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作者:じん

あらすじ

第一章
8月14日、引き篭もりの青年 如月伸太郎は、パソコンに居ついている電脳少女・エネのいたずらのせいでマウスとキーボードにコーラをかけて故障させてしまい、換えの品を購入するために止むを得ずエネと共に2年ぶりに外出するが、買い物に行った先のデパートで立て篭もり事件に巻き込まれ人質となってしまう。人質なった彼は、エネを使いコンピューターをハッキングしてシャッターを開こうと考える。すると隣にいた猫目の少年(後述するカノの事)が「もう少しで隙ができる」と言い、直後テロリスト達が混乱し始める。その隙を突きシンタローはエネをコンピューター室にハッキングさせ、シャッターを開かせるがその直後シンタローは銃声を聞き、意識が途絶えてしまう。 翌朝、シンタローはメカクシ団という奇妙な団体のアジトで目覚める。 そこには妹であるモモの姿があり、事件の顛末(てんまつ)を聞かされる事になる。シンタローの妹で人気アイドルの如月桃(きさらぎ もも)は、ファンの人込みから逃れた先でメカクシ団の団長・木戸つぼみ(きど つぼみ)に出会いアジトに連れて行かれる。メカクシ団は目にまつわる能力を持つ人達の集まりで、間違いで連れて来られたものの自身の持つ「目を奪う」能力に苦しんできたモモは、能力の制御を身に着けるためメカクシ団に加わることを決意する。メカクシ団の少女・小桜茉莉(こざくら まり)の不注意によりモモの携帯電話が故障したため、キドの「目を隠す」能力によって姿を隠してメカクシ団全員で向かったデパートで、「たまたま」外出していたシンタロー、そして事件に遭遇する。 そして、モモは作戦を計画、提案、実行し、事件を収束させた。

第二章
3年前、とある高校の学校祭準備期間。ある病気が理由で特別学級に所属する榎本貴音とそのクラスメイト 九ノ瀬遥は担任 楯山研次朗の見栄により学校祭に出店するはめになる。学校祭の出し物について話し合うも、学校から割り当てられた資金は担任が私物購入のため既に使用してしまっていた。八方塞がりの中で貴音は、シューティングゲームを制作することを思いつく。貴音は研次郎にゲームの制作を指示。ゲームは遥によって「ヘッドフォンアクター」と名付けられた。対戦形式で貴音が参加者を相手する、という事を危惧する遥。 実は貴音は遥に秘密にしている特技があった。それはネットシューティングゲームでー閃光の舞姫エネーとして全国2位の腕を持っていた事。 最初は勝っていた貴音だったが文化祭終盤で如月伸太郎に敗北。文化祭の出し物の中でMVPに選ばれた。隠したかった事(中二病をこじらしたアカウント名等々)は遥にバレてしまうも、思い出に残る文化祭になった。1年後の8/15日ー(すなわち2年前の8/15日) 貴音は成績の、遥は出席日数の問題で補習にかかる。 先にプリントを終わらせた遥はネットゲームを始めるが、貴音は構って貰いたくてヘッドフォンで音楽を聞き始める。その結果、遥が発作を起こした事を気付けずに倒れた遥は、病院に運ばれる。病院に運ばれた遥の荷物を取りに行く貴音は学園祭以来の後輩である友人、アヤノに「自分の気持ちに素直になって下さい」と言われる。自分の気持ちに気付いた貴音は遥のいる病院に急ぐが発作により倒れてしまう。

