クマムラゴウスケさんのブログに書かれた『”バイブル”が生まれる前のハナシ』各記事にインデックスをつけてwikiにまとめています。

さて、いよいよ “People” と “Objective” つまり、ターゲットとなる顧客と、施策の目的がしっかりと見出せたトコロで、いよいよ “Strategy” 、戦略の骨子をまとめていく段階に入ってくる。最初に “POST プロセス” を提唱し、自身も、これまでの一連のエントリーを連ねていくにあたって、非常に大きな影響を受けた “グランズウェル” では、この “Strategy” の部分を、大きく分けて以下のようにまとめている。

自社と顧客との関係を、どう変えるのか
社内調整を、どうするのか
この 2 点である。

実際、これまで約 1 ヶ月近く、延々と書き連ねてきたエントリーは、“で…、結局のトコロ、顧客との関係を、どういう風にしたいわけ?” と “で…、社内調整はきっちりできてるの?” という 2 つの質問に対して、ツッコミどころの無い回答を的確に導き出すために必要な要素の洗い出し、そして、回答そのものの組み立て方を解説していたようなモノでもあるわけで。

で、最初の “自社と顧客との関係を、どう変えるのか” という部分に関して、“グランズウェル” では、取り得る戦略を 5 つに類型化している。コレは、みなさんはすでにご存じだと思うのだけれども、

  1. 傾聴戦略:顧客理解を深める
  2. 会話戦略:自社のメッセージを広める
  3. 活性化戦略:熱心な顧客を見つけ、彼らの影響力を最大化する
  4. 支援戦略:顧客が助け合えるようにする
  5. 統合戦略:顧客をビジネス プロセスに統合する

の 5 つである。

つまり、コレは “まず大前提として、ソーシャル メディア上で、どのような人々が、どのようなコミュニケーションを展開しているのかという状況をしっかりと把握した上で、Buzz/Viral 型のアプローチで行くのか、Advocacy 型のアプローチで行くのかを考える” というコトになってくるわけだ。まずは、ソーシャル メディア上における人々のコミュニケーション方法や、その内容を把握するだけであれば、1. の傾聴戦略になってくるだろうし、Buzz/Viral 型であれば 2. の会話戦略を取るコトになる。そして 3 から 5 に関しては、Advocacy 型として展開できる戦略をパターン分けしたような感じになってくる。

また、1. の傾聴戦略なのだけれども、実際、ソーシャル メディア上で、どのような人々が、どのようなコミュニケーションを展開しているのかという状況を把握するコトは非常に重要だし、立派にソーシャル メディア マーケティング施策の一つだったりする。もちろん、自分たちの情報のアウトプット先が、ソーシャル メディア上に無いというコトは、少なくともソーシャル メディア上で顧客とのコミュニケーションを行いづらいというコトを意味しているのだけれども、ソーシャル メディアで何が起こっているかを知るというコトだけでも、得られるモノは大きい。

よく、“ソーシャル メディア マーケティングを進めていくためには、ブログを用意したり Twitter アカウントを用意しなくてはいけない” と考えられがちなのだけれども、正直言って、ブログ (and/or Twitter アカウント) を開設して、一定期間だけ情報を垂れ流し、気付いたら放置されているような状態は、決して “ソーシャル メディア マーケティング” とは呼べない。
むしろ、自分たちではブログ (and/or Twitter アカウント) は開設していなくても、ちゃんとソーシャル メディア上の動向を調べるために (ツール等の) コストやリソースを負担して、しっかりとした情報を集めて分析し、その結果が自社の施策に対して、何らかの形で活用されている状態の方が、きちんとしたソーシャル メディア マーケティングだといえるだろう。ただ、コレは次回以降のエントリーで詳しく書こうと思っているのだけれども、とくにソーシャル メディア上の動向を探るというコトがしっかりと実践されていない企業が非常に多いのが現状だと思われる。

さて、それでは続いて “社内調整を、どうするのか” という部分に関してなのだけれども、“グランズウェル” では、
  1. 小さく始める (とはいえ、その後の拡大余地は残しておく)
  2. グランズウェル戦略がもたらす影響を考え抜く
  3. 高い地位にいる人物を責任者に据える
  4. テクノロジーの選択とパートナーの選択は慎重に行う

と解説している。“バイブル” そして、これまでの一連のエントリーでも、上記についてはだいぶ触れてきたので、ここでは、そんなに深くは話さないのだけれども、改めて (上記に無いモノも含めて) 実際に自分たちが戦略を立てていく際に注意しなければならないポイントを、以下に列記しようと思う。
  1. 対象とする商品・サービスは、失敗したときのリスクが少ないものを選んでいるか (つまり、小さく始めて大きく育てられるようになっているか)
  2. ターゲットを絞っているか (Who や What が明確化しているか)
  3. ソーシャルメディアに精通した人材を、しっかりと配置しているか
  4. 全社レベルでのコンセンサスは取れているか (役員レベルのコミットは得ているか)
  5. プランニングにおける 3 ステップ (“問題点と課題の抽出” → “5W1H の明確化” → “POST プロセスを踏まえた基本戦略の策定”) を実施し、これらが全てドキュメント化されているか
  6. まずツール (プラットフォーム) や手法ありきのプランとなっていないか
  7. 最適な外部パートナーを選定し、協力体制を築くコトができているか

これらをしっかりと確認した上で、全てきちんと押さえられているかを確認した上で施策をプランニングしていくコトをお勧めする。逆に、“誰かの持ってきたプランを精査する” という立場にある方は、これらがしっかりと踏まえられているかを確認した上で Go サインを出すコトをお勧めする。

そういうわけで、次回は “POST プロセス” の最後の部分、“Technology” になってくる。ココまで色々としっかり考えていたら、最後 “どういったツール (プラットフォーム) を使っていくか” という部分に関しては、すでにおのずと見えてきているかもしれないが、念のため深掘りして補っていくような内容にするコトを考えているのでぜひ明日もチェックしていただければと…。

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