駆けた。
 それこそ、下手をしたら飛行魔法でも使いかねない勢いで。
 ドアの前につくなりキーを解除、ガスを抜くような音と共に自動開閉させる。
 スライド式のドアが開けば、そこには予定時間よりも随分と早く到着した彼が、待ち侘びたといった顔で立っていた。


「やあ、久しぶり。なのは」

「うん、久しぶり。ユーノくん」


 何週間かぶりに会う恋人の顔に、なのははヒマワリみたいに微笑んだ。





 初めてお互いの想いを知ったのはJ・S事件が終わってしばらく経った時だった。
 どちらが最初に言ったかは乙女の秘密。
 それから、まあ順調に関係を進めた。
 デートをして、手を繋いで、ギュッとして、キスをして。
 そして、純潔を捧げた。
 高町なのはとユーノ・スクライアは、そうして恋人同士としての時間を蜜月として楽しんでいた。
 今日もまたそうだ。


「最近お仕事どう? 忙しい?」

「いつも通りだよ。君は?」

「うん、私もだよ」


 ユーノを部屋に迎え入れ、なんでもない会話を交わしながらなのはは彼の脱いだ上着を受け取りハンガーに掛ける。
 一見いつもの彼女だが、頭の中ではグルグルと思考が回っていた。
 どうしようどうしよう、さあどうしよう。
 まだシャワーも浴びてないし、着替えてもいないし、用意なんて何もしてない。
 こんな事ならベッドでゴロゴロゴロゴロなんかしてないで、早く準備しておけば良かった。
 ハンガーに掛けたモスグリーンのジャケット、先ほどまでユーノが袖を通していたそれを指先でつうと撫でながら考える。
 着替えとシャワーは後で出来る、今はまずおもてなしだ。
 めまぐるしく活動する脳細胞は、冷蔵庫にあったワインの存在を提示。
 よし、ではあれを開けよう。
 なにか肴になる物も幾つかあった筈だし、二人っきりの夜にムードを出すにはもってこいだ。
 と、考えた時、なのはは背後に気配を感じる。
 髪を揺らしながら振り返れば、そこには丸いデザインの眼鏡を掛けた青年の優しげな微笑。
 自分より少し背の高いユーノの顔をなのはが認識するや否や、彼の顔が一気に近づいた。
 視界がユーノの顔で一杯になったと思ったら、唇に柔らかな感触が訪れる。
 甘やかな、ただ触れ合わせるだけの優しい口付け。
 唐突に成された愛撫になのはは一瞬身体を強張らせるも、そっと目を細めて力を抜き、されるがままに。
 しばしの間、二人はただ“好き”という感情を伝え合うようなキスに溺れ、舌先で互いの唇を軽く舐め合う。
 部屋の中に愛撫の音色、口付けの小さな水音がBGMと流れた。
 最初は穏やかな愛撫で愛しさを堪能するが、愛撫は徐々にボルテージを上げていく。
 ヌルリと舌が口内に差し込まれたと思えば、即座に愛撫が激しさを増した。
 舌を強く絡め取り、歯の裏側や唇の端まで、舌の届くあらゆるところを情熱的に舐り上げる。
 音、愛撫の奏でる音色も共に激しくなっていく。


「ぴちゃ……んっ……ちゅぷっ……んぅぅ」


 貪りあうような口付けの水音はどんどん大きくなり、その合間から漏れる切ない喘ぎはさながら淫靡なメロディー。
 その音色を耳が残さず拾い上げ、まるで聴覚から犯されているような錯覚すら感じる。
 と、そこでなのはは唇から溢れた唾液が顎先を伝い、制服のブラウスを濡らしている事に気付く。
 だがもうそんな事を気にかける余裕はなかった。
 ひっきりなしに脳内に送られる悦楽の調に、もう彼女の怜悧な思考は溶け始めている。
 キスに加え、さらにそっと髪を撫でられ、身体のラインを確かめるように指が這えばなおの事だ。
 次第に身体を支えている力がなくなっていくのを、なのはは感じた。
 そしてユーノはそれを見計らったかのように、彼女の身体を押す。
 突如として生じた力を前に、悦楽に呆けた無敵のエースは抗う術もなくたたらを踏んだ。
 ドン、と音がしたかと思えば、なのはは壁に身体を押し付けられていた。
 あ、と小さな声が漏れる。
 見上げれば、ユーノの視線がこちらを熱を込めて見つめ返していた。
 静かで優しげな、でもそれ以上にどこか嗜虐的な愉悦を含んだ瞳。
 情事の最中にだけ彼が見せる瞳だ。


