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作者:ツカサ
イラスト:梱枝りこ
出版社:講談社 講談社ラノベ文庫

ドラゴンズ・エデン
スカーレット・イノセント
クリムゾン・カタストロフ
スピリット・ハウリング
ミドガルズ・カーニバル
エメラルド・テンペスト
ブラック・ネメシス
アメジスト・リバース
セルリアン・エンゲージ
インビジブル・サクセサー
プリズマティック・ガーデン
ダークネス・ディザスター
レインボウ・ピース

あらすじ

25年前、地球上に突如姿をみせたドラゴンと呼ばれる生物。動くだけで街を破壊するそれらは人々から「竜災」と呼ばれ、恐れられていた。やがて人間の中にドラゴンと同じ力を持つ"D"と呼ばれる少女が生まれるようになる。ここは日本からはるか南、赤道付近に位置する常夏の島。ミッドガルと呼ばれるこの島は、世界中から"D"の少女を集め管理し教育を行っている。そこに1枚の指令書と共にやってきた 物部悠、世界でもただ1人、男でありながらドラゴンの力を持つという珍しい"D"だった。元々いた部署から急きょ異動となった悠は、島へ到着して早々に学園生の少女、イリス・フレイアの裸を見てしまう。変質者の疑いをかけられた悠がイリスの誤解を解いていたところに、指令書を出した張本人で3年前に生き別れた妹 物部深月が姿を現す。そこで悠は深月の口からでた言葉に衝撃を受ける。「明日からこの学園に通ってもらいます」今までと全く異なる生活に戸惑いを隠せなかった悠だったが、深月やリーザ・ハイウォーカーたちブリュンヒルデ教室のメンバーの協力もあり、悠の学園生活は好調なスタートを切ったかと思われた。ところがミッドガルに突如"白"のリヴァイアサンが出現、イリスが見初められてしまう。はたして 悠は学園で最初に迎えた危機を乗り越えられるのか。

登場人物

ミッドガル
ブリュンヒルデ教室
ミッドガルの中でも実戦で最前線に立ち、ドラゴンを討伐する竜伐担当クラス。クラスのメンバーの歳はバラバラで、学年の縛りはない。
イリス・フレイア(Iris Freyja)
軍階級は二等兵。16歳。ブリュンヒルデ教室所属で出席番号は7番。基本的にドジっ娘だが明るく、元気な性格。海で泳いでいる時に水着を流されてしまい、その水着を探していたところに悠が現れたのが最初の出会い。当初は侵入者だと思い込み、信用していなかったが、誤解を解いていくうちに心を開いていき、今では悠に対して好意を抱いているが、ユグドラシルと彼の契約を知り、記憶を失う前の本当の彼が好きなのは深月であるからと、一歩身引いたりもしている。変換制御力が著しく低く、どんなものでも爆発させてしまう。このため最も頑丈で安定した物質のミスリル生成でさえも爆発により失敗させてしまうためクラスでは落ちこぼれと呼ばれているが、悠は逆にそれを才能と言い、発想を変え攻撃する方法を取得する架空武装には「双翼の杖(ケリュケイオン)」という魔法の杖をイメージしたものを使用する。しかし、他の娘達のように空中浮遊はできない。バジリスクの終末時間(カタストロフ)完全に継承し、架空武装を介さないで使うことが出来るがドラゴン化が進んでいってしまう。しかし、悠のつがいとなったことで同種のドラゴンになり、人間の姿に戻る。1年前にリヴァイアサンが引き起こした竜災によって家族を亡くしている。その時に自分が"D"であることを悟り、自らの意志でミッドガルにやってきた。

物部深月
軍階級は中佐。16歳。ブリュンヒルデ教室所属で出席番号は3番。ミッドガル学園の生徒会長であり、竜伐隊の隊長でもある。このため、学園内でもかなり人気が高いが、過去にドラゴン化した生徒1人を殺したという経歴がある。物部悠の妹であるため、学園でただ一人の男である悠が風紀を乱さぬように監視・管理をしている。その中には兄に対する独占欲のようなものもあり、他の女の子と一緒にいるとどことなく不機嫌になるところがある。架空武装「五閃の神弓(ブリューナグ)」の使用者。世界で唯一、クラーケンの能力であった反物質が使える。幼い頃に両親を亡くしており、隣に住んでいた物部家に養子として引き取られた。

