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「失われた彼女の王国」 7-453
 ―このあたしが、他人があたしを欲望することをこんなにも欲するなんて、思いもしなかったー

「高須クンにね、今度の文化祭の衣装を作ってほしいの」
午後の休み時間、大橋高校の凡庸な制服を着てもなお、その美しく均整のとれたプロポーションは隠しようもなく、
あまたのファッション誌の表紙を飾る美貌にとびきりの笑顔をうかべて、十代限定のつやつやの黒髪をサラリとゆらしながら
前の席に小さなお尻をちょんとあずけて、竜児の二の腕くらいの太さしかない太腿をにょきっと突き出しながら川嶋亜美が言った。

『なん……だと……』2年C組の男子生徒たちがほぼ同時に呟く。

「なんだ、プロレスショーのやつ?…そのへんは女子でやった方が…」
「違う、クラスの出し物じゃなくてミスコンの方。あたし司会やるんだ」
「おぅ。…て、なんじゃこりゃ!」
亜美が見せたデザインラフは、肌もあらわなボンデージスタイル。ガーターベルトに網タイツ装備。
「なにって、舞台衣装」
竜児の前でもじもじと脚をすり合わせながら言う。動くにつれ短いスカートのすそからはなにやら濃蜜な女の匂いがこぼれる。
おれはどうしたらいいんだ。


「いいのかこれ…」
目の前で揺れるなまあしと手元のラフ絵とを交互に見比べながら、竜児はうめいた。
このすらりとした長い脚に網タイツ穿かせたひにゃあ、大橋高校の健全な男子生徒たちにとっちゃあまりに刺激が強力すぎる。
「生徒会から、衣装代は全額こちらで負担しますから、あくまで常識的な範囲の額でお願いしますって言われちゃって。
業者に頼むと結構かかっちゃうしね… で、裁縫だったら高須クンが上手だよ〜ってみんなに教えてもらって…」
見ると木原と香椎がこっちをみて、へらへらしている。お前らなにがしたいんだよ。

「既製品でいいんじゃねェか?」
亜美の魂胆はお見通しだ。全校生徒の羨望と賞賛を一身に集め、それを己が自惚れの祭壇に供えようというのだろう。我を崇めよ愚民ども!
全国のローティーン女子のファッションリーダーにしてカリスマ、現役女子高生にして売れっ子モデルの川嶋亜美は、さながらジキルとハイド、
天使の仮面と悪魔の本性を併せ持った、超わがままで超自分勝手で、もうどうにもこうにも取り返しがつかないほどの性格異常者。
その美しい手が竜児の顔にするりと伸び、綺麗に整えられた爪が軽く立てられる。
「やだー、この亜美ちゃん様に数千円のパーティーグッズを着ろってえの? ああん? 高須クンってバカ? お・ば・か・さ・ん・!」
竜児の頬をつねりながら、細い眉を寄せてちょっと肩をすくめてみせる。放たれる悪態は小鳥のさえずりのようにひとかけらの罪もない。


「俺は別に…泰子の古着を手直しするぐらいで…」
美しき21世紀の精神異常者はたたみ掛ける。
「これってぇ〜、体にぴっちり合うように仕立てなくちゃいけないの… やだよね〜、体の隅々まで触られてサイズ測られるのって。
高須クンは、見ず知らずの男に亜美ちゃんの体がいじくり回されちゃっても平気? あたしが行きずりのオッサンにあんなトコや
こんなトコを触られちゃっても高須クンは気にならない? ねェ、そういうの嫌じゃないの? あたしなんかどうでもいいの?」
何がオッサンだよ、女のサイズ測るのはふつ〜女だろJK… と言いかけて、
木原と香椎がジト目で「空気読めやヤンキー」と睨んでくるのに気づいて竜児は言葉をのみ込んだ。
「それとも高須クンは、逢坂さんの衣装は作れても、この亜美ちゃんのは作れないってわけ? へ〜そうなんだぁ〜」
机に深く腰掛けて竜児の机をガンガン蹴りはじめる。小学生かよ。
「いや、そうは言ってねェよ。でも…」
悶々とする竜児に向かって、亜美はにっこり笑って言い放つ。
「じゃあ、寸法測ってもらいに、今日いくから」

クラス中の男子が言葉にならないうめき声をあげる。
「うおぉーーッ、高須てめェーーッ、亜美ちゃんのカラダを直にべたべた触るなんて… う・ら・や・ま・し・い…」
「うおぉーい、たっかすちゃ〜ん、おいらも混ぜとくれ〜」
騒ぐかわうそとロン毛を一瞥し、天使の笑顔で亜美は言った。
「帰れよ」


「しかし大河はどうする? 今日の晩めし… お〜い」
教室の向こう側で櫛枝実乃梨と「ぶわっはっはっはっ大河よ! それでこそ漢!」「どぅえーーッ」と嬌声を張り上げていた大河は
「なにーりゅうじ?」と呼ばれた方を向いたが
「あー、逢坂さんはねー、これからあたしらとミーティング。ほらミスコンの件で」
とすかさず割って入る木原麻耶をじッと見つめ、
親指をビシィッと立てて
「把握」
なにがだ。