(ああ……これからエッチするんだ)


 茹だった思考でそう考えた時には、ユーノは動いていた。
 身体を沈めるように腰を曲げ、その場で彼は跪く。
 そしてその手がなのはのスカートを一気にたくし上げた。


「ちょ! ユ、ユーノくんッッ!?」

「ん? なに?」

「なに、って……その、私まだシャワーとか浴びてないし、それに、その……ひゃぁっ!!」


 しどろもどろの言葉を遮ったのは、彼女自身が漏らした甘い声だった。
 原因は言うまでもなく、丸眼鏡の美青年が行った愛撫。
 何のことはない、太股の内側をそっと指で撫ぜただけの行為だ。
 だが効果は絶大、たったそれだけでなのはの全身は震え上がる。
 その様にどこか含みのある笑みを浮かべると、ユーノはゆっくりと顔を寄せた。
 程好い肉付きを持ちながらも引き締まった白い太股に頬ずりし、その感触を楽しむ。
 次いでキスの雨を降らし、舌を伸ばしてチロチロと舐め上げた。
 その度に、なのはの口からはさながら淫らを奏でる楽器の如く、甘く切ない音色が木霊する。
 ゆっくりと舌と唇が太股の内側から這い上がり、さらになのはを責める。
 責めはついに股の間の、乙女の秘された部分に到達。
 そして彼は、即座に邪魔な布切れを脱がしに引っ掛けた。
 指の先をパンツの両サイドに引っ掛けると同時に、一気にずり下ろす。
 さすれば、しっとりと湿り気を帯びた薄茶色の茂みが姿を現した。
 ふわりと漂うのは熟れた、発情した雌の香り。
 思わずユーノは口元に嗜虐的笑みを浮かべ、鼻を鳴らした。


「へぇ、なのはもう濡れてるんだ」

「や、やだぁ……そんな事言わないで……」

「それに凄くやらしい匂いしてる、もうすっかり準備万端だね」

「か、嗅いじゃだめ!」


 そんな彼女の言葉など無視して、ユーノは空気に溶ける発情した雌臭で鼻腔を大いに満たした。
 羞恥によりなのはの白い肌は淡い薄桃色へと染まっていき、愛らしさと淫らさに拍車を掛ける。
 愛する少女の淫美なる様に楽しげな微笑を浮かべると、ユーノは次なる責めへと移った。
 とろみのある淫液を滴らせ、しっとりと湿り気を帯びた秘所に舌を伸ばす。
 くちゅり、と音がしたかと思えば、陰唇をなぞる様に舌が蠢く。
 ユーノの優秀な脳細胞に記憶された、なのはの性感帯をしっかりと捉えた奉仕だ。


「ひゃぁっ!……んぅ……やぁ、だめぇ……はあぁっ!」


 なのはの口からは、悦楽に霞んだ堪らなく甘い嬌声が漏れた。
 股ぐらで蜜を啜る彼の愛撫はあまりにも自分のツボを把握した責めで、舌だけしか使っていないというのに子宮まで疼き始める。
 陰唇を唇で舐り、膣口を舌先でなぞり、膣に浅く舌を挿入され――そして淫核を軽く甘噛みされた。
 口だけで行われた行為とは思えぬ快楽の濁流に、なのはは軽く達した。
 瞬間、背筋を快感が貫き、ガクガクと膝から力が抜ける。
 雌の入り口からは止め処なく果汁が溢れ出し、絶頂の余韻に全身が痙攣。
 身体を支える力を失ったなのはの肢体がグラリと揺れた。
 倒れかけた彼女の肉体を受け止めたのは、やはり目の前の青年。
 細身ながらもしっかりとした身体に支えられ、なのはは転倒を免れた。
 そして耳元で囁かれるのは、音域の高いソプラノ。