リーザ・ハイウォーカー(Lisa Highwalker)
ブリュンヒルデ教室所属で出席番号は1番。16歳。クラスのリーダー的存在で誰よりもクラスメイトのことを気にかけている。また、クラスメイトのことを家族同然に見ているが、深月だけはなぜか素気ない態度をとってしまう。いわゆるツンデレ。架空武装「射抜く神槍(グングニル)」の使用者。近接攻撃では直接貫き、また雷撃による遠距離攻撃もできる。当初は男という理由で悠とは距離感を作っていたが、リヴァイアサン戦で勝利を収めたことで彼の見方を変えている。

フィリル・クレスト(Firill Crest)
ブリュンヒルデ教室所属で出席番号は2番。15歳。趣味は読書で、いつも何かしらの本を持ち歩いており、授業以外はほとんど本を読んでいる。架空武装「架空の魔書(ネクロノミコン)」の使用者。エルリア公国の王族であるクレスト家の娘。フレイズマル戦、フレスベルグ戦において自分を守ってくれた悠に対して好意を抱いており、ブリュンヒルデ教室のメンバーの中では一番積極的に悠にアプローチしている(公衆の面前で抱き付いたり、一緒にお風呂に入るなど)。

アリエラ・ルー(Ariella Lu)
ブリュンヒルデ教室所属で出席番号は5番。15歳。ボーイッシュでさっぱりとした性格の持ち主。思ったことをそのまま口にする癖がある。架空武装「牙の盾(アイギス)」の使用者。幼少時からドラゴンを憎み、子どものころから武道を身に着け戦闘訓練を積んでいたため、格闘技術は中々のもの。

レン・ミヤザワ(Ren Miyazawa)
ブリュンヒルデ教室所属で出席番号は6番。13歳。基本的に喋ることはなく、会話は小型の携帯端末を使用する。架空武装「粉砕する灼槌(ミヨルニル)」の使用者。常にパソコンを操作し、そのパソコンで会話する。しかし頭脳は天才の領域に達し学年を飛び級しているため、ブリュンヒルデ教室に在籍している。

ティア・ライトニング(Tear Lightning)
原作2巻から登場。ブリュンヒルデ教室所属で出席番号は9番。本来は初等教育を受ける年齢。架空武装「竜の紅翼(ティアマト)」の使用者。背中から翼を生やし、雷撃で攻撃する。バジリスクに見初められたDが居るという情報を得たニブルがバジリスクの進行方向にある街を虱潰しに捜索した際に保護され、ミッドガルに収容された。その前はドラゴン信奉者団体に崇められ育ったため、自分は人間ではなくドラゴンであると思い込んでいた。悠のお嫁さんと自称する。過去、とあるマフィア組織に上位元素で宝石を生み出すために捕まっていたところ、悠に助けられたことがあり、その恩義から好意を抱くようになった。キーリにより対ユグドラシルの切り札として、育てられ、ユグドラシル戦において中枢を乗っ取る事に成功。ティア・ライトニング・ユグドラシルとなり、ユグドラシルの力と記憶を持ち、本物のドラゴンの存在に辿り着く。

篠宮都
篠宮遥の妹。ブリュンヒルデ教室にかつて所属していた生徒で出席番号は4番。艶やかな黒髪を持っており、大和撫子という表現がしっくりくる。深月とほぼ同時期にミットガルへ転入してきた。深月とはルームメイトであり、深月が唯一敬語を使わずに話す仲でもあった程の親友。2年前クラーケンに見初められ、クラーケン化した。

教育者
篠宮遥
悠たちが所属しているクラスの担任。年齢は20歳前後。軍階級は大佐。ミッドガルの司令官であり、"D"関連の授業全てを受け持っている。かつて竜伐隊の隊長を務めており遥自身も"D"であったが、今は"D"としての力を失っている。シャルロット・B・ロードと血の契約を結んでおり、彼女の血を体内取り込んでおり、常人より高い回復能力を持つ。

