975 名前:BJ 雷刃編 [sage] 投稿日:2010/12/19(日) 15:20:01 ID:1.U8NeL. [2/9]
976 名前:BJ 雷刃編 [sage] 投稿日:2010/12/19(日) 15:21:01 ID:1.U8NeL. [3/9]
977 名前:BJ 雷刃編 [sage] 投稿日:2010/12/19(日) 15:22:29 ID:1.U8NeL. [4/9]
978 名前:BJ 雷刃編 [sage] 投稿日:2010/12/19(日) 15:23:03 ID:1.U8NeL. [5/9]
979 名前:BJ 雷刃編 [sage] 投稿日:2010/12/19(日) 15:23:42 ID:1.U8NeL. [6/9]
980 名前:BJ 雷刃編 [sage] 投稿日:2010/12/19(日) 15:24:25 ID:1.U8NeL. [7/9]
981 名前:BJ 雷刃編 [sage] 投稿日:2010/12/19(日) 15:25:10 ID:1.U8NeL. [8/9]

そこは、無限書庫の一室。

いや、正確には部屋ではない。
誰も足を踏み入れないほどに奥まった区画の、無限に建ち並ぶ、無数の本棚の一角。
平積みされた膨大な書物の群れが壁のように四方を囲い、結果として周囲から切り離された、本の砦の中である。

そしてその砦の中心にあるのは、周囲の書物をを濫読する、齢10歳程度の栗毛の少女の姿。

落ち着いた雰囲気を通り越して、静謐とも言える空間そのものを作り出している、外見不相応な貫禄。
乱雑に積み上げられた書物ですら、そここそが本来収まるべき場所である、と錯覚させるほどに調和した雰囲気。
並の人間が目にしたら、この空気をを乱すことを恐れて、近付くことすら躊躇するかもしれない。

しかし、その均衡を破ったのは、これまた同年代の少女の、能天気な一言だった。


「やあ、同胞! バリアジャケット新調してみたんだけどどうかな? カッコイイだろ?」

「・・・血と怨嗟の闇から共に現れて5年経ちますが、その呼ばれ方は初めてですね」


能天気に声をかけた少女は、マテリアル・L。またの名を、『雷刃の襲撃者』。
気だるげに顔を上げた本の砦の主は、マテリアル・S。またの名を、『星光の殲滅者』。

かつて、そう呼ばれた少女たちだった。

彼女たちがこの世界に現れて5年余。
現在は紆余曲折を経て管理局へ協力し、見返りとしてそれなりの生活基盤を手に入れるという、あたりまえの生活を選択していた。

至福の時間を邪魔された星光は、明らかに迷惑げな視線を闖入者に対して向けたが、ことさら追い出しはしなかった。

本来ならば、「消し炭になるか肉塊になるかそのまま帰るか、自由に選んでください」と、礼を欠かさず丁寧に交渉するのだが。
今回に限り、闖入者への興味が、自分だけの時間を過ごすという欲求に勝ったのだ。


「ところでそれは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンのバリアジャケットでは?」


そう。
雷刃は第一声で宣言したとおりに、いつもとは全く異なるバリアジャケットを装着していた。

全身を包む白いマントの下に、濃紺のスーツ。
無論、現在15歳のフェイトとは体格が全く異なるため、サイズは違う。
しかしその一点を除けば、雷刃が装着しているのは、第一線で活躍する執務官、フェイトのバリアジャケットそのものである。

単純に形を真似るだけならば、難しくはない。
バリアジャケット自体は形ある鎧ではなく、全身を包むフィールド状の魔力に過ぎないからだ。

星光があえて声をかけたのは、本来は機密のはずの「フェイト・テスタロッサ仕様」ともいうべきバリアジャケットの内部データまでもが、
まったく同一のものであると見抜いたからである。