「大丈夫?」

「う、うん……なんとか……」

「そ。じゃあ、そろそろベッドに行こうか」


 言うが早いか、彼の手が女体に優しく絡む。
 細い、といっても相応に引き締まり、羽のように軽いとは言い切れぬなのはの身体が浮いた。
 ユーノは涼しい顔でなのはを抱き上げると、あっという間にベッドへ運ぶ。
 そして辿り着くや、抱き上げた時と同じように優しく下ろした。
 スプリングの僅かな軋みと共にシーツに浅く沈む少女の身体。
 それを、青年は愛しそうに、されど雄の欲望の溶けた眼差しで見下ろす。
 自身を見つめる彼の瞳に、なのはもまたその青き瞳で見つめ返した。
 中空で絡み合う二つの視線、孕むのは愛という名の眼力。
 もはや、これ以上言葉を重ねるなど無粋である。
 次の瞬間には、二人の唇は音もなく重なり合った。
 本格的な、心も肉体も、その全てを掛けて本気で愛し合う情事の始まりである。





 ベッドに身を移してから、二人は瞬く間に全裸へとなった。
 流れるような手際でユーノは快楽の余韻で半ば放心状態のようになったなのはの服を剥き、自分もまた淀みなく脱ぎ去る。
 服を脱がされて裸体となったなのはは、目を奪われるほどに美しかった。
 白いシーツと白い柔肌の上に流れる艶持つ栗毛。
 程好く豊かに実った乳房の果実、キュッとくびれた腰から安産型の尻へと続くライン、そしてしなやかな四肢が描く絶妙なプロポーション。
 そして、ややあどけなさを残した美貌に澄んだ瞳。
 もはやそれは、美の神が気紛れに生み出した一つの女性美の結晶である。
 それを前にユーノは息を飲む。
 彼の、女性的な容貌からは意外なほど引き締まった身体、その下半身にそびえる雄は硬度を増して滾っていた。
 早く目の前の雌が欲しいと、早く愛しい彼女が悦楽の中に蕩ける様が見たいと、男の欲望は求める。
 ユーノはその、内に滾る雄性に従った。
 ベッドの上に横たわるなのはへと覆いかぶさるように近寄り、再び唇を重ねる。
 最初はまず柔らかく軽く、そしてすぐに情熱的に舌を絡めあった淫靡な愛撫に転じて。
 ピチャピチャと音を立てて、二人は求め合った。
 互いの舌同士は言うに及ばず、唾液を飲み飲ませ、徹底的に口付けを味わい尽くす。
 無論、施す愛撫はそれだけではない。
 露になった豊かな乳房を揉み解し、股ぐらにある髪と同じ色の茂みを掻き分ける。
 濃密なキスと同時に、ユーノの手は的確になのはを責めていた。
 胸はその柔らかさを堪能するように、やんわりと揉みつつ先端の蕾を抓り。
 秘所は生い茂る陰毛を撫ぜつつ、濡れた入り口に指を挿し入れて掻き乱す。
 前戯というには激しすぎるくらいの、快楽の濁流だった。


「んっ……ちゅぷっ……んぅぅ!」


 口付けで塞がれた口からは唾液と舌を絡ませ合う音と共に、絶え間なく切ない声が漏れる。
 が、それらは突如として中断された。
 少女の手が青年の身体をそっと突き放したのだ。
 ある種拒絶とも取れるこの反応に、ユーノは首を傾げる。
 眼下のなのはは、愛撫の快楽にトロンと蕩けた瞳で切なげに彼を見上げ、そして言う。


「ちょ、ちょっとまって……ユーノくん……」

「どうしたの?」

「私ばっかりされてばっかりじゃ、ズルイよ」


 言葉と共に、なのはの指が彼の身体を這った。
 やや女性的な風貌とは裏腹に引き締まったユーノの肉体、その中でも取り分け逞しい部分。
 下腹部でいきり立った硬い硬い肉の凶器へと触れる。
 石のように硬くそして燃えるように熱い男根を、なのはは慣れた手つきで弄んだ。
 幹をそっとなぞり、浮き出た静脈の形を一つずつ確認するように撫で、エラの張った亀頭を愛おしそうに爪弾く。
 既になのはの痴態を目にして限界まで怒張し、先走りの薄い液体に濡れる陰茎をなのはは丁寧に愛撫。
 しかし、彼女はそれも途中で止めてしまう。
 せっかくの快楽を寸止めされ、ユーノは不満そうな顔を見せる。
 そんな彼に少女はキスを一つ、頬に口付け。
 そしてゆっくりと身体を起こし、ユーノをベッドの上で座らせるような形にする。


