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K-008

クローン(ラウ)について考える


2006/2/27

「クローンは違法です!」というのをどう処理するべきなのだろうか?・・・しかし「(CE30〜55において)遺伝子調整は合法」っていう現実を。
.・・・・・何処をどう考えても、遺伝子調整の方が確率的に欠陥が出る確率が高いはずなのに、超オーバーテクノロジーで遺伝子調整には殆ど欠陥は出ない(事になっていた)が、クローンは違ったのだろうか?

.・・・・今、クローンの子供を切実に求める人っていうのは、実は「自分の子供」が欲しいから、という人が主です・・・SF観点じゃなく、現実視点では。
自分or自分の子供を助ける為に「臓器のスペアとして」欲しいとか、そういうたわけた観点で希望している奴は無視するとしても・・・通常の手段(顕微授精など)では、遺伝子上問題があって子供が作れない、でも子供が欲しいっていう人がいる。

どれにしても親のエゴでしかないという点では同じ、ですけど・・・心情的に私が一番許せないのは「スペアとして」という考えなので。・・・そういう意味では、臓器移植などが必要な子供を助ける為だけに、それに適合した弟妹を作る親に対しても、良い感情を持っていません。同じように可愛がるという前提で見ても、やっぱりちょっと・・・まぁ、それを言ったら、世の中の殆どの弟妹はスペア的存在ってことになりますがorz
(そのための存在を人為的に作るという点で拒否してるんだろうな、私は)

コーディネイター技術は、おそらく上記の観点から子供を欲しかった人には救いになった技術だったでしょう。遺伝的疾患要因を取り除いて、健康な子供が作れるというのは・・・遺伝的疾患患者にとっては、まさに画期的技術です。それに飛びつく気持ちも・・・わからなくもない。

ただ・・・フレイが言っていた(「病気でもないのに〜」)ように、種世界のコーディというのは・・・そういう意味で子供が欲しかった親が作った子供たちが大半、ではありません。むしろ、その意味で子供が欲しかった親は、極少数派だったのではないか?と思われます。

とはいっても・・・とりあえずこの世界では、遺伝的疾患がある親が子供を欲しいと願った場合・・・クローンなんかよりも良い技術、一応は両親の遺伝子を引き継ぐ子供(容姿も能力も好きに弄って、何処が親子だという気もしますが)を作ることが出来ます。だから、クローンは禁止にした、と・・・そういうことなんだろうか?


ただ、「アル・ダ・フラガは、己の死すら金で買えると思い上がった男」とラウが喋ってますから・・・もしかして、「クローンの子供を作るということ自体」ではなくて、「クローンの子供が育った後、自分の意識経験記憶すべてを植え付ける為だけの存在にする」ことが禁止だったのかもしれない。

普通ならこんな事出来ないから、こんな解釈の法律が存在するのはおかしい、と切り捨てていいんですが・・・あの世界、種死の連合側に恐ろしい技術が存在してましたよね。
エクステンデッド達に行っていた見事な記憶操作・・・そして、それ以上に恐ろしいのが、ネオ・ロアノークという存在しない人物の完璧な意識を持っていた、ムウ・ラ・フラガ。
.・・・これを応用すれば、クローンに自分の意識をそっくりそのまま植え付けるのは可能である、という解釈が成り立つ世界・・・なんですよねぇ・・・・・・・orz(週刊サンデー連載の『からくりサーカス』の世界→失敗してたけど)

だけど、そうすると・・・・・護身術とか格闘系、肉体強化はともかく、下手に思考力が付いたら、アルの意識を注入する前に反抗&逃走される確率がかなり高くなるので、勉強させない方がいいのだが・・・・・人形としての入れ物には、自分の考えを持つことなど邪魔でしかない。・・・でも、当主としてふさわしくなるような厳しい教育をした・・・・・失敗した時のことを考えて、子供として育った場合のことも考慮に入れたのか? 反抗することなどあり得ない、という前提の元で。・・・それが妥当かな。


