「回想」

203 名前:顎に声 :03/11/13 01:54 ID:gOX9sRxw
「回想」

町全体に焼酎の匂いが充満している
この万年床の上 匂いが流れついてくる
あの煙突の煙は芋焼酎で作られている
俺の町は臭い それも昔からモノスゴクだ
全てはこの匂いと共に脳に焼きつく
散乱したポチ袋 茶色の光の矢に変えて
あの煙突を根こそぎ破壊するのだとうそぶく爺様

難聴になるほど鳴る港町の夕暮れのサイレン

市民公園の乞食のおじさんはとてもくさい
おじさんはいつも中指を立てていた 理由はわからない
冬の川では酔っ払いが溺れ死に
子供は呪いの川だと恐れおののく
しゃくれの裕二さんの家にピストルが撃ちこまれ
疑惑の目は我が家にも向けられる 
港に船が来る色んな物や色んな人を乗せていく
きっとあの船は地獄行きなんだと恐怖した

塀は山のようにそびえ 人々は2倍のスピードで動く
全ては思い出になる あの町へ帰りたい


210 名前:名前はいらない :03/11/13 12:59 ID:ldeJdVN3
>203
B 描写の端々におかしみを感じます。
  不吉な後半が全てギャグになっているので最初は気付かずワラタ
  この辺りに、胸を弾ませた過去があったのかも知れないと思わせる辺りは愛ですか。
  突拍子も無い言葉を無駄に使わずに淡々と続ける語り口も絶妙。
  テンポが整っているお陰で読み返すときもサラっといけますね。
  ただ、時々、言葉遣いがちょっとくどいかも。
2005年09月17日(土) 14:57:37 Modified by shi44




スマートフォン版で見る