日本茶インストラクター協会、南風サロン

Ｍｙお茶講座では、先日の茶道体験に続き、第２回「煎茶道体験〜一煎差し上げます〜」を開催されました。
日頃、急須でお茶を淹れて飲んでいますが、同じく急須、葉茶を使ってお茶を淹れる「煎茶道」を初めて体験させていただきました。
急須を使って美味しいお茶を淹れる為に、合理的に組み合わせて手順が定められた煎茶道のお手前。
今回の講師は、江藤美子さん（煎茶道愛茗流師範）にお手前とお話をしていただきました。

　手前１　煎茶5客煎の道具
(お手前では、二つ重ね、三つ重ねの茶碗は伏せずに飲み口を上にして盆にセットします）

　床の間
（書やお花は大塚さんが準備くださいました）

　半裳（はんしょう）について
愛茗流では、お手前を通じて、趣味から、人との交流に、そして修行に　を趣旨としています。
半しょうを手前、童子（どうじ）、席主が着装します。
半しょうをつけることにより、僧侶のように行じる精神で煎茶を行う。との事でした。お手伝いのお童子は、大塚さん。

　炉扇で涼炉の火をおこす所作。

煎茶５客煎　涼炉の上に急須をのせ、湯を沸かします。チリチリと音色が聞こえてきました。
この手前では、横手の白急須。涼炉にかけて湯を沸かすので底に釉薬を塗っていない。




　湯の中に葉茶をいれると、ジュワーと音がしました。湯の中にいれるというのも驚きましたが、音にも(@_@)
熟味を待っている間に、湯呑みを水で洗う所作があり、おいしいお茶を淹れる為に計算されているお手前です。


　参加者は、今回も10名です。申し込み順だったので、今回も参加できてラッキーでした。

　真剣な眼差し


　急須に茶葉が入るとお菓子が配られました。
煎茶道では、まずお茶を味わいお菓子は後。左膝前（または左横）に置いておき、お茶を飲んでからお菓子を食べます。

　静かに廻し注ぎ分けたら、茶托にのせ配られます。


　手前がまず一口飲み挨拶し、正客が一口飲んで挨拶を返したあと、他の人も飲みます。
本来は一煎飲んで、更に二煎目を一口味わってからお菓子を食べますが、手前１では１０人にお茶が渡るよう２グループに分け、一人一煎となりました。なので一口お茶を味わってお菓子をいただきました。（一煎目と二煎目の間でお菓子を食べる流派もある）
手前１のお菓子は、銀杏と紅葉の生菓子（中原松月堂製）でした。


　二煎目は、廻しかごにのった急須に入ってきます。客が自分で注いで次の人に廻します。
自分の事は自分でという禅の精神・・・だそうです。
第２グループが二煎目を体験しました。

　飲み終わったら元通りに片付けていきます。
写真は、茶かすを茶箸でとり、滓盂(しう）に入れているところ。　

お手前が終わり、煎茶についてお話がありました。


おいしいお茶を心を込めて淹れ、お茶を淹れる方も味わう方も、お茶を飲みながらともに心豊かなひととき、楽しい語らいの時間を持つことを大切にしている。

一碗の茶は、心に「清風」を起こしてくれる。
ろどうの茶歌「六碗仙霊に通ず、七碗喫するを得ず、唯覚ゆ両脇に習習として清風の生ずるを」
や、売茶翁偈語を通して「通仙の境地」など、煎茶の精神性にも触れました。

売茶翁について・・日本茶インストラクターの教科書には、少ししか載っていなかったけれど、煎茶の世界では、急須でお茶を淹れることが、江戸時代、京の都でお茶を振る舞った売茶翁から広まったとあらためて勉強しました。


次は隣の茶室に移動し、お手前２　淹茶５客煎
今度は省略、中断なしで通しのお手前を体験します。

　床の間のお花は薔薇。
薔薇は長春を意味しますが、開催日が頼山陽忌と近かったことから、煎茶を愛した頼山陽ゆかりの花、薔薇を選んだそうです。

　玉露をいただきます。
（お手前では、泡瓶の口は盆の中では左向きに、盆の外に出した時が上を向きます）



　第２グループには、参加者を代表して田中さんにお手前と同じタイミングでお茶を淹れていただきました。
この写真は、お手前の前に第２グループ用の泡瓶に玉露を準備しているところ。

　玉露もお菓子も美味しかったです。
手前２のお菓子は栗形のコハクと和三盆糖

お手前が終わった後、今日使用されたお茶や愛茗流についてお話を聞きながら、またまたお茶タイム。
山田さんお土産の和菓子をいただきました。



江藤さん、資料作り、お道具の準備、何から何まで本当にありがとうございました。


平成２５年１０月２７日（日）１４時〜１６時半　熊本市東部公民館　和室・茶室