「大丈夫、そんな顔しないで? 今度は……ユーノくんの大好きな胸でしてあげるから」


 言うや、なのはは彼の股ぐらにそびえる屈強なる肉の凶器を、己が胸へと導いた。
 既に先走りを垂らして濡れたそれに、さらになのはの口から唾液がまぶされる。
 たっぷりと粘性を持つ液体を全体に浴び、男根は禍々しいほどに輝いた。
 情交の為に薄明かりに設定された部屋の中でもしっかりと存在感を見せ付ける様は、正に雌を性的に破壊する為の兵器。
 目の前の肉棒をうっとりと見つめつつ、なのはは自分の胸、しっかりと厚みを持つ豊かな二つの乳肉の合間に挟みこむ。
 十分なぬめりを帯びた硬い肉を、しっとりと汗ばんだ乳房の柔い肉が挟み、そして一拍の間もなく扱きあげた。


「く、うああ!」


 唐突に生まれた快感、あまりにも強い悦楽にユーノが呻く。
 きめ細かい極上の肌を持つなのはの乳房、それが両側からしっかりと手でホールドされて行う乳淫奉仕である。
 粘着質な音を立て、なのはの上体が激しく上下し、責め立てた。
 過剰な程の快楽刺激に、青年の脳内はショート寸前の呈を成す。
 先ほどまで手の奉仕を受けていた肉棒は、一瞬で絶頂寸前まで導かれた。
 が、それでも彼は耐えた。
 もっと長くこの快楽を味わっていたい、もっと長く彼女の奉仕を受けたい。と。


「んぅ……もう先っぽピクピクしてるよ? ユーノくん我慢してる? 我慢しないで、んっ、ほらぁ……早く出して、ちゅっ」


 彼の精を淫蕩にねだり、なのはは目の前の肉棒に口付けする。
 乳房による奉仕と共に舌が蠢き、チロチロと傘の張ったエラをこそげるように舐め上げる仕草ときたら、正に天性の淫婦。
 そこからもたらされる快楽もまた然り。背筋を駆け巡り、暴れ狂った悦楽の波がユーノの脳髄を容赦なく焼いた。
 もはやこれ以上の耐久は不可能だった。
 次なる刹那、彼の口から苦悶と悦を孕んだ呻きが漏れるや、白く濁った精が撃ち出される。
 飛散したアイボリーカラーの液体は、目の前にあったなのはの顔にこれでもかと降り注ぐ。
 艶ややかな栗毛を、整った美貌を、薄桃色の唇を、さながらデコレーションするかのように子種の白濁は染め上げた。
 むせ返るような性臭、唇から味が伝わる独特の苦味、なのははその様に恍惚とする。


「すごぉい……こんなに一杯出ちゃった……」


 ぴちゃり、と、指で掬った精をなのはは舐めた。
 一度始めたら後は雪崩れ込むように行為は始まる。
 彼の、愛しい男の子種を一滴たりとも無駄にはすまいと、彼女は吐き出された精を貪った。
 普通ならまず美味しいなんて言えない代物、されど、なのはにとってそれは美味に他ならない。
 瞬く間に全ての精子を舐め取ると、彼女はまた目の前で硬度を維持してた肉棒に舌を這わせる。


「ちゅぷ……すごく硬い……まだまだ元気だね」


 それじゃあ、と繋げながら、少女の身体が背後に倒れた。
 仰向けに、最初にベッドに来た時のように、白いシーツの上でなのはは寝そべり、告げる。


「じゃ……今度こそ……エッチしよ?」


 程好い肉付きを持ちながら、それでいて引き締まった健康的な両脚がそっと開かれた。
 脚の付け根にある雌の入り口は果汁を垂れ流し、爛れた淫靡な香りを漂わせて、薄桃色の花弁を物欲しげに蠢かせて雄を誘う。
 潤んだ瞳でこちらを見つめる愛おしげな眼差しも相まって、もはやそれは抗い難い破滅的な魅惑を誇る。
 滾る欲望と狂おしい愛情に従い、ユーノは動いた。
 一度の発射などあってなきが如く、硬く硬く、鋼のような硬度を維持している肉棒を濡れた淫穴へと導く。
 亀頭の先端が濡れに濡れた花弁に触れ、くちゅり、と音を立てる。
 挿入寸前、目が合った。
 肉欲への期待に甘い吐息を荒く吐きながら、なのはの切なげな眼差しがユーノを見た。
 ユーノの瞳もまた滾る雄の欲望に熱く燃え盛りながら、眼下の彼女を見下ろした。
 宙で絡み合う視線と視線、そこには言葉などなくとも分かり合える、伝え合える強い愛が溶けていた。
 了承の意を込めてなのはが一度頷くと、ユーノはそれに頷き返す。
 そして一拍の間もなく、一気に腰を沈めた。
 十二分に濡れそぼった膣へ、硬い肉の凶器が瞬く間に征服と蹂躙を成す。


