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あらすじ

戦姫絶唱シンフォギア
突如 謎の生命体「ノイズ」が現れ、触れてしまった者は炭素の塊に変えてしまう。ノイズに対抗をする為 日本政府は歌を力に変える武装型鎧「シンフォギアシステム」を開発し、シンフォギアシステムをまとうことになった二人の少女 天羽奏と風鳴翼は「ツヴァイウィング」として活動しながらも共にノイズと戦ってきた。女子中学生の立花響は、「ツヴァイウィング」のライブを楽しんでいたがその最中にノイズが発生し、観客たちを次々と襲い始める。大混乱の会場で響が見たものは、歌を口ずさみながらプロテクターに身を包み、ノイズと戦うツヴァイウィングの2人の姿だった。まもなく逃げ遅れて重傷を負った響を救うため、奏は自らの命と引き換えに絶唱を歌い、ノイズを殲滅した。それから2年後、響は親友の小日向未来と共に憧れの翼のいる私立リディアン音楽院の高等科へ進学するが、街中で再びノイズと出くわしてしまう。追い詰められた響は、2年前に奏が歌っていたあの歌を口ずさむ。すると、眩い光と共に響の身体を特殊なプロテクターが包み込む。それは、ノイズに対抗する唯一の力にして奏の置き土産 シンフォギアシステムだった。響は自身の変化に戸惑うままノイズから逃げ惑うが、そこへ現れた翼によって救出され、特異災害対策機動部二課へ連行される。そこで自分を取り巻く事情を知った響は、奏に代わって自らに宿ったシンフォギア「ガングニール」の装者として戦う道を選ぶ。遺されたツヴァイウィングの1人である翼との軋轢、謎の少女 雪音クリスとの戦い、そして かけがえのない親友の未来との仲違い、謎の女 フィーネが張り巡らせた策謀といった数々の困難を乗り越え、人として戦士として徐々に成長していく響のまっすぐな姿に、頑なだった翼たち3人の心もいつしか変えられていくが、その一方で結実したフィーネの策謀の前に翼とクリスが倒れ、響もシンフォギアの持つ闇に飲み込まれて暴走してしまう。しかし、翼たち3人や守りたい人々の思いを受けて自分を取り戻した響は再びフィーネの前に立ち塞がると、同じく復活した翼やクリスと共にフィーネの野望を打ち砕く。フィーネが最後に目論んだ月の欠片による地上破壊を阻止した響たち3人は行方不明となるが、やがて生還を果たすのだった。

戦姫絶唱シンフォギアG
響たちとフィーネの戦い「ルナアタック」から3か月後、人類はノイズへの対策を講じていたが、その要となる聖遺物「ソロモンの杖」の強奪事件が発生する。その同日、来日した歌姫のマリア・カデンツァヴナ・イヴとの合同ライブ中だった翼の前に、ノイズが出現する。驚愕する翼と観客たちの前で、マリアはシンフォギア「ガングニール」を纏うと、ノイズを統率しながらフィーネの名を掲げ、全世界への宣戦布告を行う。アメリカの聖遺物研究機関「F.I.S.」が擁していたフィーネの器になる可能性を持つ者「レセプターチルドレン」の1人として、ルナアタックの影響による月の落下で地球が壊滅することを知ったマリアは、指導者のナスターシャ教授、レセプターチルドレンの月読調と暁切歌、技術協力者のウェル博士らと共に、人類を救うための手段「フロンティア計画」を実行すべく決起した身であった。同じ人間のマリアたちとの対立に悲観しながら響はシンフォギアを纏うが、聖遺物との融合体でもある彼女の状態は不安定であり、度重なる装者としての戦いは彼女の心身を摩耗させていく。二課で穏やかな日常を手にしていたクリスも、かつてのことから自責の念に駆られていく。その一方、「フィーネ」を演じる重圧に苦しむマリア、「フィーネ」のものと思しき力を発現する切歌、そして「英雄として世界に君臨する」という野心に取り憑かれたウェルのもと、当初の理想は揺らぎ始める。そんな中、F.I.S.に拘束された未来が、装者へ調整されてしまう。周囲の制止を振り切って出撃した響は未来を救出するが、その影響で古代遺跡「フロンティア」が起動し、ウェルの暴走で月の落下が早められる。しかし ナスターシャの決死の行動や亡き妹 セレナの幻影に突き動かされたマリアの行動により月の落下は回避され、ウェルの悪足掻きで起動した自律型聖遺物「ネフィリム」も互いを理解し合った響たち6人の装者と未来の奮闘でバビロニアの宝物庫へ隔離され、ノイズごと焼き尽くされるのだった。

戦姫絶唱シンフォギアGX
かつて 融合症例と呼ばれた少女は、世界終焉の真際に奇跡を掴み、ガングニールのシンフォギアと適合を果たす。地球霊長存続の名目で執行されようとしていた人類淘汰「フロンティア事変」と称される一連の騒乱は、歌に血を通わせた少女たちの活躍によって終止符が打たれたが、新たな物語は、それから程なくして幕を開けるのであった。宇宙空間に浮かぶフロンティアの残骸からナスターシャの遺体を回収したスペースシャトルがシステムトラブルに見舞われ、大気圏再突入に際して操縦不能となるが、緊急出動した響、翼、クリスの尽力によってスペースシャトルの不時着は成功する。ノイズの脅威が去ったこともあり、二課はこの事件を機に国連直轄下の機動部隊「S.O.N.G.」として再編されることとなった。フロンティア事変の翌夏、地球には謎の戦闘集団が現れる。それは錬金術師キャロルと自動人形(オートスコアラー)達であった。シンフォギア装者以上の戦闘能力だけでなく、シンフォギアの侵食分解能力も持つアルカ・ノイズを使役する自動人形たちに、響たちは圧倒される。調と切歌が無理を押して出撃したものの敵うはずもなく、ガングニールを人々の救助に使いたいと悩む響は、S.O.N.G.へ転属したマリアに叱責されたうえ、自動人形から未来たちを守ろうとするも変身できなくなる。マリアが無理を押してガングニールをまとったことでその場は収まるが、響は塞ぎ込む。そんな響を未来が親友として諭す一方、自動人形は響の眼前で未来を襲撃する。そこで自信を取り戻した響は未来を救った直後、自動人形にガングニールを破壊され、昏睡状態に陥る。一方、S.O.N.G.では錬金術師のもとから亡命したエルフナインによる、強化型シンフォギアの開発計画「プロジェクト・イグナイト」が始まる。1週間後 響が目覚めて計画があと少しというところを襲撃した自動人形に、調と切歌が時間稼ぎに応戦するもアルカ・ノイズの餌食となる寸前、強化型シンフォギアをまとった翼とクリスが駆けつけてアルカ・ノイズを一掃する。そこへ自動人形に代わって立ちはだかったキャロルの真の力に、翼とクリスは計画の成果「イグナイトモジュール」を起動するが、暴走こそ回避できたものの制御には失敗し、動けなくなる。しかし そこへガングニールをまとった響が現れ、翼とクリスを鼓舞して自らもイグナイトモジュールを起動する。今度は制御に成功した響たちにキャロルの放った3千体のアルカ・ノイズは一掃され、彼女も圧倒される。キャロルが自決して消滅する一方、自動人形たちは居城・チフォージュ・シャトーで新たな動きを見せようとしていた。

戦姫絶唱シンフォギアAXZ
ワールドデストラクターである「チフォージュ・シャトー」を駆使した、錬金術師キャロルによる世界解剖計画 通称「魔法少女事変」の阻止から数週間後。シンフォギア装者たちを苦しめ、一度ならず敗退へと追い詰めた「アルカ・ノイズ」の脅威は世界各地に蔓延していた。時おかずして発生する次なる事件に、何かしらの関連性を疑いつつ鎮圧にあたる装者たち。熱帯夜に遭遇したのは、通常物理法則の埒外にある怪物「ヨナルデパズトーリ」と、怪物を「神の力」と呼び、自在に使役する三人の錬金術師「サンジェルマン」「プレラーティ」「カリオストロ」、そして 圧倒的な力を振るう首魁のアダム・ヴァイスハウプトであった。錬金術師たちが属する秘密組織「パヴァリア光明結社」は、これまでにシンフォギア装者たちが乗り越えてきた騒乱に関わってきたばかりか、人類史の裏側に暗躍してきた恐るべき敵対勢力である。ついに顕現、そして 強襲するかつてない脅威に戦慄を隠せないシンフォギア装者たち。人知れず奪われた聖遺物「アンティキティラの歯車」は、無邪気な瞳のホロスコープに巨大な陰謀を映し出し、鼓星の神門より顕現する「神の力」、オートスコアラー ティキに宿ったソレは周囲に少なくない被害を及ぼす。だが神殺しの哲学兵装であるガングニールを纏った立花響によりティキは破壊されるが、何故か「神の力」が原罪がある筈の人間である響に宿りその身を破壊神へと変える。仲間たちの協力により元に戻り「神の力」を破壊し、目的を阻止され激高したアダムとの決戦に挑み、リビルドや黄金錬成とされる金色に輝く響により彼は不吉な言葉を残して散った。後のエルフナインの調査により、神獣鏡の光で響の原罪が祓われたと推測されたが、その神獣鏡の光を浴びたのは響だけでは無かった。

戦姫絶唱シンフォギアXV
神の力を以ってして、神そのものを討ち斃さんとした原初のヒトガタ、アダム・ヴァイスハウプトは、サンジェルマンたちの理想の源(パワーソース)であるラピス・フィロソフィカスにて黄金錬成されたシンフォギアが撃槍。暗躍してきたパヴァリア光明結社はここに瓦解し、その残党は、各国機関の活躍によって追い詰められていくのであった。そして 追い詰められているのはパヴァリア光明結社だけではない。かつての超大国アメリカもまた、日本に向けた反応兵器の発射事実を非難・追及され、国際社会からの孤立を招いていた。閉塞した状況は、新たな世界規模闘争の火種にもなりかねないため、速やかなる政治的解決が望まれているが、複雑に絡む国家間の思惑は軋みをあげるばかりで、遅々として進んでいない。当該国である日本も、アメリカとの協調政策を打ち出して関係修復をアピールしているものの、どこかうすら寒い表面的なムードに終始して、局面打開には至っていない。いまだ見えない世界の行く末。さらに、張りつめた空気はここにも。私立リディアン音楽院に通う高校生、立花 響と小日向 未来。ふたりの間に緊張が走るのは、何の気なしに未来が響に発した、問い掛けに始まるものであった。返答に窮した響の胸の奥にあるものは、過去から現在に向けて紡がれたいくつもの物語は、XVに集束していく。聖骸を巡る攻防は、どこまでも真夏の只中。はじける湖面を舞台に、少女たちの歌声が輝きを放つ。