「そうだよ。この前フェイトのバリアジャケットのデータに新作が来たんで、さっそくデータをダウンロードしてみたんだよ!」


と、星光の質問の意図を言ってか知らずか、雷刃は事も無げに言う。

フェイトが、それまでのワンピース水着じみた痴女のごときバリアジャケットを、新しい形に変更したのはつい最近のことである。
知られれば致命的となる戦闘用バリアジャケットのデータを、近しいとはいえ他人に公開することは、常識ではありえない。
なによりその言動から、明らかに法を逸脱した匂いがうかがえる。


「・・・貴女がその行為の意味を理解しているかはともかく。
 言わんとしている事とやってしまった事は理解できますが、そこに至るまでの過程を少し詳しく話していただけますか?」

「ん? 僕は感想が聞きたくて君の前に来たというのにノリが悪いな。
 むしろカッコイイね、と褒めろという言外の意図というか会話の行間を見切れないとは、朴念仁も甚だしい。
 そんなんだからいつまでたっても空気読めない娘って言われるんだよ」

「そうですね。では、特には強制はしませんので、御自由に話の続きをどうぞ?」

「・・・OKOK。
 別に、ルシフェリオンに収束され始めてる大魔法の脅迫に屈するわけじゃないけど、大人な対応で先に君の質問に答えてあげるよ。
 だから発動キャンセルが出来なくなる前にさっさとその収束砲のチャージを中止してくださりやがれお願いします。
 ほら、周りに燃えやすいものとかいっぱいあるし!」


穏やかに火花散る会話の末、なぜか土下座とともに額を床に擦り付け始めた雷刃を冷たく見下げて、星光は尋問するように声をかけた。

「では、まず。そのバリアジャケットのデータ自体はどこに保存されていて、どうやって入手したのですか?」

「データの入手先のこと? 
 バリアジャケットのデータはバルディッシュに入ってるんだから、バルディッシュのメインメモリを覗けば全部分かるに決まってるだろ。
 そっから引っ張り出したんだよ」


正座した姿のまま、さも得意げに胸を張って即答する雷刃。
それを相変わらず冷めた眼で見下げながら、星光は穏やかに質問を続ける。


「誰も思いつかないような頭いい事言った、というしたり顔で言われても、それは別に賢いことではないのですから。
 むしろ執務官が所持するレベルのデバイスのクラッキングなど、並の技術者に出来ることではないですよね? 
 貴女にそんな技術があるわけでもないでしょうし。いったい誰をそそのかしたのですか?」

「心外だな。僕は何も違法なことはしていないし、別に誰をそそのかしたわけでもない。
 バルニフィカスを経由してバルディッシュのデータにアクセスすれば、普通に通れるんだよ。
 本当だから! だからルシフェリオン引っ込めて! ジャケットの負荷そろそろ限界だから! 中身はみ出ちゃうから!!」


それを聞いて、正座する雷刃の体ギリギリをじっくりと這わせていた、高出力の魔力がチャージされたルシフェリオンの手を止める星光。

あまりにも有り得ない回答ではある。
しかし、雷刃が嘘を言っているようにも感じられない。
雷刃は、とっさの切り返しで平然と嘘をつけるほど、性格は捻じ曲がっていない。
追い詰められた末の苦し紛れの嘘ならば、それこそ幼児のように目を逸らして冷や汗でもかきながらひねり出すため、すぐに分かる。


「でも、そんな馬鹿なことがあるはずが・・・」


可能性としては、無いとはいえない。

雷刃は、闇の書の残滓の構成素体に、フェイト・テスタロッサのデータが入り混じり生まれた存在である。
しかし、雷刃も、雷刃のデバイスであるバルニフィカスも、フェイトやバルディッシュは確固たる別の個体。
探索魔法や魔力スキャンなどでも、雷刃とフェイトが「同じ存在」と判断されることは無い。

ただ万が一、フェイトと雷刃、バルディッシュとバルニフィカスのデータに完全な共通部分が存在したとしたら。
そして、それが偶然にも個人やデバイスの個別認識コードにあたる部分だったとしたら。
両者の間には、デバイスが認識できる「壁」は存在しないことになる。