「はあぁああッッ!!!」


 ほとんど絶叫に近い声でなのはが鳴いた。
 濡れた秘唇を貫き、濡れた肉ヒダを掻き分け、ユーノの肉棒は的確に彼女の急所を突いていたのだ。
 正常位での姦通、狙われたのは腹側にある敏感な性感帯である一点、俗にGスポットと呼ばれる場所だ。
 何度も身体を交える内にユーノが知った、なのはの特に感じる箇所の一つ。
 彼はここに、嗜虐と情愛を以って容赦なき強烈な一撃を加えた。
 このたった一度の突き上げに、なのはは容易く達する。
 埋没する肉棒を収縮して締め付け、愛蜜を潮と噴いた。
 下腹部から発生した甘やかな電流は即座に脳天まで到達、彼女の思考を恍惚に彩る。


「あ、あぁ……すご……いっかいで、イっちゃったぁ……」


 痺れに似たような感覚を伴い、全身に広がる余韻に蕩けるような声が漏れる。
 が、それも一瞬の事だ。
 次の瞬間には、それが甲高い嬌声へと変わった。


「はああぁぁあッッ!!? ま、まってぇ! いきない、そんな……ひぃあうぅッッ!!」


 先の絶頂の余韻が消え入らぬ内に再開した激しい律動に、快楽に苦しむ喘ぎが木霊する。
 達したばかりの敏感な身体へ、さらに快楽を上塗りするのだ。
 それはもはや快楽の地獄。
 なのはの感じるツボを熟知したユーノの責めは実に的確で、矢継ぎ早に彼女の性感帯を突く。
 最初の絶頂をもたらしたGスポットから、特に敏感な最奥部の子宮口まで、感じる場所を満遍なく責め立てた。
 濡れた肉と肉が激しくぶつかり合う音を響かせ、ベッドのスプリングが壊れてしまいそうなほど激しく情交は加速していく。
 力の限りに突き出される肉の槍が、媚肉を貫き・抉り、快楽の上にさらなる快楽を刻み付ける。
 性感帯を突かれる度、そのあまりに強い快楽によってなのはは連続で果てた。
 一度達したかと思えば、次の瞬間繰り出された肉棒の責めにまた果てる。
 それはもう、ほとんど暴力と形容できるほどの危険な、過剰な快楽だった。
 脳内で激しくスパークする悦楽の閃光に、なのはは鳴いた。


「ひぃッ!……らめぇ……らめえぇえッッ! イくのとまんないぃ……イきつづけて、おかしく、ひああッッ! イく! まら、イっひゃ、はああッッ!!」


 必死に声を上げて彼に許しを請おうとするが、その前に絶頂の甘い感覚が脳内を例え様もなく蕩かす。
 艶のある茶髪を振り乱し、汗に濡れる身体を何度も痙攣させてなのはは達し続ける。
 もう何度果てたかなんて分からない、深い喜悦の奈落に沈んだ思考では数える事などできはしない。
 そして、イきっぱなしになった敏感極まる肉体で、なのはは感じだ。
 体内を狂おしく抉る硬い肉の凶器が、どんどん硬度を増し、先端に亀頭部分が膨らんでいくのが。
 前兆、発射寸前の肉棒が見せるサインだ。
 イき続けて涙でグショグショになった瞳で見上げれば、ユーノが苦しげな耐えるような顔をしている。
 彼ももうすぐ出すのか。
 と、桃色の霞の中にたゆたう思慮の中で思う。
 そして、なのはは彼の背に回した手に思い切り力を入れて抱き寄せた。
 一瞬で近づく顔と顔。
 快楽に蕩けきったなのはの瞳がユーノを捉え、濡れた唇が甘き言葉を囁く。


