ガンダムと量産機、軍隊とは

１話から見直していて・・・最初は宇宙を飛び回って活躍してくれたのであまり気になりませんでしたが、今後の展開を考えると泣きたくなる思いでいっぱいになることがあります。

それは、「どうして、レイはガンダムを与えられなかったんだーーーーー！」という不満。

私は元々Ｗファンなので「主人公達はガンダム乗り」っていう状態が一番しっくり来て・・・量産機で戦う魅力ってのがいまいち、いや全然わからないんです。
パーソナルカラーで多少味付けしてると言っても・・・エースパイロットなのに・・・量産機・・・・・。
多分「(この時点では当然)主役」の仲間、レイとルナマリアに量産機を使わせることによって、(初代ガンダムのような？)量産機の魅力を打ち出していってくれ！というバンダイの要望でこういう事になってたんだと思うけど・・・今後の「全く活躍出来ないレイ＆ルナ」を思うと、涙が出てきます。
何で地球では飛べないんだよ・・・飛び回れないんだよ・・・・・アーモリーワン内で飛び回れたのはどういう仕組みなんだろう？　コロニーの上空は重力がかなり少ないから、ザクの低出力(?)ブーストでも飛び回れたのかな？
レイの人気が余り上がらなかったのは、ガンダムに乗ってなかったことも大いに関係あったと思う、１９話前の時点で。いや、その前から出番極少だったからダメかも。

種死でガンダムに乗れないのがイザークファンの不満だったらしいけど、前作キャラにそんな扱い出来るものか。しかもＭＳ戦の美味しい所しか取っていかなかった癖に。（イザークは好きだったけど、前作でそもそもパッとしない機体(苦笑)だったし、彼のＭＳパイロットとしての活躍は全く興味なかった）

って、いうか、ぎちょうー！
なんでかわいがって育てているレイに、専用機をくれないんだ。セイバーをアスランにプレゼントしちゃって、どうしてレイはザクなのか！　レイは特別扱いを好まなかったんだろうけど、好んでくれ。
.・・・あ、でも、もしかして、白が好きだからという理由でザクファントムを使ってたとか？　だったら、セイバーを真っ白に塗ったくれ。
しかもその後も、試作機だから目立ちまくるオレンジグフに乗ったハイネに、インパクトで完全に負けたし・・・ああ、今後の展開を思うと・・・。

.・・・それに・・・・・・思い出すのも忌まわしいことですが、議長ってばレジェンドをアスランに与えようとしてたんですよね。カラーリングが気に入らないのを理由に断られることを予期していて(笑)、レイに与えられるのは決まっていたような気もする・・・けれど、それにしてもあの配色はいただけない。まるっきり悪役か、さもなくば雑魚機体の配色っぽい、くすんだ灰色＋少量の赤と紺なんて、すさまじく地味な配色・・・。
あ、いや、プロヴィデンスの発展系だとわかってますが、プロヴィデンスも嫌いな機体なので・・・大体、ガンダムに見えない。


.・・・ＭＳなんか関係ないと思ったけど・・・思ってたけど・・・・・やっぱり、ガンダムだから・・・レイの冷遇ぶりはありえなさすぎだった・・・。
ザフトの象徴ＭＳを駆るパイロットの単なる同僚その１なら、量産機だって良いんです。私はルナマリアに特別扱いなんて求めてません。(レイの立場がルナと同じだったら、それでも悔しいとは思うけどあきらめます・・・)
でも、レイは議長の、「現在の最高権力者」が、かわいがってきた子供のはずなのに、特別扱いしたいと思わないのか？　たとえ本人が遠慮しても、そうするのが筋ってもん。ザラパパだって、アスランにジャスティスを与えたし・・・フリーダムはイザークが乗る予定だったという設定には笑ったけど。

ガンダムがいいです・・・格好いいガンダムが良かったです・・・・・・デュオはＭＳも格好良くて(１，２，５はモデルチェンジ出来たけど、人気のない３，４はモデルチェンジ出来ず仕舞いだった)、出番が山ほどあって、なんて扱いが違ったんだろ・・・・・！
同じ声だというのがピンとこないほどキャラが違うけど、デュオくらいの好待遇であるべきじゃないのか？　主人公と一番絡む仲間なのに！

考えれば考えるほど、憂鬱な気分になってきました・・・女子だって、一応ガンダムという作品である以上は、ＭＳのかっこよさを気にする奴もいるんですってば。主役のシンの扱いのあまりの悪さに隠れて、レイの扱いも相当酷いものだったことに今まで気づいてなかったのですが。


.・・・それにしても、１，２話の攻撃でザフトが被った被害ってかなりのものですよね。戦争も始まってないのに、ＭＳ(量産機だけど)100体くらいぶっ壊れてるんじゃないか？　爆発して木っ端みじん(後で修理は不可能)のＭＳが多数あったし、あと戦艦も確か２隻は沈んでるし。
雑魚の名無しなんて、ＲＰＧのモンスターほどの価値しかない、心を痛めるような必要は全くない存在だとは言っても・・・・・言っても・・・レイとシンに感情移入した今となっては、「ザフトという軍隊」で、彼らが同じ運命を辿る事もあり得たんだから、その存在を強く意識せざるを得なくなったんです。
.・・・ＷでもＳＥＥＤでも、まったくと言っていいほど考えたことがない感情・・・・・・・軍隊ものにはまるというのは、こういう事なんですよね。
主人公補正で物事を見ないと、色々なことが見えてきます。戦争、軍隊の意義とは、ということを考える為には、「正規の軍人パイロットである主人公＆仲間」って、ものすごく意味があったと思うのですが・・・もちろん、最後まで軍に忠実な人間と描かれてこそ。そういう意味では、下手に監督夫妻のお気に入りにならず、あの本編最後を迎えたことは・・・・・よかったこと、だったのかもしれない。


.・・・レイが好きだから、議長は最大限好意的に解釈しようと努力しています。
「悪人」だなんて、思わない。(視聴していないので)よく分からないけど、ファーストで主人公の敵役だったシャアも、自分の信じる正義の為に戦っていたから、共感を得て人気者だったんじゃないの？　トレーズやゼクスも同じで、「悪人」じゃなかった。たとえ議長がどんなに非道だとしても、それは人類全体の、未来を見据えた幸せのため。レイはそれをわかっていて・・・単に議長の意のままに従うような「人形」じゃなかった・・・・・と思いたい・・・。
そして、シンはさらにそれに操られた、自分の考えを持たない人間なんかじゃない。シンは、仲間の為に自分の意志で戦っているんだ・・・プラントは故郷と呼べる存在ではないけれど、そこで出会った仲間達の影響を受けて、彼らの愛する者たち(家族)をも守りたいという気持ちがあって、シンはザフトの軍人になったんだ、と。プラントの人々を同胞と思う心が、シンにあったはずなんだ。地球の連合への憎しみだけで、復讐したいというだけで、ザフトのトップエリートになって戦えるわけがないだろう？

悪役なんかじゃないんだ、自分の信じる正義の為に戦うことを、何故一方的に悪だとされなければならないのか。戦争なんか、一方の見方で語っちゃいけないのに・・・。

(2006/1/12)

考察もどき一覧に戻る