シャルロット・B・ロード
ミッドガルの学園長。年齢は悠より年下のようだが、経験値は悠よりもはるかに多く、そのオーラは退役間近の古強者に似た落ち着きがある(年齢を聞くことは禁句となっており、実際に年齢を聞こうとした悠は「この学園長の部屋からは二度と出れなくなるぞ」と脅されている)。ミッドガルのことをハーレムと呼び、自分は男に興味がないと豪語している。さらに身体検査が早く終わった悠を、女子の身体検査を一緒に覗きにいかないかと提案するほどの女好き。その正体は"灰"のヴァンパイアと呼ばれるドラゴンとは異なった存在。2代目で先代は父親。

マイカ・スチュアート
シャルロットの専属秘書。シャルロットが暴走した際のストッパー役も兼ねている。すごい力の持ち主で、シャルロットを片手で持ち上げることができる。

その他
キーリ・スルト・ムスペルヘイム
女性で身長は160cmくらい、年齢や体重、国籍や家族構成は一切不明という曖昧な情報ばかりの人物。3年前からドラゴン信奉者団体「ムスペルの子ら」のリーダーとして活動している。関わったとされるテロ事件は300件を超え、推定殺害人数は少なく見積もっても10万人を超える。このため災害指定を受け、殲滅の対象となっている。ニブルでは「ドラゴンより多くの人間を殺した魔女」と呼ばれている。ヴリトラが上位元素から作り出した。そのため通常の"D"にはできない生体変換を可能とする(生物の体は細胞など非常に複雑なため、人間の脳ではその情報量を処理できない)。立川穂乃花としてミッドガルに侵入し、ティアを奪還しようと試みたが、失敗に終わった。

立川穂乃花
キーリがミッドガルに侵入する際に使った偽名。キーリ本人だが生体変換で身元を偽っていたため、簡単にミッドガルに侵入することができた。

ジャン・オルテンシアス
本名はジャンヌ・オルテンシア。スレイプニルの狙撃手。プラチナブロンドと全てを射抜くかのような金色の瞳が特徴。女性であるが、悠にだけはその事を隠している。スレイプニルの隊長だった頃から悠のことを尊敬しており、フレイズマルとの戦闘によって悠が殺されることを危惧し命令違反をしてでもキーリを殺そうとするほど悠への思い入れは強い。悠とフレイズマル戦でフレイズマルの中身を見てしまい、ロキに疑念を抱き、キーリと行動を共にすることになる。

紫音・ツヴァイ・篠宮
クラーケン・ツヴァイのこと。現在は悠のつがいとなったことで髪は紫色、外見年齢は小学校低学年くらいの少女の姿をしている。知能は高く、片言ではあるが既に日本語で会話をすることができる。ジャンヌと悠になついており、それぞれママ、パパと呼び慕っている。

マユミ
眼鏡をかけた、真面目そうな女の子。ミストルテインの降下作戦で、ティアが作った友達。グリムゲルデ教室所属。悠が学園で始めてあいさつされた子。

用語

"D"関連
"D"
ヴリトラが現れたのと同時期に現れた異能の子供たちの総称。"D"またはタイプ・ドラゴンと呼ばれる。ドラゴンと同じ、上位元素生成能力を備えており、何もないところから上位元素を生成し、任意の物質に変換することが出来る。この能力は経済的価値が高く、過去には"D"を取り合う戦争が起こったこともある。このことから国連は"D"をドラゴンの一種と断定し、国際機関アスガルが世界全体の資源として管理することを決めた。現在では"D"なくして産業は成り立たないとされ、ミッドガルからの供給がストップすると、すでに枯渇しかかっている資源の値段は一気に跳ね上がると言われている。また、世界中で竜災を引き起こすドラゴンを倒しうる可能性があるとされるのも、現在のところ"D"のみとされている。"D"の発生率はヴリトラが通過した場所ほど高くなる傾向があり、ヴリトラが最初に現れた日本では最も多くの"D"が生まれている。このため、ミッドガルにはアジア系の少女が比較的多い。ミッドガル内の公用語が日本語になっているのもこれが理由となっている。"D"には竜紋と呼ばれるあざが必ず存在する。上位元素生成量によって竜紋の大きさは異なる。ドラゴンに見初められた者の竜紋は変色する。竜紋が変色した"D"が見初めたドラゴンに接触すると、接触したドラゴンに変貌するということがクラーケン戦で確認されている。当時見初められた"D"がドラゴンに変化するということは判明していなかったため、ミッドガルの役割を根本から変えざるを得なくなるほど衝撃的なものとなった。

