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a-54-2

 太陽も頭の上に登りきった昼過ぎの頃。一人の少女が、見るからに楽しそうな表情で街を歩いていた。長く続いた大乱闘が
昨日で終わり、今日は久しぶりの休養日だからだ。その少女、リンも数日後には故郷へと戻る。その前に、この大きすぎる街を
散策してみたいと思っていたからだ。
 彼女はふと目に着いた服屋へと足を向ける。故郷のものとは全く違う、活動的で可愛らしい服の数々に彼女は目を奪われた。
「わぁ、可愛い…。」
 剣士として最上級の称号を持つブレイドロードと呼ばれる彼女も、今は一人の少女としてショッピングを満喫していた。
大乱闘のアシストとして雇われている彼女には、もちろん給料も支払われる。この街でしか通用しない通貨というのが痛いところだが、
それでも服を何着買っても余るほどの金だ。リンは自分の好みの服を数着選ぶと、それをレジへと持っていく。
店員は商品を丁寧に束ね、お金を預けると袋に詰めた服をリンへと手渡す。彼女はそれを笑顔で受け取った。
 クーラーという摩訶不思議な機械で冷やされた店内から出ると、彼女の頭上から日光が襲った。熱い。夏真っ盛りの
この季節の日差しは、草原育ちのリンにもきついらしく、彼女はその愛らしい顔をしかめる。ぶわっと噴き出してきた汗を袖で拭い、
彼女は再び歩き出す。
(次は故郷のみんなのお土産でも探そうかな…。)
 視線を通りの左右へと送り、適当な土産物店を探すリン。そんな折、いきなり背後から声をかけられ彼女は振り返った。
「リンさんね…?」
「え?あなたは…?」
 耳に覚えの無い声に呼び止められ、頭の上にクエスチョンマークが浮かぶ。彼女の眼に映ったのは女性。しかし、彼女の姿は
目にした事が無かった。美しい銀色の髪と白い肌。夜空よりも黒いドレスに身を包み、まるで吸い込まれそうな蒼い瞳を持っている。
そして、年齢は自分より2つか3つ上に見えた。リンは疑問のこもった表情で彼女を見るめるが、相手の女性はにこりと笑って見せた。
「はじめまして。私はゼルダ。昨日は友達を助けてくれて、ありがとう。」
「こ、こちらこそはじめまして。私はリンディス。リンと呼んでください。ところで、その友達というのは…。」
「サムス・アランよ。あなたのお陰で彼女は優勝する事が出来たの。お礼を言わせて。」
「そ、そんな…お礼だなんて。闘技者を助けるのが私の仕事なんですから。」
 その美しい女性は優しい笑顔で話しかけてくる。彼女の物腰にリンもすっかり警戒を解き、こちらも笑顔で話し始めた。
「でもね、あなたの助けが無かったら今頃サムスは病院のベッドの上で寝ていたのかもしれないのよ。だから、あなたには
感謝してるの。ほんのささやかだけど、お礼をさせてくれない?あそこに美味しいカフェがあるの。お茶でも御馳走するわ。」
「え?い、いいですよ…。そこまで大それたことはしていませんし。」
「いいからいいから。私も今話し相手が欲しかったの。さ、行きましょうよ。」
「え?ちょ、ちょっと…。」
 ゼルダに手を握られ、半ば強引に連れて行かれる結果となってしまったリン。彼女のしなやかで、かつ柔らかな手の感触を
感じ思わずドキリとしてしまう。しかし、彼女と手を繋げている時間はそう長くは無かった。
 彼女が案内されたのは洒落た感じの喫茶店であった。ゼルダは店外に備え付けてある席に座ると、慣れた感じで店員に
飲み物を注文する。程無くしてリンの席には紅茶が置かれ、ゼルダの前にも同じ飲み物が届いた。リンはカップを手に取ると、
その淵に柔らかな唇を付ける。そして口内へと流れ込んできた紅茶の味を楽しむと、思わず感想を口にした。
「あ、美味しい…。私、こんな紅茶は初めてです。」