第三章
都会から遠く離れた田舎町。クラスのアイドル・朝比奈日和と、彼女をこよなく愛する「一流アサヒナー」の少年・雨宮響也。ヒビヤが落とした定期入れを偶然拾ったヒヨリは、ヒビヤがタッチパネル式の携帯を欲しがっていることを知り、義兄であるケンジロウからアイドル・モモのサインを貰うため、ヒビヤの望みを叶えることを条件に彼を付き人として連れ都会へ行く。かつてヒヨリの姉が住んでいた家には白髪の青年・コノハが住んでおり、到着した二人を出迎える。メカクシ団が関わった一連の事件のせいでヒビヤの携帯を買うことは延期になり、その翌日に向かったヒヨリの姉 楯山彩花の墓参りで、先に楯山家の墓に訪れていた少年 鹿野修哉と出会う。その帰り、赤い目をした猫を追いかけて公園に行くも、二人を捜してやってきたコノハから逃げ出したヒヨリと、彼女を追いかけたヒビヤがトラックにはねられ、「カゲロウデイズ」に引き込まれる。カゲロウデイズから抜け出したコノハとヒビヤを追いかけてきたメカクシ団は、ヒビヤの能力や能力取得のきっかけである「大きな口」の存在、モモの能力の制御など大きな進歩をする。その矢先メカクシ団最後の作戦となる「カゲロウデイズ攻略作戦」が始まる。

第四章
遠い昔、あるメデューサ・アザミが人間に襲われ、失望、森に引きこもる。アザミはそこで出会った少年兵・ツキヒコと恋に落ち、やがて一緒に暮らすようになる。しかし、人間であるツキヒコが少しづつ歳を取り続けていることに怯え、永遠に一緒にいられる「終わらない世界」(「カゲロウデイズ」)を創る。一方、現代編では、モモとヒビヤがヒヨリを探しに出かけていた頃、アジトに残っていたシンタロー、キド、マリー、コノハは能力に関する手がかりを探すためにマリーの生家に向かった。深い森の奥にある古い家に辿り着いた一行は、そこであるメデューサの綴った一冊の日記を発見し、「カゲロウデイズ」が創られた理由を知る。キドはアジトに帰った後「カゲロウデイズ攻略作戦」を宣言する。

第五章
前作から存在感を強めてきたミステリアスな団員カノの昔話。カノはエネに元の身体に案内すると言う。 信じてくれないエネにカノは「身の上話をするから飽きたらどっかに行って構わない」と言って話を始める10年前、鹿野修哉は、母親をいつも怒らせてしまう自分を「不良品」と感じ始めていた。ある日、誤ってカップを割ってしまって母親に怒られ、代わりのカップを買いに出掛けた。(この際アヤノと出会っている)。帰ってくると家には強盗が押し入っていて、母親とカノはその強盗によって包丁で刺される。そして、カノの目の前で母親は死亡する(この時、蛇と対話、目を欺く能力を得る)。事件から2ヶ月が経過し、カノは親戚の家に引き取られ、静かに生活しようと心掛けていた。そんなある日、カノは母親が刺された物と同種のナイフを見つけ、母親のことを思い浮かべていると、自分の顔が母親に変わっていた。その瞬間を親戚であるおばさんに見られ、「カノの母の幽霊が出た」と警察沙汰になりかける。幸い能力の事はバレなかったが、「幽霊が出るのはカノのせい」と、カノは児童養護施設に預けられた。児童養護施設でカノに割り当てられた107号室には、偶に姿が認識されなくなる木戸つぼみと他人の心の中を読み取る力を持つ瀬戸幸助がいた。互いに衝突しつつも、次第に3人は信頼を寄せあっていく。カノ、キド、セトと3人はある日、楯山家に引き取られる(この時、キドとカノは喧嘩中だった)。楯山家の母親 楯山彩花、父親٠楯山研二郎、その娘 楯山文乃との生活は3人にとって幸せなものであった。7年後、そんな幸せな日は長くは続かず、アヤカとケンジロウの乗った車は『化け物』の調査中に土砂崩れに巻き込まれる。ケンジロウは助かったが、アヤカは助からなかった。半年後、アヤノはケンジロウの異変、冴える蛇の企みに気付き、カノに公園で相談する。(カノはアヤノに協力するため一時期アヤノに欺いて学校に通っていた)アヤノは「冴える蛇と話をしてくる」と言って、冴えるの企みを阻止するため、カノの目の前で飛び降り自殺する(表向き、冴える蛇はケンジロウの「アヤカに会いたい」という願いを叶えるため教え子を実験台として使い「目」の能力者を全て集め、殺そうとしている)。アヤノの自殺の直後、「目」の能力者を全て集めれなくなった冴える蛇は「アヤノによって計画は破綻したが、ならば新しくやり直せばいい」と新たな計画の存在をカノにほのめかす。 カノは冴える蛇によってアヤノの死体に欺き、そこから帰る途中アヤノの姿のままシンタローに暴言を吐いてしまう(この事がシンタローが引きこもってしまう原因になっている)。以上の事を冴える蛇に脅されて キドやセトにも言えなかった様子。またヒビヤたちがカゲロウデイズに接触することを知っていた模様。全てを話し終えたカノに(エネは身体に戻ったと思われる)セトが現れる。重圧に耐え切れなくなったカノがセトに心情を吐露し始め、セトはカノの思考を読み取る。 最後はカノが皆に全てを打ち明ける事を決意する。  

