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はじめに

2004年10月23日夕方に起こった新潟県中越地震。
当時、山古志・小千谷を中心に多くの被害報道が行われていましたが、その周辺地域についての報道はほとんどなされませんでした。

被害がないから報道がなされないのか、被害はあるけど絵にならないから報道がなされないのか…とにかくそれを確認しよう、ということで、震災から1か月後の11月、栃尾を訪れたのがそもそもの始まりです。

「できれば頻繁に撮影を…」と思いつつ、その遠さ故に足がおもむかずまだ4度しか来訪できてませんが、現段階での写真をまとめておこうと思います。



道の駅とちお向かいの大規模地滑り

道の駅そのものには大きな被害はなかったらしく、初回来訪時も通常営業をしていました。ただ店を訪れる客などには”いかにも復興工事関係者”というなりの方が多かったのと記憶しています。

ただ栃尾も被害地域であることは間違いがなく、あちこちで地滑りが起こっていました。そんな地滑りの1つが道の駅の対岸にある斜面の地滑りです。
撮影位置(Livedoor地図)

2004年11月23日来訪時の様子


地滑りの全景

地滑りアップ(左側)

地滑りアップ(右側)

道の駅向かい、ということで、否が応でも目につく地滑りです。
栃尾市街ではしょぼい地滑りも含めると、かなりあちこちで地滑りが起こっていました。道の駅で名物のあぶらげを売る店員さんが「揺れると言うよりも、山が動いた、という感じだった」とおっしゃってましたが…それに相応する被害が出ているのでしょう。

濁った川。
地元の方によれば
「本来は水の澄んだきれいな川だ」
とのこと

地滑りのショック(?)で咲いた花

2005年4月9日来訪時の様子


地滑りの全景

雪解け水のせいか、川の水はまだ濁ったままです
この地滑りに関しては、一切手を付けられていない状態でした。
土砂のたまっているところには本来田んぼがあったようなんですが…多分耕作を放棄するんだろうな〜、と。
ここに限らず、地滑りで川の流れ方が変わったり、田んぼの土手が崩れたりで耕作どころではなさそうな田んぼが多数見受けられました。これは…厳しいな…と。

春はまだ来ぬ

2006年4月11日来訪時の様子


地滑りの全景

別アングルから
一年前、放置されてた地滑りを見て「このまま放置かな?」と思っていたこの地滑り地点ですが…なんと処理が済んでいました!
今回の栃尾来訪での最大の驚きです。

別アングルより
左側の地滑りを撮影

右側の地滑りを撮影

川の対岸にも渡れるようなので、そちらでも写真を撮ってきました。

対岸にて
左側をアップ

排水施設が設置されています

復興が進んできているんだ、と実感した地点でした。

守門岳と川
川はまだ濁ってますね…

2006年10月9日来訪時の様子


道の駅対岸の地滑り・全景

写真に撮っていた箇所では復旧工事は終了。
4月から半年でかなりたくさんの草が生えています。

道の駅対岸に見える地滑りの左側

道の駅対岸に見える地滑りの右側
道の駅前にある川は相変わらず濁ってますが…すぐ上で河川工事やってるんで、そのせいかも。


とちお大橋付近の大規模地滑り

道の駅とちおの近くにある「とちお大橋」。
谷をまたぐように架かるバイパス橋なのですが、どうやら橋を支える地盤ごと地滑りをおこしかけたようで…。
撮影位置(Livedoor地図)

2004年11月23日来訪時の様子


通行止のとちお大橋
橋の手前が凹んでます

凹んだ部分をアップ
水がたまってるよ…orz
初回来訪時、微妙なショックを受けた橋です。
一見なんの問題もないのに通行止めの橋があるとは…、と。

「なんでここが通行止めに…」と疑問に思いつつ、撮影を終えた地点でした。

2006年4月11日来訪時の様子

2005年4月にも来訪したのですが、さしたる変化もなかったので写真は撮影せず。「どうせ、まだ未通だろう」と内心思いつつ、2006年4月に再訪しました。

が、意外にも道路は復旧済み。

凹んでいた場所は復旧されています

せっかくなんで、橋を渡って最初いた側を眺めてみると…

地滑り対策工事中
かなり大々的な地滑り対策工事が。復旧に時間がかかっていたのは、橋が問題だったというより、その下の地盤にあったのでしょう。

地滑り部分を上から撮影

まだ工事は続行中ですが、「いかに水をしみこませないか」を重視した対策は見てて勉強になります。

とちお大橋の中心で栃尾城を望む
まあ、本来は地滑り対策だのを眺める橋ではなく、栃尾市街地の眺めるための橋。
写真は栃尾市街地を挟んで谷の向こう側にある”栃尾城跡”。上杉謙信にまつわるお城だそうですよ。