「このお店はね、私の行きつけなの。大乱闘が開催される度に何度も訪れるんだけど、ここの紅茶の味を毎回楽しみにしているわ。」
「あれ?でもゼルダさんの姿を今まで大乱闘で見かけたことは無かったのですが…。」
「…昔は私も出場していたんだけどね。今はサムスのサポートに回っているの。私には力が無いから…。」
「そ、そうなんですか…。」
 少し寂しそうな表情を見せるゼルダだが、彼女の本心は全く違う。彼女はあのアイクやリンクをもいとも簡単に屠る実力を
持っている。しかし、肉欲が最高の快楽だと知った今、大乱闘などという下らない戦いには興味が無くなってしまったためだ。
ゼルダは紅茶を少し口にすると、コトリとカップをテーブルに置いた。
「でもね…。パートナーが勝つと、まるで自分の事のように嬉しいの。昨日も一緒に涙を流して喜んじゃったわ…。」
「ゼルダさん、いい友達を持ってるんですね。」
 大乱闘の話を交え、しばし談笑に耽る二人。しかし、ゼルダの話す言葉は7割方が嘘で塗り固められていた。彼女に、信用の
置ける人物だと思われるために。それにしても、なんと笑顔の素敵な少女なのだろうか。これからこの可愛らしい少女を
ぐちゃぐちゃに犯せるのかと思うと、久しぶりに淫欲の血がたぎった。そんな彼女の心中を知るはずもないリンは、
ゼルダの勧めるがままにケーキも頂いた。
 1時間ほど話したのだろうか。時間に見切りをつけたリンが、ゼルダにお礼を述べて席を立つ。しかし、ゼルダは彼女を呼び止めた。
「ちょっと待って、リン。」
「え、何ですか?」
「実はもう一軒…ちょっと紹介したいところがあるの。ダメかしら?」
「本当ですか?私、この街の事全然知らないから、誰かに教えて欲しいと思ってたんですよ。そんなに遠くは無いですよね?」
「勿論。すぐそこよ。それじゃ、行きましょうか?」
「はい!」
 元気良く返事をする少女を、笑顔で見つめるゼルダ。店員に料金を支払うと、彼女を案内するために歩き始めた。
すっかりこの少女は自分を信用しきってしまっている。同性だからという理由もあるだろうが、あまりにも戦士としては
警戒心が無さ過ぎた。彼女が案内してくれるという店に浮き浮きとした気分が湧いてきたが、彼女はこの瞬間運命の
交差点というものを間違った方向に歩んでしまっていた。
 ゼルダは街の通りを外れ、人気の無い裏路地へと足を進める。リンは少々怪しく思ったが、彼女の案内を信じていた。
それから5分ほど歩くと、更に人の気配の無い場所へとやってきていた。流石のリンも不安感を覚え、怯えた声でゼルダへと声をかける。
「あ、あの……本当にこんなところにあるんですか?」
「………。」
 彼女の声を聞いても、ゼルダは返答しようとはしなかった。しかし、これ以上引き延ばせば彼女が逃げ出してしまう事も
考えられる。ゼルダはこの辺りで誘導に見切りをつけた。
(ここら辺でいいか……。)
 ゼルダはぴたりと歩みを止めると、背後のリンへと振り返った。リンは彼女が道を間違えたのかと思ったが、そうでは無かった。
何故なら、彼女の口から発せられた言葉は彼女の想像の域を脱していたから。
「ねぇ、リン。あなた…女って好き?」
「えっ?ど、どういう…。」
 突如かけられた言葉に、リンは驚きを隠せなかった。彼女の言っている意味が分からない。ゼルダははにかむ彼女の肩に
両手を回すと、顔と身体をぐっと近づけた。ゼルダの薔薇のような香りが、リンの鼻腔に吸い込まれる。もう少しで唇が
触れ合ってしまう距離にゼルダの顔があった。彼女の行動に、リンの鼓動は自然に早くなってしまっている。
「私は好きよ…。特に、あなたみたいな可愛い女の子が…。」
「ゼ、ゼルダさん…?そ、そんな…ダメ!ダメです!」
「んっ……。」
「んくうっ!?」
 ゼルダは右手でリンの頭を持ち、左腕で華奢な身体を抱きかかえると、彼女の唇へと口を押し付けた。リンは首を振って
