省電力サーバーの自作
はじめに
このページでは、若干本筋から離れて省電力サーバーを自作した際にちょいと調べたことを書きます。アクセス数が高い場合を除いて、個人向けではそこそこの性能で電気代を抑えるということは、そこそこ
需要があるのではないかと考えて、このページを作りました。
なお、このページは徐々に内容が古くなっていくので、ご注意下さい。
目的
ある程度の性能を保ちつつ、省電力なサーバーを自作する。結果
CPU | Intel Pentium M 735 (1.7GHz) |
マザーボード | Aopen i855GMEm-LFS http://aopen.jp/products/mb/i855gmemlfs.html |
メモリ | hynix PC2700 CL3 512MB |
HDD | HGST Deskstar HDS722525VLSA80 250GB 7200rpm |
ネットワーク接続 | Dual Marvel Gigabit LAN (on board) |
簡単な解説
CPU/マザーボード
省電力なCPU(TDPの低いCPU)は、AMD Geode, AMD Turion64, VIA C3, Intel Pentium Mなどが挙げられます。今回は消費電力と性能のバランスがよいPentium Mを選択しました。各CPUについて、特徴を簡単にまとめます。
Geode NX 1500 | 長所 | TDPが6W(ピークでも20W程度)と低く、かつAthron64 1GHz相当の性能を持つ ファンレス動作が可能 |
短所 | 対応マザーボードが少なく、特に正規の電圧での動作はASRockかTyanのGeode対応品しかない (正規の電圧で動作させないと消費電力があがってしまい長所を潰されてしまう) しかし、Tyanのボードはボード自体の消費電力が高く、長所が発揮できない Socket Aの対応マザーボードが安価で手にはいるなら性能も良いので一考の価値有り | |
Turion64 MT | 長所 | 性能と消費電力のバランスが良い 64bitで運用できメモリの利用効率が上がる |
短所 | Pentium Mに比べると若干性能・消費電力共に劣る | |
C3 | 長所 | 消費電力がマザーボード込みでも非常に低く、ファンレス動作も可能 |
短所 | マルチメディア処理が苦手 性能を追求すると製品の価格だけが上がってしまい費用対性能が悪くなる | |
Pentium M | 長所 | 性能と消費電力のバランスが良い |
短所 | C3やGeodeに比べると圧倒的に消費電力は高い |
メモリ
今回の規模ではGUIも入れないので512MB程度で十分でしょう。もちろん、Linuxはメモリを比較的うまく使ってくれますので、余っているならもっと積んでも良いと思います。
さらに省電力を追求するなら、メモリのクロックを落とす(PC2100 CL3等)のも良いでしょう。この辺りは、
マザーボードとの関係で決まりますから、マザーボードの説明書とよくにらめっこをしてください。
HDD
今回の規模では十分なのでコンシューマ用の物を用いています。回転数も本当は5400rpmでも良いぐらいです。さらに高性能を求めるならワークステーション用の10000rpmものを使用したり、RAIDを組んでみるのも良いかも
しれません。特に今回はファイルサーバーも視野に入っていますので、耐障害性を上げるためにもRAID5の構築
は有効かと思います。
ネットワーク
最近のPCはギガビットLANを積んでいることが多いので、ギガビットLANポートをもっている物が好ましいです。さらにオンボードだと、PCI接続より性能が出ることも多く消費電力の観点からも有利です。ルーターとして
使用する予定がある場合は、2ポートあるほうが望ましいでしょう。
参考ページ
- 【特集】Geode NX 1500を試す - 低消費電力プラットフォーム徹底比較 (MYCOMジャーナル)
- 今回比較したプラットフォームでの消費電力測定結果があります。とても参考になる記事です。
- CPU power dissipation - Wikipedia
- 主なCPUのTDPが記載されています。(英語)
- GamePC - AMD’s Turion64 Processor
- Pentium MとTurion64 MTの比較記事があります。(英語)
2007年03月23日(金) 21:41:06 Modified by rockie33jp