登場人物

立花響
風鳴翼
天羽奏
雪音クリス
マリア・カデンツァヴナ・イヴ
月読調
暁切歌
小日向未来
キャロル・マールス・ディーンハイム
エルフナイン
ファラ・スユーフ
レイア・ダラーヒム
ガリィ・トゥーマーン
ミカ・ジャウカーン
サンジェルマン
カリオストロ
プレラーティ
ヴァネッサ
ミラアルク
エルザ

シンフォギア

聖遺物の欠片から作られた鎧型武装。欠片の中に残った聖遺物の力が、適合者による特定振幅の波動=歌によって活性化しエネルギーに還元された後、鎧の形で再構成されたもの。シンフォギアを装着する適合者は「装者」と呼ばれる。ギアが装者にもたらす特性は、身体機能上昇、音波振動衝撃によりノイズの侵食を防護するバリアコーティング機能、更にはノイズの在り方を調律し人間界の物理法則下に強制固着させて攻撃を有効化する、位相差障壁の無効化の3つに大別される。これらの機能からノイズに対抗できる唯一の兵器であり、「アンチノイズプロテクター」という別名を持つ。通常時は小型ペンダント状の集音マイクユニットの形をとっており、「聖詠」と呼ばれる起動用の歌を感知することでギアへと再構成される。装着後は装者らの戦意に共振・共鳴して旋律を発生、それに合わせて装者が歌唱することによってその力を高める機構となっている。故に装者は歌いながら戦う必要があり、ダメージなどによって歌唱が中断されると力は一時的に弱まる。ただし 適合者であっても、人間とギアを構成する聖遺物とに隔たりがあることから、ギアから開放されるエネルギー負荷が装者を蝕むという代償もある。この負荷を低減するためにギアには総数3億165万5722のロックが施されており、これが装者個人の技量と戦法に応じて系統的・段階的解除されることで、ギアが形や機能を変えていく機構となっている。異端技術の結晶であることから、その存在は他の聖遺物同様日本政府によって完全に秘匿されている(一般市民がその場に居合わせていた場合、書類にサインし機密を保持するようになる。破った際の罰則は不明)。なお適合者の選抜は引き続き行われているが、適合者の存在が稀であることに加え、シンフォギアの存在を機密にしなければならないことから成果は上がっていない。『GX』にて、アルカ・ノイズ及びミカの手によって全機が破壊されてしまう。開発者たる了子の死によって本来修復は不可能であったはずだが、聖遺物のパッチワーク技術を含めた錬金術知識を持つエルフナインの手により、プロジェクト・イグナイトを経て強化改修に成功。破損したシンフォギアシステムの修復に留まらず、出力を引き上げると同時に解剖器官の分解効果を減衰するようにバリアフィールドの調整が施され、更にイグナイトモジュールによる戦闘力上昇を達成した。「イグナイト」は有用な決戦機能であり数々の戦果を挙げたが、第4期最終話にてアダム決戦時のリビルドによって、機能の要であるダインスレイヴをラピス・フィロソフィカスのエネルギー転用による負荷の肩代わりに焼却したことで喪失してしまうが、代わりにラピスのファウストローブの特性が組み込まれたことで新たな決戦機能アマルガムを獲得した。

適合者
聖遺物、もしくはその欠片を歌によって共鳴・共振させて起動できる者の呼称。その中でもシンフォギアを装着できる適合者が「装者」である。第3期以降、適合者のカテゴリーは以下の3種類に大別されている。翼・クリス・セレナのように先天的な適性を訓練によって恒常的に伸ばした第一種。奏・マリア・調・切歌のように先天的な適性を訓練と投薬によって引き上げた第二種。響のように融合体として装者となった後、融合体でなくなった以後も訓練や投薬の必要なしに十分な必要適合係数を獲得した第三種。第1期の時点では、日本政府が秘密裏に適合者選抜を行っており、適合者の存在が極めて稀であることに加え、シンフォギアの存在を機密にしなければならないことから成果は上がっていない、とされていた。

装者のペンダント
響・装者たちが身に着けているペンダント。コアと収められた聖遺物の欠片が放つエネルギーをシンフォギアとして固着させるコンバーター機能を備えている。その起動には、装者が口ずさむ「聖詠」と呼ばれるフレーズが不可欠となっている。

アームドギア
シンフォギアの可変・可動式主武装。聖遺物のエネルギーが武器の形に固定されることで発生し、元となる聖遺物の形態と装者の心象によって異なる武器に変化する(例:天羽々斬=刀、ガングニール=槍)。なおエネルギーのイメージを固定するには、相応の資質と長期に渡る経験が必要となり、装者となってすぐに使えるわけではない。その形状は行使する技や使用方法に応じて変化することもある。また装者が心の奥底に強い心象・意志を秘めている場合、アームドギアにもその影響が表れ本来の聖遺物から逸脱した形で発現することがある(クリス=弓→銃器、響=槍→無手)。特に融合症例として装者自身がシンフォギア化していた響の場合、暴走を経て喪失した腕の再生や、体の一部の武器化といった、本来とは大きく逸脱したアームドギア運用を披露している。

絶唱
装者の負荷を省みずにシンフォギアの力を限界以上に解放する歌。増幅したエネルギーを、アームドギアを介して一気に放出する。その力の発現はシンフォギアごとに異なるが、共通して発生するエネルギーは凄まじく、ノイズを始めとするあらゆる存在を一度に殲滅し得る絶大な効果を発揮する。しかし装者への負荷も、生命に危険が及ぶほどに絶大。反動ダメージは装者の適合係数の高さに伴って軽減されるが、そもそも適合率の高い適合者自体が稀でありLiNKERの負担や、追い詰められた状況で使用される負担やダメージもありいずれにせよ大きなダメージは避けられない。奏の場合、自身の適合係数の低さに加え、LiNKERの投与を一時中断していたことから、負荷が耐久限界を超えてしまい死亡した上に遺体も塵となって完全に消滅してしまった。またアームドギアを介さず自身から直接放つことも可能ではあるが、威力が高い代償にエネルギー運用効率が悪く跳ね返る負荷もさらに深刻なまさに「自爆」用途での手段となる。正規適合者である翼はこのやり方で絶唱を歌ったため、かろうじて一命を取り留めたものの絶対安静の状態にまで追い込まれている。絶唱発動直後の翼には吐血、眼からの出血などが生じており、尋常ならざる負荷が襲ったことが覗える凄惨な様子であった。

S2CA(Superb Song Combination Arts)
聖遺物との融合態である響が自分と手を繋いだ他の装者との絶唱を増幅させる他、他の装者のバックファイアを抑制させる効果を持つ。しかし、響に全員分の絶唱の負担がかかるという欠点がある。第1期のルナアタックの際、響・翼・クリスら3人は揃って絶唱を発動させ月の破片の落下の危機から地球を救うも、そのバックファイアにより命が危ぶまれていた。しかし3人とも無事であった現象から編み出されたコンビネーション戦法である。作中では響・翼・クリスら3人による「S2CA・トライバースト」(第2期)、響・翼・クリス・マリア・調・切歌ら6人による「S2CA・ヘキサコンバージョン」(第3期)が使用されている。その他にも作中には登場しないが、響とクリスによる「S2CA・ツインブレイクtype-A(アロー)」、響と翼による「S2CA・ツインブレイクtype-B(ブレード)」などがある。

G3FA(Glitter Gear Gathering Finest Arts)
これまで強敵との戦いで度々見せてきた「脱いで、ぶつける」戦法を決戦機構にまで昇華させた、シンフォギアの特殊運用法。纏うギアの外殻部分を再度エネルギーへと変換し拳に収束、それを6人同時に一点収束させ相手にぶつける。別名「ヘキサ・リボルバー」とも通称。ただし欠点もあり、各種防御フィールドの機能低減される都合上、アルカ・ノイズの干渉破砕の無効化にも限りがあり、それだけ装者危険に陥る場合もある諸刃の剣というものであり不退転の覚悟を示している。

エクスドライブ
相応の膨大なフォニックゲインによって起動する、シンフォギアの限定解除モード。この形態では白を基調とするカラーリングとなり、出力・戦闘能力の飛躍的な上昇だけでなく、飛行能力や念話といった様々な能力も解放される。第1期では未来たちの「助けられるばかりではなく、自分たちも助けたい」という願いから歌われたリディアン校歌による高レベルフォニックゲイン励起現象[注 37]の発生から、第2期では響の絶唱特性によるマリアの歌「Apple」が喚起した全人類(約70億人)のフォニックゲインの集束からという、条件や状況がもたらした「奇跡」によって発現に至った。のちにキャロルが任意に70億の絶唱を凌駕するフォニックゲインを放つ能力を獲得したことから、それぞれ第3期では響に加えてマリアの絶唱特性を応用した6装者の連携「S2CA・ヘキサコンバージョン」がもたらしたジェネレイト・エクスドライブによって、第5期ではキャロル自身がフォニックゲインを調整した上で放出することによって、意識的・強制的にエクスドライブを稼働させるに至っている。