上位元素(ダークマター)
"D"のみが生成することのできる万能因子の総称。この世界におけるありとあらゆる物質や現象に変化することができる。最も応用範囲が広い物質転換は空気で、指向性や圧縮率を変換時に調整すれば、攻撃だけでなく防御や移動にも使用することができる。

上位元素理論
学者が立てた仮説の名称。上位元素はどんな物質でも現象でもなく、物理的な定義でいえば存在すらしていない物質となる。このため普通の人間には感覚すらないが"D"は感覚により理解することができる。このことから立てられた仮説が上位元素理論となる。上位元素は三次元世界において任意のものへ変換することができることから、一つ次元が上の物質であると考えられている。上位元素を四次元物質と仮定すると、存在を定義するために必要な軸は4本となる。4本目の軸が何であるかははっきりとはしていないが、生成者の意志によって在り方が変わることから精神に近い何かであるという説が有力となっている。

ミスリル
本作に登場する物質の一つ。上位元素を用いることでしか作ることができない。理論上は最も頑丈で安定した物質で、生成に失敗しても比重が異なったり近い金属に変換する程度となる。基本的な攻撃は全て防ぐことができるが、反物質だけは防ぐことができない。

災害指定
"D"の能力がマフィアやテロリストに使用されるのは珍しいことではないが、稀に"D"自らが率先して悪事を行うことがある。その"D"をマークするために行う行為が災害指定となる。災害指定された"D"は人間としての扱いを受けず殲滅対象となる。

ドラゴン
25年前、何の前触れもなく日本上空に出現した正体不明の巨大生物。移動するだけで甚大な被害をまき散らす(被害のことを本書では「竜災」と呼んでいる)。世界のどの国のニュース番組でも、ドラゴンたちが発生させる竜災とその被害予測に関する話題は最優先に報道されるほど影響と被害は大きい。何らかの役目を果たすために強大な権能を与えられた存在なのではないかと考えられている。

ブラック・ドラゴン/"黒"のヴリトラ
25年前に突如現れた1体目のドラゴン。上位元素生成能力を持っている。国際機関アスガルは、ブラック・ドラゴンが古代インドの聖典に登場する"宙を覆う者(ヴリトラ)"と同種である可能性が非常に高いと発表した(根拠は機密事項であるという理由で公開されていない)。以後、ブラック・ドラゴンは「"黒"のヴリトラ」と呼ばれるようになった。25年前に姿を消したきり行方不明となっていたが、天敵であるユグドラシルから身を隠すために日本の富士山麓に潜んでいた。ヘカトンケイルはヴリトラが姿を隠したまま活動するために上位元素を用いて作られた端末で、キーリはヴリトラとヘカトンケイルを繋ぐ中継点のため作られた。

ブルー・ドラゴン/"青"のヘカトンケイル
伝説上の巨人の名前が由来となっている。3年前に悠や深月が暮らしていた町を破壊しようとしたが、悠の力によって退けられた。幾度攻撃を受けても復元し、体全てを吹き飛ばされても復活することから「不死不滅(アンデッド)」の能力を持つと言われている。今では誰もがその行く手を阻むことを無意味であるといい、戦う力のある大国でさえも立ち向かうことはない。ヘカトンケイルから身を守るには進行方向上から避難し、やり過ごすことが最も賢明であると言われている。正体は、ヴリトラが上位元素で生み出した端末。不死身なのはそのため。

ホワイト・ドラゴン/"白"のリヴァイアサン
能力:万有斥力(アンチグラビティ)。
1年前にイリスたちが乗っていた船を襲い、イリス以外が全員死亡するという竜災を引き起こしている。また、1巻ではイリスを見初めたが、イリスがドラゴンに変化する前に討伐された。