とすれば、ラウがアル・ダ・フラガを憎悪したのも、理解出来ます。

寿命が短く設定されて生まれてきてしまったというだけならば、人為的か自然かに関わらず、人間ってのはいつ死ぬかわからない存在なんだから、そんなに悲観するべき事じゃないのです。命のリミットが自分でわかっている状況はかなり辛いものですが、それでもナチュラルならそういう状態になる人間は沢山います。命の期限がわかっているからこそ、出来ることもあるでしょうしね。

でも、「自分」という意識を消される運命で、「単なる入れ物」としての価値だけの為に生み出されたと知ったら・・・・・そりゃ、誰だって絶望しますよ。
命が短いというのをいつ知ったのか不明(私の視点では、科学者達&アル&その時点のラウはそれを知らなかったと思う。15歳前後の時にわかった(レイ出生後、救出前)という展開を希望)ですが、それを知ったのが「単なる入れ物」になる恐れがなくなった後だとしても、「そんな存在を作り上げた原因、人のエゴ」を憎まなくなるというものではない。
個々の命の長さはともかく、「子孫を残す」ことが出来ないコーディネイター達も、ある意味同じような存在なので、共感と絶望を覚えたことでしょう。


そもそも、小説版ではアル・ダ・フラガは高齢だったと設定されてましたが、あの見た目は・・・3歳位?のムウを肩車してるのは、高く見積もったとしても45歳程度?
.・・・・遅くになってやっと出来た子で、しかも肩車なんかしてかわいがってるというのにも関わらず、ムウが2歳の時にすでに見切りを付けて、クローンを作らせたってこと・・・ムウを可愛がっている写真が存在するという点で、余計わからない・・・矛盾だらけです。

ムウとラウの年の差が3歳もあるのに、8歳位?の時の見た目(背丈)がほぼ同じだし、「ガキの時の火事」も、せいぜいムウが8歳位の見た目。
.・・・ラウはあり得ないほどの成長速度だったって事ですか? それとも、ムウの成長が極端に遅かったって事ですか? 5歳のラウが火を付けて、何処に逃げるというのでしょうか・・・せめて8歳・・・でも、ムウの見た目が11歳には見えない・・・orz

ラウの生年は46年で、ムウの生年月日は43年11月29日なので、ラウを46年の1月あたりに設定すれば何とか2歳差・・・と思ってよく年表見たら、アルが依頼したのがその46年!・・・だとすれば、46年の11月生まれあたりになるじゃないですかorz
依頼してすぐさま成功したってのも・・・・・ホントに、何でクローンが禁止されてたのか・・・技術的問題じゃないはずなんですよ、こんな短期間に生まれていると。
テロメア問題を克服していた(と思われていた)技術だったので、作ったというのが正しい解釈になるはずです。・・・・・多分、おそらく。
(遺伝子弄る方が大罪だと思うのですが、基本的に・・・だから、小説5巻の「監督の」解説文中に書いてあった言葉には、驚きと怒りと嘲笑と・・・・・(溜息))

ギルと一緒のラウは年相応(いや、背は高いけど・・・)なのに、なんで小さい頃の状況だけが変なんだろうか。・・・仮面が外れたラウは、すこーしだけ目の回りに皺があった程度、老化って言うなら、口元とか全然老化してないのがおかしい。・・・っていうか、発作が起きるというのがそもそも謎設定なんですけどね。(薬を飲んで発作が収まるという部分も、合理的な説明が全く出来ん)


何故仮面をするようになったのか、というのは、おそらく目元のしわを隠すなんて意味じゃなくて・・・光過敏症でサングラスが手放せないというのと同じ理由だろう。それに加えて、仮面部分に何かの薬をしみこませていて、それがあの飲み薬の補助をしていたとも考えられるな。
サングラスで人と会っていた事がある→短期間ならサングラスでも大丈夫っぽい→薬だけの問題なら、サングラスしなくても素顔で良いんじゃ?→いや、多分光過敏症の問題も含んでただろう。
そう考えると、光の問題なら常にサングラスでも構わないじゃないか? なんで仮面が外れたら慌てて付ける必要が? しかもあんなに山ほどの予備を? という疑問に納得がいく。

