96 ザフィ×はや sage 2008/04/13(日) 02:21:01 ID:6/JguDea
97 ザフィ×はや sage 2008/04/13(日) 02:21:56 ID:6/JguDea
144 野狗 ◆gaqfQ/QUaU sage 2008/04/13(日) 18:18:21 ID:9ldeB0df
145 野狗 ◆gaqfQ/QUaU sage 2008/04/13(日) 18:19:26 ID:9ldeB0df
146 野狗 ◆gaqfQ/QUaU sage 2008/04/13(日) 18:20:22 ID:9ldeB0df
147 野狗 ◆gaqfQ/QUaU sage 2008/04/13(日) 18:21:04 ID:9ldeB0df
148 野狗 ◆gaqfQ/QUaU sage 2008/04/13(日) 18:21:46 ID:9ldeB0df
149 野狗 ◆gaqfQ/QUaU sage 2008/04/13(日) 18:22:18 ID:9ldeB0df
150 野狗 ◆gaqfQ/QUaU sage 2008/04/13(日) 18:22:46 ID:9ldeB0df

 珍しいことに、その日はザフィーラしかいなかった。
「みんな、遅なるんやねぇ」
「はい。三人とも、予定の時刻は大幅に遅れる故、申し訳ないと」
「そっか。そしたら、今日の晩ご飯はザフィーラと二人だけやね」
「はい。御夕食のお供が適わないのが非常に残念だとも、三人が言っています」
「ええよ。仕事やからしゃあないって」
 


「ザフィーラ、ちょっとお願いして、ええかな?」


 最初はただの好奇心だった。……はずだった。
 けれどふと気付くと、乗り越えた線ははるか後方に。
 もう、戻れない距離まで遠ざかっている。
 あとは、進むしかないのだ。
 そこに崖があったとしても。


 はやてはまじまじとそれを見つめていた。
「ふーん」
 指を伸ばそうとして、手を止める。
「触っても、ええ?」
「主がそう望まれるなら」
「そしたら、触ってみるからな?」
 言葉とは裏腹に、おっかなびっくりでおずおずと手を伸ばすはやて。
 指先が、やや持ち上がりかけているペニスに触れる。
「……変な手触りやね。狼の皮やろか?」
「人間の姿をしているときは、人間と変わりないはずです」
「そしたら男の人のおちんちんって、皆、こうなっとるの?」
「恐らく」
 はやては、前置き無しにペニスの根元を握った。
 まだ○学生の柔らかい手が、ザフィーラのそれを包み込むように締めつけている。
 ザフィーラは、自分の血が一カ所に集まるように流れていくと感じ始めていた。
 すると、はやては目を丸くしてそれを見つめているではないか。それもそのはず、ザフィーラのそれは徐々に上向きになり、すぐに燦然とそびえ立つ姿に変貌したのだから。
「うわ……これが、ホンマの姿なん?」
「そうです、主」



 最初に言われたときは何のことかわからずに聞き直した。
 2度目でようやく、主の言うことを理解した。
 つまり、
「男の人の裸が見てみたい。とくに男性器」
 ということなのだ。
 主の命令は絶対である。どのような命令でも、それは変わらない。
 だから、ザフィーラは素直にズボンを脱いだ。
 ところが、主の好奇心は見ているだけでは治まらなかったらしい。
 いきなり、握ってきたのだ。
 柔らかく、まるで絹のスカーフで縛られているような感覚。
 ザフィーラとて、経験がないわけではない。いや、これまでの転生の全てを考えるなら多いと言っていいだろう。
 しかし、これは予想外だった。正直、反応するつもりなどなかったのだ。
 主はやての手は驚くほど暖かく、やわらかい。そしてこれはザフィーラにも予想外のことだったのだが……今の主に触られているという事実が、ザフィーラを刺激していた。
 主はやては、性の饗宴に守護騎士の身体を貪るような破廉恥な主ではない。ザフィーラは今の主を心から尊敬し、護りたいと思っている。
 それが、いつの間にか性的な愛しさにも変わっていたのだろうか。
 ザフィーラはただ、はやてに弄られながら立ちつくしていた。
 その俯き加減の視線がある一点で止まった。
 主の車椅子、そこに座る主。その、すらりと伸びた足。デニムのスカートから覗く、座り続けているにしては健康的な、しかし充分に○学生らしい細い太股に。
 性器の感覚と視覚が繋がったような錯覚。
 何故、自分は主の足をこれほど見ているのか。
 いや、足ではない。
 視線は足を遡り、そしてデニム地に遮断される。
 自分は何を……何を見ようとしているのだ。
 血が流れ、集まっていく。
 

