179 名前:出汁 [sage] 投稿日:2011/12/10(土) 19:20:40 ID:O2.R3AD2 [2/3]

小ネタ 出汁


 「あれ? メガネ、どこいったかな」

 ある日ある時、ユーノ・スクライアはそう呟いた。
 果たしてその原因は、司書長室の机に入れてあった筈のものがなかったからだ。

「おかしいなぁ、確かにここに入れてた筈なんだけど」

「ん? どうかしたのユーノくん」

「ああ、なのは着てたの? いや、ここにあった筈のメガネがなくってさ。おかしいなぁ。最近よくなくなるんだ」

「本当? 置いた場所を忘れてるだけなんじゃないのかな、ユーノくんけっこうそそっかしいし」

「はは、かもしれないね」

 なのはの言葉に苦笑するユーノ。
 二人はその後、しばし談笑をするのであった。
 だがユーノは知る由もない、真犯人がすぐ近くにいた事を。



 数時間後、自宅にて、なのははことこと鍋に湯を張っていた。
 沸き立つ湯を時折かき回し、そしておたまで掬って味見する。

「うん、良い味だ。やっぱりモノが新鮮だと違うね」

 そうひとりごちて、なのははさいばしで摘んだそれをゆっくり引き上げた。
 きらりと蛍光灯の光を反射する二つのレンズと、金属製のフレーム。
 何を隠そう――――メガネである。

「ユーノくんの味が良くでてて美味しいの!」

 と、彼女はのたまった。
 高町なのは、その人柄と外面に比してなかなかのヘンタイ淑女であった。


終幕


著者:ザ・シガー ◆PyXaJaL4hQ

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