で、ラウとレイが苦しんだ謎の発作の原因を、どうにか解釈してみようと試みましたが・・・・・この発作の原因はどうやっても解釈不能です。未知の病気で、それを抑える為の薬という線ならともかく(カプセル飲んですぐ発作が収まるってのはあり得ないが)・・・「テロメアが短い為に発作が起こる」というのは・・・・・どういうこと?
老化に伴う発作ってのが考えにくい上に、そんなものが起こる以前に、外見が老化していないとおかしいじゃないか。・・・レイは美しいままだし、種時点のラウだって、視聴者がいつも見ている口元などはすごく綺麗だった。ギルに薬を渡された時点のラウも、年相応の美しい顔だった。


ここで、一つ仮説を立ててみる。
アル・ダ・フラガは、より完璧なクローンを求める為、普通の受精卵では成功していた技術(コーディネイターを育てることが出来なかった、というだけ)の、「人工子宮技術を使ったクローニング」を依頼した。

ところが、代理母の母胎を使ったクローンでは全然問題なかったのに、何の因果か、完璧なクローンを作れるはずだった人工子宮では逆の要素が働いてしまい、「テロメアが短い&育つと謎発作が起きる」欠陥クローンが生まれてしまった。しかし、科学者達はそんなことが起こったとは全然気づかず、アル・ダ・フラガに引き渡した。

そして、その後・・・55年に研究所が襲われたが、無事だった研究資料を確かめる為に?レイを作ろうとした際も、その欠陥に気づかないまま、同じ方法でレイを作り上げた。
ところが、レイが生まれ、育ち始めた頃にようやくその欠陥に気づいて・・・・・・・・・ということならば、話が繋がるような気がする。


.・・・そもそもコーディネイターという存在が謎技術なので、比較してクローンが禁止されているわけを考えるのには、相当頭をひねる必要があります・・・。


2006/08/29 追記

ラウが仮面をかぶった意味って、本当になんだったのでしょうか……orz

「光過敏症のためのサングラス代わり&飲み薬補助薬配合目元マスク説」ってのは、別に問題ないと思うんです。

ただ、「レイ救出時に」ラウがあの仮面をかぶっていたというのはよくわからない。
そのあと素顔で普通に接してるし、少なくともSEED時のようなサングラス代わりというわけじゃない。

助け出す時に、職員に顔を見られても大丈夫なように……の線だと、隠密行動出来るような普通の服を着ろよwと思うのです。…………でも、種でも「おいおい、敵陣まっただ中で敵の将校が軍服のまま潜入するか?」(アラスカにて。そりゃ内部に殆ど残ってないと言っても)ってことをやっていましたし、問題が起こってもねじ伏せるだけの高い射撃能力とかあったのでしょうが。


仮面をかぶるラウがレイを助け出すことの、効果……

A.この時点で、仮面をかぶって普段から生活している。(=目立つので有名人)
B.この時点では、仮面をかぶったことはなかった。普通に勤務していた。

この2パターンで、それぞれ考えてみることにします。

まずAの場合。
監視カメラに当然映るでしょうし、誰にも見とがめられずに脱出出来ることは想定してないと思われる。つまり、「調べれば何者かすぐにわかる者」が、研究実験体のレイを助け出した、ということ。
「レイを返せ」と言われないだけの後ろ盾や権力をラウが持っていた……ってのは、ちょっと変ではないかと思うんですが、その線じゃないと「レイを助け出してそのまま問題なく過ごす」ことが難しい。まぁ、後ろ盾はギルバート(デュランダル家)の力でも構わないので、そっちを認識されていた線でもいいのですが。ラウがフラガ家の資産や力を受け取ってれば話は別ですけど……そりゃさすがに話が矛盾しまくるのであり得ない。

で、Bの場合は……仮面は顔を隠す役割しかなくて、仮面自体に何らかの付加価値がついているわけではない。(自説の補助薬配合ってのは、この時点の仮面には無し)

