欧州連合(European Union) 
欧州連合は、ローマ条約、マーストリヒト条約を根拠として構成されるヨーロッパに於ける超国家的な地域共同体。現在27カ国のヨーロッパ諸国が加盟している。欧州連合は、リスボン条約によって超国家的統治である�＾萋盪埔譴閥δ鳴眠漾↓⊆�由・安全・司法領域、国家間協力である�６δ務宛髻Π汰簡歉秬�策(CFSP)の３つから構成される。
◆欧州連合の機関
EUの本部（首都）は、欧州理事会のあるブリュッセル。欧州連合はマーストリヒト条約に基き、欧州議会（立法府）、欧州理事会（加盟国首脳会議）、閣僚理事会（立法府）、欧州委員会（行政府）、EU司法裁判所（司法府）、欧州中央銀行(ECB)、会計監査院の７つの機関を持つ。欧州理事会、閣僚理事会は加盟国の意思を反映させ、欧州議会はヨーロッパ市民の意思を反映させる。欧州委員会が加盟国、市民とは独立して欧州連合の運営を担う。立法府は欧州議会と閣僚理事会の二院制（欧州議会のほうが優位）。EUの意思決定は、欧州理事会の方針に基き、欧州委員会が法案・政策を欧州議会と閣僚理事会に提案する。欧州議会が拒否や修正提案を行い、欧州理事会が特定多数決により決定を下すという流れとなっている（共通外交・安全保障政策を除く）。政府間組織だけでなく、欧州議会というヨーロッパ市民を代表する組織がある点が他の国際組織と大きく異なる。
� ＿そ５腸�(European Parliament)
議場はフランスのストラスブール。仏独の係争地であったアルザス地方が選ばれた。欧州議会議員は直接選挙によって選出され、任期は5年。総議席数は754議席（2014年までの暫定）で、各国の人口に応じて割り当てられる。議員は国籍ではなく所属政党において活動する。政党は中道右派キリスト教系のヨーロッパ人民党や、社会民主主義の社会民主進歩同盟など。欧州議会は、欧州委員会の提案する法案について閣僚理事会と共同で承認を行う（共同決定手続）。
�◆＿そＭ�事会(European Council)
欧州理事会の所在はベルギーのブリュッセル。欧州理事会は、加盟国代表（首相や大統領）と欧州委員会委員長で構成されるEUの首脳会議。リスボン条約によって「EU大統領」とも呼ばれる常任議長を設置。常任議長は欧州理事会に出席する加盟国代表から1人選ばれ、法的権限はないが欧州連合を代表する。2011年現在の常任議長はベルギーのロンパウ議長。「外務・安全保障政策上級代表」の選出や新規加盟国の受け入れなどが議論される。
�� 閣僚理事会(Council of the European Union、EU理事会、理事会)
閣僚理事会に議長はおらず（外務理事会を除く）、加盟国が輪番制で議長国を務める。閣僚理事会には、総務、外交、経済財務、農業漁業、司法内務、環境など9の理事会があり、各国の政府閣僚1名が出席する。閣僚理事会は、欧州委員会の提案する法案について欧州議会と共同で承認を行う（共同決定手続）。
閣僚理事会の意思決定は、加盟国の人口に応じて割り振られた票を用いて、加盟国の政府閣僚のみによる特定多数決を採用している。ただし、重大な利益に関る問題については全会一致制となっている（ルクセンブルクの妥協）。加盟国代表は自国の利益と共同体の利益に基いて意思決定に参加する。
共通外交・安全保障政策は、欧州委員会・欧州議会の権限は限定的であり、外務理事会が中心となって運営を行う。外務理事会のみリスボン条約で「外務・安全保障政策上級代表」が議長を務めるとされている。上級代表は法的権限に基き対外的に欧州連合を代表し、欧州委員会副委員長を兼任する。この分野では提案権は加盟国や上級代表にしかなく、欧州委員会は提案権を持たず、欧州議会は拘束力のない勧告ができるに留まる。外務理事会では全会一致による決定が原則となっている。
�ぁ＿そ０儖�会(European Commission)
欧州委員会の所在はブリュッセル。欧州委員会は、加盟国政府の参画する欧州理事会・閣僚理事会、市民が直接選挙する欧州議会と異なり、加盟国政府から独立し中立の立場で欧州全体の利益に基いて運営を行う。欧州委員会は27名で構成され、1加盟国1名を委員として選出する。委員の任期は5年。欧州理事会は27名のうち1名を委員長に任命し、欧州議会が承認する。2011年現在の委員長はポルトガルのバローゾ委員長。