腰に手をあてて、上半身を反らせてクネクネと奇妙なモーション(モンローウォークともいう)で近づいてきた櫛枝実乃梨が言う。
「高須く〜ん、実乃梨は信じているよ〜、あ〜みんのぴっちぴちの裸に欲情して、いきり立ったその股間のイチモツを
あ〜みんのおま〜んにぶぶぶち込んだりしないって!!」
激しく腰を振るモーションとともに放たれたバンカーバスター級の爆弾発言に絶句する竜児。
「ぎゃはははは! 櫛枝超うけるー! 超ヤベーッ、言うかよそれ」
やめろ木原、若い娘が人前でそんなに腰を振っちゃぁいけません。
「あれあれ… 亜美ちゃんヤラれちゃうの? つかヤッちゃう? やっぱヤるんだ… ねぇ」
「もー奈々子ってばぁ、むしろこっちはハナからそのつ… って、なーにそれ〜亜美ちゃんわっかんな〜〜〜い、
ねェ逢坂さん、高須クンのいきり立ったイチモツってなぁに? どんなの? どんな感じ? どの程度? ぶっちゃけどうよ?」
「うるせーばかちー… きゃあ大変、りゅうじのかわいいイチモツがばかちーのボーボーに喰われちゃう〜」
「や〜ねェ逢坂さんたら、あのときはたまたま、今はちゃんと… ってテメェ見たンかいオルァァーーーッ!」
君たち。


女子の全開あけっぴろげな会話に能登と春田は口をあんぐりして呆然としていた。
竜児には見えたような気がした。やつらの心の中、同学年の女子に抱いていたもろもろのイメージが911のツインタワーのように
がらがらと崩れ落ちていくのを。
一方竜児はというと、このひらひらと揺れるスカートの奥は大河が言うようにボーボーのもじゃもじゃなのだろうかとか、
ぶぶぶち込んだりッて溜め過ぎっスよ櫛枝さん思わずほっちゃんボイスで脳内再生しちまいましたよとか、
やれやれ、どうして僕の好みのルックスの女の子は、性格がまったくと言っていいほど僕の好みではないのはなぜだろうか
などと、けだるい午後の村上春樹のようなことを考えていた。



これまでのあらすじ
超ナルシストで超ぶりッ子の川嶋亜美は度重なるアプローチをことごとくスルーしまくる
高須竜児に想いをつのらせ、文化祭の衣装製作にかこつけて、そのウルトラナイスバディを生かして
必殺お色気大作戦をしかけるのだった。



放課後、竜児の家までついてくることになった亜美。
ミーティングに向かうクラスメイトたちから離れて大河が言った。
「りゅうじ、…あなたは私の味を忘れられないはずよ」
なんだそりゃ。味って何だ。拳の味か。

道すがら、竜児と並んで歩きながら亜美は、恋ヶ窪ゆり先生(30才独身)のような虚ろな目でぶつぶつとなにやらつぶやき続けていた。

泰子はもう出勤した後で、家には誰もいなかった。文化祭の準備で竜児が遅くなるので、家族一緒の夕食は当分おあずけなのだ。
「おじゃましまぁ〜す」
「まぁ、入ってくれ」
高須家の居間。ふすまのちょうど頭の高さ、さくら色の張り紙が目にとまる。チビ虎のマーキング。ちわわはそう解釈した。
「そっちが俺の部屋だ。…川嶋は紅茶にするか?」
「きれいに片付いてるね〜 予想通りっつーか」
亜美は竜児の部屋の中をぐるりと見回した。
ありふれた木目調の勉強机には電球式のスタンド。椅子ひとつ、そして古ぼけたミニコンポの入った本棚。あとはクズ入れひとつ。
予定外の来客にもかかわらず竜児の部屋はきれいに整頓されていた。ベッドはない。寝るときは敷布団をひくのだろう。
ちわわは舌打ちした。ベッドだったらそのままダーッとあいつ押し倒してそのままヤッちまおうハァハァとか、
じゃなきゃゴロゴロ寝っ転がってあたしのフェロモンをたっぷりマーキングしてやろうアヒャヒャヒャなどと思ってたのに。
どーする、押入れの中に入っていってやるか? あたしゃドラえもんか?



竜児が二人分の紅茶を淹れて部屋に持ってくると、ちわわが押入れを開けて、ふとんの中にボスッと頭をつっ込んでいた。
「…お前はなにをやっているんだ」
「…どっかにエロ本隠してないかな〜って」
「人のプライバシーを詮索しないでくれないか」

「ふ〜ん、高須クンてー、こんなの読んでんだ」
本棚に並ぶ背表紙の文字を興味深そうに目で追う同級生の(なにを考えているかさっぱり判らないが)見た目は麗しいその姿を
すみずみまで視姦するかのように、部屋の主は欲望にギラつく凶悪な目つきで凝視していた。
へッへッへッこんなマブいスケ釣れるたぁラッキーだぜ、さっそくハメまくってシャブ漬けにした挙句に俺の言いなりになったところで
とっとと風俗かAVにでも売り飛ばしてたんまり稼がせてもらうぜイーヤッハァーッ… などと思っているわけでは断じてない。
二人きりの部屋の静かな空気をかすかに揺らめかせる彼女の吐息、まじかに嗅ぐ髪のシャンプー&リンスの甘くてこそばゆい匂い、
大またで軽やかなステップにつれてそよぐように揺れるスカートの動き、衣ずれの音、そして玉を転がすような笑い声。
竜児も思春期真っ盛りの健全な一男子高校生 …同級生の女子、しかも国民的美少女と自室で二人きりっという尋常ならざる状況に
頭の中は脳内麻薬物質が蛇口全開のドッバドバ、胸は高鳴り膝ガックガク、喉はカラカラ手に汗握り、
体中のエネルギーが股間の一点に凝集、励起されてゆくような青い性衝動の奔溢を抑えることができないでいた。

