618 名前:部屋と紺色とあたし[sage] 投稿日:2008/06/26(木) 22:16:01 ID:CE4YeK1C
619 名前:部屋と紺色とあたし[sage] 投稿日:2008/06/26(木) 22:16:55 ID:CE4YeK1C
620 名前:部屋と紺色とあたし[sage] 投稿日:2008/06/26(木) 22:17:51 ID:CE4YeK1C
621 名前:部屋と紺色とあたし[sage] 投稿日:2008/06/26(木) 22:18:21 ID:CE4YeK1C

洋服棚の一番下。上から数えて6段目がスバル・ナカジマの下着入れである。
それを、ルームメイトのティアナ・ランスターがじっと見つめていた。

ごくり、とつばを飲み込む。数瞬して、首を振る。いや、人としてそれは、でも――。
なにやら葛藤する様な独り言、の様な呻き声がしばらく続き、
そして、結局ティアナは下着の入れてある引き出しに手をかけた。

引き出しを開けてみれば、中にあるのは色気も何も感じさせない所謂ボクサーパンツの類ばかりであった。
しかも、ほとんどが紺色や灰色の地味なもの。もうスバルは15にもなろうというのに、
下着の中にブラジャーが1つとして含まれていないのは彼女がノーブラ派であるからだ。
その事実を思い出し、ティアナはいくらか興奮を深めた。

陸士学校入学当初はそれほどでもなかったが、
最近の成長著しいスバルの肢体の破壊力は、いっそ兵器と同じだとティアナは思う。
特に訓練後など、汗ばんだ体にシャツが張り付き、強調される体のラインが抑えきれない色気を放っている。
まして、ブラジャーをしていないとくれば――

それを、同じ部隊の某E少年がちらちら見ていたりするものだから、
ティアナが体を張って視線を遮るなどして、それとなくガードしていたりもした。
もっとも、ティアナの体も人生経験の浅い少年には十分すぎる破壊力を秘めていたが、
彼女はその事には気づかなかった様である。

「――はぁ、はあ、はあ、ふっ、ぅう、はあ」

気がつけば、呼吸が荒くなっていた。心臓の音も有り得ないほどに高鳴っている。
そして、ティアナの頬はほのかに赤く染まっていく。

部屋の中には彼女しかいないというのに、というか、1人になるこの時を狙っていたというのに、
ティアナは左右を見渡して誰かいないか確認する。無論、誰もいない。カーテンもばっちり閉めてある。
安堵したティアナは、無造作に引き出しの中に手を入れ、紺色のパンティを取り出した。

伸縮性に富んだ柔らかな感触。それが、普段スバルの肌に直接触れているのだと思うと、
ティアナは感動すら覚えるのだった。

たまらず、ティアナは手に持ったパンティに顔をうずめる。そして、一気に空気を吸い込んだ。
洗剤の臭いに微かに混じる甘い香り。洗濯では落しきれないほど染み付いたスバルの匂いである。
それが、ティアナの肺一杯に満たされる。

「ふう、ふぅっ、……スバルぅ」

背筋がゾクゾクする様な興奮の中、ティアナは想い人の名を呼ぶ。事故みたいな恋と、
パートナーとしての信頼。その板ばさみに苦しむ彼女は、いつもこうして有り余った想いを発散させてきた。
それが間違っていると、パートナーである少女に知られれば軽蔑される行いであると知って、
尚止められなかった。

先ほどからパンティ越しに空気を吸っているせいで、少しばかり酸素が足りない。
なので息を荒げ、より多くの酸素を取り入れようとするティアナだが、
そうすると甘い匂いに頭を蕩けさせられ、今度は過呼吸に陥る。悪夢の様な悪循環。
その甘美な苦しみから、ティアナは逃れられない。そもそも逃れようとさえしない。

ティアナの鼻息でどんどん蒸れていくパンティも、ティアナにとってはどうしようもないほど興奮を誘う。
まるで、スバル自身に自分の匂いを擦り付ける様な、そんな想像をさせられて、ティアナは下半身を熱くした。

探るように、空いた方の手がティアナ自身のパンティに伸びる。
トレーニング服のズボンはとうにベッドの上へ投げ捨てられていた。

するり、と下着の中へ指先が入っていく。そして、クレバスの一番上に指先が触れる。
その瞬間、電流が走る様な快感がティアナの全身を貫いた。

「――っん、ふぅん……!」

ティアナのアソコは、もう唾液で濡らしたりする必要がないほどべたべたになっていた。
パンティには縦に染みを作ってしまっている。

ティアナは少し乱暴目に指先を動かす。縦筋に沿って上下に擦るだけで、
目の前が真っ白になるほど気持ちいい。自然、指先をどんどん大胆に動かしだす。

「ふあ、あ、っん、……くぅ、ふあぁ」

くちゅ、くちゅ、と指先で音を鳴らし、快楽を貪る。額に汗を滲ませ、髪を振り乱し、ただ一心不乱に。
その姿は淫らでありながら、どこか悲しげにも見える。だが、彼女にとっては必要な事だった。
女としての自身を追い払い、パートナーとして徹する為の、一種の儀式の様なものだ。