第六章
何もない真っ白で広大な部屋に立っていたシンタロー。彼にはメカクシ団に会ってからの記憶が無く、突然の事態に混乱していた。そこに2年前に亡くなった筈のかつての先輩であった遥が現れる。遥は、「謝らなければならない」と、前置きをして自分の身の上話をし始める。3年前、遥はクラスメートである榎本 貴音と学園祭で射的ゲームを出すため、楯山家に1週間ほど住み込みをし始める。遥はそこでアヤノという少女に出会う。遥はアヤノに「この家で不思議な事があっても気にしないで欲しい」と言われる。その言葉通り遥は姿の消える少女を目撃したり、もう1人のアヤノ(カノが化けていた)に「自分(アヤノの事)をイヤらしい目で見るな!」と約束させられたりした。セトの話によりケンジロウの奥さんが亡くなった事を初めて知ったあたり、学校では何も言っていなかった様子。 学園祭当日、遥はシンタローを連れたアヤノと出会い、エネこと貴音とシンタローの対戦を見てゲームに憧れる。景品を持ってシンタローに渡し、ゲームについて教えてもらう。 約2ヶ月後、遥はシンタローとゲームする仲となる。その後、モモがゲームのイベントに出演(実際は声の出演だったが)すると聞いたシンタローと遥はイベントに参加するが、イベント開催者に迷惑をかけてしまったシンタローにモモは「もうお兄ちゃんと呼ばない。」と言われる。モモの好きなキャラクターの景品を得るためにゲーム大会に出場、たまたま出場していたエネ-アヤノ ペアと戦う。 8月15日、遥は発作を起こして倒れてしまう。倒れた遥は「もっと強い身体が欲しい」と願い、「目を醒ます」能力を得る。しかし、その強靭な身体に精神が弾き出されてしまい、その身体は別人格(コノハ)を生み出し元の世界に帰ってしまった。遥の話によってシンタローはアヤノが自殺してから2年間の記憶を粗方思い出すが、肝心な事(ここに来るまでの記憶)を思い出せないシンタローに遥は前置きした内容を話し出す。その瞬間、シンタローは全てを思い出しその話が遥にとって言い難い事であることに思い至る。 全てを思いだし、自分が「カゲロウデイズ」にいることを理解したシンタローに、遥はシンタローがコノハに殺された事を明かしカゲロウデイズを止めて欲しいと頼む。

第七章
キドは、父親の愛人であった自分の母を亡くし、父親と義母と義姉との4人で暮らしていた。ある日、父親が家に火をつけ火事になり、義姉と共に大きな口(カゲロウデイズ)に飲み込まれた。カゲロウデイズの中で閉じこもっていたアザミに会い、目を隠す能力を得たことを知る。一方、メカクシ団は、カゲロウデイズ攻略作戦を決行。敵のアジトに潜入する。