気になった星光は、自身のデバイスであるルシフェリオンを経由し、無許可でレイジングハートへとアクセスを試みた。
偽装手段は用いない、外部端末からメインメモリへの堂々とした直接アクセスである。
この場合、普段ならパーソナルデータの照合が行われ、それを通らない限りメモリにはアクセスできない。
機密事項が記録され、また、コントロールが失われることが生死に直結する戦闘用デバイスなら、なおさらである。


「・・・出来て、しまいましたね」


実にあっさりと、高町なのはのプライベートデータに触れることに成功してしまったのだ。

無論、レイジングハートやバルディッシュが気付いて、フィルターの対象をこちらにも適用するだけで、すぐに解決する問題だ。
こちらからフィルターをかけても、同じように問題は解決するだろう。

面白い状況、ではある。
向こうが気付かない限りデバイス内部の情報は読み取り放題だし、戦闘中に相手のデバイス機能自体をロックすることすら可能だろう。

ただ、星光は別にこの状況を利用して、オリジナルではる高町なのはを殲滅しようとは思わない。
すでに心の中の整理は着け終わり、敵対や競合する存在ではないからだ。

同時に、向こう側からこちらのデータを見ようとすれば、同じように素通しであるわけだし。
対立を望まない以上、すぐにでもこの問題をオリジナルの彼女らに話し、解決することに越したことはないだろう。

そして、話し合うならば、雷刃が持ち出したデータの全容を把握してから出ないとまずい。
万が一管理局の機密事項を持ち出し、それを人目につく場所に保存などしていたら、間違いなく軌道留置所送りである。

いや、雷刃がどうなろうとかまわないのだが、星光本人も共犯と見られる可能性がある。
現に、その気はなかったとはいえ、レイジングハートの内部に侵入したという実績が出来てしまったのだ。
さすがに、うかつすぎる軽率な行動だった。


「なるほど。ところでデータにアクセスできることは、フェイト本人に伝えましたか?」

「ん、なんでそんなこと確認するんだ? ノーチェックで通れる以上、フェイトも了解してるはずだろ」

「・・・データの閲覧は、いつごろから行っているのですか?」

「気付いたのは最近だよ。まだ半月くらいだな。出来るってフェイトも教えてくれればいいのに」

「では、最後の確認です。閲覧した事項は後でチェックするとして。そのバリアジャケットのほかに、外に持ち出したデータはありますか?」

「うーん。あとは同じようなバリアジャケットのデータが2つかな。ほかには面白そうなものはなかったし」

「では、そのデータを開示・・・は、チェックが面倒ですね。
 持ち出したのがバリアジャケットのデータのみなら、そのバリアジャケットをここで装着してください。
 そうすれば、見ただけでデータの内容は把握できますから」