逃れようとするが、女性とは思えぬ力で抑えつけられ、口元を蹂躙されていく。女に乱暴に唇を奪われた事で、彼女の脳内は
考えをまとめるのに必死になっていた。
(な、なんで…。なんで私ゼルダさんとキスして…。あぁ、柔らかい…。それになんて優しいの…。
でも、でも私達女同士なのに…。こんな…こんな…。)
 頭では否定しようとしても、ゼルダの口付けはリンの官能を刺激し、その表情を蕩けさせていった。彼女はリンの口内はおろか、
歯列をも舐めまわすと、自分の唾液を流し込む。これが人のものなのかと驚くほどのその甘ったるい膵液は、徐々にリンの
口内を満たしていく。興奮のあまり身体をかくかくと震わせながら、リンが甘い声をあげた。
「くあぁっ…あぁ…ふあぁ…。わ、私がぁ…ゼ、ゼルダとキスしてる…。女の子同士なのにぃ…。あぁん…くうぅ…。」
「フフ…すっごくドキドキしてるのが分かるわ…。ぷるぷると震えちゃって…可愛い。女とのキスは初めてだった?
それとも…キス自体が初めてだったりして…。」
「あ…あの……その…。」
「あなたの口、もっと味わいたいわ…。さぁ、舌を出して…。」
「あぁ、そんな…はむぅ…。」
 ゼルダは再び、吸いつくほどにしっとりとしたリンの唇に唇を重ねる。繰り返し何度も何度も唇を押しつけると、彼女は
気持ちよさそうな表情へと変わっていく。緑色の瞳には涙が浮かび、ウルウルとその瞳を潤ませた。それが感動から来るものなのか、
悲しみから来るものなのか。そう問われれば、答えを出すのは簡単だった。
 最初は抵抗していたリンも、次第に両の腕に込める力を緩めていく。すると、ゼルダは口を合わせたまま胸をリンの乳房へと
押し付ける。ゼルダのふくよかなバストがまだ膨らみかけのリンの乳房に当たり、乳首同士がこすれる。胸全体に電気が
走るような感覚がして、リンは両目をつぶった。その仕草に、ゼルダの官能は激しく燃えあがった。リンの口の中で
寝ている舌に自分の舌を絡め、動くように催促をする。果たしてリンはこの無言の催促に応じた。自らも舌を伸ばし、
口の外で二人の舌が交錯し合う。舌を絡めては口をつけ、口を離しては舌を絡める。リンもゼルダと同様に相手の身体を強く抱きしめ、
この行為を心から楽しんでいた。
「はぁっ…はぁっ…ゼルダ…ゼルダぁぁ…。キスが…キスがこんなに気持ちいなんて…。はぁ…はぁ…何この感じ……身体の奥がきゅんとして…。」
「私のキスで感じてくれているのね…。嬉しい。嬉しいわ…。私もこんなに可愛いあなたとキスが出来るなんて、本当に幸せ…。
イカせてあげる…。キスだけでイカせてあげるわ…。」
 ゼルダはドロドロになったリンの口元に唇を合わせ、強く吸い上げた。自分とリンの膵液が混ざり合った甘酸っぱい液体が、
自分の口内を通り食道へと送られていく。甘えるように鼻を鳴らすリンをきつく抱きしめ、ゼルダは更にキスを続ける。
 リンの歯列が上下に開き、ゼルダの舌を抵抗することなく口内へと受け入れた。多量の唾液で濡れ濡れになっているリンの
口の中で、ゼルダは舌先を暴れさせる。リンは快感のため頬を染め、ゼルダの舌に舌先を絡みつかせた。重なり合うお互いの
ピンク色の唇からはトロトロと膵液が溢れ、二人の胸元を濡らしていく。ゼルダは唾液でベトベトになった胸を擦り合せる事も忘れなかった。
 リンはとても興奮した様子でゼルダの唇に己を押し付け、今度は自分から膵液をすする。ゼルダはリンの美しい新緑の髪を
なでながら、彼女の愛撫に対抗するように舌ごと口内を吸い上げた。リンは快楽に身体をヒクヒクと震わせながら、舌を更に
激しく絡みつける。じゅるじゅると下品な音を立てながら、二人は互いの口内を強く吸引しあっていた。
(んふうぅっ!気持ち…気持ちいぃ!ゼルダさんのキス、凄いぃぃ!!このままじゃ本当に……本当にイっちゃう!!)