登場人物

【メカクシ団団員NO.1】
キド(木戸つぼみ)
楽曲:メカクシコード
能力:目を隠す
メカクシ団の団長。いつもイヤホンで音楽を聴いている。気性が強く一人称を「俺」と言うなど中性的な少女。また、個性的な団員の統制に四苦八苦する苦労人である。しかし、料理上手で、リンスを変えたりこっそりフリルのスカートを買ったりと、女の子らしい一面もある。また、お化け屋敷やジェットコースターなどに怯える怖がり屋。誕生日は1月2日。物語の舞台は8月のため、カノと同級生ではあるが16歳。カノ、セトとは同じ孤児院出身で、共に楯山夫妻に引き取られた。元は素封家の次女だったが、愛人の子であったために浮いており、常に消えたいという願望を抱いていた。父親の会社が倒産したことで、父がヤケを起こして家に火を放ち一家心中を計ったことで死亡。その時に姉と共に「カゲロウデイズ」に接触し、自身や一定距離内のものの存在感を薄める「目を隠す」能力を手に入れた。能力中に対象者が大声を出しても気付かれることはないが、人にぶつかったり触れたりすると存在を認識されてしまう。以前、貴音の学校の文化祭で貴音と殺戮シューティングゲーム「ヘッドフォンアクター」で勝負した。元は一人称は「私」で女の子らしい少女だったが、アヤノが自殺した後にもっと強くならなくてはならないと思い、団長の座を継いで現在の男らしい口調に変わった。義父ケンジロウのことは全く知らされておらず、カノに押し切られる形で楯山家を出た時もひとり残されることになる父のことを心配していた。お調子者のカノには、よく手厳しいツッコミを入れるが、漫画のアナザーストーリーでは、黒コノハに銃殺されたカノのもとに、涙ながらに駆け寄るといった面を見せている。

【メカクシ団団員NO.4】
マリー(小桜茉莉)
楽曲:空想フォレスト/マリーの架空世界/群青レイン
能力:目を合わせる
メデューサと人間のクォーターの少女。白い肌、白い長い髪に桃色の瞳と、青と白のエプロンドレスが特徴。外に出かけるときはセトから貰ったパーカー(バラの刺繍入り)と幼少期着ていた服からリメイクした桃色のリボンを着けている。目を合わせた相手の動きを止める「目を合わせる」能力を持ち、童話のヒロインのような外見とは裏腹に年齢は140歳以上である。メデューサは本来相手を石にする力を持つが、メデューサの血を1/4しか持たないマリーは、相手の動きを一定時間止めるのが限界である。非常に純粋だが臆病で引っ込み思案な性格で、よくドジを踏むためカノから度々弄られている。体力もシンタローより乏しい。反面、手芸が得意。カノ曰く「引っ込み思案の究極系」。かつては母・シオンと共に森でひっそりと暮らしていたが、ある年の8月15日に言いつけを破り外で遊んでいたところ、人間に見つかり暴行される。シオンはマリーを助けるために人間を石にしようとするも、間に合わずにマリーは撲殺され、力の反動でシオンも死亡してしまう。その際に祖母のアザミにシオンと共に「カゲロウデイズ」に引き込まれ、アザミに失った命の代わりにメデューサの力の核にして全ての蛇(能力)を統括する「目を合体させる」蛇を与えられ、メデューサの力を手に入れて蘇った。音楽編PVでは上述の話がやや異なる経緯で描かれている。小説版では「目を合体させる」能力を手に入れた際の記憶を失い、母親は人間に襲われた際にどこかへ連れて行かれたと思い込んでいる。「目が冴える蛇」の陰謀と、メカクシ団とずっと一緒にいたいという思いから、現実世界を「カゲロウデイズ」化させてしまっている。読書が趣味。苦手なものは蜂。セトとは彼がメカクシ団に誘ってくれたことから、仲が良い。

