クマムラゴウスケさんのブログに書かれた『”バイブル”が生まれる前のハナシ』各記事にインデックスをつけてwikiにまとめています。

もし、あなたが企業のインターネット マーケティングの担当者だったら、会う人会う人に、“実は、ウチも、そろそろソーシャル メディア マーケティングに、本腰入れて、しっかりと取り組もうかと思っていまして…” と言ってみよう。しばらくと経たないうちに、色々な方々からメールや電話をいただくコトになると思う。現在、ソーシャル メディア マーケティングの世界は、それだけホットな戦場になっている。

実際、ソーシャル メディア マーケティングを戦場にするエージェンシーの数は、3 – 4 年前と比して格段に増えている。また、欧米に限らず、日本国内においても、いわゆる大企業と呼ばれるトコロが、結果はどうであれ、事例を残し始めている状況にあるし、その事例を知り、さらに他の企業が積極的にソーシャル メディア マーケティングの世界に足を踏み入れているのが、今現在の状況である。さらに最近では、Twitter がにわかに注目を集め出しているため、その傾向は、なお加速するのではないかとも思うわけで。

そんなわけで、今回 “バイブル” を作るにあたっても、実に多くの方々とお会いするコトができたのだけれども、今回感じたのは “各エージェンシーの守備範囲や強み、弱みは、実に多様化している” というコト。たとえばブログまわりにやたらと強いトコロや、Twitter まわりにやたら強いトコロ等、いわゆるプラットフォームごとでのコンピテンシーがあったり、あるいは “メディア寄り” なのか “システム プロバイダー寄り” なのか、という部分でのコンピテンシーがあったりする。

もし、具体的に、案件の展開イメージができているようであれば、これらのコンピテンシーを踏まえた上で、最適なパートナーを探さなくてはならないのは、必須条件だと思うし、仮に、ソレが上手くいけば、実際に案件を走らせる際に、非常に楽になる。

ただ、今回はかなり難しいと思っていたし、実際に、そうだった。なぜならば、今回のお題は “全社的に用いるソーシャル メディア マーケティングのフレームワークを作る” というモノだったりする。つまり、ソレはブログや Twitter かもしれないし、SNS かもしれない。場合によっては、システム プロバイダーにシステム構築をお願いするコトもあるかもしれないし、そうではないかもしれない…。つまり、ある特定の守備範囲にやたら強いコンピテンシーを持っているというよりは、むしろ守備範囲が広い方がよい。ところが、意外といなかったりするのが、現状だったりもする。

実際に色々な方々からのお話を聞いたのだけれども、ある特定のプラットフォームにおけるハナシに終始してしまった方の多いコト、多いコト…。

“いや…、ボクはブログ マーケティングじゃなくって、ソーシャル メディア マーケティングをやっていきたいんだけれど…” という感想ばかりがアタマの中を渦巻くコトが多かった気がする。

あとは、ソーシャル メディア マーケティングを、単なる口コミ マーケティングとして捉えてハナシを展開するケースも、実に多かった気がする。おそらくは、その方が (説明もしやすいし、結果も出やすいので) 提案が容易なのだろうけれども、コレまでのエントリーを読んでいただいてもわかる通り、ソレだけでは決して十分なモノではなかったわけで。

もちろん、当時自身が、何らかの具体的な案件を抱えていて、それに対して、いかにアプローチすべきかが、ある程度見えていれば、こういった、特定の守備範囲にコンピテンシーを持っているパートナーを選んだかもしれないし、実際に、そうしていたと思うのだけれども、正直なところ、“ソーシャル メディア マーケティングのフレームワーク” を策定するにあたって、その対象領域が偏るのは避けたかったので、今回はご遠慮させていただくコトになったわけで… (すみません) 。

とはいえ、一部の方々は、特定のプラットフォームのみをフォーカスしたり、ソーシャル メディア マーケティングを単なる口コミ マーケティングとして捉えるコト無く、包括的に、いわゆる “戦略” を、どうするか、というハナシを展開していた。たとえば、こういったハナシ。

  1. まず、ソーシャル メディア マーケティングを展開するにあたって、ターゲットとなる顧客が、一体どのようなテクノロジーを使う傾向にあるのかを調べる
  2. そして、ターゲットとしている顧客が、どういったテクノロジーに、どのように関わっているのかを把握する
  3. とくに、テクノロジーに対する関わり方を、創造者/批評者/収集者/加入者/観察者/不参加者 の 6 つのセグメントに分類する
  4. これらをしっかりと把握したうえで、全体の戦略を立案する
しっかりとソーシャル メディア マーケティングについて研究をされていらっしゃる方であれば、もうわかるかもしれないのだけれども、コレは以前のエントリーで紹介した “グランズウェル” の完全コピーである…。

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press)

自身も、途中で気が付き “???” と思っていたのだけれども、プレゼンをされていた方は “弊社は、こういった独自のフレームワークで…” と熱く語っていらっしゃった… (ちなみに、念のため、“ソレは、御社で考えられたフレームワークなのですか?” と改めて訊いてみたのだけれども、“独自で考えました” って言ってた…) 。

その場で “いや…、ソレって完全にグランズウェルのパクりですから…” と言うコトはできたのだけれども、あえて言わなかったコトだけは、書いておこうかと…。ただ、もちろん彼らは “外部のパートナー” にはならかったというコトは、言うまでも無いわけで…。

教訓: 企業のインターネット マーケティングの担当者は、いわゆるソーシャル メディア マーケティングにおいて必読と言われている書物は、どんなに忙しくても、必ず読んでおくべきである…。

自分 (たち) の利害関係に左右されない、客観的な視点で、戦略全体を俯瞰することのできる “外部のパートナー”、もっと下世話に言い換えれば、“ある意味自身と心中してくれるようなパートナー” を探す道のりは、想像以上に険しかった…。

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