 リンの身体の震えは更に激しさを増す。組みついたままのゼルダも、彼女の絶頂が近い事を悟っていた。ゼルダはすっかり熱の
帯びた彼女の唇にぴったりと口を押し付け、口に溜まった唾液を注ぎ込む。そしてリンも与えられた膵液をゴクゴクと飲み干していった。
(あぁ…もう、アソコが…アソコがぁ…。アソコが熱いぃッ!イク!イクイクイクッ!!ゼルダにキスされただけでイクぅ!!もう、もうダメェ!!)
 リンはゼルダの口にぴったりと唇を合わせたまま、がくがくと身体を震わせた。目をつぶって必死に快感に耐えようとするが、
絶頂が終わるその時までゼルダは舌の動きを止める事は無かった。彼女はしばらくリンの唇の感触を堪能すると、やっと唇を離す。
二人の口元の間には粘液のアーチがかけられ、間もなくぷつりと真ん中で切れて崩壊していった。リンはうっとりとした表情で
ゼルダを見つめ、ゼルダもまた同じような淫らな顔で彼女の顔を覗き込んだ。
「イっちゃったのね…。どう?キスだけでイカされた感想は…。」
「はひぃ…ふぅ…ふあぁ…。気持ち…気持ち良かったぁ…。凄いよ…。ゼルダのキス、凄すぎるぅ…。」
 リンは瞳に歓喜の涙を浮かべ、ぎゅっとゼルダの身体を抱きしめる。ゼルダは両手を彼女の尻に添えると、その柔らかな弾力の
肉を揉みまわした。絶頂に至ったばかりで敏感になっているのか、彼女はビクビクと身体を震わし、甘い声をあげる。
「あぁん!お尻…お尻そんなに触らないで!い、いやぁ…私、こんなにはしたない女じゃないのに……。
ゼルダに…ゼルダにもっとして欲しいだなんて思っちゃうよ…。」
 リンは認めたくないというような弱弱しい声でうつむく。ゼルダはさも計画通りといった邪な笑みを浮かべると、
彼女の頭を撫でまわしながら言う。
「可愛い…可愛すぎるよリン…。私も…もっともっとあなたの身体を味わいたい…。口だけじゃない。お尻も、アソコもこの舌で舐めまわしたい…。」
「ゼルダぁ…。ダメェ、私どんどんエッチな気分になっちゃう…。くうぅ…胸が…胸が苦しい…。ゼルダの事…ゼルダの事好きになっちゃったの…?」
 リンは顔をあげると、両の頬真っ赤に染めた。ゼルダの顔を見ていると、胸が締め付けられるような思いになる。この感じは
以前にも体験した事がある。あの人に恋をした時と、同じ感覚。
「ねぇ、リン。この後は私の部屋で楽しまない?こんなところじゃなくてさ…。」
「………。」
 リンは黙ったまま、こくりと頷いた。彼女の意思を確認したゼルダは、右手で魔法呪の印を作る。フロルの風と言う名の、
高等移動魔法。薄暗い裏路地に女人の残り香を残し、二人の女はその場から消え去った。

 

 

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2008年05月08日(木) 00:37:44 Modified by smer




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