イグナイトモジュール
キャロル率いる自動人形とアルカ・ノイズに対抗するために、エルフナインからもたらされた錬金術とダインスレイフから構成された追加搭載決戦ブースター。シンフォギアの決戦機能のうち、使用局面が限定され汎用性に欠ける「絶唱」「エクスドライブ」のどちらでもなく、融合症例というイレギュラーでのみ確認された、破壊衝動の増大による暴走を制御することにより、戦闘力上昇を実現するというエルフナインの発案のもと「プロジェクト・イグナイト」により開発された。モジュールはギアの胸部の集音マイクユニットと統合されており、装者が「イグナイトモジュール、抜剣!」の合図と共にマイクユニットを取り外すことで、「ダインスレイフ」の電子音声が発声、剣状に変形したマイクユニットが胸に突き刺さりイグナイトモードが発動する。モジュールのコアたるダインスレイフの特性により装者の心の闇が増幅され暴走状態に陥り、装者が強い心と英智を以てそれを制御することで、一定時間ギアが黒く禍々しい形状へと変質しパワーアップを果たす。装者が暴走状態を理性を保ったまま維持することで、暴走時と同等の出力でありながら、装者の戦闘技術と状況判断力は失われることがないため、力と汎用性を兼ね備えた強大な切札となる。跳ね上がった出力により高い攻撃力と防御力、耐久性がもたらされるが、制御に失敗すればモジュール起動失敗による心身へのダメージ、もしくは暴走による無差別破壊状態に陥る危険性のある諸刃の剣となる機構である。暴走の危険性から装者の精神を保護するため、ニグレド・アルベド・ルベドの三段階のセーフティが設けられており、それを順次リリースしていくことで暴走のエネルギーをより多く戦闘に転化することが可能となるが、段階を進めるごとに999カウントの使用制限時間もより高速で消費される(カウントが0になると強制的にギアが解除される)ため、使い所は限定される。ただし、「イグナイト」はシンフォギアの強力かつ汎用性の高い決戦機能として存在感も高く、第3・4期でも強敵の自動人形や錬金術師を次々と倒すなど数多くの戦果を挙げた。だが第4期ではモジュールがパヴァリア光明結社のサンジェルマン一派により解析され、ラピス・フィロソフィカスの効果により「抜剣」が解除される事態も勃発している。それに対しては融合症例時の響の体から生成された瘡蓋状の物質、ガーベッジ(通称:愚者の石)をシンフォギア本体に組み込むことで対消滅バリアを発生させる手段が講じられた上、ダインスレイフを媒介とした「絆のユニゾン」を特訓のすえ実現することで再びイグナイトはその威力を発揮したが、対消滅バリアによる出力数値の誤差や揺らぎによる疑似論理バグ・反動汚染というリスクを含んでいた。イグナイトを抜剣するたびに必要とされるメンテナンスによりギアの再度の稼働には時間が要される状況となったが、サンジェルマンがラピス・フィロソフィカスの情報をエルフナインに提供したことによりその時間は短縮され、神の力に取り込まれた響の救出作戦に際しては5人の装者が揃い踏みしている。その後のアダムとの決戦において、ラピス・フィロソフィカス由来のエネルギーをS2CAの応用で束ねるべく、その負荷をイグナイトの触媒であるダインスレイヴに肩代わりさせ焼却することでシンフォギアのリビルドには成功したものの、そのために敢行したラストイグニッションは最後の抜剣となった。

暴走
聖遺物と精神状態は、密接な関係性を持っている。響がその聖遺物ガングニールの破片との融合症例であったころは、怒りや恐怖、絶望や無力感などの負の感情にとらわれた際に、自身の意思では制御不能の状態に陥ってしまっていた。この状態となった響は、全身が黒く染まり目が赤く吊り上がり、獣のような咆哮をあげ、敵味方問わず襲い掛かる。戦闘力が大幅に上昇するが、理性を失い、破壊衝動のままひたすら目前の標的を攻撃するだけの、文字通りの「暴走」状態となる。この暴走を制御することでシンフォギアのパワーアップを図ったシステムがイグナイトモジュールである。マリアがモジュールの起動に失敗し、暴走状態となった際には、上記の響と同様の状態となった。

ユニゾン
特定のシンフォギア同士の同時運用によって発生する、能力の増幅現象及び特性。戦闘技術やセンス、練度など総合的な戦闘力において他の装者よりも劣る調と切歌だが、シュルシャガナとイガリマのこの特性により、条件次第では他の装者よりも大きな力を発揮する事を可能としている。第3期では最強のオートスコアラーであるミカを下すなど大きな成果をあげてきたが、調と切歌の分断という簡単な手立てによって使用不能となる重大な欠点を抱えており、弦十郎は第4期でのパヴァリア光明結社との戦いにおいて、その力を知っている敵は分断策をとってくると予想。欠点の克服とパヴァリア光明結社に対抗するための更なる力を装者たちに与えるため、シンフォギアが持っている特性に頼るのではなく、装者同士の結びつき及び、異なる聖遺物を用いたギア間にて共通に共振・共鳴するダインスレイフを起点とする擬似ユニゾン絆のユニゾンの完成に着手する。これまでの戦いで幾度となく想いを同じとする装者間の胸に共通の旋律と詩が浮かぶというフォニックゲインの共振・共鳴現象が確認されていたが、これをよりインスタントに、よりコンビニエンスに実現することを目標として、いかなる組み合わせであっても歌を重ねられるよう装者たちに特訓を実施。理屈がシンプルなだけにその実現は容易ではないとも考えられていたが、装者たちは紆余曲折を経て、それぞれのユニゾンを実現させていく。疑似的なユニゾンである以上、調と切歌のようなシンフォギアの特性も合わせたユニゾンと比べれば出力の上昇係数は大きくないが、戦術的に組み込みやすく、それぞれの弱点を補い、互いの長所を活かしながら生み出された新たな力は愚者の石による対消滅バリアも合わせてパヴァリア光明結社との戦いで成果をあげたものの、アダム戦でのリビルドによって共通の媒介となるイグナイトモジュールを喪失したことで実現難度が高まってしまうこととなった。

リビルド
シンフォギアに施された膨大なロックの系統的・段階的な限定解除による、装者の技量・心象・バトルスタイルに応じた形状変化を指す。ギア出力を装者の基本能力や運用練度に合わせることで、身体への負荷を低減させるための機能。第4期の最終話では、アダムが放ったサンジェルマンのスペルキャスター=ラピス・フィロソフィカスの輝き由来のエネルギーを浴びせられた装者たちが、ラピスのエネルギーをS2CA・ヘキサコンバーションを応用して収束・制御、イリーガルなエネルギー運用による負荷をダインスレイフに肩代わりさせることでラストイグニッションを抜剣、エクスドライブ起動の代わりにリビルドへと転用された。ラピスの輝きによるリビルドは、負荷を担うダインスレイフが焼却しきるまでのごく短時間、エクスドライブに匹敵する出力上昇をギアにもたらすに至った。このイレギュラーな形でのリビルドは、ダインスレイフ焼却に伴うイグナイトモジュール喪失と引き換えに、当初のデザイン機能「歌」と似て非なる異物「錬金術」由来であるファウストローブの特性を組み込むという変化をギアにもたらし、第5期にて新たな決戦機能アマルガムの発現に至った。

アマルガム
第5期にて発現した、シンフォギアとファウストローブの融合症例たる決戦機能。稼働するとシンフォギアの外殻プロテクターが分解・消失し、スーツが花を模した意匠のデザインに変化・露出した外観となる。他の決戦機能のような単純出力引き上げではなく、防御特化の第一形態コクーンから、攻撃特化の第二形態イマージュへと二段階に変化する機構を用いた、ギアの持つパラメーターの極端な振り分けによって効果を発揮する不退転機能である。コクーン状態ではギアの構成エネルギーを金色に輝くバリアフィールドとして再構成、エネルギーを大きく消費し攻撃力・機動力にも制限がかかる代わりに、通常時を大きく上回る防御力を発揮する。イマージュ状態ではバリアのエネルギーが花弁のように再分解・再々構成され、花のを模した高出力型アームドギアとして展開・運用されることで絶大な攻撃力を発揮する。第4期終盤のリビルドによりファウストローブの特性がシンフォギアに組み込まれ、響が精神世界にてサンジェルマンと心を通じ合わせたことで全員のシンフォギアに発現するも、風鳴訃堂の意により護国災害派遣法を受けた日本政府の一方的な決定により凍結となってしまうが、のちに解除され使用が解禁された。

聖遺物

世界各地の伝説に登場する、超古代の異端技術の結晶の総称。現代の技術では製造不可能なオーバーテクノロジーの産物で、遺跡から発掘される物は経年による劣化・破損が激しく、廃棄物でしかない欠片が大半を占めており、従来の力を遺した物はほとんど存在しない。ただしごく一部に本来の力を留めながらも基底状態のものが存在しており、聖遺物の力を引き出す素質を持つ者=適合者による歌によって、アウフヴァッヘン波形と呼ばれる固有の波形パターンと共に起動し、励起状態となって人知を超えた圧倒的エネルギーを解放することが可能となる。損傷が少なくほぼ完全な姿を保っているものは完全聖遺物と呼ばれており、一度起動すれば、適合者の歌を必要とせずに常時100%の力を発揮するのが特徴である。ただし完全聖遺物の起動には相応量のフォニックゲインと呼ばれるエネルギーが必要であり、この基準を満たすことは適合者単体では難しい。

天羽々斬
特異災害対策機動部が管理している第1号聖遺物。現在の装者は風鳴翼。刀身の一部のみが欠片として残されており、シンフォギアへと再構成して力を発揮する。

イチイバル
フィーネが管理している第2号聖遺物。識別コードは「Ichii-Bal」。シンフォギアへと再構成して力を発揮する。現在の装者は雪音クリス。第二次世界大戦時、ドイツからガングニールやネフシュタンの鎧と共にもたらされたものだが、本編の10年前に二課設立と前後して失われた。その後は経緯は不明ながらもフィーネの手に渡り、クリスへと授けられた。

ガングニール
特異災害対策機動部が管理している第3号聖遺物。識別コードは「Gungnir」。穂先の一部のみが欠片として残されており、シンフォギアへと再構成して力を発揮する。第二次世界大戦時、ドイツからイチイバルやネフシュタンの鎧と共にもたらされた経緯がある。本編の2年前までは天羽奏が装者であったが、ライブ会場の惨劇により、奏のギアの破片が立花響に受け継がれたことに加え奏が戦死したことで、現在は響が装者となっている。なお破片は徐々に響の体組織を侵食融合しており、響と聖遺物を同次元の存在におきつつある。また、これとは別の欠片がF.I.S.の手に渡り、マリアが装者となっている。