―お、俺はいつから川嶋の声を聞いてどぎまぎするようになったんだ? あいつがしゃべったり笑ったりするたびに、俺の頭ン中いっぱいに
なんか甘酸っぱい香りのするお花畑がパァーーッとひろがるみたいじゃねェか。俺をそんな気分にさせるのって櫛枝だけだっただろ。
ヤべェ… 勃ってきやがった。…こいつにバレようもんならネタにされてこの先ずっとイジられっちまう。
二人分の紅茶を自分の勉強机に置き、股間の膨らみを悟られないように椅子にかける。
「…かっ川嶋は身長165cmだったな?」
部屋に入ってはじめて亜美は目を合わせた… なにやら思惑を含んだ大きな潤んだ瞳にのみ込まれそう。口元にいつになく妖艶な微笑が浮かぶ。
「よく知ってるのね」
ねっとりと淫らに絡み合う視線を無理やり振りほどき、目を逸らしながら竜児は言った。
「携帯でお前の名前で検索したら色々でてきた」
「そう… なんかうぜェこと書いてあった?」
「別に。お前はゴシップ処女の清純派だってよ」
「今夜のあたしは、清純派じゃないよ…」
ズキン、と腰の下あたりで熱いモノが疼いた。




駅前のカラオケルームの一室で、大河たちは思い思いの席に陣取っていた。春田がノリノリで曲番号を入力する。
「ほんじゃ、トップバッター俺ェー」
「よ〜し、ドリンク注文とるぞー、特になければみんなコーラ! いいかー」と女子がいようが体育会系ノリの北村。
「ねェねェ木原さんはドリンク何にする? なに歌うの?」
もじもじしながら(かわいくない)懸命に気をひこうとする能登だったが、北村の隣にちゃっかり座った木原はそれをさっくり無視して
「逢坂さんごめんね〜、急に誘い出したりして」
「あたしだって空気くらい読むわよ、今日は貸しにしとくわ」北村を挟んで座った木原に答える。
「オンナの仁義ってやつだねェ〜、大河」と、鼻くそをほじりながらみのりん。
「ほんとぅー、逢坂さんが話せる人でよかったー」と香椎。
「ねェ木原さん、そっち座っていい?」
「亜美ちゃんに頼まれちゃってさ〜、今夜だけ逢坂さんを高須くん家から引きはがしてくれって」
「別にいいし。ところで木原さん… ばかちー今日なに穿いてた?」
さりげない大河の問いに男性陣の動きがピクリと止まる。
「あたしが知るわけないじゃん」
「ふっふっふ、純白の白だったよ」スカートをパタパタ扇ぎながら大橋高一のオヤジ女子高生が言うので皆びっくり。
『え!?』

『♪Nobody knows my secret. It's so pop. I'm gonna dance in the rainy midnight〜♪』
突然春田がなにやら英語で歌いだしたもんだからクラスメイトたちはまたもや仰天した… ってバンアパかよ! allが書けない春田がバンアパ!
レディース・アンド・ゼントルメ〜ンの春田がバンアパ! てゆうかカラオケあるんだ… やっぱなんか発音変じゃね? うん変だわ。
怪しげな英語で歌う春田、その横でズラ被って激しくヘッドバンキングしながらエア・ギターで伴奏するみのりん。
「ぶひゃひゃひゃ! 櫛枝超受けるそれー」麻耶の腹筋が崩壊した。
香椎も細い腰を折って肩をわなわなと震わせている。
「さすがみのりん、なんでもチェック済みね」
「あったりめぇよ〜、あ〜みん朝からあんだけフェロモンまき散らしてるんだもん、な〜んか企んでるな〜ッて気づくわさ〜」
ジミヘンが乗り移ったかのように体をクネらせるみのりん。
「ねェ木原さん、隣いってもいい?」
「そーそー亜美ちゃんフェロモン全開だったもんね、傍にいてあたし自分が出してるんじゃないかと思っちゃった」と木原が北村に体をすり寄せる。
「ちょっとあんた、今日はわたしが主賓なんだから〜ちったぁ遠慮しろってェの!」大河も負けじと密着。
「それで櫛枝は、亜美が勝負下着を穿いていないかチェックしたってわけか!」両サイドの状況を一顧だにせずマイペースの北村。
「ねェねェ木原さん、ジュースの追加どうする次なに頼む?」
「清純路線かぁ… 意外と高須君には有効かもねー」皆それぞれの思惑が交差するさまを面白そうに眺めながら香椎が言う。
「しまったー、たかっちゃんにあみたんのエロエロな写メ撮ってーって頼むの忘れてたーッ」歌の途中でいきなり春田が叫んだ。
すっくと立ち上がった大河が一喝、
「死なすわよ、この毛長虫が!」
「ねェねェ木原さんー」
「しつこいんじゃあーッ!」




二人きりだと妙に意識しちまうな… ポケットから引っ張り出したラフ絵を眺めながら竜児は聞いた。
「なァ、生地はどうすんだ?」
「んーと、ミニスカポリスみたいなぴっかぴかのやつ」
PVCか… エナメル質で光沢がある… が、学校行事にそれはあまりに扇情的すぎないか? それに伸縮性がないから動きにくいぞ。そう言おうとすると、
「じゃーん、高須クンみてみてー」
といいながらスカートをすとんと落とした。