「・・・あー、うん。えーっと・・・ねぇ」


それまで星光の質問に平然と答えていた雷刃が、急に口ごもった。
それだけではなく、妙に顔を赤らめてうつむき、胸の前で指先を絡めてごにょごにょとこねだす。


「何か、ためらう理由があるのですか?」

「いや、その・・・ちょっと、あのカッコをするのは・・・」

「そうですね。・・・貴女には、限りない選択の自由があります。
 質問に答える。バリアジャケットを纏う。首だけになる。首から下だけになる。右腕・・・」

「分かったから! するから! マジでルシフェリオン引っ込めて! 放出魔力の焦点合ってるって! もぅおでこから煙があぁぁ!!」

「分かればよろしいのです。では、お願いします」

「うぅ・・・あんまり見ないで・・・」


そう言うと雷刃は、前かがみになって両腕で自分の体を隠すような仕草をとりながら、バリアジャケットを変形させた。

体を包んでいた白色のマントが魔力の光の粒子となって消滅し、袖の無い薄い衣装が現れる。
内部に纏っていた黒色のスーツやミニスカートまでもが、溶けるように消えた。

「なんとまあ・・・」

推移を見ていただけの星光も、思わず絶句する。
現れたのは、袖なしの競泳水着のようにぴったりとした、スカートすらないインナー状態のバリアジャケットだ。


「・・・見たところ、防御力を捨てて高速戦闘に特化したスタイルのようですね」

「うん・・・でもここまで生地を薄くしたり、肌を露出させる必要は無いと思うんだ・・・」


立ったまま腰を引いて出来るだけ体を丸めた上、さらに両手で体を覆い、星光の静かな観察眼から少しでも隠そうとする雷刃。
顔どころか喉元まで、羞恥で肌を赤らめている。


「なるほど。
 最近フェイト・テスタロッサがバリアジャケットを新調したのは、年甲斐も無く肌を晒すのにやっと抵抗感を感じるようになったからだと思ったのですが。
 その認識は大きな誤りだったようですね。」

「・・・もぅいいよね。もぅ着替えて、いいよね? さすがにこの格好は恥ずかしすぎる・・・」

「見れば分かるといったでしょう。逆に言えば、細部まで視認できなければ分かりません。
 背筋を伸ばして。隠さないで手を下ろして、後ろで組んで。
 あと、陰になっている鼠蹊部のバリアジャケットの状態も余さず確認したいので、少し足を開いて股間を突き出してください」

「き・・・君は大丈夫なんだよね? タカマチやフェイトやクロノみたいなヘンな性癖を持ってないって信じていいんだよね?
 ヤガミみたいに問答無用で揉んだり、シャマルみたいに陵辱や調教が趣味だったりしないよね?
 僕はこの場で貞操の危険とか考えなくてもいいんだよね?」

「そのあたりの廉恥の無い連中と一緒にされるのは正直業腹ですが、状況が状況だけに聞き流しておきましょう。
 さ、内容をスキャンしますから、じっとしていて」


そう言うと星光は解析の魔法を込めたルシフェリオンの先端を、ゆっくりと雷刃のバリアジャケットの上に這わせていく。
雷刃は硬く目を瞑ったが、肌を這うルシフェリオンを介して星光に「視られている」気配は、ことさら羞恥心を煽る。
やがて精神の限界に達した雷刃は、涙すら浮かべて懇願を始めた。


「うぅ、もう・・・勘弁してよ。僕が着てるのを見なくても・・・データのほうを確認すれば、いいじゃ・・・ないか」

「先ほども言いましたが、その方法ではデータ確認の手間が馬鹿になりません。
 料理のレシピだけ見てもそこから正確な味を認識することは難しいのと同じですね。
 実物を目の前にして測定するのが、一番の近道なのですよ」

「ちょ、股のところ・・・当たる、当たりそう、気をつけてってば!」

「貴女が動くからですよ。ルシフェリオンとバリアジャケットの距離は変わらないのですから」

「いや、ちょ、それ明らかに押し当ててるから! ぐりぐりされてるから! 勘弁して、いやー!!」

「まあ私に高町なのはやフェイト・テスタロッサのようなその気はないですが、ちょっと楽しくなってきたのは秘密です」


と、ひとしきりの騒ぎの後。
精も根も尽き果てた雷刃はぐったりと床に倒れ付し、逆に知的探究心とわずかな嗜虐心を満たした星光は、つやつやとした様子で重ねた本を椅子代わりに座り込んだ。