ネフシュタンの鎧
フィーネが管理している第4号聖遺物。識別コードは「Nehushtan」。適合者によって起動すると、無限の再生能力を持つスケイルメイルとなる。完全聖遺物であるため単体でその力を行使することが可能であり、装着することで飛行能力と絶唱にも耐え得るほどの防御性能を発揮する。また両肩部には無数のトゲを備えた突起が武装として搭載されており、この突起を伸長することで鞭や剣として扱うことができる。そして 先述の通り、その最も大きな特性は無限の再生能力であり、多少の損壊はおろか完全に粉砕された状態であろうが何度でも復元する。一方で鎧が粉砕され装着者が負傷した場合、ネフシュタンの組織が装着者の傷口に侵入したまま再生し、装着者の肉体を食い破り乗っ取ってしまうという危険性がある。鎧を装着させていたクリスが負傷した際には、電流で侵入した破片を休眠させた後除去するなどの対応策をとっていた。元々は第二次世界大戦時、イチイバルやガングニールと共に、ドイツから日本へもたらされたものであり、本編の2年前までは特異災害対策機動部が管理していた。起動実験にはツヴァイウイングのライブ形式を模し、観客によって奏と翼の力をさらに引き上げる方法をとる方法が採用された。結果一応の起動成功を収めるも、エネルギーを制御できず暴走し、同時に起こったノイズ発生事故に紛れて行方不明となり、フィーネの手に渡る。当初は聖遺物に肉体をのっとられかねないことを危険視していたフィーネだったが、生体と聖遺物との融合症例である響が登場したことによって、肉体と鎧との融合を促進する方向へ転換することとなった。強襲してきた米国実行部隊からの被弾を機に自身とネフシュタンの鎧を融合させた結果、肉体を両断されても復元できるほどの再生能力を獲得した。フィーネとの最終決戦にて、「完全聖遺物同士の対消滅」によりデュランダルと共に完全消失した。

デュランダル
特異災害対策機動部が管理している第5号聖遺物。「サクリストD」とも呼ばれる完全聖遺物。起動前はくすんだ色の両手剣を象っていたが、起動すると黄金に輝き刀身も増し、膨大なエネルギーを無尽蔵に精製する不朽不滅の剣となる。かつてEU連合の経済破綻に伴い、不良債権の一部肩代わりを条件に日本政府にもたらされた経緯があり、 現在は私立リディアン音楽院の遥か地下1800mの最下層「アビス」にて厳重に保管されている。デュランダル強奪を狙う勢力の発覚に伴い、一時は永田町最深部の特別電算室「記憶の遺跡」への移送も計画されたが、移送途中のクリスの襲撃や響による不慮の起動を鑑みて中断。その後 フィーネによってカ・ディンギルの炉心とされた。フィーネとの最終決戦にて、「完全聖遺物同士の対消滅」によりネフシュタンの鎧と共に完全消失した。

ソロモンの杖
フィーネが管理している完全聖遺物。アメリカから研究目的でフィーネに譲渡されたものであり、日本政府の管理物ではないためナンバリングは存在しない。クリスが半年を要しながらも起動に成功しているが、提供元であるアメリカに黙ってフィーネの管理下で使用されることになる。ノイズを任意に発生させるとともに、72種類のコマンドを組み合わせることによりノイズの行動を自在に制御することができる。ルナアタック後は日本政府に回収され「サクリストS」のコードネームが付けられる。その後 対ノイズ研究のために米国連邦聖遺物研究機関に搬送されるが、「フィーネ」に奪取され、ウェルの管理下に置かれる。フロンティアにおけるクリスの渾身の行動で奪還に成功し、限定解除の出力を合わせたことでバビロニアの宝物庫へのゲートを開く機能を解放。それによって爆発寸前のネフィリムを宝物庫へ閉じ込め、杖自体も未来によって宝物庫へ投げ込まれゲートを封鎖し、宝物庫の中身ごと消滅した。

黒いガングニール
日本政府管理外の聖遺物。響の用いるガングニールと同一のシンフォギア。過去に了子(フィーネ)がF.I.S.に横流ししたガングニールの欠片から生み出されたもので、ギアの波形パターンは響のそれとほぼ同一。その為、フロンティアの決戦時に響の聖詠によって強制的に解除されて装着、ネフィリム撃破後にはマリアから正式に譲渡された。

アガートラーム
かつて米軍がイラク戦争にて進駐した折に押収し、F.I.S.およびフィーネが管理していた聖遺物の1つ。F.I.S.の調査でもその種類が特定できず、その色や形状を頼りに、元の起源であるイラク=中東とは本来無縁である「アガートラーム」の名称[43]を便宜上与えられた、いわば正体不明の聖遺物である。シンフォギアに加工され、当初はセレナ・カデンツァヴナ・イヴが装者として身につけていたが、彼女が事故死した後に一部破損状態ながらもナスターシャ教授が回収し、記録を抹消した上でセレナの姉であるマリア・カデンツァヴナ・イヴにお守りとして託された。第2期終盤において破損状態ながらもマリアにより起動しXDモードに至るが、最終的に破損。その後第3期においてのプロジェクト・イグナイトにてエルフナインによって修復され、以後はマリアのギアとして運用される。その正体はエンキがシェム・ハの能力で自身の左腕を白銀へと転換させられた際、全身の白銀化を防ぐため自ら切断したものが残ったもの、すなわちアヌンナキの身体そのものであった。

シュルシャガナ
「フィーネ」が所有している聖遺物。現在の装者は月読調。シュメールの戦女神ザババを使う二刃のひとつである肉体を伐り刻む紅き鋸。そのサイズは大小様々。絶唱時には無限軌道によって対象の防御を無力化した斬撃が繰り出される。脚部プロテクターにも回転鋸が備わっており、これを車輪のように用いて高速移動を行うが、格闘戦では踏ん張りが効かないという欠点がある。起源をイガリマと同じくしていることから、イガリマと同時に運用することで力が相互に増幅されるユニゾン特性が特徴となっている。

イガリマ
「フィーネ」が所有している聖遺物。現在の装者は暁切歌。シュメールの戦女神ザババを使う二刃のひとつである魂を切り刻む翠の大鎌。両肩のブースターによる不規則かつ立体的な機動が可能。絶唱時にはその名に違わず、対象の「魂」を両断せしめる。また、シュルシャガナとのユニゾンが可能であり、同時運用によってポテンシャルを高める事が可能。起源をシュルシャガナと同じくしていることから、シュルシャガナと同時に運用することで力が相互に増幅されるユニゾン特性が特徴となっている。

神獣鏡(シェンショウジン)
かつてフィーネから米国に持ち込まれ、F.I.S.が管理していた聖遺物。本来は奏の家族が捜索していた聖遺物であり、計画に必要と狙いを付けたフィーネがノイズによって捜索隊を全滅させ混乱に乗じて独占、F.I.S.側でシンフォギアに加工された。銅鏡型の聖遺物の破片で、光の反射や、施された術式や呪いを退ける『凶祓い』といった鏡に起因する特性を備える。この『凶祓い』の力によって、フロンティアに施された超常術式封印を解除し得る唯一の手段となっている。F.I.S.による機械的増幅技術では封印解除実現には至らず、F.I.S.保有の大型ヘリ「エアキャリア」に装者不在のまま組み込まれ、周囲から不可視とするのみならず、振動や風圧、アウフヴァッヘン波形などのシグナルをも低減・遮断し、索敵機器の目をくらませるステルス機能「ウィザードリィステルス」として運用される。後にウェルの発案により、装者に仕立て上げられた未来の歌と、機械的増幅を組み合わせることでその役割を完遂。ギアとされた神獣鏡はフロンティアの封印が解除されたと同時に、響の機転により自身の攻撃を受け消滅したが、ロスアラモス研究所に保管されていた別の破片が関係資料とともにヴァネッサに強奪され、ダイレクトフィードバックシステムを組み込んだシェム・ハ用のファウストローブとして加工されることとなる。後のエルフナインの検証で判明したことだが、神獣鏡の巨大なエネルギーを受けた響と未来は、本来人間が持っていたバラルの呪詛由来の原罪を祓われていることが示唆されている。

ネフィリム
F.I.S.が管理していた完全聖遺物。今までの聖遺物とは異なり生物のような姿をしており、他の聖遺物を食らうことでエネルギーを取り込み、成長する自律兵器となっている。第2期の開始時から6年前に歌を用いらないで起動に成功するもののアルビノ・ネフィリムと化して暴走し、セレナが絶唱を歌って犠牲になったことで蛹型の基底状態に封じられた。その後、QUEENS of MUSIC会場において響たちのS2CA・トライバーストで再起動に成功する。再起動後はF.I.Sから奪取した聖遺物の破片、果ては響のガングニールを左腕ごと喰らい成長を続けたが、暴走する響により肉体は跡形もなく破壊された。ただし響によって抜き出されたネフィリムの覚醒心臓は肉体を失っても鼓動を続けており、ウェル博士により回収され、浮上したフロンティアのコアに組み込まれる。その後フロンティアの一部を端末化して響たちの前に立ち塞がるが、エクスドライブを発動させた彼女たちに撃破される。最後はフロンティアの全てを取り込んだネフィリム・ノヴァとなって灼熱を纏い、爆発すれば一兆度のエネルギーを放つ時限爆弾と化した状態で暴れるが、クリスの機転でバビロニアの宝物庫に誘導され、装者たちの合体攻撃のエネルギーを取り込み切れず自壊した。

ドヴェルグ=ダインの遺産
キャロル一派が管理していた、殺戮の魔剣ダインスレイフの破片。ひとたび抜剣すると犠牲者の血を啜り尽くすという伝承の通り、人間誰もが心の奥に秘めている闇を増幅し、ガングニールと融合した響と同じ暴走状態を人為的に引き起こす効果がある。キャロル一派から世界を守ることを決意したエルフナインが、一派から逃亡する際に奪取しS.O.N.G.に譲渡。強化型シンフォギアの新機能・イグナイトモジュールのコアとして転用されたがAXZにおいて、サンジェルマンのファウストローブのエネルギー負荷を肩代わりするために焼却された。