 そしてはやては見た。ザフィーラの視線を。
 見られている、と感じた。いや、想像されている、と。
 視線が圧力となり、下半身に痛いほど突き刺さっている。
「ザフィーラ?」
 答はない。
「……見たいん?」
 答は必要なかった。
「そやな、ザフィーラのだけ見せて貰うなんて、不公平やな。こんなん、主失格やな」

   

「堪忍な」
 離れていくたおやかな指。ザフィーラは無意識のうちに、腰を突き出すような姿勢になっていた。
 もっと、触れていたい。触れていて欲しい。柔らかな指に、主の指に。
 そして、触れたい。主に。
 主の手がスカートの裾にかかっている。
「私が見るだけやったら、不公平やもんな」
 ゆっくりと、裾がめくられる。
 俯き加減に頬を染め、それでもしっかりと握った裾を離さない主の姿に、ザフィーラは生唾を飲み込んでいた。
「主…」
 ……おやめください。
 そう言おうと思った。いや、言わなければならない。
 それでも、言葉が出ない。口が開かない。
 痛切に喉の渇きを覚え、ザフィーラは再度唾を飲み込んでいた。


 はやては、手を止めた。
 これ以上はどうしてもスカートが捲れない。車椅子に座ったままの姿勢ではやはり無理がある。
 腰を浮かして体勢を整えることもできない。
 ただ、生地の伸縮の許す限りスカートの裾を持ち上げて、できる限り足を開く。
「ザフィーラ、見えるん?」
 無理だ、とはやては思った。そもそも、車椅子で外出しても恥ずかしくないように衣服を選んでいるのだ。
 車椅子に乗ったまま、スカートを捲ることはできない。
 でも、見せなければならない。いや、見て欲しい。
 今の自分を、見て欲しい。自分の中を見て欲しい。
 誰でもない、力強い楯の守護獣に。自分を護ってくれている、誇り高き守護騎士に。この男の人に。
「見て。ザフィーラ」
「主…」
「……あかん」
 呟きが漏れた。ただ、心の中で思って、望んでいただけなのに。
「主違う。今は、主と違うんや」
「……主?」
「はやて。私は、八神はやてや。私の名前は、はやてや」
「私は……」
「こんなん命令させんといてよ……名前を呼んでくれなんて、命令しとうないよ……」
 はやては、自分の中で何かの堰が切れたと気付いた。もう、止まらない。
「私を見てなんて、命令させんといて! 見て欲しいなんて、言わせんといてっ!」
 手が震え、それでも持ち上げた裾は離さない。
「そんなん、最低の主やん! そんな嫌らしい主なんて……ザフィーラは……嫌なんやろ……?」
「はい」
 ザフィーラの言葉は簡潔かつ明瞭だった。
 ……私はアホや。
 はやては唇を噛みしめる。そして呪う。こんな事態を招いた自分の愚かさを。
   
    

 最初は何事かわからなかった。ただ、夜中に皆が何かしている気配は感じていた。
 リンカーコアの収拾ではない。闇の書が消滅した今、それは必要がないはずだった。
 はやてはふと、フェイトに聞いた「精神リンク」を試してみようと思った。
 自分の場合は使い魔アルフとのリンクだが、はやてにもヴォルケンリッターとのリンクが成立するはずではないか、とフェイトは言ったのだ。
 試してみると、思ったよりも簡単だった。
 そしてはやては知った。騎士達の夜の営みを。
 ザフィーラに抱かれるシグナム、そしてシャマル、ヴィータを。
 衝撃だった。そして、微かに流れ込んでくる性の快楽に、幼い身体は熱くなった。
 それは愛情や歓楽のためというより、親愛の表現、あるいは長年の重みを知るもの同士だけが感じる繋がりだということを、落ち着いてしばらくしてからのはやては理解した。
 それでも、はやての中には何かが澱んだのだ。
 ……私は仲間外れなんやろか?
 未成熟な身体、というのはヴィータがいる限り理由にはならない、とはやては感じていた。
 イタズラっぽく、シャマルやシグナムの胸を揉んでみる。
「もぉ、はやてちゃん、いけませんよ」
「あ、主はやて、お戯れはお止め下さい」
 同じ二人が、ザフィーラの前で熱い吐息を漏らし、悶え喘ぐのだ。
 ……私が下手なんやろか?
 そういう問題ではないことはすぐにわかった。
 騎士達の夜の営みをこっそりと精神リンクで覗き、それに合わせて自分を慰める。
 ……ザフィーラやないと、あかん。
 きっと、自分も。
 騎士達がただ眠るだけの静かな夜でも、はやては自分を慰めるようになっていた。
 膨らみきっていない小さな乳首を摘み、まだまだ閉じている割れ目を指で擦るたびに、大きな身体の男が脳裏に浮かぶのだ。
 守護騎士ただ一人の男の姿が。あるいは、楯の守護獣の姿が。
 男の厚い胸板に組み敷かれる自分。
 大きな狼にのしかかられている自分。
 車椅子を奪われ、男の膝に乗せられている自分。
 動けない足で逃げることもかなわず、狼に貫かれる自分。
 ……あかん。ザフィーラ、主やで。私は主やで!
 主である前に女の子だと、そう主張するように大きな獣が唸っていた。
 唸りながら貫かれている自分を、はやては強く想う。
 唸りに合わせた喘ぎ。シグナムよりも、シャマルよりも、ヴィータよりも強く、艶めかしく、ザフィーラに貫かれ揺さぶられ果てる自分がいた。
 