「うおっ!!」
赤のブレザーとシャツの下からまっすぐ伸びる常人離れした長い足、女子高生らしからぬ、すらりとしたふくらはぎ、キュッとしまった足首、
すべすべした魅惑的な太腿はなめらかな曲線を描きながらシャツの下に消え、小さなお尻は隠れてまったく見えず、
長すぎる足のせいで某ウィッチーズのコスプレみたくシャツの裾の間からパンツじゃないものがチラチラ見え隠れしたり… はしない。
"小股の切れ上がったいい女"って、こういうのを言うのかもな… そう思いながらも竜児の目は見事な脚線美にクギ付け。
…いかんいかん、俺はそんな浮ついた男じゃねェ、俺の心の中にゃ櫛枝実乃梨さんというちゃんと心に決めた相手がいるじゃねェか、
ストイックが売りのこの俺がなんとしたことだ、こいつは大事なマブダチだ。俺をからかいつつも対等に話してくれる異性の友人。
規格外なまでにかわいくて、外人並みにスタイルが良くって、星々の眷属たる某星間種族のようにきれいだが…。
「どうしたの高須クン? …ウフッ、わたしの脚に見とれちゃった?」いつになく甘ったるい声が嬉しそうに跳ねる。

さすがに恥ずかしいのか、彼女にしては珍しく頬を紅潮させて、すこし俯いて上目づかいになって小さな声で言う。
「じゃ、上も脱ぐよ…」
するするとタイをほどき、ブレザーとシャツを脱ぎ捨てる。
「…」
白のブラとショーツだけになった亜美がそこにいた。さすがモデルというべきか、股の位置がおそろしく高い。
十代独特の張りのある乳房は重みなどないかのようにぴんと上を向き、くびれた腰には腹筋のラインがひかえめに浮きでている。
背筋からお尻にかけてのなめらかなラインは、ほォ〜ボーメ氏の新作ですかコレ〜造型師イイ仕事してますねェ〜などと
錯乱して意味不明なことを思わず口走ってしまうみたいな。
「どうよ」




なんか下着メーカーのCMみたいだぜ、と竜児は言う。
「…水泳の授業のときも、お前の別荘に行ったときも、いい体してるよな〜って思ったけど… 何度見ても立派なもんだ」
竜児に褒められてなぜか嬉しそうに頬を赤らめるモデルさん。
「そう? でも、触ったコトはないよね…」
「…ッたりめーだろ」なにを言い出すんだこいつ。
「あたしも、男の子に触られるのは、は、初めて、かな」
突然、竜児はせつなくてたまらなくなった。永遠に続く甘美で気持ちいい悦楽の世界がそこにあって、なんとかしてそこに行きたい、
どうしても行かなければならないという脈絡のない焦燥感が湧き起こって竜児を圧倒した。

あの雨降りのゴミ拾いの日、ストーカーをフルボッコにしたあと茫然自失の体の彼女を放っておけず、取り敢えずこの家に連れ込んだ。
腹に暖かいものを入れて一息入れるうちになんかしら妙な雰囲気になって、いきなり変なスイッチ入っちまった彼女が
発情したちわわそっくりに瞳をうるうるさせつつタンクトップ姿で四つん這い&おっぱい揺らしまくりで竜児に迫りまくり、
その猛攻の前に竜児はさながらディエンビエンフーのフランス空挺部隊の如く陥落寸前のところを、大河の予期せぬ闖入で
危機一髪、事なきを得たのだった。
竜児は思った…あの時は無事未遂で済んだが、今夜は途中で終わる気がしねェ。

「…どうしたの? 高須クン」
両手を膝について前屈みになりながら、彼女は竜児の顔を覗き込んでいた。強調された胸の谷間がいやでも目に入る。
「いや、とっとと測っちまおうぜ」
両手を挙げた彼女の腰に手を回し、するりとメジャーを巻きつける。
「ひゃあ、くすぐったいー」
彼女がぴょんぴょん跳ねるにつれ、目の前でおっぱいがぷるんぷるんと震える。ぷるん、ぷるん、またぷるん。
「こら、腹引っ込めんな。オヤジかお前は」
「やだー、だってマジでヤバいんだもん」
きめ細かくすべすべした同世代の女子の肌触りに竜児は驚く。
泰子の肌だったらしょっちゅうさわっている。酔いつぶれて帰ってきたところを寝床に引っ張っていくので、肌触りでその日の体調がわかるくらいだ。
だが亜美の肌はなんというかこう… 手にしっとりと吸い付いてくるような…
「やだー高須クンたらぁ、亜美ちゃんの胸ばっかりじろじろ見て、こどもみた〜い」
白くやわらかい手が自分の肩に置かれ、細い指先が首すじを愛撫するのを感じながら、竜児はぼんやり考えていた。
ストーカーに怯えた彼女が俺に抱き付いてきたあの日、夏の別荘のシャワールームの白い手、洞窟の中で転びそうになった彼女を支えたとき…
前にこの娘、この美しいがトンでもない性格の女と触れ合ったとき、肌のぬくもりを感じたときも、こんなに気持ちよかったのだろうか。