そんな虚しい儀式にも終わりが近づいている事に、ティアナは頭の片隅で気づく。
体の熱さが、もうこれ以上は耐えられないと告げている。

惜しい様な、寂しいような、そんな感情をどこかで抱えながら、ティアナはクレバスの一番上、
すっかり大きくなってしまったそこに指で触れる。そして、一際強く押しつけた。

その瞬間、まるで津波が襲い掛かる様に、一気に絶頂にイってしまう。

「――っふうう……! んんっ……ううぅっ!」

断続的にやってくる波を体全体で受け止め、ティアナはうずくまる。びくり、びくりと震える体を抑える。
その姿を、酷く冷めた目で1人の少女が見ていた。

「ティア、何してるの……?」

その声を聴いた瞬間、ティアナの背筋を冷たい汗が撫ぜる。ブリキの人形みたいにぎりぎりと、
恐る恐る視線を入り口のドアへと向ける。そこには、何の感情も感じさせない表情のスバルの姿があった。

「――あ、ああ、は」

何か言わなければ、そんな考えがティアナの口を開かせるが、言霊は紡がれず、
ただ何の意味のない声だけが漏れた。火照った体には室温は余りに冷たくて、冷や水をかけられた様に、
意識は急速にいつもの冷静さを取り戻していく。皮肉な事に、冷静になればなるほど、
言い訳など出来ない状況だとわかり、なおさら言葉が出てこなくなった。

目の前はどんどん滲んでいく。それが、涙であると気づくだけの余裕は果たしてティアナにあったのか。
そんな、この世の終わりみたいな顔をした彼女に、スバルはため息をついた。そして、ティアナに歩み寄り、
座り込んでティアナの顔を真っ直ぐに見た。

「ティア、その、あたし、今日の事は忘れるから、それでもう泣くの止めてくれないかな」

「で、でも、あた、あたし……」

焦点の合わない目で、どうにか言い訳しようとするティアナ。そんな彼女を、スバルは優しく抱き止める。

「あたし、ティアを大切なパートナーだと思ってる。だから、そんな悲しい顔させたくないんだ」

ああ、と心底安心した様な声を漏らし、ティアナは今度こそ涙した。

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい――」

ティアナの謝罪は、彼女が泣き止むまで続いた。

しばらくして、

「ごめん、スバル」

「もういいよ。それより、顔、酷い事になってるよ。まだお風呂入ってなかったよね。ほら、入ってきなよ」

「うん、そうする。ごめんね、スバル」

もういいってば、とスバルは笑いながら、そそくさとズボンをはいて部屋を出て行くティアナを見送った。

「――はあ」

バタン、というドアの閉まる音の後、またため息が出た。ティアナの手前、ああ言ったとはいえ、
自分がそういう目で見られている事は、スバルにとって少なからずショックだった。
でも、ティアナが大切なパートナーであるという言葉に嘘はない。こんな事で失っていい絆ではないのだ。

洋服棚の前のカーペットに出来ている染みに目を向ける。如何に自身のパートナーが残したものとはいえ、
スバルは生々しさに顔をしかめる。つまむようにして、ティアナの鼻息で蒸れている下着を拾い上げた。

――こんなのの何がいいんだか。

そんな事を考えながら、下着を洗濯籠に放り込んでこようと立ち上がるスバル。
部屋のドアノブに手をかけたところで、ふと、洋服棚の辺りで目が止まった。

洋服棚は引き出しは全部で6段あり、上3段をティアナが、下3段をスバルが使う事になっている。
衣食住を共にする彼女らだから、当然その中身の内訳だって知っている。
無論、上から3段目がティアナの下着入れになっている事も、スバルは知っている。

スバルの脳裏に、つい先ほどのティアナの姿が浮かび上がる。自分の名を叫び、髪を振り乱しながら、
快楽をひたすら貪る姿。思い出すと、何故か体が熱くなっていた。
もともとそういった方面に余り免疫のないスバルである。初めて味わう感覚に戸惑いを隠せなかった。
が、その感情に好奇心が葛藤する。

ごくり、と唾を飲み込む。気づけば、スバルの心臓の鼓動は、走りこんだ後の様に早まっている。
そして、彼女の視線は洋服棚から離れない。そのままどれくらいの時間がたったのか、
とうとうスバルは惚けた表情で3段目の棚に手を伸ばし――

――パンニーは感染する。


著者:75スレ617

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