ダウルダブラ
キャロルが管理する聖遺物。「深淵の竜宮」と言われ、ケルト神話の主神 ダグザが用いたとされる竪琴。一部のみが欠片として残されており、キャロルによって決戦兵器ファウストローブへと錬成され力を発揮する。現在においては、聖遺物の欠片として現存するばかりであったが、これを入手したキャロルは、決戦兵器として戦場に奏で、あらゆる機械装置を動かす機構があるとされている。

ヤントラ・サルヴァスパ
「深淵の竜宮」にて管理されていた完全聖遺物。あらゆる機械装置を動かす機構があるとされる。キャロルは当初チフォージュ・シャトー起動トリガーパーツとしてこれを使用する計画であり、竜宮から奪取されるも基底状態のままであったため、シュルシャガナの攻撃の余波を受け破壊された。

アンティキティラの歯車
ティキの動力源にして、天体運行観測機能の要である完全聖遺物。星間を巡る膨大なエネルギー「天のレイライン」の抽出技術に応用することで、完全聖遺物の起動や「神の力」の錬成に必要なエネルギーを、フォニックゲインとは異なる由来で賄うことができる。本編から400年前、「天のレイライン」応用手段を求めたフィーネとパヴァリア光明結社がティキを巡って激突したが、その結果ティキもろとも行方不明になった結果双方ともにそれが叶わなくなった、という経緯がある。時を経て博物館の展示品として日本に持ち込まれ、行方を突き止めたサンジェルマンが「アレキサンドリア号事件」を起こしてその混乱に乗じて回収、別個で回収したティキに組み込み直されている。第4期の騒動終結後はティキの残骸と共に回収され、護国災害派遣法のもと調査が進められてきたものの、紆余曲折を経てノーブルレッド側に渡り、ヴァネッサの技術を以って「天のレイライン」によるシェム・ハの腕輪の起動儀式に応用され成功を収めた。その後ノーブルレッドのアジトであった廃棄物処理施設跡の放棄に伴い、S.O.N.G.側に証拠品として押収され、彼女らと風鳴機関との関与を裏付けることとなった。

ギャラルホルン
かつて櫻井了子が発見して管理していた完全聖遺物。法螺貝のような外見をしており、平行世界を自由に行き来できる力を持つ。

シェム・ハの腕輪
ボストーク湖に沈んでいたアヌンナキ=シェム・ハの聖骸が身につけていた腕輪状の完全聖遺物。その呼称は腕輪に刻まれていた紋様を楔形文字と照合したところ、シェム・ハの名が解読できる箇所があったことに由来する。聖骸とともに回収され、アメリカ・ロスアラモス研究所にて聖骸の崩壊後も研究を続けられていたが、ヴァネッサにより強奪され天地に描かれたレイラインを利用して起動に至った。莫大なまでの「神の力」が内包されており、風鳴訃堂とノーブルレッドはこの腕輪からの「神の力」抽出・制御を狙う。装着するとマリア・セレナの故郷に伝わる「Apple」によく似た音の羅列=「歌」が、不協和かつ広範囲に流れ膨大なエネルギーを発生、装着者がエネルギーに耐えきれなかった場合大爆発を起こすに至る。

用語

ノイズ
人類共通の脅威とされる認定特異災害。本編の13年前の国連総会で、特異災害として認定された未知の存在。なお発生そのものは有史以来から確認されており、歴史上に記された異形の類は大半がノイズ由来のものといわれ、学校の教科書に書かれており知名度自体はそれなりに高い。空間からにじみ出るように突如発生、人間のみを大群で襲撃し、触れた者を自分もろとも炭素の塊に転換してしまう特性を持つ。なお発生から一定時間が経過すると、ノイズ自身が炭素化して自壊する。生物的な外観を持ち、各々が奇声を発するのが特徴。形状には個体ごとに差異があり、大きさは人間と同程度からビルをも超える超大型まで様々である。ただし 外見上の共通点として、どのノイズにも液晶ディスプレイのように輝く部位が存在する。ノイズ同士の合体・分離も可能であり、それに伴い形態を変化させることもある。中にはその分離能力を用い、切り離した部位を爆発させたり、ノイズを弾丸の如く射出したりと、兵器のような攻撃手段を持つ個体も存在する。最も大きな特性は、その存在を人間の世界とは異なる世界にまたがらせることで、通常物理法則下のエネルギーによる干渉をコントロールする位相差障壁にある。これはノイズ自身の現世に対して「存在する」比率を自在にコントロールすることで、物理的干渉を可能な状態にして相手に接触できる状態、物理的干渉を減衰、無効化できる状態を使い分ける能力であり、これにより人間の行使する物理法則に則ったエネルギーは、ゼロから微々たる効果しか及ぼすことができない。これに対しては存在比率が増す攻撃の瞬間にタイミングを合わせたり、効率を考えず間断なく攻撃を仕掛けることで対応は一応可能であるのだが、後者は周囲にノイズよりも深刻な被害をもたらす結果となってしまう等、有効な対策とは言い難い。現状シンフォギアシステムのみが、攻撃時のインパクトによる固有振動の発生によってノイズの在り方を調律、強制的に人間世界の物理法則下に固着させることで位相差障壁を無効化することができるため、ノイズに対する唯一の対抗手段となり得る。それ以外にノイズに対する有効手段は存在せず、一般的な対処法はノイズが一定時間で自壊するまで逃げることのみとされている。日本ではその有効性を問われながらも、都市部を中心に避難警報やシェルターの設置といった政策が取られており被害者には補償金が支払われる政策が取られている。しかし その存在の都合上シンフォギアや聖遺物が絡む為、ノイズの知名度に対し災害の詳しい詳細が政府による情報隠蔽が行われており、響のようにメディアの臆測による風評被害を受ける問題も発生している。本来有史以前から存在するものである通り、人が一生のうちノイズに遭遇する確率は、東京都民が一生涯に通り魔事件に巻き込まれる確率を下回るとされている。しかし 本編では、私立リディアン音楽院高等科周辺に異常事態とみなされるほど頻発しており、何らかの勢力の意図が含まれていると二課では推測しており、事実フィーネやクリスがソロモンの杖によって発生させた配下としてのノイズが、二課をたびたび襲撃している。その正体は「バビロニアの宝物庫」と呼ばれる異次元に収納された自律兵器であり、バラルの呪詛により統一言語を失い、協力よりも互いの殲滅を選んだ先史文明期の人類により作り出された。フロンティア事変の終盤で、シンフォギア装者たちがバビロニアの宝物庫内でネフィリム・ノヴァを自爆させたことで、宝物庫に投げ込まれたソロモンの杖を含めて全滅したと推測されており、以降は確認されず終息宣言が見込まれている。

アルカ・ノイズ
キャロル一派が錬金術によりノイズを元にして発生させた新種のノイズ。外観及び出力スペックは通常のノイズとほぼ変わらないが、ノイズにはない発光部位・解剖器官を備えていることが特徴。この器官は人体の炭素転換・分解のみを機能としたノイズとは異なり、有機物・無機物を問わず触れた物質それぞれにチューニングされた干渉破砕効果を及ぼし、シンフォギアさえも例外なく万物の根源足る赤い塵「プリマ・マテリア」へと破砕分解してしまう機構を持つ。なお分解能力により高い汎用性を持たせている反面、位相差障壁に用いられているエネルギーがそのぶん犠牲となっており、特に解剖器官の起動時には物理的干渉の減衰能力が大幅に減退、解剖器官に触れない限り通常兵器でもある程度効力を及ぼす事が可能となっている。

LiNKER
聖遺物及びシンフォギアへの適合係数が基準値に満たない者を、投与によって係数不足分を補い人為的に適合者へと仕立てるための制御薬。しかし これを投与しても適合率の上昇は正規適合者よりも劣る上、時間経過での適合率の低下、引き上げた適合係数に応じた肉体への致死性負荷といった欠点を多く持つ。ゆえに運用には効果の制限時間設定、適切な体内洗浄法、そして 使用者個人に併せた成分の調整等が不可欠となる。作中での投与者は奏、マリア、調、切歌。了子が奏を被験者として研究・調整した『model_K』を起源とし、その後 F.I.S.に横流しされたこのmodel_Kそのもの及び観測データから、ウェル博士を中心としたF.I.S.生化学班によって改良を施されたものが完成に至っている。

Anti_LiNKER
ウェル博士がLiNKER model_Kを元に開発した、LiNKERとは逆に適合率を大幅に下げる薬品。これを投与されるとギアの出力が下がり、装着維持すら困難になる場合もある。直接注射する液体タイプと空間に散布する気体タイプが存在する。

アヌンナキ
フィーネがかつて恋い焦がれたとされる、先史文明期における現生人類=ルル・アメルの支配者・管理者=カストディアンとして語られてきた、シュメール神話に描かれる上位種。地球において生命の創造や進化の促進を行い、目的に応じて改造を施すなど、生態系の管理者としての役割を担ってきた存在。霊長のプロトタイプたるアダム・ヴァイスハウプトの創造や、現生人類のユグドラシルシステム制御用生体演算端末群としての脳機能特化改造も、その活動の一環である。ところがやがてうち1柱、シェム・ハが自らの野望のままに反乱を開始、事実上の不死身である彼女を封印したのち地球を放棄した経緯がある。現生人類に対しては、月を「バラルの呪詛」発生施設へと改造することで統一言語を剥奪、相互理解を妨げてきた元凶であるとされていたが、実際はシェム・ハの復活を防止し地球と人類を守ることが真意であった。その姿すら明らかにされてこなかったが、4期にてアダムの口からその正体が語られるとともに、5期にてボストーク湖に沈んでいた防衛機構も兼ねた「棺」の中から、封印されていたシェム・ハの遺体=聖骸が発見されたことが騒動の発端となり、やがてシェム・ハの再誕を招くこととなってしまう。