グリーン・ドラゴン/"緑"のユグドラシル
樹木に酷似した外見をしているが、普通の植物と違い根のような足で移動することができる。更に植物に寄生することも可能。1年で20メートル近く成長するため、現在の体長は500メートル近くになる。ノルウェーの山岳地帯に出現し、デンマークとドイツの国境付近で動きを止めていた。ユグドラシルがドラゴンだと認定されたのは20年前。しかし 実際に地球上に現れたのはヴリトラが姿を消した直後であると主張する人もおり、具体的な出現時期についてははっきりとしていない(当時ノルウェーの地元民の間で"突然現れた大きな木"が噂になっており、リヴァイアサンが活動を開始するまで全く動かなかったという話があるが定かではない)。これまで3度大規模な攻撃が実行されているが、いずれも兵器の不調によって失敗に終わっている(ユグドラシルに近づいた戦車や航空機は例外なく異常をきたし、遠距離から放たれたミサイルは明後日の方向へ飛んで行った)。その際ユグドラシルの周辺では強力な磁場が観測されていたが、異常はコンピュータ制御の兵器だけでなく電気を動力とする全てのものに及んだ。このことからユグドラシルは電気を操っていると考えられている。自分以外の全てのドラゴンを殲滅することを望んでいる。利害が一致した悠に3年前から何度か武器の情報を与えているが、兵器とは別にコンピュータウイルスのようなものを送り込んでいた。また人間の脳内の電気信号を再現して、架空武装から生成された上位元素に干渉することもできる。長い間居座っていた場所に進行してきたヘカトンケイルと接触したことで1度は地球上から姿を消したが、今度は日本の富士山麓に出現した。ユグドラシルの正体は地球上に存在する全植物の中枢意識のようなもので、CPUのような役割を果たす。周辺の植物へ微弱な電気信号が発信されており、その信号によって周辺の植物を操る。周辺の植物間では高度な情報処理は行われていないことが観測されているため、意思をもって行動できるのは本体だけだと考えられている。ユグドラシルの意識は植物が形成するネットワーク上にあり、CPUを破壊しても別の植物が新たなCPUとなる。このためユグドラシルを倒すには地球上の全植物を消し去る必要があり、討伐は事実上不可能である。現在はティアの新たな力によってユグドラシルの中枢システムはハッキングされており、ティアを新たな中枢として認識している。

イエロー・ドラゴン/"黄"のフレスベルグ
能力:霊顕粒子(エーテルウインド)。フレスベルグという名前は神話にも登場し、魂を喰らう魔鳥であると語られている。神話の通り、魂を実体化して喰らうことができる。このため一部の研究者はフレスベルグの能力を未確認媒介粒子(エーテル)による魂の具現化であると仮定した。また、全身は光の衣に覆われているが、その光の衣はあらゆる干渉が効かないことから最も討伐が難しいドラゴンであるとされている。フレスベルクの身体は鳥の形をしているものの、輪郭が揺らいでおり確固たる形が無い。このことから深月はフレスベルグの身体は具現化した精神体であると仮定している。

レッド・ドラゴン/"赤"のバジリスク
長い間サハラ砂漠で眠りについていたためミッドガルによって討伐計画が練られていたが、2巻の際にティアを見初め活動を再開した。肉体構造的に泳ぐことは困難であるとされていたが、活動を再開した際に海を塩に変化させることで移動することが判明した。また、バジリスクが目から放つ赤い閃光は「終末時間(カタストロフ)」の能力と呼ばれ、風化の現象を引き起こすことができる(ニブルが複数の放射性物質を使って計測して結果、赤い閃光を浴びた物質は数百年から数万年の時間経過が観測された。被照射時間の違いを考慮すると一秒間の照射でおよそ二千年の時間が吹き飛ぶと推測されている)。人間や生物が閃光を浴びた場合、一瞬で骨や塵に変化する。更にバジリスクは背中に「第三の眼(サードアイ)」と呼ばれる眼を持っていることも判明している。第三の眼は細かな制御は効かないもののバジリスクが持てるありったけの量の閃光を放出し、ミスリルでさえも塵へ変化させることができる。バジリスクの体は赤みを帯びたダイヤモンドの鱗に覆われている。

パープル・ドラゴン/"紫"のクラーケン
2年前に"D"の篠宮都を見初め、都を自分と同じクラーケンに変えてしまった。その時に、都とともに討伐された。触手はミスリルによってできており、紫色の眼球から放たれる反物質弾はあらゆるものを消滅させることができる。このように最強の矛と盾を同時に用いることから、「絶対矛盾(アブソリュート)」の能力と呼ばれている。

