322 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/08/03(土) ??:??:?? 0 
>>272の続き 
道重「石田、ちょっと来て」 
石田「はい、何でしょう?」 
道重「最近金遣いが派手だと噂になってるけど、どういうことか説明してくれる?」 
石田「えっ、まさか(ちょっと買い食いしたぐらいで?)」 
道重「コンビニ弁当を買ってたそうじゃないの」 
石田「はい…(誰かに見られてた?)夕食まで我慢出来なくて、つい…」 
道重「それならいいけど、お金を拾ったとか借金したとかネットでネタにされたくなかったら行動に気を付けてね」 
石田「はい…(コンビニ弁当くらい普通に買えるっつうの。これだから貧乏キャラは嫌だ)」 

譜久「御覧なさい、これがカニラ複合機1号ですわ」 
石田「これは…小さな蟹に超小型カメラをくっ付けただけのように見えますが」 
譜久「鋭いわね。カメラの回収が上手くいく方法はこれしかないですわ。この子は特別に訓練したからそこらの犬より言うことを聞くのよ。だからあゆみん食べないでね」 

道重「あんた、質屋に行ったって本当?」 
石田「えっ、どうしてそれを…」 
道重「入るのを見た子がいるのよ。この前注意したばかりなのにどういうことなの?!」 
石田「あのぉ、その前だったんで…」 
道重「あ、そうなの。でもお金に困ってたんならさゆみに相談して欲しかったなあ。まあそれはいいとして、一体何を持ってったの?」 
石田「…」 
道重「どうしたの?」 
石田「実は…、ビデオカメラを売ろうとしたんですが高校生なので断わられました」 
道重「なるほどねえ。そりゃあ高校生から買ってくれるわけないの。ブックオフだって無理なんだから。で、そのカメラ見せてくれる?」 
石田「えっ」 
道重「今どきビデオカメラなんて珍しいからさあ。どんなのか興味があるんだよね。気に入ったらさゆみが買ってもいいよ」 

「わー凄い。これって赤外線で暗闇でも撮れるやつじゃん。しかもiPhoneから操作出来るんだよ。売って売って」 

323 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2013/08/03(土) ??:??:?? 0 
>>322の続き 
カニラ複合機1号は暗闇で待っていた。何度目の任務か自分で意識したことはない。命ぜられたら実行する、ただそれだけだ。 
彼にとってドアの脇に隠れて対象者の後から部屋に入るのは造作も無いことだ。ゴム製の足先カバーのおかげで硬い廊下の床面でも足音の心配はない。 
半日でも一日でも待つことは苦ではない。退屈という文字は彼の辞書にはないのだ。左手の食糧と右手の水を含ませたスポンジで数日は生き長らえる。 
もう一人の対象者が来てからが彼の仕事だ。背中のカメラをオンにして対象者に向け続ける。1時間経てば撮影終了を振動で知らせてくれるので、あとは部屋から脱出するだけだ。入るときと違って相手も警戒していないので何の問題も無い。 
一番難しいのは対象者をカメラに確実に捉えることだ。ファインダーで確認しながらではないので容易なことではない。今まで撮った映像はどれも気に入られなかった。 
「遅いよナマタ」 
対象者の片割れが入って来た。カニラ複合機1号は家具の隙間からベッドのほうを覗いてみた。いつものとおり全裸である。 
対象者2がベッドで上着を脱ぎ始めると対象者1がスカートを剥ぎ始めた。二人が夢中になっている隙にベッドの脇のテーブルに移動する。一度テーブルのほうに対象者1が手を伸ばしてきたときには、素早くテーブルの足のうしろに隠れた。 
行為が始まると、出来るだけ高い位置から撮影出来るように素早く近くのテーブルに上がる。最初の頃はベッドの影になって対象者が写ってない事もあったが、すぐに高い位置から撮影することを学んだ。 
テーブルに上がると、そこには薄暗い中で明るく光る物があった。近くに寄って見ると対象者の姿が映し出されている。完璧な構図だった。彼はカメラをそこに向けてスイッチをオンにした。 

「まあ、なんてこと…」パソコンの映像を見てみずきは思わず声を漏らした。 
えりぽんのあそこがあんなことになっていたなんて。身体検査でも金属探知機でも見つからないはずですわ、生身の体の一部なんだもの。まさにナマちゃんね。 
これは絶対に秘密を聞き出さないと。 
その後みずきは映像を飽きることなく繰り返し観直した。
タグ

どなたでも編集できます