月の遺跡
先史文明期に、アヌンナキが月の一部を改造して建造した巨大構造体であり、ネットワーク・ジャマーたるバラルの呪詛の発生源。ルナアタック、そしてパヴァリア光明結社3幹部の暗躍など、作中の事件のきっかけとなってきた。ルナアタックの際、カ・ディンギルの砲撃で月が損傷したことで一部機能不全が生じ、公転軌道の異常に伴う地球への月落下という事態が招かれてしまうが、フロンティアのエネルギー制御区画ごと月に飛ばされたナスターシャが、全人類(約70億人)から集束されたフォニックゲインを用いて遺跡を再起動させたことで機能が回復、デフォルトの公転軌道へとアジャストされ落下は食い止められた。中枢部たるマルドゥークよりエンキの意思をトレースしたOSによる管理が行われることで、現在に至るまで稼働を続けている。遺跡内部にはドローンによる防御排撃機構といった厳重なセキュリティが施されており、認証されていない侵入者を排撃するためにその制御は実質不可能であったが、マリアは管理者権限を持つエンキの身体の一部=アガートラームを所持していたことから、マルドゥークにアクセス・制御することに成功した。だがヴァネッサの中に潜んでいたシェム・ハによりマルドゥークは自爆・破壊された。

バラルの呪詛
遥か昔、アヌンナキが月を改造することで現生人類全てに施した、統一言語=意思疎通手段を喪失させるネットワーク・ジャマーであり、人類の相互理解を阻む「呪い」と称されるものとして、ノイズの創造を含めた人類同士の不和の原因となってきた。人類の「原罪」とも称されており、本来は全人類に等しく施されているものであるが、ただ2人響と未来については、フロンティア事変にて神獣鏡の輝きに飲み込まれたことで呪詛からの解放=浄罪が施されたと、エルフナインにより仮説が立てられている。事実確認こそ行われていないものの、本来一般人である未来に対してS.O.N.G.は最高位保護といった処置をとり、風鳴訃堂は「神の力」占有の依代として計画に組み込むなどの対応が進められるに至っている。実際に響には第3種適合者への到達及び「神の力」の付与、未来にはシェム・ハの顕現といった現象が発生している。実際は統一言語というネットワークから人類を分断することで、「言語」を司り人類の遺伝情報内に潜むシェム・ハのデータ断章を封印する、いわば人類をシェム・ハの魔の手から守護するためのものであった。

認定特異災害
世界の各地にて古来より断続的に観測されてきた、人類だけを炭素転換して分解する現象名。 その多くが謎に包まれながらも、国連によって正式に災害として認定され、「ノイズ」と呼称されるようになる。 フロンティア事変の末期において、シンフォギア装者達の活躍により、その発生源ともいえる「バビロニアの宝物庫」に甚大なダメージを負う事となる。 以降にノイズの観測は一度も見られず、今後の経過によっては、終息宣言が出される見込みである。

カ・ディンギル
フィーネが密かに建造していた、塔を模した巨大な荷電粒子砲。存在を隠匿するため、リディアンから特異災害対策機動部二課本部をつなぐエレベーターシャフトにカモフラージュして建造されていた。「天を突く魔塔」とも称され、文字通り天にも到達し、一撃で星をも破壊する砲撃を放つことができる。無限にエネルギーを発生するデュランダルを動力としており、何度でも発射が可能である。フィーネはこれにより「バラルの呪詛」の源である月を破壊することで、人類の統一言語回復と惑星重力バランス崩壊に伴う混乱によって、世界を統一することを目論んでいた。ルナアタックにおいてカ・ディンギルと二課本部は翼に破壊されるとともに、装者達とフィーネが複数の聖遺物を用いて激闘を繰り返した末、そのエネルギーが周辺環境に残留し、原子力汚染よろしく生命の生育しない環境と化した。以後同地はエネルギー残滓除去の目処がたつまで、「特別指定封鎖区域」として閉鎖、立入禁止となり、旧本部を失った二課は移動仮設本部という潜水艦を新たな本部として運用している。

ルナアタック
第1期のメインエピソード。フィーネがカ・ディンギルを用いて月の破壊を試みた事件。クリスが月の破壊を一部に押しとどめ、翼がカ・ディンギルを破壊。その後 響たちシンフォギア装者に敗れたフィーネが月の欠片を地上に落下させようとするが、即座に対応したシンフォギア装者によって欠片が細かく破砕され被害は軽微に留まった。破片の一部は月の環になっている。しかし この事件の結果、月の公転軌道が狂い地球への落下コースを取っていた。ルナアタック後の各国の月の軌道計算は全てNASAが送り付けた捏造データからの計算だった。

武装組織「フィーネ」
アメリカの聖遺物研究所「F.I.S.」のメンバーの一部が離脱し、独立行動をとった組織。本来フィーネが月破壊後に人類を統一・支配するための新天地確保として準備していた、完全聖遺物のネフィリムと聖遺物の神獣鏡を利用した「フロンティア計画」を発動させ、ルナアタックによって引き起こされた月の地球への落下によって失われる人々の命を可能な限り多く救うことが目的であったが、メンバー間の綻びによって計画は破綻の一途を辿る。最終的にはウェル博士がフロンティアの支配権を単独で獲得、あえて月を落下させ地球を滅ぼし、わずかに新天地に移住した人類を先導・管理する「英雄」となるという自分自身の野望を遂行することとなったが、装者の活躍や月に飛ばされたナスターシャの尽力によって阻止された。

レセプターチルドレン
F.I.S.が新たなフィーネ降臨のための器として観測していた子供達の総称で、マリア、調、切歌、そして 死亡したセレナが該当する。彼女らの他にも数千名が候補となっているが、セレナがシンフォギア正規適合者と判明したことをきっかけに、急遽開始されたテストで他3名が限定適合者となり得ることが続けざまに判明、以上4名だけが装者候補として別途管理された。なおフィーネの刻印を持つ支族の一つが古代日本に渡来流入した経緯があるため、その割合は日本人に偏っている。了子が自分が死んだ場合の保険として用意していたが、彼女の死後子供たちの中からフィーネは現れなかった。実際には調が次の器になっていたが、了子として死んだフィーネが再誕を拒んでいたため、調自身も含めフロンティア事変まで誰もそのことに気づかなかった。なお装者以外のレセプターチルドレンは、彼女らの蜂起に伴い存在が暴露されたため、全員が解放・保護された。

フロンティア(鳥之石楠船神)
「フィーネ」(F.I.S.)が月の落下に伴う極大災厄から人類を救い導くべく追い求める、巨大な星間航行船。日本近域の海中深くに、古代の超常術式によって封印されている。本来了子=フィーネが月破壊後、起こり得る重力バランス崩壊よりパニックに陥る人類を支配するための新天地として、封印解除手段である神獣鏡及び、再起動手段であるネフィリムと併せて確保していたもの。月は破壊こそ為し得なかったが一部崩壊により地球に落下することとなり、これに対応すべくF.I.S.が了子の遺したデータをもとに計画を完遂・始動することを目論んだ。ネフィリムの稼働及びコアである心臓の確保は紆余曲折あって実現したものの、ナスターシャの研究・視察により、神獣鏡による封印解除の方はF.I.S.由来の機械的増幅技術ではエネルギーが足りず実現には至らないことが判明する。やがて「フィーネ」内勢力変容によって、ウェルが発案した装者による神獣鏡の励起を用いる方針へと転換。ウェルの手で装者に仕立て上げられた未来の歌と、機械的増幅を組み合わせることで封印解除に成功、海中からその全貌を露わにする。その後 ウェルがLiNKERの応用技術によってその支配権を獲得し、彼の歪んだ野望のために利用されることとなったが、装者らによって追い詰められたウェルが半ば自暴自棄に船体全てをネフィリムに食わせた末、ネフィリム・ノヴァとして自爆するという末路を辿った。

フロンティア事変
第2期のメインエピソード。「フィーネ」(F.I.S.)が月の落下から人類を救い導くべく、浮上させた古代遺跡「フロンティア」に関する一連の事件。ライブステージ「QUEENS of MUSIC」における、メインアーティストであったはずのマリアによるノイズを指揮しながらの武装蜂起宣言を発端に開始。主にF.I.S側の抱えるファクターによって計画は変容を繰り返すものの、フロンティアの再起動には成功。しかし 自身の欲望に溺れるウェル博士の暴走によって、むしろ フロンティアの力で人類は破滅の一途を辿ることとなるが、ナスターシャの尽力、シンフォギア装者、そして 地球人類70億人の歌が引き起こした奇跡によって、月落下の直接的回避、ネフィリム及びフロンティアの消滅、そして 副産物としてバビロニアの宝物庫に収納されていた認定得意災害・ノイズの根絶という結果となり、宇宙にて死亡したナスターシャを除くF.I.S.メンバー全員の逮捕・拘束を以て一応の事態集束に至る。逮捕されたメンバーの裁判は、月落下の情報隠蔽やF.I.S.の組織経緯といった、その裏側にある諸々の隠蔽・口封じを狙う米国政府の主導のもと、未成年である調や切歌を含めた全員の死刑適用を前提に進められる。しかし 先んじて斯波田が以上情報を開示したことにより、それらの公への否定に終始せざるを得なくなった米国政府はF.I.S.の存在そのものを隠匿、回り回ってメンバーの罪状は消滅することとなる。そして 彼女らの象徴として全世界中継で蜂起宣言を行った歌姫マリアが、調、切歌、そして 響といった未成年者の友を暗に人質に取られる形で国連側の取引に応じた末、国連からテロ組織に潜入していたスパイであったと公式発表され、その象徴的存在としての役割を演じ続けることで幕を閉じることとなった。

錬金術
作中では、聖遺物や現代科学とは由来の異なる異端技術、いわば現代の「魔法」を総称する言葉として使われる。世界各地の闇に秘匿される形で受け継がれており、主にキャロル率いる一派の技術として登場。パワーソースには聖遺物の「歌」ではなく、脳内の電気信号の一種たる人の記憶=「想い出」が用いられ、これを変換錬成・焼却することでエネルギーとして力を発揮する。「想い出」には自身が見聞して蓄えるケースと、他者の粘膜から強制的に吸収するケースの2つが存在。数百年を生きているキャロルの場合は自身の「想い出」だけで十分なエネルギーを得ることが可能である。