「…ねぇ、亜美ちゃん汗臭くないかな? どう? …嗅いでみて高須クン」




「次―、あたし歌うわ」
意識を喪失し一時的に歌唱不能になった春田を尻目に曲番号を入力する大河。
木原に張られた頬を嬉しそうにさすりながら(かわいくない)「逢坂ってその〜、高須と付き合ってたんじゃねーの?」
と能登が意外そうに聞く。
「え〜なんで〜」大河が聞き返す。
「だってー、毎朝一緒に登校してくるし、一緒にお昼してるし。どうみてもそうとしか」と香椎。
「あたしもそう思ってたよ〜」と木原。
「そ、そ〜だよね〜木原さん!」
「別にー、あいつが作ってくれるご飯があんまりおいしいから、毎日三度三度食べさせてもらってただけよ」
「世間ではそ〜いうのを付き合ってるって言うんだよ、大河」とみのりん。
「…それ亜美ちゃんが聞いたら泣くって絶対」香椎がつぶやく。
「うむ、高須の料理の腕は絶品だからな、無理もない!」
『三年目の浮気』のイントロが流れだした。♪ぱーやっぱーやっ ぱやっぱーっ ぱぱぱ ぱっぱっぱやっぱーっ♪
「…ねェ、今頃あの二人どうしてるかね〜」木原がぼそっと言う。
「いろいろ出てる頃じゃない?」と香椎。
「出るってあ〜た」木原が吹き出す。
「出たり、入れたり〜」とオヤジ女子高生。
女子の赤裸々な会話に愕然とする北村と能登。男女間に流れる微妙な空気。
木原が携帯をパチンと開く。
「ちょ、あいつに定時報告入れるわ」
「親?」みのりんが聞く。
「違うって」
「彼氏か?」北村が聞く。能登が青ざめる(以下略


その頃、竜児の脳みそは虹色に光り輝いていた。
♪ボォークのォー 大切なバァーナナァー だらしなくあァーまァーいィー いろォー 塗ろーォー♪

亜美の携帯が鳴る。
「こちら川嶋、状況を報告せよ」
「木原より川嶋、ミニ虎はノリノリでソロリサイタル中… つか能登てめーウゼ! ひっつくんじゃね〜ヴォケ! ちんこもげろ! 死ね!」
電話の向こうからは麻耶の声に混じって『モテないオトコが好きならぁ〜 オレも考え直すゼェ〜♪』という大河の熱唱と
「痛い痛いよ木原さん〜 あぁ〜」という能登の嬉しそうな悲鳴が聞こえてきた。
どうやら皆でカラオケにいったらしい。竜児は思った。オレこの曲歌えるわ。泰子の持ち歌で幼い頃からお馴染みなのだ。
つかミーティングじゃなかったのか。それよりその選曲はなんだ大河。この状況を知ってか知らずにか。
「了解、こちらも状況を開始する」
亜美が電話を切るまぎわ、向こうから「おい今のはなんだ、状況ってなんだーッ」という櫛枝実乃梨の怒号が
『バカ言ってんじゃないよ〜♪』という大河のコブシの効いた歌声に混ざって聞こえてきた。

―これまでのあらすじー
なんでまたこのイカレたモデル体型娘は人ン家に上がり込んだと思えばいきなりストリップショーおっ始めやがったんだ? 嬉しいけど。
てな高須君。
一方、その級友たちはカラオケルームで延々恋のから騒ぎ。


「皆の諸君、いよいよだ。川嶋は状況を開始した」通話を切った木原麻耶がおごそかに述べる。
「あの高須城が、…落ちたというのかッ!」さも無念そうに呻く北村。
「ははッ! 殿、心中お察し申し上げまするぅ〜」と、かしこまってヅラ頭を深々と下げるみのりん。
「亜美ちゃん… 散らしたのねッ…」シスターのように両手を胸の前で組み、眼を瞑って天を仰ぎながら感極まったかように香椎が呟いた。
「うぉ〜ん、たかっちゃぁ〜〜ん」と号泣する春田。
「だから、お前はなんで泣いてんだよ」と能登が突っ込み。
『遊ばれてるのに判らないなんて♪』大河はひたすら歌い続ける。


つるつるのお腹を触る。う… ウェスト○○cm。
「あたし思うんだけどさ〜、高須クンって〜 目をちょっとだけイジッたら大化けするっていうか〜 結構イケると思うんだよね」
桃のようなお尻をなでる。ひ… ヒップ××cm。
「わりと人気でると思うよ? 暗くさびしげな目をした個性的なイケメン俳優として、たぶん50台までは充分通用すると思う」
かっこいいのに触るとふわふわのバスト。
「芸能界じゃ整形なんて当たり前だしさ。そんなにマジになって大げさに考えなくてもいいって… って高須クン聞いてる〜?」
そういいながら、亜美は竜児の耳たぶを優しくつねる。
トップ△△cm、アンダー◇◇cm。うう、心頭滅却。
この体があのラフ絵の舞台衣装をまとったさまを想像するだに、身が震えるほどの興奮を禁じえない竜児であった。
いかん、また勃ってきた。竜児は気をまぎらすため自分の母親の顔を連想するが、この界隈で一番の美人と評判の泰子の顔
(化粧時限定)はマザコン気味の竜児にはむしろ逆効果だったようで、一向に勃起は収まらなかった。
「俺は芸能人じゃねェ… なぁ川嶋、お前ブラのサイズは幾らだ?」
「ん〜とDカップ? かな?」
「トップとアンダーの差が20cmあるぞ… お前Eカップじゃん」
「あらそう? フハハッ」
どんだけスタイルいいんだよこいつ。そう思いながらも竜児は、その話題が出たついでにクラスで密かに囁かれている
川嶋亜美・美容整形疑惑について、その疑念をふと問いただしてみる。
「…そういうお前は整形してんのかよ?」
竜児の首筋に添えられた指先がピクッとかすかに震えた。
「だったら高須クンはどうする?」
そう言いながら、無表情にじっと見つめてくる。
「こんな、つくりものの顔でも、高須クンはあたしと付き合ってくれる?」
「別に気にしねェけど、お前やっぱ…」
「…ブハッ! ひっど〜い、亜美ちゃんのツラ、これ自前なんだけど〜?」
「…え」
「この顔もー、この胸もー、ぜ〜んぶ天然ものですよ〜 メスもシリコンも食塩水も入ってませんよ〜」
わかったから揺らさないでくれ。