欧州委員会の機関は25000人の職員と1500億ユーロの予算を持ち、法律の執行を行う行政府の役割を持つ。また、欧州連合で唯一法案提出権を有する。ただし欧州議会や閣僚理事会の勧告に基づいて法案を提出することもある。
�ァ�EU司法裁判所(Court of Justice of the European Union)
欧州裁判所は、EUの最高の紛争処理機関。欧州連合条約の解釈と適用に関する問題、EU法、加盟国間の紛争の裁定などを行う。その判決は加盟国から市民まで直接の拘束力を持つ。マーストリヒト条約によって刑罰権が付与され、加盟国に罰金を貸すことが出来るようになった。
◆欧州連合の政策
09年に発効したリスボン条約で「3つの柱」構造は廃止された。
� 〃从冂眠濺�合
�◆ゞδ務宛魄汰簡歉秬�策(CFSP)
共通外交・安全保障政策の目的は、マーストリヒト条約によると�＿そＯ�合の共通の価値、基本的利益、独立と一体性を擁護すること、��欧州連合の安全保障を強化すること、�９駭�憲章、欧州安全保障協力機構の原則に則って国際安全保障を強化すること、�す餾欟�力を推進すること、�ヌ閏膽腟繊∨，了拉曄⊃邑�尊重の発展と強化を行うこと。
外務理事会では主権平等の観点から加盟国の全会一致を原則としている。
�� 司法内務協力
◆欧州連合の機関
EUの本部（首都）は、欧州理事会のあるブリュッセル。欧州連合はマーストリヒト条約に基き、欧州議会（立法府）、欧州理事会（加盟国首脳会議）、閣僚理事会（立法府）、欧州委員会（行政府）、EU司法裁判所（司法府）、欧州中央銀行(ECB)、会計監査院の７つの機関を持つ。欧州理事会、閣僚理事会は加盟国の意思を反映させ、欧州議会はヨーロッパ市民の意思を反映させる。欧州委員会が加盟国、市民とは独立して欧州連合の運営を担う。立法府は欧州議会と閣僚理事会の二院制（欧州議会のほうが優位）。EUの意思決定は、欧州理事会の方針に基き、欧州委員会が法案・政策を欧州議会と閣僚理事会に提案する。欧州議会が拒否や修正提案を行い、欧州理事会が特定多数決により決定を下すという流れとなっている（共通外交・安全保障政策を除く）。政府間組織だけでなく、欧州議会というヨーロッパ市民を代表する組織がある点が他の国際組織と大きく異なる。
� ＿そ５腸�(European Parliament)
議場はフランスのストラスブール。仏独の係争地であったアルザス地方が選ばれた。欧州議会議員は直接選挙によって選出され、任期は5年。総議席数は754議席（2014年までの暫定）で、各国の人口に応じて割り当てられる。議員は国籍ではなく所属政党において活動する。政党は中道右派キリスト教系のヨーロッパ人民党や、社会民主主義の社会民主進歩同盟など。欧州議会は、欧州委員会の提案する法案について閣僚理事会と共同で承認を行う（共同決定手続）。
�◆＿そＭ�事会(European Council)
欧州理事会の所在はベルギーのブリュッセル。欧州理事会は、加盟国代表（首相や大統領）と欧州委員会委員長で構成されるEUの首脳会議。リスボン条約によって「EU大統領」とも呼ばれる常任議長を設置。常任議長は欧州理事会に出席する加盟国代表から1人選ばれ、法的権限はないが欧州連合を代表する。2011年現在の常任議長はベルギーのロンパウ議長。「外務・安全保障政策上級代表」の選出や新規加盟国の受け入れなどが議論される。
�� 閣僚理事会(Council of the European Union、EU理事会、理事会)
閣僚理事会に議長はおらず（外務理事会を除く）、加盟国が輪番制で議長国を務める。閣僚理事会には、総務、外交、経済財務、農業漁業、司法内務、環境など9の理事会があり、各国の政府閣僚1名が出席する。閣僚理事会は、欧州委員会の提案する法案について欧州議会と共同で承認を行う（共同決定手続）。
閣僚理事会の意思決定は、加盟国の人口に応じて割り振られた票を用いて、加盟国の政府閣僚のみによる特定多数決を採用している。ただし、重大な利益に関る問題については全会一致制となっている（ルクセンブルクの妥協）。加盟国代表は自国の利益と共同体の利益に基いて意思決定に参加する。
共通外交・安全保障政策は、欧州委員会・欧州議会の権限は限定的であり、外務理事会が中心となって運営を行う。外務理事会のみリスボン条約で「外務・安全保障政策上級代表」が議長を務めるとされている。上級代表は法的権限に基き対外的に欧州連合を代表し、欧州委員会副委員長を兼任する。この分野では提案権は加盟国や上級代表にしかなく、欧州委員会は提案権を持たず、欧州議会は拘束力のない勧告ができるに留まる。外務理事会では全会一致による決定が原則となっている。