自動人形(オートスコアラー)
錬金術によって作り出された機械人形。作中ではキャロルが身辺警護・刺客として設計した4機(レイアを元に建造した「妹」たるヒトガタは該当しない)。作られて日が浅いことから「想い出」が充分に存在しないため、専ら他者から口づけにより強制吸収した「想い出」を以て稼働する。なお「想い出」を吸い取られた人間は急速に老化した末に死亡する。なおキャロルが設計の際、それぞれのAIに自身の精神構造の一部をベースとした性格を組み込んだため、人間と変わらない感情豊かな言動を再現しているのが特徴。その使命はシンフォギアの破壊による強化改修の誘発と、それに伴いギアに付加された「呪われた旋律」を身に受けた上で破壊されることにより、キャロルが作成した「譜面」に各個の「壊される刹那の悦び」を刻みつけて収集し、「世界を壊す歌」を構成することである。結果的に全機が役割を完遂した上で破壊された。

想い出
キャロルやオートスコアラーたち、錬金術のパワーソース。自身が見聞して蓄えた想い出も戦闘力と変換錬成されるが、より効率良く蓄積するため、他者の粘膜より強制的に採取して集められる。 聖杯の力を持つガリィは、想い出の扱いにも長けており、採取以外に、他のオートスコアラーに想い出を分配する機能も備えている。レイアとファラは、蓄えた想い出の分配はできないものの、他者より強制的な採取を可能とし、対して、戦闘に特化した構造のミカに想い出採取機能はなく、ガリィより分配されない限り、稼働に充分な想い出を得ることは不可能となっている。

想い出の焼却
「想い出」と称される脳内の電気信号。これを変換し、戦う力(エネルギー)に錬成することで、キャロルやオートスコアラーたちの圧倒的な戦闘力は生み出されている。 変換と錬成といった一連の流れは「焼却」と呼ばれ、 戦う力へと変わった想い出は、文字通り燃え尽きて失われてしまう。当然、想い出を失うとは、それまでの自分の喪失にほかならず、得られる力の対価としては相応の大きさといえる代償である。

ホムンクルス
錬金技術の奥義が創造した人工生命であり。キャロルやエルフナインが用いる躯体の総称でもある。オリジナルのキャロルは数百年前の欧州に生誕しており、その後、錬金術師であった父の遺志をついだ彼女は、自分の世代だけでは解き明かせない命題に挑戦するため、ホムンクルスの躯体に記憶を転送複写し続ける事で現代まで生き永らえてきた。記憶の転送複写が行われるのは、完璧以上に完成した躯体に限定されるため、充分な完成度に至らなかったそれ以外の躯体は、労役の他、生体実験用の献体として扱われて役目を全うする。本来 キャロルにはあるはずの、右目下のホクロが存在しないエルフナインも、欠陥を備えた劣化コピーとして廃棄処理される予定であったが、チフォージュ・シャトー建造の労役に就く事で廃棄を免れる事となった。

チフォージュ・シャトー
キャロル一派の居城であり、世界を分解するためのワールド・デストラクター。様々な聖遺物、または聖遺物由来となる異端技術を綴り合わせて作成されている。アルカ・ノイズ同様の解剖器官に加え、位相差障壁を応用した防御性能・空間移動、オートスコアラーからの技術応用によって、攻防に優れた性能を発揮する最終兵器。自動人形による「呪われた旋律」の収集と、システム操作手段としてネフィリムを左腕に宿したウェル博士を確保することにより起動。地表をめぐるレイラインの終着点である東京に飛来し、キャロルの「世界を壊す歌」を音叉のように共振・共鳴させることで、解剖器官をさらに拡大したエネルギー波をレイラインに沿って地球全土に照射、全世界をプリマ・マテリアへと分解してしまう。しかし ウェル博士の反逆とマリアやエルフナインらの尽力によって分解機能を再構築に逆用され、逆上したキャロルの攻撃を受けて大破、崩落した。

ヤントラ・サルヴァスパ
聖遺物をはじめとする異端技術のパッチワークである、チフォージュシャトーを完成させる最後の部品と目されていた完全聖遺物。 伝承には、ヤントラ・サルヴァスパを使う事であらゆる機械装置を動かせるようになるとされているが、これは、使用者の意思をダイレクトに装置へと繋げ、意のままに操れる効能を指したものである。 キャロルたちは、深淵の竜宮に収められていたヤントラ・サルヴァスパを入手しようとしていたが、基底状態にあったためか、交戦時の衝撃で破壊されてしまい、チフォージュシャトー完成の目論みはあえなく潰えてしまう。それは、錬金術師の計画に一矢報いた瞬間であった。

ヘルメス・トリスメギストス
キャロルが振るう参重層術式防護。その意は「偉大にして偉大、そして 偉大なるヘルメス」であり、エメラルドタブレットの作成に関わった超伝説級の錬金術師の名を由来としている。錬金術の他に、天体の運行力学と降魔儀式の三要素が合一することで完成された術式であり、術者当人の技量以外にも、術式行使の時期と事前準備が必須であるなど、お世辞にも使い勝手は良くないと言える。その分、防御性能は非常に高く、必殺を遮断し、窮地を打開する絶対的な障壁として機能する。

世界を壊す歌
シンフォギア装者ではないキャロルの胸に歌は浮かばなくとも、イグナイトモジュールが奏でる呪われた旋律をその身に受ける事でキャロルは「譜面」を作成し、オートスコアラーの4機はその譜面に、壊される刹那の悦びを刻むことで、ついに「歌」は完成するのであった。 その歌を口にしてキャロルが放つフォニックゲインは、かつて ナスターシャ教授が月遺跡の再起動に用いた70億人分の総量をも凌駕する出力であり、それだけで装者達を圧倒するほどである。だが、その真価はもうひとつ。音叉のようにキャロルの歌と共振・共鳴したチフォージュ・シャトーは、アルカ・ノイズの分解能力を、さらに拡大させたエネルギー波を照射。 地表に巡るレイラインに沿って、日本の対蹠地である南半球に再収束したエネルギー波は海上に屹立。そこを起点としつつ、文字通り「世界を壊す歌」となってあらゆる物質を分解していくのであった。

ファウストローブ
聖遺物の欠片やラピス・フィロソフィカスから放出されたエネルギーを、錬金技術の粋によってプロテクターの形状として錬成させたもの。ある意味シンフォギアに近いが、起動に歌(聖詠)を必要としない。生物学上において男性型の上位完全体たる、女性型構造の肉体でなければ、エネルギーが固着せず装着できないという特性がある。ゆえに作中では女性型ホムンクルスであるキャロルや、女性をベースとした「完全なる肉体」を持つパヴァリア光明結社幹部のみが、装着に至っている。キャロルのダウルダブラは、ローブに内蔵された弦によりキャロルの思い出をエネルギーとした錬金術を増幅できる。パヴァリア光明結社のローブは、ラピス・フィロソフィカスを基本形態としており、着用者が持つ武器や器物型のスペルキャスターというコンバーターユニットに組み込まれている。ラピス・フィロソフィカスの特性により、着用者を中心とした一定範囲内に在するシンフォギアのイグナイトモードを無効化・強制解除させる機能を有している。

チフォージュ・シャトー
キャロル一派の居城であり、プレラーティが設計に関与した世界を分解するためのワールド・デストラクター。様々な聖遺物、または聖遺物由来となる異端技術を綴り合わせて作成されている。アルカ・ノイズ同様の解剖器官に加え、位相差障壁を応用した防御性能・空間移動、オートスコアラーからの技術応用によって、攻防に優れた性能を発揮する最終兵器。自動人形による「呪われた旋律」の収集と、システム操作手段としてネフィリムを左腕に宿したウェル博士を確保することにより起動。地表をめぐるレイラインの終着点である東京に飛来し、キャロルの「世界を壊す歌」を音叉のように共振・共鳴させることで、解剖器官をさらに拡大したエネルギー波をレイラインに沿って地球全土に照射、全世界をプリマ・マテリアへと分解してしまう。しかし ウェル博士の反逆とマリアやエルフナインらの尽力によって分解機能を再構築に逆用され、逆上したキャロルの攻撃を受けて大破、崩落した。

ラピス・フィロソフィカス
『賢者の石』とされる赤き輝きを放つ宝石。錬金術師たちが追い求めている技術の到達点であり中間点である。それは聖遺物ではなく現代の錬金術師が有する最新叡智の結晶体とされ、パヴァリア光明結社のファウストローブにも加工される。外見は、赤いハート型の結晶宝石であり、紫色の血管のような内包物が透けて見えている。その錬成にはチフォージュ・シャトーにて解析した世界構造のデータが応用されており、その輝きは闇の力を浄化する特性を持つ。それが故に、シンフォギアの呪われた聖遺物ダインスレイフの力で起動するイグナイトモードを強制解除する機能をサンジェルマンたちのファウストローブにもたらしている。

魔法少女事変(アルケミックカルト)
第3期のメインエピソード。キャロル率いる自動人形やアルカ・ノイズの集団による全世界分解計画「万象黙示録」に関する一連の事件の総称。集団による装者達のシンフォギア破壊とS.O.N.G.へのダインスレイフ譲渡によって、シンフォギアにイグナイトモジュールを付加させ「呪われた旋律」を発するように仕向けた上で、キャロル自身や自動人形がそれらを身に受けることにより「世界を壊す歌」を作成、それを一派の居城たるワールド・デストラクター、チフォージュ・シャトーによる共振・共鳴によって増幅することで分解エネルギー波として地球全土に撒き散らし世界を分解することが目論まれた。「呪われた旋律」及びチフォージュ・シャトー完成までが予定通り進行し、世界の分解が開始されるも、シャトー内に侵入したマリア、調、切歌の援助を受けたウェル博士の干渉により計画は阻止され、首謀者たるキャロルも残された力を全て消費したことにより計画は頓挫することとなった。なお一連の騒動について風鳴兄弟は、フロンティア事変に伴う米国の失墜を機とした欧州による干渉があったと推測している。