道路下の地盤が流動化した地点

道の駅とちおから国道を南下すると、途中で国道を迂回するように、との指示看板が。国道で大規模な地滑りが起こっていたようです。

迂回路に指定されたのは国道の対岸にある道路。こちらはしっかりしてるんだろう、と思っていたのですが…こちらはこちらで結構な被害が。安全性なんかより、まずは道路を開通させざるを得なかった状況が分かります。
撮影位置(Livedoor地図)

2004年11月23日来訪時の様子


現場を坂の上から撮影
手前の地盤が左前方に流動しているのが分かる

ズレの大きい部分をアップ

浮き上がったマンホール
マンホールだけは地盤の流動化から免れたみたい

道路と側溝の間にできたすきま
雪が降ったら大変なことになりそうです
道路を造る際にやった盛り土が地震で流動化したみたい。程度の差こそあれ、似たような被害はかなりありました。
山間部で起こった地震特有の地震被害、と言えるかも知れません(まあ、盛り土で作られた造成地とかでも同様の被害は起こるのでしょうが)。

2005年4月9日来訪時の様子


本格的な復旧は始まっていません

大きな食い違い地点
半年前よりはなめらかな状態です

マンホールは何とかしてました
見るからに危なそうだったもんな〜

側溝からあふれ
道路とのすき間に流れ込む雪解け水
半年前と基本的に変わっていません。
対岸の国道の通行止めは解除されたものの、長距離の片側交互通行区間が続き使い物にはならない。迂回路としての機能を優先させ、復旧工事は後回しになっているのかもしれません。

2006年4月11日来訪時の様子


復旧されてる!

ずれの大きかった部分をアップ
比較しないと被害があったことが分かりません

道路脇はコンクリで補強されてます

震災当時は浮き上がっていたマンホール

1年前はあった側溝のすき間もありません

ここの定点観測は今回が最後かな?
1年前は手つかずだったこの地点も完全リフレッシュ。復興の順調さを感じさせてくれる地点の1つです。
ここに限らず、軽度の道路災害復旧はかなり順調でした。

山間地での国道290号路盤崩壊地点

国道290号を旧・守門村方向に進むと道路崩壊地点はさらに増えていき、工事による交互通行が増えてきます。

「そろそろ物見遊山の人間は進んではいけないな」と決心させたのがこの地点。国道が通っていた盛り土が完全に崩壊。道は道路整備前の旧道とおぼしき山沿いを迂回しています。
場所(Livedoor地図)

2004年11月23日来訪時の様子

いくつかあった道路崩壊地点のうち、もっとも北にある崩壊地点。

2004年11月来訪時はここで引き返しました。


2005年4月9日来訪時の様子

まずは2004年11月に撮影した最も北の道路崩壊地点の写真。

雪が多すぎて、正直何がなんだかよく分かりません。

前回と同じアングルから

前回とは谷を挟んで反対側から

次に前回撮影したのよりもう一個南にある道路崩壊地点

こちらは突貫ながら応急処置をしたような気配があります。

緊急迂回路として使われている旧道。
路面の痛みは激しく、いろんな意味での限界を感じさせます。

2006年4月11日来訪時の様子

先に結論を言ってしまうと、この地点はここ一年でさしたる変化がありません。

まずは北側にある崩壊地点の写真より。

崩壊地点の南側から撮影

途絶えた状態の路盤
崩壊地点の南側にて撮影

崩壊地点の北側から撮影

相変わらず雪深い…
崩壊地点の北側にて撮影
いまだにアスファルトの断片が残る谷底を、雪解け水が洗っています。
今と同じ場所に道路を新設しようとすると、これらの崩壊残土を除去しなければならないですが、地形的にそれは楽な作業ではなさそう。
もしかすると、少し離れた別ルートに新設路を作ってしまうつもりなのかも知れません。

ちなみに南側の崩壊地点も、一年前来訪時と変わった点はありません。
激しく崩壊した地点で、かつ交通量はやや少なめ。
この地点の復興が遅れるのはやむを得ないかも知れませんね…。


2006年10月9日来訪時の様子

大規模な崩壊ゆえに復旧が遅れていたこの地点もついに復旧工事開始。
ここ半年の間にかなり工事が進んでいます。


崩壊地点を南から見た写真
手前(南)側は完全復旧
奥(北)側の崩壊地点も盛り土は完成済みです

注目していた道路崩壊地点のうち、南側の崩壊地点は完全復旧。
北側の崩壊地点も盛り土は完成しています

北側崩壊地点も盛り土は完成

復旧済みの南側崩壊地点跡

北側の崩壊地点を上から眺められる場所を見つけたので行ってみました。
工事はかなり順調。
この地点もあと半年で元通りかな〜?

関係ないですが、この写真撮影地の近くでこんな光景を見つけました。

土に埋もれたパワーショベル

復旧工事の過程でなんかミスったんでしょうか?なんか切なくなるというか、災害復旧の厳しさを推し量らせてくれる光景でした。

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