「んッ……ユーノ、くん……いいよ。だしていいよ……はぁん! だから、はやくちょうだい……ユーノくんのあついのちょうらぁい」


 絶え間なく襲い繰る快楽の責めの中、なのはは求める。
 彼の子種、熱く煮え滾った精の白濁を。
 この求めに、彼は言葉でなく行動で応じた。
 今までも十分すぎるほど強かった腰の動きをさらに強く激しくし、これでもかと彼女の体内を深く抉り抜く。
 連続で絶頂を続け、何度も収縮して狂おしく精を求める蜜壷もまた一段と強く締まる。
 いよいよベッドが壊れそうなくらいに揺れ動き、ベッドの足が床板の上でタンゴさながらのステップを刻んだ。
 大気の中に発情し尽くした雄と雌の匂いが立ち込め、気温もまた凄まじく上がる。
 むせ返るような情事の空間。
 そして、ついにゴールは来た。
 蓄えられた子種、無数の白い種が銃身さながらのロングバレルを駆け上り、雌の最奥部で卵子を孕まさんと射出される。
 その瞬間、ユーノはさらに彼女を求めた。
 汗に濡れた背に手を回し、強く抱き寄せながら口付け。
 即座に舌を捻じ込んで口内を征服すると同時、下腹部もまた己の子種で支配する。
 ドクドクと、外まで音がしそうなほどに放たれる精液。
 強い粘り気を持った精は一瞬で膣内を満たし、さらに奥の子宮まで駆けた。


「んんぅぅぅううッッ!……んぅぅ!!」


 凄まじい勢いで吐き出される精液の熱、そして舌を絡める濃厚な口付け。
 今までの快楽ですら前菜と思える、極上の快楽を艶めく女体の奥深くでさらに刻み付けられる。
 その快楽を前に、なのはは口付けで塞がれた唇の端から、声にならない声で鳴いた。
 何度も精を吐き出され、射精の脈動がようやく果てた時、地獄のように天国のように続いた快楽はようやく小休止となった。
 濃密なキスから解放され、つう、と一筋の唾液を糸引かせて二人の顔が離れる。
 そして、次は唇でなく視線が絡み合った。
 互いに深い絶頂の中で溶け合った、潤んだ瞳が愛を孕んで見つめ合う。
 嗚呼、言葉などいらない。
 情を宿した眼と眼があれば、もはや言葉などなくとも想いは伝わる。
 しばし見詰め合った後、どちらともなく動き、二人はまた唇で繋がった。
 そっと、音もなく成される口付け、触れ合うだけの優しいキス。
 大好き、という感情を伝え合う、柔らかな愛撫だった。





 第一ラウンドが終わった時、ユーノは横っ面にパンチを食らった。
 腰の入っていない、手の力だけで成される拳打は痛みを伴わず、ポフン、と落とを立てる。
 可愛い攻撃を行ったのは言うまでもなく、高町なのはその人だ。


「もう! ユーノくんのバカバカ!」

「いや、だからさっきからゴメンって……」

「言い訳はなし!」


 と、なのはは頬を赤く染めてプンスカとご立腹だ。
 先ほどの情交の、激しい責めに対しての怒りだった。
 彼女曰く、もっと優しくして欲しかったの、との事だ。
 まあ確かにユーノは少々やり過ぎた、なのはの意見も尤もである。
 故にユーノは抵抗する事もなくひたすら平身低頭、謝罪の言葉を繰り返しているのだが、一向に許しは得られていない。
 が、それでも良いかな、とは思う。
 だって……


(怒るなのはも、可愛いんだよなぁ)


 と、栗色の髪を揺らして他愛ない怒りを振りまく可愛い恋人を、彼はただ優しく見つめていた。


 ちなみにこの日彼が大量に吐き出した濃密な精は、卵管膨大部にて卵子とばっちり受精を果たし、十月十日後に愛らしい赤子を成す事と成るのだが。
 それはまた別の話。



終幕。


著者:ザ・シガー

このページへのコメント

いい作品をありがとうございます。
たまにはユーノが酷い目に遭わない作品を書いていただける事を楽しみにしてます。

0
Posted by D2 2009年11月19日(木) 11:29:13 返信

喜んでいただけて嬉しい限りです。

基本あまりユーなのは書かない人なのですが、またアイディアが湧いたらやってみますね。

0
Posted by ザ・シガー 2009年09月17日(木) 17:10:44 返信

ユーなのは最高です(^O^)
これからも甘いユーなのを書いてくださいm(_ _)m

0
Posted by ななしのよっしん 2009年09月14日(月) 18:08:16 返信

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