【メカクシ団団員NO.5】
モモ(如月桃)
楽曲:如月アテンション/オツキミリサイタル
能力:目を奪う
シンタローの妹で、高校1年生の人気アイドル。ケンジロウの生徒。エネとも顔見知りである。明るく世話好きな性格だが、メカクシ団に入る前は人一倍目立ってしまう特異体質ゆえに周囲から疎まれやすく、友達もいなかった。誕生日は2月14日。15歳。幼い頃、父と海難事故に遭って溺死した際、「カゲロウデイズ」に接触したことで、自分自身や自分の作ったものが人の目を惹きつける「目を奪う」能力を身につけた。しかし制御できておらず、常に理由も理屈も関係なく目立ってしまうことから、当人はそれを疎ましく感じており、能力を抑えるために偶然出会ったメカクシ団に加わる。アニメ最終話では完全にコントロールできるようになっていた。兄のシンタローと違い、学力は壊滅的でファッションセンスと味覚もどこかずれている。反面、絵は上手く、能力もあって何度も入賞していた模様。かつては優秀過ぎる兄に劣等感を抱いており、目立ちたいと思っていた。好物はあたりめと炭酸入りおしるこ。

【メカクシ団団員NO.6】
エネ(榎本貴音)
楽曲:人造エネミー/ヘッドフォンアクター/エネの電脳紀行/夕景イエスタデイ
能力:目を覚ます
シンタローのパソコンに居つく電脳体の少女。青髪のツインテールとノイズの様に欠けた足が特徴。天真爛漫で悪戯好き。大体の電子機器へ移動することが可能で、ハッキングが得意。シンタローを「ご主人」と呼ぶが、実際は彼に悪戯をして楽しんでおり、業を煮やしたシンタローが何度もデリートを試みるもネット上から復元され、失敗に終わっている。元は「榎本貴音」という名の生身の人間で、シンタローとアヤノより1年先輩。19歳。電脳体になる前は両親は海外で仕事をしていたため祖母と二人暮らし。当時は突然意識を失う病気による眠気や学校のことで常に苛立っていたため、目つきが悪く性格も捻くれていた。上述の理由で養護学級に通っており、教室は理科準備室にある。遥(後のコノハ)は唯一のクラスメイトで、無自覚に好意を抱いていた。愛用しているヘッドフォンは祖母が誕生日に贈ったものである。好物はブリ大根、嫌いな物はトマト。オンラインFPS「DEAD BULLET -1989-」のヘヴィプレイヤーであり、全国2位の腕前を持つ。ゲーム上では「閃光の舞姫・エネ」を名乗り、独自のプレイスタイルに「夢幻円舞-ホーリィナイトメア-」と名付け、「閃光の輪舞-エターナルロンド-」というグループを作っていた。高校2年生の時、ケンジロウの実験により薬品を投与されて死亡し「カゲロウデイズ」に干渉。肉体と精神を切り離され消滅しかけるも、「目を覚ます」能力を得て不老不死の精神を身につけ、思念だけが電子化して残った。それによって睡眠欲が無くなったため、常に躁状態になった。エネとしての容姿は、学園祭の出し物として担任が作ったゲーム「ヘッドフォンアクター」のラスボス「貴音2号」がモデル。シンタローとは文化祭の時に知り合い、当時彼とは不仲で嫌な思いをさせられていた。シンタローへの嫌がらせは、当時の仕返しによるものだが、アヤノの影響もあって、彼を気に掛けたり精神的に支えようとしたりすることもある。自分の正体は、シンタローや周りの人間には隠しているが、コノハと対面した当初は2年ぶりの再会に心を躍らせて話しかけていた。だが、コノハが遥としての記憶を失っていることを知った際は彼を「ニセモノさん」と呼んで憤慨し、勢い余って元の口調に戻っていた。冴える蛇を倒すため、カノの助力で元の体に戻った。