 「……主失格やね」
 濡れた指を見つめながら、はやては呟く。
 
 そしてその夜……二人だけの夜が訪れたのだ。

    

 愛おしい。
 始めてそう思った。
 だから、答えた。
 こんな主は嫌だろうと言われ、
「はい」と。
 俯き、唇を噛みしめる少女はどうしようもなく弱々しく、そして可愛らしい。
 そう。今の自分は少女を主とは呼べない。
 決して呼ぶことなどできない。
「今の貴方を主と呼ぶわけには行かない」
 びくっ、と少女は顔を上げた。
「ザフィーラ……堪忍や……私がアホやったんや」
「…はやて」
 濡れた瞳が正面からザフィーラを見上げていた。
 その瞳が、今の言葉を理解するにつれてさらに濡れていくのがわかる。
「今この時は、貴方を主とは呼ばない。いや、主ではない。はやて」
 車椅子の前に跪く。
「私も、守護騎士ではない。ザフィーラという名の、ただの男だ」
 止められない。止まる気など、ない。
 愛しい女を前にした男の取るべき行動はただ一つ。それに従うのみ。
 手をあげて、少女の足に触れる。
「だからはやて。貴方をもっとよく見せてくれ」
 

 
「あ……ひゃ……んぅ……」
 ゾクゾクとするよう感覚が、麻痺しているはずの足から昇ってくる。
 細い両手は男のたくましい腕一つで押さえつけられていた。
 もう一つの手を男ははやての尻の下に差し込み、下半身を少しだけ持ち上げている。
 浮いたことによって捲れ上がったスカート。そこに男の頭が差し入れられていた。
 鼻先が下着の上から秘部に押しつけられ、円を描くようにグリグリと回されている。そうしておいて、男の舌は足の付け根を舐めていた。
 違う。直に触れているわけでもないのに、下着の上からなのに。自分で触れているときとは全く違う感覚。
 男に触れらていることがこんなに気持ちいい。
 貪られている。という表現がこれほど自分の身体に合うなんて、とはやては思った。
 束縛されている腕がぞくぞくとした刺激を背筋に運んでいる。抑えられた腕、動かない足。ただされるがままに蹂躙されている自分が気持ちいい。
 突然、両手が自由にされた。
 はやては自由になった両手で車椅子の背もたれ横のバーに触れた。そしてバーを握りしめる。
 そして、自分の手はバーに縛り付けられていると信じる。動かせない腕のまま、陵辱されているのだと。
 ザフィーラの手が一つ、自由になった。その手はどこに行くのか。その手の行く先は、自分をどうしようというのか。
「お願いや……もっと、もっと苛めて…主失格の私を苛めて……」

     