伊豆の別荘へ行こうと新宿駅に集合したあの夏の日、ただでさえ、おまん目立ちまくりじゃ〜のスタイル抜群の肢体に
短めの赤いキャミにショートパンツという実に挑発的な出で立ちで現れた彼女。
自分は周りの注目を浴びまくっているのに、連れの俺らには変わらぬ素の顔のままで接してくれた。
こいつは、サバけた性格のマジでいい女。そんなこいつが好きだ。友達として好きだ。
でもその魅惑的な容姿は友達にしておくにはあまりに悩ましく、あまりに刺激的、そして危険。



「お前って、ほんとイイ女友達だわ」
常に他人にみられることを意識した、背筋をピンと伸ばしたプロフェッショナルの姿勢を感心して眺めながら竜児は言った。
そういや、こいつがきてからクラスの女子たちの猫背が直ったんだよなぁ。ただきれいなだけってわけじゃない、隠れた努力家なんだ。
「なにそれ? イイ女ってこと、イイ友達ってこと、どっち?」
「ぜんぶ含めて気に入ったってことさ」
「え〜 それって告白?」
亜美の大きな瞳は、竜児の視線を離そうとしない。

(この友情関係を壊したくない、こいつに嫌われたくない、でもこいつとヤりてぇ。…どうする? 好きだって言ッちまうか?)
竜児の表情から、欲情と逡巡を読み取る亜美。
(友達じゃイヤなの、こうしてあたしが全てを差し出してるのに遠慮しないで。もっと踏み込んできて、プッシュして)
自分を女として扱って欲しいという、亜美のせつない願いが指先から伝わってくるのが竜児にも痛いほどわかった。
触れる肌ごしに、お互いの緊張とせめぎ合いが伝わる。

竜児の迷いを理解した彼女は一歩踏み込む。
「高須クンは、女の子にも性欲があるって知ってる?」
「えっ」
「男の子たちって、自分たちが煩悩だらけなのは当たり前だって思ってるくせに、女の子もそうだって認めようとしない…
…女の子の内面だって、全然きれいじゃないのに。あたしだって毎晩、自分の指であそこイジッて、ひとりエッチしてるんだよ。
目つきの悪い、きれい好きで、辛いカレーを作るのが上手な同級生の男の子にしてもらってるって想像しながら」
…あたし言っちゃった。

「俺だって、お前を何度ヲカズにしたかわかんねェよ」
…言っちまったよ俺。
なんとかと憐憫と侮蔑と嘲笑のこもった表情を予想して、亜美の顔を見上げた。

両手で竜児の頭を優しくなでながら、亜美はほっとした表情を浮かべていた。
「だったら遠慮しないで、もっともっと触りまくっちゃって!」

「こんくらいならやってもイイのか?」
「やぁん、もー、高須クン、くすぐったいー」
メジャーは床に落ちて踏んづけられていた。
竜児の指先が、クモのような動きで亜美のなめらかな腰や尻をするすると這い回り、そのこそばゆい感触に彼女は嬌声をあげて
くねくねと体を揺らした。
「どんどん触れって言ったのお前だし」
「ひゃははっ、こそばいってそこ、やだえっちー」
その黄色い声をもっと聞きたくて、竜児は執拗に指先で亜美を責めつづけた。その指先が尻の奥の方へと吸い込まれる。
「!?」
「ドコ触ってもイイんだよな?」
股の割れ目に沿って、ショーツの上から指を前後にはわせた。
(毎晩、俺のコト考えながら、こんなトコをイジッてるだって…)
「…かすクン」
自分の首筋に置かれた指がはっと硬直するのを感じた。布ごしに彼女の湿り気と悦びが伝わってくる。
(俺にヤられてるつもりになって、自分の指で慰めてるだって…)
ささやくような甘い吐息が頭上に降りかかり、竜児の短い髪をゆらす。
(空想の中で、いったい何発ここにぶちかまして中にぶちまけたと思ってんだよ…)
たまらなくなり、彼女の尻を両手で鷲?みにして、なめらかな縦長のへそに鼻の頭を突っ込み、つるんとした下腹部にキスの雨を降らせた。
「ひゃッ、ふあッ」
彼女の細く優しい指がわななき、あてどなく自分の頭をまさぐる。
(そんなの聞かされたら、自分を抑え切れねェ…)
ショーツの縁を唇で捉えて軽く噛み、そのままゆっくりと下にずり下げる。
「高須クン、きて…」しぼり出すような、か細い声。
もう止められない。