【メカクシ団団員NO.0】
アヤノ(楯山文乃)
楽曲:透明アンサー/アヤノの幸福理論/ロスタイムメモリー
能力:目をかける
ケンジロウの娘で、シンタローとは中学からの同級生。真夏でもいつも赤いマフラーをしている。いつも笑顔で、明るく優しい少女だったが、高校1年生の時に自殺してしまった。誕生日は11月22日。17歳。中学時代ではテストでは満点を取ってしまい、変化の無い日々に飽き飽きしていたシンタローに積極的に話しかけて仲良くなる。シンタローと違い、テストの成績はかなり低かった。中学3年の頃に、ケンジロウの勤務する高校の文化祭で父の教え子の貴音と知り合い、後に入学し遥も含めて先輩と後輩の間柄になる。メカクシ団の最初の団長。孤児として楯山夫妻に引き取られたキド、セト、カノに何かと世話を焼き、3人の姉のような存在だった。明るくも怒ると母同様かなり怖かったようで、キドは彼女を強い人だったと語っている。母・アヤカが死んでから、父・ケンジロウの様子がおかしくなったことに気付き、父のことを調べていくうちに家族や教え子をも犠牲にする「目が冴える蛇」の計画に気付いてしまう。弟妹たちや先輩たちが殺されるのを防ぐため、自ら「カゲロウデイズ」に接触し能力のひとつを所持したまま「カゲロウデイズ」に留まり、全ての蛇を現実世界に出させなくすることでその計画を破綻させようとする。そして高校1年の夏に屋上から投身自殺し、「カゲロウデイズ」との接触して相手に思いを伝える「目をかける」能力を得たが、実はアヤノの自殺こそが「目が冴える蛇」の本当の目的であった。

関連人物
シオン(小桜紫苑)
楽曲:群青レイン
能力:目を合わせる
マリーの母でありアザミの娘、メデューサと人間のハーフ。父・ツキヒコと共に母の帰りを待ち続け、やがて父親が亡くなった後に人間の男性と恋に落ち、マリーを生んだ。両親に惜しみない愛情を注がれて育ち、娘のマリーにも惜しみない愛情を持って育てており、マリーがいつか外に出て世界を好きになることを、誰かを愛することを切に願っていた。人間に襲われた際、マリーを守るために人間を石にする能力を使い、反動で命を落とす。その時 娘と共に「カゲロウデイズ」に引き込まれ、母・アザミと再会。蘇るために「目を合体させる」蛇を与えられるが、その能力を娘に譲り、マリーだけを現実世界に戻した。

アザミ(薊)
楽曲:シニガミレコード/カゲロウデイズ/ロスタイムメモリー
能力:目を合体させる
数多の蛇(能力)を生み出したメデューサの女性。シオンの母親でマリーの祖母にあたる。あらゆる生命が誕生する以前の暗い場所で自我が生まれ、変化し続ける世界に興味を抱く。その姿は生物とは程遠い黒い塊のような存在だったが、ある時人間に襲われたことを境に人間の少女のような外見に変化した。その後は自らが作り出した能力を駆使して生活しており、睡眠も食事も必要とせず不老不死に近いが、身体能力は非常に低く幼児にも負けると自負している。「人間なんてすぐに死んじゃう」と呆れていたが、人間の青年・ツキヒコと恋に落ち、家族を作る。人間の寿命の短さからまた独りきりになることを恐れ、全ての蛇の力を使い「カゲロウデイズ」と呼ばれる一つの「終わらないセカイ」を創り、家族と共に過ごそうとしていた。しかし、その直後にツキヒコがメデューサに捕らわれていると思い込んだ人間たちの襲撃を受け、自分は人間を不幸にする存在であると思い、家族を置いて「終わらない世界」に引きこもった。その後、ある年の8月15日に人間に殺された娘のシオンと孫のマリーを「カゲロウデイズ」に引き込み、マリーに命の代わりにメデューサの力の核にして全ての蛇(能力)を統括する「目を合体させる」蛇を与えた。そのことで「カゲロウデイズ」を統括できなくなり、「8月15日に死んだ命を引き込む」という指示を撤回できず、「カゲロウデイズ」は未だにその指示を実行し続けてしまっている。

用語

カゲロウデイズ
アザミが創り上げた「終わらない世界」。8月15日を繰り返している。基本的には8月15日に2つの生命が共に死亡することで、この世界に接触することができる。これはかつて8月15日に死亡したシオンとマリーを引き込んだこと、それ以来アザミがその指示を撤回できなくなってしまったのが原因。迷い込んだ2人の内、8月15日を繰り返す中で選ばれた片方が現実世界に戻り、アザミの「蛇」に憑依され目に関する特殊能力を身に付けている。該当者は、蛇の口に飲み込まれて別の世界に行ったことは覚えているが、「カゲロウデイズ」の中での記憶は失われている(ヒビヤやケンジロウといった例外もいる)。反対にもう片方は遺体すら現実世界に戻らず、行方不明のままになる。ほとんどの者は「カゲロウデイズ」に接触することで能力を得ているが、エネとコノハだけは干渉することで能力を得ている。「カゲロウデイズ」という名前はキドが命名したが、それよりも前にケンジロウも同じ名称で呼んでいる。

