詩（このワケワカメなる世界へようこそ！
最終更新：
shiryuhoshi 2011年01月04日(火) 13:12:40履歴
昨年ある場所で 詩に関するスピーチをしたときの原稿を少し修正したものです upしてみました お楽しみください
( これ 昨年の原稿で 某場所でのスピーチ最終回の原稿ですからね shiryu星（shiryu）の詩ブログ『W(wired)の庭』PART-3 はまだ続きますよ！（ｗ）
スピーチ最終回 原稿 詩（このワケワカメなる世界へようこそ！）
☆
shiryu星
スピーチ最終回は
詩（このワケワカメなる世界へようこそ！）ということで日頃 どんなことを考えながら詩を書いているのか？ ちょっと小難しい話も混ざりますが お話させていただこうと思います
実は先月末に 文芸思潮社現代詩奨励賞 という賞を頂きました。
（このようなメダルも頂戴いたしまして オリンピックメダルよりも若干貧弱に見えますが（ｗ）
受賞しました3作品のタイトルは
��100年先のブルトンへ 無限マカロニのメビウスリングサラダを召し上がれ
��火の鳥 （Galaxy strings 前編）
�６箍呂�撓み 右から左へと滴りながれ込んでゆく
となっておりまして
ちょっとだけどんな雰囲気か 「火の鳥」を数行だけ読んでみますと
（朗読）
七星テントウの
あのツルリとした半球の星は きっと何者かの意思を秘めていると
誰しもそう考えたに違いない
テーブルの上のTea setには 確率の中の複数の未来が注がれたまま
運命は時間の風 鳥の魔笛を待っている
Galaxy strlings
なんてことを描いているわけです
（ ＊原本を若干アレンジしてあります ）
だいたい
確率の中の複数の未来が Tea setに注がれるなんてことは有り得ない訳でして まあだいたい詩なんてものは 何を考えているのかワケワカメという世界なんですが・・・わたくしの場合は特にね（ｗ）
さて
たとえば 詩を書くときにはこんなことを考えたりします
ロランバルトやジャックデリダによりますと
言葉には『時間軸上で音として意味を認識されるパロール』と『空間軸上で文字として意味を認識されるエクリチュール』があるといわれます
ベラスケスのラスメニーナスという絵がありますが
あれ 現実には有り得ない 虚構の視線だけで描かれているように思えるんです つまり 絵にも拘らず 言葉を扱うように「空間軸上で文字として意味を認識されるエクリチュール」で描かれたと思うわけです 作品から否が応にも 私たちは作者と読者（鑑賞者） 第一人称の私と第三人称の私 の視点や視線を考えさせられますし トリック 騙し絵（トロンプルイユ）みたいなもので 読者（鑑賞者）の立ち位置を錯覚させられるわけです
読者（鑑賞者）である王様夫妻は絵の外側にいるはずで 絵の中の部屋の奥にある王様夫妻の絵は 本物の絵なのか？鏡なのか？ はたまた現実世界（キャンバスのこちら側に立つ王様夫妻の姿なのか？）現実か虚構なのか？決定不可能な世界が表現されています。 単に虚構と呼んでもかまいませんが お化けをお化けと読んでしまっては見も蓋もありません 何より先日某NHK番組でこの絵のことが話にでておりまして ベラスケスの絵の中のベラスケスの表現や 当初鏡に映りこんだ作者（ベラスケス）が後にキャンバスの影から顔を出すベラスケスに描きかえられた 修正されたといっているのです 解説者の話は別として この話はとても興味をソソラレルものでした 私も実物を数十年前に拝見いたしました 風格のある しかも虚構に満ち満ちている（今日でいえば 上品なシュール感に近いものを感じました
額縁の手前 鏡の裏側の世界で ぼんやり絵の中に取り残されたゆで蛙のように ぽかんと錯覚したままベラスケスに一杯喰わされているような気がしたものです 確かに第一人称 第三人称の話は 虚構を構築する上で非常に大切な要素となります しかし おそらくですが ベラスケスは 鏡に映りこんでいる自分が面白くないと感じたのではないでしょうか？ もう既に 部屋の奥には最大のメッセージ「娘への愛」が鏡写しで現実と虚構の世界をつないでいるわけです 鏡に映る作者では 2度も同じ手を使うことになり 俳句で言えば2度季語を挿入するようなものです 虚構を生み出すトロンプルイユにもなりません 魔術師はそういう単純さや浅はかさを嫌います この絵を見るたびに思います 現実はここなのか？ あそこにあるのか？ やっぱり決定不能性のゆで蛙になっているのです（ｗ）
たとえば 詩を書くときにはこんなことを考えたりします