「はい、終わりましたよ」

「うぅ・・・もうお嫁にいけない・・・」

「そんな事を言っても、フェイト・テスタロッサはそれを実戦使用することを想定しているわけでしょう。人前でそれを着ることが前提のはずですよね」

「あんな露出狂と一緒にしないでほしいんだ・・・このカッコで人前に出るなら、全裸に仮面のほうがマシだよ・・・」

「では、全裸に仮面で外に行きましょうか。今の時間なら、繁華街は夜になりますかね」

「うん・・・僕はもうもう疲れたよ・・・眠らせて何もかも忘れさせてよ・・・」

「まあ、悪ふざけが過ぎたことは謝罪します。さっさと最後の確認を済ませて終わりにしましょう」

「最後?」

「はい。あなたが持ち出したバリアジャケットデータは、あとひとつあったはずでは?」

「あ、そうだったね。でもあれは確認する必要があるのかな?」

「というと?」

「うん、ダウンロードしてみたけど、作りかけだったのかな。戦闘じゃあ使えない、プログラムの骨組みみたいなものだったよ」

「しかしどのようなものであれ確認は必要ですね。着替えるのに抵抗がないなら、さっさと着替えてください。それで終わりましょう」

「だね。・・・僕はもう、帰ってお風呂入って寝ることにするよ。結局カッコイイって言って貰えなかったし・・・」


重い体を床から剥がすように立ち上がると、雷刃はだるそうな仕草で最後のバリアジャケットへと交換する。

体にぴったりとした薄手のバリアジャケットは姿を消し、変わって、ややゆったりとした黒地のスーツにミニスカートが形成される。
ちょうど、最初のバリアジャケットから体を包む白いマントを取っただけのような姿だ。
異なるのは、かっちりとした厚手の布地ではなく、ドレスのように薄手のふわりとした生地であることくらいだ。


「ふむ。先ほどの汎用バリアジャケットの試作型というか、魔力を抜いたフレームのようですね。確かに、実戦想定はさせていないかも・・・」


星光は思ったことをそのまま口にした。

不思議なことに、戦闘を想定したような魔力構成は感じられない。
むしろ、これから様々な魔力を上乗せしていくための基礎になる、調整用の素体データなのかもしれない。
プログラムの骨組み、と言った雷刃の言葉が案外的を得ているのかもしれなかった。


「だよねー。ぜんぜんデータ乗せてないし。ほら、防御力もなくてこんなに軽い」


雷刃はそういうと両腕を広げてくるりと体を回転させた。
バリアジャケットがその動きに従って、ひらりと舞う。


「・・・!!!」

「おや・・・?」


その動作の途中、急に何かに気づいたように雷刃は腕を抱えて縮こまり、しゃがみ込んだ。
まるで、先ほど露出度の高いバリアジャケットに着替えさせられた際の、羞恥で体を隠す仕草だ。

「み、み、み、み、見た? 見たよね!? でも見てないと言って!! お願い、僕の精神の安定のために!!」

「別に私も貴女の薄い胸やアナルを見る気はなかったのですが」

「よりにもよってアナル言うな! ちょ、これなんだ!? 全身に切れ込み入ってるし!!」

「正確には、『細長い布をわずかな魔力で張り合わせて衣服の形にしたもの』ですね。
 動作に合わせてあちこちの合わせ目が開いて、体のどこかが布の合わせ目から覗く仕組みのようです。
 しかも今の動きを見る限り、計算し尽くされた扇情的さ。
 方向性はともかくとして、とんでもない技量に裏打ちされた、職人芸の域ですよ」

「フェイトってこんな技術の積み重ねがあったの!? 無茶苦茶ヤな人間国宝だよ!!」

「・・・あくまで推測ですが、この手のデータを偏執的に蓄積するなら、義兄の方の気がしますけどね。
 おおかた、そっちが手作りしてフェイト・テスタロッサに着せるためにデータを渡したのでしょう」

「うー。あの緊迫趣味の提督といいその義妹といい、つくづく執務官というのは業の深い人間にしかなれないもんなのかな・・・」

「そのあたりは不問にしておきましょう。深く突付くと、必ず蛇が出る暗闇ですから」

後日。これらのデータの件で管理局に赴いた星光と、それを出迎えた高町なのはが、建物を半壊させるほどの死闘を繰り広げたのは、また別の話。

唯一居合わせた第三者である、マリエル・アテンザ技術官の証言によれば、両者が席に着いた際、星光が高町なのはの前で

「貴女も、無限書庫の司書長を誘惑する際には、意外と破廉恥な衣装で出迎えるのですね」

という台詞とともに、とても説明できないほどふしだらなバリアジャケットを10歳の外見年齢の体に装着。
それを見た高町なのはが顔を真っ赤にして抜き打ちの砲撃を放ったのが、開始の合図だったという。


著者:くしき

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