玉城町 四季のいろどり - バクチノキ

バクチノキ

科目:バラ科
漢字表記:博打の木
リンク:『薬』バクチノキ


20.10.3(上町)植栽木


24.11.30(上町)植栽木

【コメント】
在来の常緑の高木で樹皮が鱗片状にはがれ落ち、その跡が紅黄色のまだら紋様となる。
和名は樹皮が次々と剥がれ落ちる様相を博打に負けて身ぐるみ剥がれるように喩えたことに由来する。
なお、赤肌になることから「アコノキ」や「ハダカノキ」、猿が木に登ろうとしても木肌とともに
滑り落ちることから「サルコカシ」と呼ばれる別名もある。樹皮は黄色の染料の材料にもなるという。
バクチノキの開花は9〜10月。その年に伸びた枝葉の脇に長さ3センチほどの花序を出し、白い小花
を房状に密生さる。花は直径6〜7ミリで下から順に咲き上がり、イヌザクラと同じように花序に葉はない。
花の中央には雌しべが一つあり、30を超える多数の雄しべは花弁の外へ突き出る。花弁と萼は5枚。
葉は長さ10〜20センチの長楕円形で枝から互い違いに生じ、縁には鋭いギザギザがある。表面は濃緑色
で裏面は淡い緑色。先端は尖り、基部はクサビ形になる。
花の後には直径2センチほどの果実ができる。でき始めの果実は緑色だが、やがて紅紫から黒紫となり、
開花翌年の5月頃に熟す。未熟な果実は歪んだ卵形だが、熟す頃には楕円形。
南伊勢町の愛洲の里周辺の散策路沿いには自生種と思われる木を観察できる。
近似種に外来種のセイヨウバクチノキがあるが、同種は成長しても樹皮は剥離しない、花は4月に咲く。
また、バクチノキは単幹で育つことが多いが、セイヨウバクチノキは株立ち状に育つことが多い。 
葉を採って揉むと“杏仁豆腐”の甘い匂いがする。

【撮影記】
20.10.3(上町)
24.11.30(上町)