わざと意図的に構文順序や意味をづらしたり 虚構の視線で時空を超えたり 夢の構文法で 夢の中から覚めても式の迷宮を構築したり 言葉の組み換え組み合わせのシャッフルで化学反応や新しい概念 ガゼット（ちょとした小物 気の利いた小物）や空間装置 架空のキャラクター が生み出されることに気がつきます 新しい空間装置で演劇する新しい概念やアクター達が奇妙な世界を創り出します 隠喩や暗喩のトリックを紐解くための知恵の輪のような楽しみを そっと忍ばせます 空白の周辺を懇切丁寧に描写することもあるでしょう ショートフィルムが頭の中でいつもカラカラ廻ってカメラをパンしたりアングルが切り変わったりする訳です
（ここから少し追加修正します）
最近思うのですが 中島みゆきさんの歌と埴谷雄高さんの死霊を巡るお話を動画でみまして この2人はとんでもないある種の天才だなと思うのです 中島さんの場合歌ですから詩にとても大きな規制がかかります その非常な条件の中で歌で何が伝えられるか？伝えられた何によって人は泣けるのか？ 世界のピアニスト フジコヘミングさんはこう言っています
Fujiko Hemming - La Campanella（Sweden, 1932 -.） Franz Liszt
みんな、幸せを求め生きている。私もそう。
もう一本タバコを吸ったら今日も、このパリの空の下で 自分の旅を続けるわ。
「ぶっ壊れそうな鐘（ラ・カンパネッラの意）があったっていいじゃない、機械じゃないんだから」
「技術があれば人を感激させることはできる。 でも心が温かければ、人は泣くでしょう。」
人は歌に何を求めて聴くのか？ 人間的な一番大切な部分でちゃんと歌 詩が渾然一体となって歌える人はそう多くはいません 私は中島みゆきさんを菩薩さま扱いで崇拝しておりますが（ｗ） みゆきさんは迷惑でしょうがね？
わたしは彼女の歌を聴いていると 自然に涙が零れます なぜなんでしょうかね？ 不思議です
それとは全く異なる世界で 埴谷雄高さんの虚体を見つめる視線は 恐ろしいまでの内面描写と背負うものの余りの違いに私など愕然としてしまいます 安部公房さんは文学語彙全集のなかで 抽象の角度を伝え合う という表現をされています 詩や言葉というものに託す想いは一人一人違っており 背負っているものがそもそも違う プロもアマチュアもいますし 求めるものも異なります そうして最後は数寄になる その考えは今も変わりません 詩は言葉で遊ぶセンスオブワンダーでしょ？ 何処かにあるかもしれないワンダーランドを夢見て へたの横好きで遊んでいいと思いますよ 自分も楽しめることが一番 そのうち誰かを泣かせるような 何か新しいものが生まれるかもしれません わたしはアマチュアですから 甘いんです（ｗ）
ご清聴ありがとうございました shiryu星
( これ 昨年の原稿で 某場所でのスピーチ最終回の原稿ですからね shiryu星（shiryu）の詩ブログ『W(wired)の庭』PART-3 はまだ続きますよ！（ｗ）
スピーチ最終回 原稿 詩（このワケワカメなる世界へようこそ！）
☆
shiryu星
スピーチ最終回は
詩（このワケワカメなる世界へようこそ！）ということで日頃 どんなことを考えながら詩を書いているのか？ ちょっと小難しい話も混ざりますが お話させていただこうと思います
実は先月末に 文芸思潮社現代詩奨励賞 という賞を頂きました。
（このようなメダルも頂戴いたしまして オリンピックメダルよりも若干貧弱に見えますが（ｗ）
受賞しました3作品のタイトルは
��100年先のブルトンへ 無限マカロニのメビウスリングサラダを召し上がれ
��火の鳥 （Galaxy strings 前編）
�６箍呂�撓み 右から左へと滴りながれ込んでゆく
となっておりまして
ちょっとだけどんな雰囲気か 「火の鳥」を数行だけ読んでみますと
（朗読）
七星テントウの
あのツルリとした半球の星は きっと何者かの意思を秘めていると
誰しもそう考えたに違いない
テーブルの上のTea setには 確率の中の複数の未来が注がれたまま
運命は時間の風 鳥の魔笛を待っている
Galaxy strlings
なんてことを描いているわけです
（ ＊原本を若干アレンジしてあります ）
だいたい
確率の中の複数の未来が Tea setに注がれるなんてことは有り得ない訳でして まあだいたい詩なんてものは 何を考えているのかワケワカメという世界なんですが・・・わたくしの場合は特にね（ｗ）
さて
たとえば 詩を書くときにはこんなことを考えたりします
ロランバルトやジャックデリダによりますと
言葉には『時間軸上で音として意味を認識されるパロール』と『空間軸上で文字として意味を認識されるエクリチュール』があるといわれます
ベラスケスのラスメニーナスという絵がありますが
あれ 現実には有り得ない 虚構の視線だけで描かれているように思えるんです つまり 絵にも拘らず 言葉を扱うように「空間軸上で文字として意味を認識されるエクリチュール」で描かれたと思うわけです 作品から否が応にも 私たちは作者と読者（鑑賞者） 第一人称の私と第三人称の私 の視点や視線を考えさせられますし トリック 騙し絵（トロンプルイユ）みたいなもので 読者（鑑賞者）の立ち位置を錯覚させられるわけです
