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K-003

コーディネイターの未来、議長の考え


結局、シーゲル・クラインが目指していたはずの、「ナチュラルへの自然な回帰」に必要な「コーディ&ナチュ」カップルが、ただの一組も残りませんでしたね。
SEEDのカプ(アスカガ、ディアミリ)に加え、種死序盤で虎×マリュな可能性を示しながら、それもぶち壊したし・・・ホントにひどい・・・・・・・クライン派って、結局なんだったんだ。(少なくとも、シーゲルの思想は受け継いでない集団)

コーディネイターの出生率低下の問題に何の解決策もないまま、SEEDだけでなく続編で完膚無きまでにその希望を木っ端みじんにぶち壊すとは・・・責任者出てこい! 議長は遺伝子研究の専門家とかいう設定ぶら下げたなら、デスティニープランだけじゃなくて本当の根源的な、コーディネイターの未来についての解決策が見つかる可能性があった、と思えるだろ!ああ、まったく・・・・・!


いや、議長は・・・コーディネイターが行き着く先は滅びの道だということを避けられないこととして捉え、シーゲルの唱えたナチュラルへの回帰を目指すには、もはや人々の意識改革の為の時間が圧倒的に足りないことを知っていた。婚姻統制をしても第三世代がなかなか生まれない状況が続いていたのだから、その次の世代などというものもあり得ない。

でも、だからこそ、デスティニープランは一種の賭だったのではないか?
人類の進化を止める為の策ではなく、コーディネイターの未来を切り開く為の策として。

コーディもナチュも、どちらも同じように適性を検査されて職業を選ぶ。
ナチュラルは、俺たちとコーディネイターも同じなんだな、という意識を持つことが可能になる。
コーディネイターの方だって、やっぱりナチュラルも同じだという意識を持てるようになるかもしれない。
ならば、コーディとナチュも同じ人間だという意識になるから、自然に今よりもっと高確率でコーディ&ナチュがカップルになれるのでは・・・そして、ハーフコーディが迫害され続けるような現状を打破することが出来るのではないだろうか?

.・・・・・と、こんな風に考えてみると、議長の方が正しかったとならないだろうか?

「適切な職に就けば不満が生まれない、だから争いが起こらない、戦争を起こす気力もなくなる」、と説明されていたデスティニープランですが、私は「同じ人類という意識を持たせ、ナチュラルとの感情の格差を無くし、コーディネイターのナチュラルとの融和という未来の為の選択」だったと考えます。

単純に考えて、本編で説明されたデスティニープランでは、「戦争を起こす気が全くなくなる」ような事はあり得ません。ですが、戦争を起こす原因となった、ナチュラルとコーディネイターの差別意識が、少しでも軽くなるかもしれないプランだったのではないかと・・・


ラクスが君臨したあの世界には、少なくともコーディネイターに未来はありません。コーディとナチュ双方が憎みあう感情への解決策が、全く存在しないからです。これでは、ナチュへの穏やかな回帰策なんか、成功するはずもありません。

コーディネイターがすべて滅び去り、ナチュラルだけ(SEED時点で存在していた少数のハーフコーディの子孫は含みます)が生き残る世界が、ラクスの理想だったんでしょうか?
コーディネイターは神の摂理に背いた存在だから、子孫を残すことなく滅び去るべきだと。
.・・・一番、ブルーコスモスの思想に近い考えですね(笑)。

それとも、キラはその問題を克服したスーパーコーディだから、彼と私の子孫を残すことが出来さえすれば、そのほかの「何千万人のコーディネイター」の事など知ったことではありませんわ、か?


人工子宮を使った研究をパトリック・ザラは推進していたらしく、その延長線上でコーディネイターの出生問題を解決しようとしていました。なんだかよく分からないけど、そうすると・・・受精が成功しないのではなく、母体で育て続けることが出来ないという問題なのかな?・・・あ、これはガンダムWに出てきた後付設定と同じになるのですが。

ガンダムWのAC世界のコロニー住民にとっては当たり前の技術である(でも解決策が見つかったので廃れた(笑))人工子宮による、子孫繁栄。

AC世界では、物語の時間軸の遙か前に確立、使用、衰退した技術なので、それほど(その設定が載っている漫画&小説を)読んでいる人に違和感を与えなかったかもしれません。
私は、そんな技術が簡単に確立したのは「あり得ないこと」として、この話を読んだ時点ですぐ、自分のHP上で批判を述べてきましたが。


しかし、CE世界は違います。まだきちんと確立されていません。
スーパーコーディネイターの人工子宮実験が成功したと言えるのは、本編の中だけ見れば、キラ・ヤマトただ一人。

.・・・もっとも、「最高の第1世代コーディネイター」を作るのに成功したと言えるのがキラだけだった、という話だったのかもしれません。
「最高のコーディ」を作るという話ではなく、「単なる受精卵(ナチュラル)」を育てることならうまくいっていたのかもしれません。コーディネイターだとその調整がかなり微妙でうまくいかなかっただけかもしれない。

とはいうものの・・・・・第2世代以降のカップルが、婚姻統制によって遺伝子的相性が合わないとされているカップルでも・・・子供を作れるようにする為の、人工子宮の研究は、まだ完成していません。パトリックとシーゲルのやりとりからすれば、成功する見込みもたってなかったような状態になっています。


人工子宮の研究を成功させる為に、これからどれ位の犠牲が必要なのですか・・・?
どれだけ、レイ達のような、レイと一緒に「作られていたものたち」のような犠牲が必要になるのですか・・・・・?

ラクスが、シーゲルの目指した「ナチュラルへの回帰」路線を放棄した以上、コーディネイターが子孫を残して生き残る為には、パトリック・ザラが引き続き研究を進めさせていたらしい「人工子宮を使用した解決策」しか、道はないのです。

そのための犠牲がどれだけ必要なんだろう?
実験の犠牲になった、「自分」にはなれなかった者達のことを想って、レイはあれだけ苦しんだというのに。

レイは、ただ志半ばに亡くなったわけではなく・・・・・「自分のような存在を生み出すような研究がこれ以上続かないようにという願い」を、これからの世界に否定されるのです。
「自分が最期に願った、たった一つの想い」すらも、叶えられることがなかったなんて・・・!

.・・・・・・・・・そんな世界を選んだあのラクス達を、私は肯定出来ません・・・。


議長が「クライン派」だったというのは、少なくとも遺伝子工学の分野ではシーゲル・クラインの考えに最も近い思想を持ち、コーディネイターの未来を模索していた、ということではないかと思います。もっとも、遺伝子工学の研究家という立場ですから、研究自体は仕方ない犠牲だと割り切っていたと思われますが。

たとえ、レイが「自分のような存在(実験の為に生み出され、廃棄される運命の命)を生み出す研究はこれ以上続いて欲しくない」と願っていたとしても、議長にとってのレイは「情が移った実験対象物」だったのだろうか・・・・・?

(2006/1/11)

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2006年03月05日(日) 14:05:28 Modified by reyz




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