羞恥で大きく見開かれた彼女の目を見上げ、竜児は心の中で弁解した。
(俺のことをヲカズにしてたんだから、このくらいされても文句言えないよな?)
愛らしく繊細なスリットに口付けをして
(ちょっとしたおふざけだ、友達同士の親愛の情のしるしみたいなもんだ)
その細い隙間を尖らせた唇でこじ開け
(ヤらせてくれるよな? 俺たち互いにオナペット同士だもんな?)
その中に秘められた奥への入り口を舌先で探りながら
(こんなイイ体してヤらせないなんて、お前はそんな友達甲斐のない冷たい奴じゃないだろ?)
あらわになった敏感すぎる突起を音を立てて啜りあげ
(これはおしおきだ、別荘のシャワールームでねぇしたくないの〜って、男子の純情をもてあそんだお返しだ)
美しく整った襞と襞の間を指の腹でなぞりながら
(その翌朝にも、ビキニの前のホックをここ外れるんだよ〜(ボヨョン)え〜じゃあつけて〜攻撃したお返しだ)
別の指を彼女の奥深い湿った部分に進め
(これは洞窟で迷子になったフリしたおしおきだ、油揚げでぶったりせずに最初からこうしてやればよかった)
なんかぬるぬるするけどここでいいんだろうか
(自販機の隙間に座ってジュース飲んでたときだって、ホントは俺にわざと見せつけて興奮してたんだろ?)
彼女の奥の内側を何度も何度も指の腹で強くこすりあげ
(いつも自分でヤッてるみたいに俺の見てる前でイけ、イッちまえよ亜美!)
次第にその往復するスピードを増した。

「んッ、んッ、あん、ん」
せつなく喘ぎながら、彼女はよろめいて竜児に体をあずけ、唇を竜児の肩に押し当てた。目の前で白いうなじが誘うように艶めかしくうねる。
両手を竜児の背中に回してしがみ付き、潮のように高まってきた快感に全身を震わせて耐えながら、熱い吐息を竜児に吹きかける。
片手で彼女の腰を抱きかかえ、もう片方の手でさらに愛撫を続ける。
「たッ、かっす、クンッ、あッ…」
指の動きに反応して若い肌がみるみる汗ばんでゆき、うっすらと紅色に染めあがっていく。誘うような女の匂い。
竜児は自分が与えた刺激の大きさに驚いた。まるで可憐なつぼみが花開いていくようなあざやかな肉体の変化に魅了される。
それが嗜虐的な快感を呼び、竜児は強く興奮した。
目の前のうなじに口付けをしたかったが、あとを残すとマズい。つのる思いを指先に込めて、その動きを早める。
「あたしッ、もうッ… イクッ」
彼女自身が周りからぎゅうっっっと締め上げてくるのを竜児は感じた。それに抗してさらに執拗に攻め立てる。
腰の奥でじわじわと膨張していた快感の塊が沸騰しはじけ散り、奔流となって背中の髄を駆け上がって彼女の脳髄に達し爆発した。
とろけそうな快感の大波が頭蓋の中を押し寄せては引き返し、さざ波となって全身に波紋のように拡がり、
甘い余韻となってその肉体のすみずみまで満たしていった。
長い足をぴんと突っ張らせ、細い肩を激しくわななかせ、竜児の背中に爪を食い込ませて、
幼い子供のように泣きじゃくりながら亜美は果てた。



自分にしがみついたままひくひくしている彼女を竜児は優しく抱きかかえ、トイレまで運んで行き、ショーツを脱がせて座らせてやった。
自分が着ていたシャツを脱いで亜美の肩にかけてやると、彼女のためになにか冷たいものを用意しようと自分は台所に行った。
手を洗い、さっきの出来事を思い出しながらハチミツ金柑をソーダで割り、氷を浮かべてストローを刺す。
ふと足元に眼をやると、自分の太ももに亜美自身から流れだした飛沫が白い糸のように細い線を描いていた。

竜児が飲み物を持って自室にいくと、彼女は先に戻っていた。
ブラしか付けてない裸の上に、竜児が一日着ていたシャツを羽織り、椅子に座って長い足をきれいに組んでぼけーッとしている。
いつも手入れされている長い髪はどうしようもなく乱れ、あちこち束になって跳ね、汗ばむ肌に張り付いているのにも構わず、
まださっきの余韻が残っているのか、頬に涙のあとを幾筋も残したまま、その美貌にけだるい表情を浮かべている。
竜児を見ると彼女はにっこりと微笑み、(怒ってないよ)と言わんばかりにウィンクをしながら竜児のシャツの襟にむちゅっとキスをした。
ソーダ割りを勉強机に置き、竜児が言う。
「さっきは、その… あんなことしてご免」
おしゃれな友人のぼさぼさの髪を整えて少しでも正気に近づいてもらおうと、竜児は手をのばして額に付いた髪の毛を払ってやった。
火照った肌に指先が触れると彼女は心地よさそうに眼を瞑った。ときおりピクンッと唇を震わせ、せつなそうに吐息をつく。
まだまだ正気には程遠いようだ。自分のしでかしたことで彼女がみせた変貌ぶりが、竜児は少し怖かった。
俺たちの関係も、もう元通りには戻らない。
床に落ちたメジャーを拾い上げながら、竜児は言う。
「サイズ、ちゃんと測ろう…」
「…だめ」
「川嶋…」
「もっとして」ねだるように見つめる。
甘ったるい匂いが鼻孔を突く。
「…急がねェと文化祭に間に合わねェ。だから、今は先に衣装の方を」
「その前にちゃんと最後までして」竜児の手を取り自分の胸に押し付けて言った。
「もっと亜美ちゃんかわいがって」