�ぁ＿そ０儖�会(European Commission)
欧州委員会の所在はブリュッセル。欧州委員会は、加盟国政府の参画する欧州理事会・閣僚理事会、市民が直接選挙する欧州議会と異なり、加盟国政府から独立し中立の立場で欧州全体の利益に基いて運営を行う。欧州委員会は27名で構成され、1加盟国1名を委員として選出する。委員の任期は5年。欧州理事会は27名のうち1名を委員長に任命し、欧州議会が承認する。2011年現在の委員長はポルトガルのバローゾ委員長。
欧州委員会の機関は25000人の職員と1500億ユーロの予算を持ち、法律の執行を行う行政府の役割を持つ。また、欧州連合で唯一法案提出権を有する。ただし欧州議会や閣僚理事会の勧告に基づいて法案を提出することもある。
�ァ�EU司法裁判所(Court of Justice of the European Union)
欧州裁判所は、EUの最高の紛争処理機関。欧州連合条約の解釈と適用に関する問題、EU法、加盟国間の紛争の裁定などを行う。その判決は加盟国から市民まで直接の拘束力を持つ。マーストリヒト条約によって刑罰権が付与され、加盟国に罰金を貸すことが出来るようになった。
◆欧州連合の政策
09年に発効したリスボン条約で「3つの柱」構造は廃止された。
� 〃从冂眠濺�合
�◆ゞδ務宛魄汰簡歉秬�策(CFSP)
共通外交・安全保障政策の目的は、マーストリヒト条約によると�＿そＯ�合の共通の価値、基本的利益、独立と一体性を擁護すること、��欧州連合の安全保障を強化すること、�９駭�憲章、欧州安全保障協力機構の原則に則って国際安全保障を強化すること、�す餾欟�力を推進すること、�ヌ閏膽腟繊∨，了拉曄⊃邑�尊重の発展と強化を行うこと。
外務理事会では主権平等の観点から加盟国の全会一致を原則としている。
�� 司法内務協力
政府間主義と超国家主義
政府間主義 ：各国の主権の行使に基く。欧州理事会、閣僚理事会(特に外務理事会)
超国家主義 ：超国家機関それ自体の権限に基く。欧州議会、欧州委員会、EU司法裁判所
「政府間主義」は各国の主権の独立を主張し、EUの意思決定を加盟国の全会一致によるべきとする。一方、各国の主権の及ぶ範囲を狭め、EUの意思決定を多数決によるべきとする立場を「超国家主義」と呼ぶ。全会一致を原則とする政府間主義では、1国でも反対があると否決されるため、加盟国政府が事実上の拒否権を有する。これに対して超国家主義では、多数決によって決まるため、意思決定がスムーズに行われることになる。
マーストリヒト条約の締結交渉において、「3つの柱」構造が生れ、国家主権の核心的な部分である外交・安全保障・警察・司法等の分野においては政府間主義的な傾向が強かった。2000年前後以降からのアムステルダム条約・ニース条約・リスボン条約は、いずれもEUの権限を強める超国家主義的な傾向がある。
◆共同決定手続 −超国家主義
欧州議会と閣僚理事会の双方の承認によって意思決定を行う手続き。マーストリヒト条約によって導入され、アムステルダム条約・ニース条約で適用分野が拡大され、外交・安保分野を除いてほぼすべての分野に適用される。閣僚理事会の決定は特定多数決方式によって行われ、全会一致方式よりも比較的スムーズに決定が行われる。
◆外務理事会・共通外交安全保障政策(CFSP) −政府間主義
戦後ヨーロッパでは、経済分野における統合と同様に、外交分野においても協力する動きがあった。1950年にはフランスが超国家主義的な「欧州防衛共同体」構想を提案したが、国内のドゴール派によって失敗した。1970年には、EC加盟国の外交協力に関する枠組みである政府間主義的な「欧州政治協力」が発足した。その後も政府間主義的な傾向が強いまま、欧州政治協力は1993年にはマーストリヒト条約の第2の柱・共通外交安全保障政策に引き継がれた。ここにおいても、超国家主義的な欧州共同体には含まれず、政府間の協力として位置づけられた。
共通外交安全保障政策を決定する外務理事会においては、原則として全会一致方式となっている。ただし、合意があれば条件付多数決とすることは出来る。09年発効のリスボン条約によって超国家主義的な制度改革が行われ、「3つの柱」構造が廃止されCFSP上級代表(EU外相)が設置されたが、外交分野においては依然政府間主義が強い傾向にある。