ヘッドフォンアクター
文化祭の出し物として、貴音のアイデアを基にケンジロウがプログラミングを、遥がイラストを手がけ完成させた2プレイヤー形式のシューティングゲーム。遥の画力により、貴音たちの住む街を模写したようなステージになっている。景品はケンジロウが出し物の予算を使い込んで購入した珍海魚の標本。名称は、ヘッドフォンを着けたラスボス(モデルは貴音でカラーリングは青)が敵モンスターとして登場するぬいぐるみを操っていることから命名された。

メカクシ団
アヤノがキド、セト、カノと共に設立した団体。命名はカノ。元はアヤノが楯山夫妻に引き取られたがなかなか笑顔を見せないキド、セト、カノを元気づけるために、「秘密組織」「ヒーローごっこ」に見立てて始めたものだった。アヤノが自殺した後、カノが押し切る形で三人は楯山家から出ていき、セトが以前から親交があったマリーを迎えて4人で「メカクシ団」として共同生活を送るようになった。初代団長はアヤノで、アヤノが自殺した後はキドが団長になった。カノ曰く、能力を用いて警察の目を盗む、ヤバイ施設からいろいろなものを拝借するなどの怪しい活動を行っている。倉庫あるいはシェルターのような建物にアジトを構えており、唯一存在するドアには「107」と番号が書かれている。107とはキド、カノ、セトが孤児院に居た時の部屋番号である。家事はほとんどキドが担当、生活費はセトのバイト代で賄っている。上記の活動内容は機密事項であり、それを知ってしまったモモ、エネ、シンタローはメカクシ団に入団することになる。作中における現在のメンバーはキド、セト、カノ、マリー、モモ、エネ、シンタロー、ヒビヤ、コノハの9名。

特殊能力(目の能力)
本項では、作中の世界観について説明。カゲロウデイズから現実世界に戻った際に身に付ける特殊能力。作中では、どれも目に関する能力で、能力を発揮すると瞳が赤く輝く。メデューサであるアザミの持つ蛇のひとつひとつに能力が宿っており、カゲロウデイズから脱出する時に蛇に憑依されることで能力を得ることができる。ほとんどの者は生前の「願望」に沿った蛇に憑依されている。メデューサの血族が元々持つ「合わせる」を除けば能力は全部で「隠す」「欺く」「盗む」「奪う」「凝らす」「覚ます」「醒ます」「冴える」「かける」「焼き付ける」の10種類。アザミが残した日記には、10種類全ての名称が記載されており、「覚ます」と「醒ます」以外の能力の詳細も書かれている。また、アザミはかつて全ての蛇を統率する「合体させる」を持っていたが、現在はマリーに宿っている。目の能力を持っている人物は宿った蛇に生かされている状態で、その蛇を抜かれると死んでしまう。10の蛇全てが女王であるマリーに宿ると「カゲロウデイズ」を開くことができ、「カゲロウデイズ」に閉じ込められた蛇の力を持たなかった者たちと会うことができる。

目を隠す
キド
自分や一定の範囲内にいる対象者の存在感を極限まで薄くし、周囲から認識されないようにする事ができる。能力を緩めると、顔も覚えていない他人くらいの認識で認知される。ただし 能力の範囲外の人間と接触すると能力が解除され、能力を使う時に相手が目を離していないと、能力を使ってもその相手には姿が見えたままになる。また長い時を一緒に過ごした家族などには、能力を緩めてしまうと存在を認知されてしまう事がある。

