SMM”バイブル”をチラ見してみたまとめ

いきなり、こう言ってしまうのもなんだけれども “ソーシャル メディア マーケティングの概念” を語るというのは、“ソーシャル メディアとは何か？” というのと同じくらい捉えどころの無いテーマだったりする。いや、むしろ捉えどころがありすぎるという方が正しいかもしれない…。

実際、捉えどころが多すぎるゆえに、さまざまな方法論や手段が生まれてきているのが、ソーシャル メディア マーケティングの世界の現状ではないかと思う。とはいえ、(個人でやるならばともかく) 企業の活動の一つとしてしっかりと推進していくためには、ちゃんと共通概念を設け、中にいる多くの人間の認識を合わせていかなくてはならない。もちろん、“できるコト” と “できないコト” を考える必要だってある。そのために、無数にあるであろう “捉えどころ” を絞りこむ形で、共通言語として語られるような概念を設定していく必要があったわけで。

で、その概念なのだけれども、実は、こちらについては、以下のブログのエントリーを参照すると、大体理解できると思う (決して全部ではないけれども) 。

『ソーシャル メディア マーケティングの本質』 (by イケダノリユキの COMMUNITAINMENT Blog)

以前のエントリーでもご紹介したとおり、今回の “バイブル” を完成させるにあたって、外部のパートナーとして株式会社トライバルメディアハウス 池田さん、八木さんにご協力をいただいている。そして、この “ソーシャル メディア マーケティングの概念” のパートに関しては、実際に施策に携わる社内のマーケターに対し、腑に落ちる形で理解してもらうために、池田さんが提唱されている概念をベースにした形でまとめている。

たとえば、“メディアの 3 類型” という概念。コレは、

1. 3rd. Party Media (他社メディア)
2. Owned Media (自社メディア)
3. Social Media (ソーシャル メディア)

という 3 つのメディアの相関を考えた上で、ソーシャル メディアを含んだオンライン マーケティング施策を考えていくというモノ。つまり、ソーシャル メディアだけを考えても不完全だし、ソーシャル メディア マーケティングを行っていくにあたって、その際に自社メディアや他社メディアを上手く連携させながら進めていかなくてはならない、というコトを解説している。

続いて “ソーシャル メディア マーケティングに関するマーケティング概念の整理”。コレは、ソーシャル メディア マーケティング活動は、自社の既存顧客、見込み顧客、そして潜在顧客はもちろんのコト、極端なハナシ、競合の顧客、その他 “顧客” という概念では括れなくても、何らかの形で、自社に関わりを持つヒト全てに対する活動である、というコト。つまり、短期間に “刈り取る” という概念とは全く異なるのだ、という点を解説している。

そして、“ソーシャル メディア マーケティング (手法) をポジショニングする” という概念。

1. 瞬間的な話題化 vs. 中長期的な関係性
2. 興味・関心のつながり vs. 人と人のつながり

という二軸でバズ/バイラル マーケティングや、ブログ、Twitter によるコミュニケーションなど、ソーシャル メディア マーケティングにおいて用いられる手法を一通りポジショニングするコトを考えるというモノ。そして、“バイブル” では、とくに “B2C2C” という関係性や “E2C” (Employee to Consumer) という関係性をしっかりと理解してもらうような内容にしている。

こういった概念をベースとした上で、自身が今身を置いている組織に合うように、内容をアレンジしつつ、関係者間で共通言語として語られるような概念として組み上げていったわけで。

もし、今後みなさんが、たとえば自分の属する組織のなかで、ソーシャル メディア マーケティングの方法論を考えていくのであれば、これら上記の概念をベースにしながら、独自のモノを構築するコトをお勧めする。ある意味、コレは、従来の “バズ重視型” のソーシャル メディア マーケティング概念から一歩先に踏み出したものとして、今後十分に活用 (応用) していけるかもしれない。

さて、実は “バイブル” には、もうひとつ重要なベースとなる概念があったりするのだけれども、こちらについては、若干長くなるので、次回で詳細を語ろうと思っている。週末の空いた時間にでも、ぜひ…。