 二本の指がこじ開けるように襞に触れた。
 がくん、と仰け反るはやて。それでもバーを握る手は離さない。
「あぅ……そこは……まだ……」
 いつの間にか、スカートは切り裂かれた布となって床に落ちている。下着はずらされ、汗まみれの太股に貼りついていた。
 下半身だけが裸で、車椅子に乗せられた少女。そしてその前に跪き、股間に顔を埋める男。
 ザフィーラは、ゆっくりと襞を開きながら、襞自体についばむように口づける。
「ひゃっ! あ、あ……」
 ついばまれるたびに声を上げ、はやては上半身を跳ねさせる。
 下半身が自由に動くなら、今すぐにでもザフィーラの顔に秘部を押しつけたい。もっと激しく触って欲しい。
「ザフィーラっ、もっと、もっとぉしてぇ!」
 くちゃくちゃと粘液質の音が襞と舌の間に生まれる。その音を消し去ろうとでもするように、さらに唇は襞をついばみ、舌は襞の裏を撫でる。
 やがて、濡れきった秘部は、こじ開けるための指など必要ないほどにぱっくりと開くようになっていた。
「もうこんな風になるのか。いやらしいな、はやては」
 その言葉に、はやては今までとは比べものにならないほどに頬を染め、そして言葉の生み出す快楽に震える。
「やぁ…そんなん、言わんといて……恥ずかし……」
「恥ずかしいのなら、どうしてこんなに開く?」
 ザフィーラの指が、開いた襞の内側をくるりと撫でた。
「ひっ…いっ!」
 そのまま襞を摘み、弄ぶようにめくろうとする。
「ゃああ、遊ばんといて……」
「何を言っているのか、わからんな」
 それは既に騎士の口調ではなかった。
「……え?」
「何で遊ぶなと言っているのだ?」
 言え。それが言外の命令だった。
 守護騎士の命令、主への命令。それも、これほど異常な状況での、考えられない命令。
「う……あ…私の……私の…で」
「わからんな、はやて」
「私のお××…っんんっ!」
 唇が塞がれた。
 そのまま、唇と襞の二カ所が舌と指で責め立てられる。
「っ! ……んっ!」
 言葉にならない喘ぎと呻き。
 そして指が動く。襞の内側をくすぐり、秘部の突起を押さえるように。
 尖ったクリトリスの先がザフィーラの堅い指先で押さえつけられ、襞の内側が思うさまに蹂躙される。
 それに連動するようにはやての口内では舌が暴れている。
 歯の裏を舐められ、舌の付け根をまさぐられ、まるで上と下の口を同時に掻き回すように。
 はやては、声を上げられずに悶えた。マッサージチェアにかけられたように震える身体。
 口内と性器を繋いだ一直線上、脊髄を快楽が走り回っている。
 二つの快楽が同時にはしり、お腹の中でぶつかったような感覚。
 ……お腹が…
 直接刺激を受けている場所に別の何かが産まれようとしていた。
 白い光、眩しい光。
 ……これ……
 まるで投げされそうになったように、はやては自分の身体を車椅子に押しつける。
「!!!!!」
 声は全てザフィーラに吸い取られ、絶頂の叫びはかき消されていた。

    

「あ、ああ、ああああああっ」
 言葉はない。
 ただ、息を喘がせるだけで精一杯だった。
 車椅子の上で果てた後、はやてはベッドの上に運ばれていた。
 そして全裸にされ、今は乳房を愛撫されている。
「ヴィータとあまり変わらんな。シグナムやシャマルには確実に劣っている」
 比べられるのは悲しい。心からそう思った。
「しかし、美しい。はやて、貴方が一番可愛らしい」
 我ながら単純だと思った。そんな一言で、哀しみなど消えてしまうのだから。
 臍の辺りから乳房の膨らみまでを這う舌に、あわせて脇腹を揉まれている。
 どこに触れられても、どこを揉まれてもそこに暖かい心地よさが生まれるのだ。
「身体のどの部分も柔らかい、そしていい匂いがする」
 自分の言葉を確認するように、ザフィーラはしゃぶっていた乳首と反対の胸元に舌を這わす。
 脇までを丹念に、まるで毛繕いをするように舐め回す。
「ぁああ、あん……ふぁあ…」
 はやては両腕を頭の下に敷いていた。まるで、そこで縛られているかのように動かそうとしない。
 脇と胸元がハッキリと晒される姿勢で、はやては上半身を蠢かせては喘いでいた。
 荒々しく、そして力強い舌は脇から胸へと、そして臍、秘部、太股と降りていく。
 どこを舐められても、はやては喘ぐ。そして腰を振る。
 力強い腕に抱き締められ、暖かい舌に嬲られて、はやての視界は霞がかかったようにぼやけていた。
 舌だけで何度も絶頂を与えられ、指でも運ばれてしまう。
 声にならない喘ぎすら、今は精一杯の意思表示なのだ。
「ザフィーラ…」
 精一杯の力で名前を呼ぶと、目があった。
「……お願い…」
「ああ」
 これで幾度目かの口づけを受けながら、はやてはザフィーラの唾液を飲み下す。
「美味いか?」
 こくり、とはやては頷いた。
「まだイケるのか?」
「うん。……平気やで。ザフィーラがしたいこと、全部してええよ」
 はやては、唾液を飲むたびに元気が出るような気がしていた。それが気のせいだとしても、少なくとも心はそれで元気になれる。
 また、イカせてほしくなる。
「したいこと……か」
「うん」
 ザフィーラははやてを押し倒すと、秘部に顔を埋める。
 既に濡れそぼったそこに舌を伸ばすだけで、ザフィーラの顔も愛液まみれになってしまう。
 すぐに喘ぎ出すはやて。
「あ、また……そこ……」
 その時はやては、異変を感じた。
 ざらりとした感触が秘部に触れているのだ。
 ついで、これまでが最高だと感じていた感触をさらに超えた快楽が、秘部を震わせている。
「ひっ……いいいいっ!!」
 軽い絶頂が背筋を駆け昇る。
 そして、はやては知ったのだ。
 ザフィーラが獣化したと。

