339 名前:ぶっかけメリークリスマス ◆XCJ6U.apcs [sage] 投稿日:2011/12/26(月) 23:01:53 ID:/k2Xnr26 [2/3]

二人の間に気まずい沈黙が流れる。

一瞬でユーノからぶちまけられた液体がなのはの前髪から顔をべったりと汚していた。
栗の花の匂いにもたとえられる独特の香気がむっと部屋に満ちている。
ねっとりと粘り気のあるその雫は、なのはの整った眉に絡み、水蜜桃のように淡く紅色を添える頬を伝い、胸元にも滴ってドレスに版図を広げつつあった。
ユーノは手の中のものを握りしめたまま、半ば呆然と白く汚されたなのはの秀麗な顔を見つめていた。

今日は聖王教会のクリスマスに当たる聖王降誕節であった。
ヴィヴィオはアインハルトからストラトス家のパーティーに招かれて不在であった。
そこで、ユーノとなのはは二人でホテルディナーに出かけたのであった。

悲劇が起きたのはディナーが終わった後のことだった。

ホテルでディナーをしたからには部屋も取ってあった。
二人で部屋に引き取って、する事は一つだ。
だが正に、そのとき、ユーノはなのはの顔中にぶちまけてしまったのだった。

「ご、ごめんなのは」

汚れを拭おうとハンカチを差し出したユーノの手をなのはが押さえた。

「……わたしね、ユーノ君に会うのずっと楽しみにしてたんだよ?」

ルージュを引いたなのはの唇から漏れる声は低い。
その上に滴るぬめぬめと光る液体がさらに艶めかしい艶を加えていた。

「髪だって美容院でセットして貰ったし、ドレスも一生懸命選んだんだよ……それを!」
「ほんとに、ごめん。許して……」
「最低……!」
「ごめん、許してなのは……」
「じゃあこれ何とかしてよ、嘗めて取って!!」

なのははべたべたに汚れた頬をずいとユーノに突き出した。
改めてむっと妖しい匂いがユーノの鼻に押し寄せる。
ユーノはおそるおそる、なのはの顔に付いたものを嘗め取り始めた。







上物の白のシャンパンを


著者:しずひと ◆XCJ6U.apcs

このページへのコメント

シャンパンかよ!?

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Posted by 名無し 2013年01月16日(水) 13:10:59 返信

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