グレー・ドラゴン/"灰"のヴァンパイア
学園長が2代目であり、先代(1代目)は学園長の父。不老不死に近い自己治癒力を持つ。自分の体液を他者の体内に入れることで精神と体機能を同調させること、他者を支配することができる。人間を支配することができる力を持ちながら、人間に対して友好的な姿勢を示している。ドラゴンとは少し異なる存在で、学園長も自身がドラゴンであるかは定かでないと述べている。数百年前に現れたその男は生まれながらに人間を支配する力と、世界を守らなければならないという強い目的意識を持っていた。その男は自身の力を用いて人間が世界を壊さないよう管理を始めた。それが先代であり、ヴァンパイアの始まりであった。ドラゴンは自分と同様に何かの役割を果たすために強大な権能を与えられていると考えており、また強い目的意識を持っていたことから自身にグレー・ドラゴンという名前を付けた。学園長は先代ほど世界を大切には思っていないものの、現在の人間社会の中で最も大きな火種とされている"D"を護るため、また彼がなしたことを無駄にしないためにミッドガルの学園長を務めている。

まとめ
ドラゴン名名前能力見初め討伐者備考
ブラック・ドラゴンヴリトラ上位元素 25年前から日本の富士山麓に身を隠していた
ホワイト・ドラゴンリヴァイアサン万有斥力イリス 
グリーン・ドラゴンユクドラシル全知回路ティア悠に武器の情報を与える
イエロー・ドラゴンフレスベルグ霊顕粒子キーリ→フィリル出現当初はキーリを見初めていたが、のちにフィリルへ変更した
レッド・ドラゴンバジリスク終末時間ティア悠・深月
パープル・ドラゴンクラーケン絶対矛盾深月初めて討伐されたドラゴン
グレー・ドラゴンヴァンパイア

本物のドラゴン
ガイアには過去八度の大きな厄災があった。
ファースト・ドラゴン/"死界"のゲヘナ
1度目は、寿命を終えし異界。

セカンド・ドラゴン/"究慧"のアトランティス
2度目は、無限を超えた来訪者。人間の祖先。最初にガイアにたどり着いた災厄。

サード・ドラゴン/ 真滅"のラグナロック
3度目は、神々を喰らう黄昏。

フォース・ドラゴン/"重震"のノヴァ
4度目は、抗えぬ揺らぎ。

フィフス・ドラゴン/"恒生"のバハムート
5度目は、単完なる絶対生命。

シックス・ドラゴン/"異暁"のナイアラトテップ
6度目は、定まらぬ混沌。

セヴンス・ドラゴン/"災化"のアポカリプス
7度目は、暴虐の波濤。世界を一度滅ぼした災厄。

エイス・ドラゴン/"霊超"のヒューマノイド
8度目は再臨した叡智。現在の人間のこと。

ナインス・ドラゴン /不明
9度目は、そして未来の滅び 約束された終末。

国家・組織
日本
"黒のヴリトラ"が一番最初に出現した場所で、"D"という存在が最初に確認された国。最もドラゴンと関係の深い国であることから、ドラゴンを信奉する人々にとっては聖地に等しく、ドラゴンや"D"を排斥しようとする人々にとっては全ての元凶であり呪われた地とされている。日本の首都である東京にはその両極端な思想を持つ人々が多く集まり、新興宗教的性質を持つ団体がいくつも存在しており、ドラゴン信奉団体とドラゴン排斥者団体による小競り合いが社会問題となりつつある。東京は25年前にヴリトラが出現したことによってかなりの被害を受けており、復興の際に大規模な区画整理を行っている。そのため25年前とそれ以降では街の風景が全く異なる。