目を盗む
セト
対象者の情報を読み取る事ができる。これによって動物との会話も可能で、対象者の心を読む事もできる。能力が僅かに発動している時は相手の考えていることを読み取るが、強く発動していると相手の記憶や過去まで読み取ることができる。ただし 自分が読み取りたい情報だけを読む事はできないようで、知りたくもない人の心も分かってしまうため、セトだけでなくアザミもこの能力を好んで使いたがらない。

目を欺く
カノ
他人に自分の姿を違った姿に見せる事ができる。モモ曰く「騙し絵みたいな能力」。範囲が小さく自分自身にしか反映されないが、相手によって見せる姿を調整する事ができ、また自分自身ではなく完全に別の人物や生き物の姿を見せる事もできる。ただし、実際に対面したことがあり、尚かつ鮮明にイメージ出来る有機物のみに限られている。アザミは不明だが、カノは痛みを感じると能力が解除される。

目を合わせる
マリー、アザミ、シオン
目を合わせた相手を石に変える事ができる。メデューサの血が薄まるごとに力が弱くなっていき、ハーフであるシオンは相手を石にできるが、反動で命を落としてしまい、クォーターのマリーは一定時間経つと石化が解けてしまう。メデューサが生まれながらに持っている能力のため、アザミが生み出した「10の能力」にはカウントされていない。

目を奪う
モモ
「何を」「どうしたら」周りの視線を集められるのかが分かり、また相手の趣味や興味を全て無視して、強制的に視線や注目を集める事ができる。自分自身だけでなく自分が作ったもの等にも反映される。モモは上手く制御できておらず、能力が強くなるにつれ歩くだけでも目立ってしまっていたが、後に制御出来るようになった。「目を隠す能力」を使うと能力が打ち消される。アザミは逆に人の注目が一番集まらない場所を探すために使っていた。

目を覚ます
エネ
不老不死の精神を得る事ができる。この能力によって肉体を失い消滅しかけた貴音は、精神だけが電子化して残る事ができ、人並み以上の睡眠欲も消失している。また肉体を取り戻したあとも、電子機器が近くにあれば電脳世界に精神を飛ばす事ができる。アザミが寝ずとも良かったのはこの能力があったからだと思われる。アザミの日記に詳細が語られていなかった能力の一つ。

目に焼き付ける
シンタロー
人並み外れた記憶力を得ることができる。目が冴える蛇と同様に自我を持ち、果てしなく繰り返されてきた悲劇の記憶を継いでいる。この能力だけはアザミではなくマリーによって作られたため、アザミの「10の能力」には含まれない。

目を凝らす
ヒビヤ
千里眼に似た能力で、対象の居場所を探る事ができる。作中ではヒビヤは能力を得たばかりであるため、まだ上手く使いこなせていない。

目を醒ます
コノハ
自分の身体を自分の理想とする身体に造り変える事ができる。コノハこと遥の場合は自分が作ったアバターの姿になり、常人離れした身体能力を得る事ができた。また致命傷を負っても自動的に「造り直す」ことができる。アザミがまだメデューサではない頃、人間の襲撃と蛇に逢った際メデューサに変貌したのはこの能力があったからだと思われる。アザミの日記に詳細が語られていなかった能力の一つ。

目をかける
アヤノ
他人に感情や思いを伝えることが出来る、一種のテレパシー。また、自分だけではなく、他人の感情や思いを伝えることも可能。シオンが誕生した時に、アザミが抱いた家族への愛情から生まれた。

目が冴える
ケンジロウ
取り憑いた能力者の願いを叶える。自我を持ち、アザミにカゲロウデイズの創造をそそのかした張本人で、他のどの能力よりも創世に深く関わっている。願いがなければ自我を維持できず、かといって願いを叶えようとしなければ存在意義に反するため、ケンジロウの願いを利用しその願いを永遠のものとするため終わらない悲劇を引き起こしている。

目を合体させる
マリー、アザミ
「10の蛇」を統括するメデューサ本来の能力。現在はマリーが受け継いでおり、蘇ったマリーはこの蛇以外の能力は適合しなかった。アザミはこの能力を失ったため、「8月15日に死んだ命を引き込め」という指示を止められなくなってしまった。

雑記



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