読者（鑑賞者）である王様夫妻は絵の外側にいるはずで 絵の中の部屋の奥にある王様夫妻の絵は 本物の絵なのか？鏡なのか？ はたまた現実世界（キャンバスのこちら側に立つ王様夫妻の姿なのか？）現実か虚構なのか？決定不可能な世界が表現されています。 単に虚構と呼んでもかまいませんが お化けをお化けと読んでしまっては見も蓋もありません 何より先日某NHK番組でこの絵のことが話にでておりまして ベラスケスの絵の中のベラスケスの表現や 当初鏡に映りこんだ作者（ベラスケス）が後にキャンバスの影から顔を出すベラスケスに描きかえられた 修正されたといっているのです 解説者の話は別として この話はとても興味をソソラレルものでした 私も実物を数十年前に拝見いたしました 風格のある しかも虚構に満ち満ちている（今日でいえば 上品なシュール感に近いものを感じました
額縁の手前 鏡の裏側の世界で ぼんやり絵の中に取り残されたゆで蛙のように ぽかんと錯覚したままベラスケスに一杯喰わされているような気がしたものです 確かに第一人称 第三人称の話は 虚構を構築する上で非常に大切な要素となります しかし おそらくですが ベラスケスは 鏡に映りこんでいる自分が面白くないと感じたのではないでしょうか？ もう既に 部屋の奥には最大のメッセージ「娘への愛」が鏡写しで現実と虚構の世界をつないでいるわけです 鏡に映る作者では 2度も同じ手を使うことになり 俳句で言えば2度季語を挿入するようなものです 虚構を生み出すトロンプルイユにもなりません 魔術師はそういう単純さや浅はかさを嫌います この絵を見るたびに思います 現実はここなのか？ あそこにあるのか？ やっぱり決定不能性のゆで蛙になっているのです（ｗ）
たとえば 詩を書くときにはこんなことを考えたりします
わざと意図的に構文順序や意味をづらしたり 虚構の視線で時空を超えたり 夢の構文法で 夢の中から覚めても式の迷宮を構築したり 言葉の組み換え組み合わせのシャッフルで化学反応や新しい概念 ガゼット（ちょとした小物 気の利いた小物）や空間装置 架空のキャラクター が生み出されることに気がつきます 新しい空間装置で演劇する新しい概念やアクター達が奇妙な世界を創り出します 隠喩や暗喩のトリックを紐解くための知恵の輪のような楽しみを そっと忍ばせます 空白の周辺を懇切丁寧に描写することもあるでしょう ショートフィルムが頭の中でいつもカラカラ廻ってカメラをパンしたりアングルが切り変わったりする訳です
（ここから少し追加修正します）
最近思うのですが 中島みゆきさんの歌と埴谷雄高さんの死霊を巡るお話を動画でみまして この2人はとんでもないある種の天才だなと思うのです 中島さんの場合歌ですから詩にとても大きな規制がかかります その非常な条件の中で歌で何が伝えられるか？伝えられた何によって人は泣けるのか？ 世界のピアニスト フジコヘミングさんはこう言っています
Fujiko Hemming - La Campanella（Sweden, 1932 -.） Franz Liszt
みんな、幸せを求め生きている。私もそう。
もう一本タバコを吸ったら今日も、このパリの空の下で 自分の旅を続けるわ。
「ぶっ壊れそうな鐘（ラ・カンパネッラの意）があったっていいじゃない、機械じゃないんだから」
「技術があれば人を感激させることはできる。 でも心が温かければ、人は泣くでしょう。」
人は歌に何を求めて聴くのか？ 人間的な一番大切な部分でちゃんと歌 詩が渾然一体となって歌える人はそう多くはいません 私は中島みゆきさんを菩薩さま扱いで崇拝しておりますが（ｗ） みゆきさんは迷惑でしょうがね？
わたしは彼女の歌を聴いていると 自然に涙が零れます なぜなんでしょうかね？ 不思議です
それとは全く異なる世界で 埴谷雄高さんの虚体を見つめる視線は 恐ろしいまでの内面描写と背負うものの余りの違いに私など愕然としてしまいます 安部公房さんは文学語彙全集のなかで 抽象の角度を伝え合う という表現をされています 詩や言葉というものに託す想いは一人一人違っており 背負っているものがそもそも違う プロもアマチュアもいますし 求めるものも異なります そうして最後は数寄になる その考えは今も変わりません 詩は言葉で遊ぶセンスオブワンダーでしょ？ 何処かにあるかもしれないワンダーランドを夢見て へたの横好きで遊んでいいと思いますよ 自分も楽しめることが一番 そのうち誰かを泣かせるような 何か新しいものが生まれるかもしれません わたしはアマチュアですから 甘いんです（ｗ）
ご清聴ありがとうございました shiryu星
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