エルリア公国
フィリルの祖国。西ヨーロッパの内陸部に位置する小国。希少資源の輸出で近年目覚ましい経済成長を遂げている。周囲は高い山で囲まれており、外部との交通はほとんど空路に頼っている。陸路は基本的に山越えとなり、山間を通る河川は流れが速く国の外へ出るだけの一方通行だったため、空港ができるまでは周囲から完全に取り残されており、「陸の島国」と呼ばれていた。何百年もの間エルリア公国はクレスト家が統治していたが、フィリルの祖父であるアルバート・クレストが王に即位した時に、自ら権力を手放した。その結果、エルリア公国は民主化の道を歩むようになり、希少な資源が採掘できる国有地を民間に開放したこともあって、とても豊かな国に変貌を遂げた。第二次世界大戦後に独立するまでは大国の一領地で、王様も独立前は大公様と呼ばれていたことから、独立後も公国がその当時の名残として残されている。また、"D"の人権回復やミッドガルの自治権獲得に多大な貢献をしており、現在もミッドガルへ巨額の寄付を行っている。ミッドガルへの出資額は"D"の発生率が最も高い日本と、エルリア公国が群を抜いて高い。このことから"D"にまつわる近代史の授業ではエルリア公国の名前がよく登場する。さらに竜災と経済不況で苦しんでいたヨーロッパ諸国へも多額の援助を行っており、周辺諸国に強い影響力を発揮している。葬儀とお祭りは同じものであるというのがエルリア公国の考えであり、死者は賑やかに天国へ送り出してあげるのが習慣となっている。有名な観光スポットは「エルリアの大瀑布」という滝。

アスガル
国境を越えて発生するドラゴン関連の諸問題に対処するために20年前に設立された国際機関。傘下には軍事組織ニブルと教育機関ミッドガルの二つの組織が存在する。非常時はアスガル指示の下で合同作戦を行うことが想定されている。このため、ミッドガルの学園生にもニブルと共通した軍階級が与えられている。

軍事組織ニブル
対ドラゴン戦を想定した武装・戦術の研究開発や、日常的に起こる竜災害への対応を行っている軍事組織。悠が所属していた組織でもある。ドラゴンが通過したことで治安が乱れた国や地域を武力で平定させるのが、ニブルの活動の上で最も大きなウエイトを占めている。また、世界中の"D"を保護という名目でとらえ、ミッドガルに隔離するのも仕事の一つとなっている。

教育機関ミッドガル
"D"を集め管理をし、教育を行うための自治教育機関。ミッドガルの基本的な役割は"D"に教育をすることだが、2年前のクラーケン戦より、メスに飢えたドラゴンを返り討ちにするための迎撃要塞の役割を兼ねるようにもなっている。少し前まではニブルの管理下にあったが、現在は完全に対等な立場になっている。日本の遥か南、赤道付近に位置する直径数キロ程度の小さな孤島を徹底的に改造し学校を作った。周辺には環状多重防衛機構(ミドガルズオルム)という自動迎撃システムが設置されており、許可のない船舶や航空機は容赦なく排除される。敷地内には3階建の校舎が4つ並んでいるが全校生徒は70人ほどしかいないため、殆どが物置や空き教室となっている。教室はブリュンヒルデ教室、ゲルヒルデ教室、ヘルムヴィーゲ教室、シュヴァルトライテ教室、オルトリンデ教室、ジークルーネ教室、ヴァルトラウテ教室、グリムゲルゲ教室、ロスヴァイセ教室(年齢の幼い者が配属される教室。)の9つに分かれており、通常は年齢によって分けられているがレンのように極めて頭が良い者やティアのように事情があって例外的に配属されている者もいる。各教室の名前は北欧の戦乙女(ワルキューレ)から取られており、"ドラゴンに立ち向かう乙女"という意味も込められている。ミッドガルの大きな特徴として、生徒一人ひとりにノート型の個人端末が与えられる。端末には教科書などの授業に使うもの全てがインストールされている。また、生徒一人ひとりが口座を持っており、最低限の生活費に加えて、依頼物資の生成やニブルの任務に従事した時に支払われる給与、成績に応じての報酬が振り込まれる。希少金属やエネルギー資源の物質変換を身に付けるのがお金を稼ぐ近道とされている。更に、学生証は身分証明の他にも買い物で使うことが出来る。支払いの際の上限は口座にある分までとなっている。一度ミッドガルへ入った"D"は自身の能力が消滅するまでは、ミッドガルから外へ出ることは出来ない。これは"D"を様々な悪意から遠ざけるためと、普通の人間を"D"から護るための2つの理由からなっている。

ムスペルの子ら
世界最大のテロ組織。ドラゴン信奉者が集まっており、ドラゴンを倒そうとしている国や組織にテロを仕掛け活動を妨害し続けている。当然ながらアスガルやミッドガルも対象となっており、竜災が起こった地域に入り込み布教活動を行うため、ニブルと衝突することも少なくない。