     

 また、同じ事をされていた。
 脇、首筋、胸元、臍、下腹部、秘部。
 丹念に舌を這わされ、唾液の筋を付けられる。
 ただ違うのは、それが狼の仕業だということ。
 そして、はやてがこれまでと同じくらいの、いや、それ以上の絶頂を狼から与えられたこと。
 人間状態とは比べものにならない舌だった。
 狼の唾液は人間のモノとは違う。ザフィーラであってもその点は変わらない。何しろ生態的には狼なのだから。
 しかしその獣臭さが、はやてには媚薬のように効いていた。
 だから、思ったのだ。
 返したいと。いや、その思いすらなかったのかも知れない。
 ただ、それを触れたい、舐めたいと思った。それだけなのかも知れない。
 ただ言えることは、はやては迷わなかったということ。
 目の前に来たそれに、躊躇うことなく舌を這わせたのだ。
 獣のペニスに。
「んん…ぐ……」
 それは、獣の体臭がした。
 それでも、ザフィーラのモノだと思えば体臭などどうでも良かった。
 そして悟った。ザフィーラが本当にしたいこと。
 シグナムにも、シャマルにも、ヴィータにもしていないこと。
 ただ、はやてだけが受け入れるもの。
 獣としての、ザフィーラに貫かれること。
 獣に、自分の処女を与えること。
 ……人間のすることやないで?
 どこかで誰かがそう言っているような気がした。
 ……ええよ。私はそれでもええよ。
 ……好きな人との初体験やもの。
 ザフィーラにあげられることが嬉しかった。
 他の三人にはできないことだから。処女をあげることなんて、もうできないのだから。
 口の中で体積を増していくペニスが愛おしかった。
 これが自分の中に入るのだと思うだけで、ひたすらに嬉しかった。
「はやて」
 ザフィーラの声に、はやては頷いた。
 ペニスを口から離すと、上半身の力だけで、腹這いになる。
 そして、ベッドから下半身だけを外に出した。
 上半身はベッドの上、下半身は床の上。擬似的な四つんばいである。
「ザフィーラ、来て」
 何度もイカされ、開ききった秘部にはもう補助は必要ない。
 だから、何度もイカされたのだな、とはやては理解した。
 狼の上腕が、はやての背に乗せられる。
「はやて」
「うん。ええよ。ザフィーラ」

    

 船になった。と思った。
 嵐の中で波に翻弄される小舟に。
 突かれるたびに喘ぎ、悶え、絶頂する。
 一突きごとに声をあげ、涎を垂らし、快楽の涙を流して仰け反る。
 その全てが快楽に通じていた。
 脊髄に電流を流されたような刺激。しかし痛みなどは伴わない。
 叫びながら、必死で振り向いた。
 狼の舌に吸い付いた。
 舌を絡ませ、牙を舐めた。
「ああ、あっ!!! き、きぃ……いっ、いいっ!!!!」
 気持ちいい、と言うことすらできない。
 相手の名前すら呼べない。
 頭の中で何かが白く輝いた。爆発するようなそれが何度も、何度も輝いては消えていく。
 それでも、伝えたい。ただ一つのことは伝えたいと思った。だから、叫ぶ。
 何度も、何度も、何度でも。
「好き!! 大好き!!! 好きッ!!!」 


 


 はやてが失神から覚めると、綺麗に拭かれた身体でベッドに寝かされていた。
 きっとザフィーラは何事もなかったような顔で、明日からも楯の守護獣の役割を果たすのだろう。
 そして自分は、ヴォルケンリッターの主として振る舞うのだろう。


 今度は違う理由で、涙が出そうになった。

著者:野狗 ◆gaqfQ/QUaU

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