まず第1の説として、
  • 素顔を見られると、アル・ダ・フラガに似ている=ラウだとばれる。それを回避する為。
  • 「赤い制服姿の金髪の誰か」が侵入したという事実は、別にばれてもいい。
という状況。
「赤い制服姿の金髪の誰か」って時点で、該当人物が特定されそうですが……「絶対にこの人物である」という証拠はないので、しらを切れないこともない。でも、やっぱり特定されない為なら、普通の服でいくべきなんだよな……この路線は。

第2の説として
  • 「ヒーローが悪者から子供を救い出しに来ましたよ」というお遊びの演出。
……いや、こっちの方が「素顔がばれるのを回避する為」というだけよりは、理解しやすく無理がないのではないか? つまり、Aの場合と同じく「ラウが助け出しに来た」というのはメンデル側にわかっても構わないんですが、メンデル側への牽制の意味もあったかも。もう二度とこんな事をやるんじゃねーよ、という意思表示というか。


で、自分としてはBの第2説を推します。
15歳の時からあの仮面がデフォルト(ギルとレイの前だけは別)って線は、怪しすぎるというのもありますし……それこそ奇抜な仮面をかぶった動機がわからない、周囲に説明が付かないので。
(特殊メーキャップして目の回りに火傷跡がある為などと説明しても……サングラスじゃダメなのか?と言われますし……いくら能力的に優れていたとしても、普通は「怪しい仮面をかぶって勤務したがる奴」を新規採用しないでしょう)

では、Bの路線とすると……途中から仮面をかぶったわけです。
ある程度偉くなってからならば、仮面をかぶっても文句を言われる筋合いはありません。……いや、文句言われるかもしれないけど、そこは実力が物を言いますし。
周囲に対する言い訳としては、敵に対する威嚇効果? 虎のコスプレパイロットスーツが認められてる軍隊ですし、普段からああいう格好でも認める雰囲気はあるのでしょう、「実力のある上官」ならば。下っ端はダメだけど、赤服なら改造軍服OK(ルナ)だしな。

で、サングラス代わり&補助薬のマスクという、物理的やむを得ない事情があるとしても…………なぜ奇抜な形の仮面、「昔使った仮面と同じ型の仮面」を大量生産して使ったのでしょうか?

おそらく……「メンデル関係者で事情を知るもの」に対する…………
「クローンの実験体を助け出した人物、己もクローンである人物が、表の世界でそれ相応の地位で大活躍しています。わざわざ人目を引く格好までして、彼がやりたいことは何?」という、謎かけのような形だったのかもしれません。


考察というのは、「物語の中で整合性があるかどうか」というのが気になる人がやるものなので……現実の事情で説明してはいけない……そこがつらい。「話の都合」というのは魔法の言葉ではありますが。

ガンダムの存在につっこむのと、仮面キャラが仮面をかぶったわけにつっこみを入れるのとでは、意味が違うのではないかと思うのです。……ガンダムがなかったら話は成り立たないが、仮面キャラはそうじゃないし。仮面の上司が普通に受け入れられてる事につっこみたいわけではなく、そのかぶった動機が知りたいというだけだし……。

本来、制作側の事情で「仮面を被らせていた意味」は……ムウとそっくりの顔(一卵性双生児)で、それを視聴者側には「おそらくこうなんだろう」とわかるが、劇中キャラはわからないまま、という状況を作り出す為だったと思います。

ところが、双子設定がなくなって、しかもクローンとかいう話になった。しかし、ムウのクローンではなくてその父親のクローン……アルは種的美形じゃないので、それにそっくりの顔だったら、ムウそっくりの顔で妄想をふくらませていた視聴者に対する大変な裏切り。だから、「アルそっくりの小さい頃の顔」なんて設定は没ったのも当たり前なんでしょう。

そして、劇中では「出来損ないのクローン」としか言ってないのに、アニメ誌やムックなどがドリーの例から考えて「老化、皺隠しに違いない」とか書き立てた&小説もその線で書かれた為に、いつの間にか劇中描写を無視してそれが公式設定のように……。

あの仮面、10年前には市販されているグッズだったのではないかと思ったりします。
……特注して仮面を作って、気合いを入れて助けに行くってのは変だし。ヒーロー番組の正義の味方だったのでは、と勝手に想像。


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2006年10月03日(火) 20:17:24 Modified by reyz




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