ハイウォーカー・グループ
リーザの実家が運営する西欧の大財閥。多数の企業を傘下に収めており、中にはニブルで使用される武器の多くを製造する軍需産業を担う企業もある。またミッドガルの大口スポンサーでもある。

アスガル
極東支部第一研究所東京にあるアスガルの研究所。宮沢健也が所長を務めている。ビル一つが全て研究所になっており、地下は5階、上は20階まである。研究所に訪れた人にはIDカードが渡され、IDカードのレベルによって立ち入れるフロアが変わる。ドラゴンに関する研究を行っている施設で、地下にはクラーケンが討伐された際に回収された触手が大量に保管されている。

ファフニール計画
ニブルで密かに行われていると噂になっている計画。ドラゴンが特殊な能力を持つように人間にも何か失われた力があるのではという期待から始まったとされる。

廃棄権能(コードロスト)の仮説
ファフニール計画と内容が酷似している仮説。北欧神話で、ファフニールが抱えていたものは致死の黄金であった。黄金の価値を見出すのは人間だけである。そのため、黄金を求めて死んでいったのは人間だけだった。このように、人間だけを「殺す」力だと思われる廃棄権能は、人間が持っている失われた力だと考えられている。

武器

架空武装
ジークフリート
物部悠の架空武装。

五閃の神弓(ブリューナグ)
物部深月の架空武装。

夜裂く刃(クサナギ)
篠宮都の架空武装。

双翼の杖(ケリユケイオン)
イリス・フレイアの架空武装。

射抜く神槍(グングニル)
リーザ・ハイウォーカーの架空武装。

架空の魔書(ネクロノミコン)
フィリル・クレストの架空武装。

粉砕する灼槌(ミヨルニル)
レン・ミヤザワの架空武装。

牙の盾(アイギス)
アリエラ・ルーの架空武装。

竜の紅翼(ティアマト)
ティア・ライトニングの架空武装。

渦炎界(ムスペルヘイム)
キーリ・スルト・ムスペルヘイムの能力。

遺失兵器(ロストウエポン)
悠がユグドラシルと取引したことで得ている対ドラゴン用の兵器。悠の脳内に直接設計図を送り込んでいるため、取引時には膨大なデータが送り込まれる。

マルドゥーク系列
マルドゥーク
ヘカトンケイル及びバジリスクを殲滅する際に得た兵器の一部。

特殊火砲「境界を焼く蒼炎(メギド)」
全体が現在の科学技術ではどうやっても再現不可能な、遥か過去に存在した前文明のテクノロジーでできている兵器。

主砲「天を閉ざす塔(バベル)」
リヴァイアサンを殲滅する際に得た兵器の一部。マルドゥークの設計図にある別の箇所を示しており、砲身は途中で二股に分かれ内側にはレンズ状の機器が埋め込まれている。

念式連装砲「彼岸を貫く方舟(ノア)」
副兵装フレスベルグを殲滅する際に得た兵器の一部。他の兵装より一回り小さいためほぼ完全な形で構築されている。回転可能な砲座の上に、二連装の砲塔がある。

その他の武器
ネルガル
射出式のスタンガン。対人制圧用の非殺傷兵器であるが、かなり危険な代物。命中すれば確実に相手の意識を奪い、仮に目覚めても数時間はまともに歩くことができなくなるほどの威力を持つ。AT・ネルガル(物部悠)とMP・ネルガル(スレイプニル)の2種類がある。

エンリル
弾丸が特殊な振動を付加する兵器。構造が複雑すぎるがゆえに量産化できなかった。

ウルク73E
ニブルの戦車などに用いられている装甲の一部。

ダマスカス09P
鋼鉄の防壁

大陸間弾道ミサイル
対ドラゴン用ICBM・ゲイボルグ。先端部分にはミスリルが使用されている。

戦術高エネルギーレーザー
レーザー兵器であるため、速度はゲイボルグより大きく上回る。

ミストルテイン
ニブルが開発した対バジリスク用の大型爆弾。ミスリルを用いて耐久力を厳密に計算し、バジリスクまで到達するように設計されている。

雑記



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