◆司法・内務協力 −政府間主義→超国家主義
EUは域内の自由移動を認めている。仏独ベネルクスの5か国で結ばれ1995年に発効したシェンゲン協定は、締約国国民と合法的に入国した第三国国民に対して域内自由移動を認め、さらにそれを補完するための警察間協力を規定した。1993年発効のマーストリヒト条約では、EUの政策に司法内務分野を追加し、難民、移民、民事司法、刑事司法、警察協力について政府間の協力を定めた。
この時点までは政府間主義が強い傾向にあったが、1999年発効のアムステルダム条約では刑事司法、警察協力は政府間の協力に留めるものの、難民、移民、民事司法については「共同体手法（理事会、議会の多数決による共同決定手続）」にすることになった。さらに、09年発効のリスボン条約は「自由、安全、司法の空間」の分野において、原則としてすべての領域に「共同体手法」を適用することとした。
超国家主義 ：超国家機関それ自体の権限に基く。欧州議会、欧州委員会、EU司法裁判所
「政府間主義」は各国の主権の独立を主張し、EUの意思決定を加盟国の全会一致によるべきとする。一方、各国の主権の及ぶ範囲を狭め、EUの意思決定を多数決によるべきとする立場を「超国家主義」と呼ぶ。全会一致を原則とする政府間主義では、1国でも反対があると否決されるため、加盟国政府が事実上の拒否権を有する。これに対して超国家主義では、多数決によって決まるため、意思決定がスムーズに行われることになる。
マーストリヒト条約の締結交渉において、「3つの柱」構造が生れ、国家主権の核心的な部分である外交・安全保障・警察・司法等の分野においては政府間主義的な傾向が強かった。2000年前後以降からのアムステルダム条約・ニース条約・リスボン条約は、いずれもEUの権限を強める超国家主義的な傾向がある。
◆共同決定手続 −超国家主義
欧州議会と閣僚理事会の双方の承認によって意思決定を行う手続き。マーストリヒト条約によって導入され、アムステルダム条約・ニース条約で適用分野が拡大され、外交・安保分野を除いてほぼすべての分野に適用される。閣僚理事会の決定は特定多数決方式によって行われ、全会一致方式よりも比較的スムーズに決定が行われる。
◆外務理事会・共通外交安全保障政策(CFSP) −政府間主義
戦後ヨーロッパでは、経済分野における統合と同様に、外交分野においても協力する動きがあった。1950年にはフランスが超国家主義的な「欧州防衛共同体」構想を提案したが、国内のドゴール派によって失敗した。1970年には、EC加盟国の外交協力に関する枠組みである政府間主義的な「欧州政治協力」が発足した。その後も政府間主義的な傾向が強いまま、欧州政治協力は1993年にはマーストリヒト条約の第2の柱・共通外交安全保障政策に引き継がれた。ここにおいても、超国家主義的な欧州共同体には含まれず、政府間の協力として位置づけられた。
共通外交安全保障政策を決定する外務理事会においては、原則として全会一致方式となっている。ただし、合意があれば条件付多数決とすることは出来る。09年発効のリスボン条約によって超国家主義的な制度改革が行われ、「3つの柱」構造が廃止されCFSP上級代表(EU外相)が設置されたが、外交分野においては依然政府間主義が強い傾向にある。
◆司法・内務協力 −政府間主義→超国家主義
EUは域内の自由移動を認めている。仏独ベネルクスの5か国で結ばれ1995年に発効したシェンゲン協定は、締約国国民と合法的に入国した第三国国民に対して域内自由移動を認め、さらにそれを補完するための警察間協力を規定した。1993年発効のマーストリヒト条約では、EUの政策に司法内務分野を追加し、難民、移民、民事司法、刑事司法、警察協力について政府間の協力を定めた。
この時点までは政府間主義が強い傾向にあったが、1999年発効のアムステルダム条約では刑事司法、警察協力は政府間の協力に留めるものの、難民、移民、民事司法については「共同体手法（理事会、議会の多数決による共同決定手続）」にすることになった。さらに、09年発効のリスボン条約は「自由、安全、司法の空間」の分野において、原則としてすべての領域に「共同体手法」を適用することとした。
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