パヴァリア光明結社
これまで存在のみがマリアの口から語られてきたが、第4期にて正式に登場。 F.I.S.による「フロンティア事変」では米国国家安全保障局と共に月の落下を隠蔽し、人類への復讐を目的に「魔法少女事変」を主導したキャロル一派を背後で支援する等、これまでの事件及び世界の歴史の裏側で常に暗躍し続けてきた秘密組織。一部には、現在の欧州を暗黒大陸と言わしめる要因となったとされている。メンバー全員が錬金術師で構成されている。 神の力結社が追い求めている「絶対たる力」の呼称。生贄となる人間の生命から創造される無色・純粋な高エネルギー体で、これに物体などが持つ「概念」を付与することで人知を超えた強力な兵器を生み出すことができる。アダムは地球のレイラインを使って星の命を抽出することでそれを実現しようとしていたが、S.O.N.G.と日本政府はレイライン遮断作戦を実行し、星の命を取り出せなくなってしまったため、とっさにオリオン座をもう一つの「神いずる門」を見立て、星間を循環するエネルギーを抽出し代用した。本来は汚れなき魂にしか宿らない特性を持つがゆえ、原罪のある人間に宿る事はあり得ず、アダムはティキに宿らせた。そのティキが破壊されたことから、溢れた力をアダム自身の左腕に付与させようとするが失敗し、なぜか人間である響に宿ってしまった。その後、響を依り代として不完全ながら巨人の姿、「破壊神ヒビキ」として顕現するが、響が未来の呼びかけにより神の力を手放し、最終的にアダムの左腕に宿ったが響に消滅させられた。

神の力
パヴァリア光明結社、ノーブルレッド、そして風鳴訃堂が追い求める「絶対たる力」の呼称。生贄となる人間や天地のレイラインより大量抽出した生命力の圧縮や、シェム・ハの腕輪からの直接抽出など、様々な手段を以って精製する無色・純粋な高エネルギー体で、これに物体などが持つ「概念」を付与することで人知を超えた強力な兵器を生み出すことができる。アダムは地球のレイラインを使って星の命を抽出することでそれを実現しようとしていたが、S.O.N.G.と日本政府はレイライン遮断作戦を実行し、星の命を取り出せなくなってしまったため、とっさにオリオン座をもう一つの「神いずる門」を見立て、星間を循環するエネルギー「天のレイライン」からエネルギーを抽出し代用した。本来は汚れなき魂にしか宿らない特性を持つがゆえ、原罪のある人間に宿る事はあり得ず、アダムはティキに宿らせた。そのティキが破壊されたことから、溢れた力をアダム自身の左腕に付与させようとするが失敗し、なぜか人間である響に宿ってしまった。その後、響を依り代として不完全ながら巨人の姿「破壊神ヒビキ」として顕現するが、響が未来の呼びかけにより神の力を手放し、最終的にアダムの左腕に宿ったが響に消滅させられた。のちに護国のため「神の力」を追い求めた風鳴訃堂が、目的を同じくしたノーブルレッドとともにこれを追い求めた末、シェム・ハの腕輪より赤子状の巨大エネルギー塊としてマテリアライズ、腕輪と依代たる未来を取り込んだことで「神」を名乗る存在、シェム・ハとして顕現を果たす。

神殺し
結社が追い求める「神の力」に対抗するものとしての呼称。ガングニールが長年蓄積してきたコトバノチカラであり一種の哲学兵装としての特性。立花響のアームドギアの特性により平行世界にまで干渉その結果、ヨナルデパズトーリやディバインウェッポンとなったティキの無敵性をも打ち崩している。

ヨナルデパズトーリ
サンジェルマンらが完成させた「神の力」に、オペラハウス地下に存在した同名の神性を模した彫像より概念を付与することで顕現した怪物。巨大な蛇とも龍ともつかない姿であり、シンフォギアをも圧倒する攻撃力と耐久力を誇る。さらに最大の特徴として、受けたダメージを並行世界上の同一別個体に肩代わりさせるという無敵にも等しい能力を備えている。エスカロン空港での戦いにおいて、「神殺し」の哲学兵装たるガングニールのギアを纏った響の一撃を受け、撃破・消失した。

鼓星の神門
埼玉県の氷川神社群を線で結ぶことで描かれる、鏡移しのオリオン座に似た地上図。その形状から鼓にも喩えられ、空間に描かれた魔法陣として機能する。この地上図を「神いずる門」に見立て、そこからレイラインを巡る星の命を引き出し、「神の力」を創造することがパヴァリア光明結社の目的であった。この作戦はS.O.N.G.に看破され、八紘による要石を利用したレイライン遮断作戦によって一時的に阻止されたが、アダムが自身の膨大な魔力量にまかせ、大地に描かれた鏡写しのオリオン座に照応する天のオリオン座そのものを門に見立てて開くことで「神の力」の錬成は果たされた。

死灯
シンフォギア装者達が歌う絶唱と似たメカニズムを持ち、同様に命を燃やしエネルギーと錬成する術式。

ノーブルレッド
第5期にて登場するパヴァリア光明結社残党の部隊。元は結社にデータ採取用の臨床検体として扱われていた改造人間達であり、結社崩壊に伴い逃走したところを風鳴訃堂に私兵として拾われた。「ノーブルレッド」の名は実験動物として扱われた3人による、自分たちを奮い立たせるための結社に本来存在しない自称。それぞれが異なるモンスターパワーを発揮するほか、万全状態で3人が揃うことで、「ダイダロスの迷宮」という哲学兵装、およびダイダロスエンドという奥義を行使できる[46]が、それ以上のバトルポテンシャルは持っていない。一方3人とも血中の霊薬「パナケイア流体」(LiNKERのようなもの)を怪物としての力を発揮する源としているが、力を行使するたび流体が穢れ死毒へと変異してしまう欠陥があり、生命を維持するためには稀血の全血製剤を用いた血液全交換が必要となっている。「神の力」にて自身に残された「人間部分」の代謝を加速させる事で欠損部分を再生し、ヒトの体に戻ることを共通の悲願としており、訃堂から必要な全血製剤と研究環境の確保というバックアップを受け活動を開始。米国のロスアラモス研究所からシェム・ハの腕輪の強奪・起動に成功、当初のアジトであった廃棄物処理場跡を失うも訃堂が管理するチフォージュ・シャトー跡地を新たな根城として与えられる。最終的にシャトーに放棄されたオートスコアラー廃棄躯体の残存エネルギーを利用して、シェム・ハの腕輪から「神の力」顕現に至るが、彼女らを用済みとした訃堂により血液製剤に毒を仕込まれ重傷を負ってしまう。辛くも生還して強制捜査中のどさくさに紛れて風鳴総家に侵入、ダイレクトフィードバックの再調整にてシェム・ハと化した未来の支配を試みるも、その行為により覚醒したシェム・ハによる強制改造を受け、稀血を必要としない各々の能力が強化された完全なる怪物として「完成」し、ヒトに戻ることさえ出来なくなってしまった。その後は地球およびその生命全てを「怪物」へと改造せんとするシェム・ハの野望に賛同し、忠誠を誓う。

ダイダロスの迷宮
万全状態のノーブルレッド(ヴァネッサ・エルザ・ミラアルク)ら3人が揃って初めて使える切り札。「怪物がいる場所こそが迷宮」と因果反転させることで実現した哲学兵装にして、ダンジョンエディット機能。3点の概念境界の組み合わせで全長38万kmに及ぶ脱出不可能な迷宮を構成する。消耗が激しくそれだけではいずれ脱出されてしまう為、閉鎖空間にエネルギーを流し込むことにより相手を倒す必殺の一撃「ダイダロスエンド」を使用する。フルスロットルでエネルギーを炸裂させると、迷宮を形成する概念境界をも破壊せしめるほどの威力を発揮できるものの、対象に凌ぎ切られるとこれ以上の攻撃手段は彼女らにはなく、ポテンシャルを超えた一撃を行う為身体への負担も更に大きくなる。

バルベルデ共和国
南米の小国。軍事政権国家。クリスにとって、かつて両親が戦火によって死亡することになった因縁の地。常に政情不安定であり、小国であるにもかかわらず、これまでも大きな危機・脅威が頻発している。長きに渡る現在の独裁は、自国民に過酷な暮らしを強いており、反発から結成された反政府組織と散発的な小競り合いを繰り返している状況だったが、パヴァリア光明結社の支援・技術提供によって、政府軍にアルカ・ノイズや異端技術による新兵器を導入。後にアルカ・ノイズの実戦投入が判明したことをきっかけに国連は武力介入を決議し、S.O.N.G.を投入することとなった。

ディー・シュピネの結界
バルベルデ共和国に存在して、確かにそこにあるものの、人の意識を逸らし、あたかも存在しないよう人払いとして機能し、人の意識ばかりか機械の発する指向性の信号すらも撹乱する不可知の結界。この結界に守られたところこそもっとも安全な地であり、もっとも重要な財産や機密を秘匿できるとされ、大統領が籠城を決めようとした他、とある国の亡命将校から提供された聖遺物を保管していた。パヴァリア光明結社に所属している者たちからは「秘密の花園」と呼ばれる。

バルベルデドキュメント
バルベルデ政府が長年保有してきた聖遺物関連の資料。マリアと翼がバルベルデから帰国とともに日本に持ち込まれ、解析のために長野の風鳴機関本部に持ち込まれていたが、神殺しに関する情報の露見を恐れたアダムにより機関本部ごと破壊される。しかし、某国にも同一内容のものが流出しており、現地の機関が解析した情報がS.O.N.G.にもたらされたことでアダムの打倒に繋がった。

電界顕微観測鏡 Beatrice
4期以降に登場。エルフナインが開発した未完成品ではあるが、人間の脳領域を仮想現実として電気的擬似構成し、記憶などに基づいてサイバースペースのように展開された被験者の内的宇宙を体験できる装置。その起源はF.I.S.にてウェルのチームが開発し神獣鏡のシンフォギアに応用された、人間の脳内に直接介入する装置・ダイレクトフィードバックシステムであり、これがフロンティア事変後に押収された後、エルフナインにより錬金技術の応用で発展されたものである。ダイレクトフィードバックシステムと比較して、脳領域をいったん電気的擬似構成しているぶん被験者の脳への負担は少ないが、内的宇宙内で事故にあえば、現実空間の本体も自己認識が散逸・消失するといったリスクを孕む。エルフナインはプライベート時間の多くを費やし、この装置にて自らの脳領域を観測してキャロルの「想い出」の断片収集を行っており、記憶を焼却していたキャロルの人格がこれで収集された「想い出」を元に自らの擬似人格を再構築し、第5期での復活につながっている。また第4期ではマリアの深層意識内を観測することで、改良型LiNKER製造の中核要素の解明に至った。

雑記



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