「あ〜みん、ついに動いたか… これを機に一気に勝負に出るつもりのようね。面白くなってきたじゃん」
と、ヅラ装備オヤジ系女子高生、櫛枝実乃梨は腕を組み、歌い終わった大河の方に流し目を遣った。
「いいのかな〜大河? 高須くんとられちゃうよ」
「はい次!『せつない胸に風が吹いてた』いきまーす!」
「…大河?」
「好きにやらしとけばいいのよ。あのバカ犬、ばかちーにデレまくってんじゃん。ばかちーは腹はドス黒の根性ひん曲がった性格破綻者だけど、
背ェ高いし、なんたってモデルだし、スタイルもボーンボーンだし、えっちするのに最高のパートナーでしょ」
(性格破綻者って自分のコトじゃん…)とみなが声に出さずに苦笑い。
「だって櫛枝、あたしらが亜美ちゃんと張り合ったってぜったい勝ち目ないっしょ〜?」と木原。
「高須君も亜美ちゃんのコトまんざらじゃなさそうだしー」と香椎。
「はっはっはっ、高須が誰と付き合おうと、これからもずっと俺たちみんなの友人であることに変わりはないさ!」
「男ってみーんなバカ。あのどーしようもないほどスポイルされた高慢ちき女はこの世界はわたしだけのためにあるーなんて思ってんのよ。
ばかちーは自分になびかないオトコがこの世にいるんだってことに我慢がならないだけ。なんとかこっちを振り向かせて
己の自尊心が満たされさえすれば、あとは用済み、ポイッと捨てちゃうのよ」
「ふんふん、そしてあ〜みんに捨てられて傷心の彼を大河が慰めて…」ふむふむと頷きながらみのりん。
「優しく包み込んで…」うんうんと相槌打ちながら木原。
「…くわえ込む、と」嬉しそうに香椎。
「あんたそれ… ま、一緒か」と、ふくれ顔の大河。
「女って怖ェ…」能登が呟く。
「でもー、本命じゃないオトコをわざわざ別荘に二人きりで誘ったりしないよー?」と香椎が意義を唱える。
「そーだよ、せっかく亜美ちゃんがみんなの前でなまちち晒してまで高須君を別荘に誘ったのに、まるおったら一緒についていっちゃうんだもん!
あたしとナナは空気読んで行かなかったのに! ひどいよ〜」北村に絡みだす木原。
「俺は高須と一緒に旅行したかっただけだぞ?」
「大先生…」能登が呟く。
「あーオレも亜美ちゃんと二人きりで別荘行きてぇー」と春田。
「無理っしょ」「それは無理ね」木原と香椎が即座にその可能性を否定する。



「りゅうじに初めて会ったときにばかちー言ってたもん。『全然いらねーけど』って。かわいそうなりゅうじ、目に見えるようだわ、
ばかちーにゾッコンになってさんざ振り回されてもてあそばれたあげく、男の純情をずたずたに引き裂かれて
ゴミみたいに捨てられるんだわ。あの駄犬が思い詰めてバカしでかさないようにちゃんと見張っとかないと…」
『いやいやいやいや』木原と香椎が手を横に振りながら、
「ねーよ」「それはない」と強く否定。
「なんで〜? あ、曲始まった。『せつな〜い胸に風が吹いてた〜 帰らぬ My old days〜♪』」
「あーオレも亜美ちゃんにもてあそばれてえー」
「春田よ、ソープへ行け!」北村があさっての方向を指差して叫ぶ。
「北方謙三かお前は…」みのりんが呟く。あれ絶対、兄貴のまねだ。
「逢坂、お前はひどい考え違いをしているぞ! 確かにあいつは昔ッから凄い猫ッかぶりで根性曲がりの二重人格だったが、
それは小さい頃から両親や周りの大人の俳優たちの真似をして、人前で演技するのがくせになっているだけだと俺は思ってる…
ああ見えて根は臆病なチワワだから自分から人を傷つけるようなことはしないし、
それに結構寂しがりやだから、高須のことは、本当の自分を受け入れてくれる相手が欲しいだけなんだと思う」
「よくわかってんじゃんまるお〜」嬉しそうに北村を全力でバシバシ叩く木原。
「なにげにひどい辺りは、さすが幼馴染ね」と香椎。
「祐作、惚れたぜ!」とみのりん。
「すまん櫛枝、俺にはもう高須という心に決めた相手がいるんだ」
『ウホッ』ハモるみのりんと香椎。
「高須だからこそ、大事な幼馴染を安心して任せられるんだ! 今頃亜美は理想的なロストバージンを迎えていることだろう!」
(なんなのこいつ…)と互いに顔を見合わせるクラスメイトたち。
『虹のよォ〜にィ、消えたストォ〜オォ〜ウェ〜♪』巻き舌で歌う大河。
「そうだな、今度俺も混ぜてもらって3Pなんてのもイイな、高須が前から、俺が後ろから亜美に挿れて、そうすれば亜美の腹の中で
高須のいきり立った肉棒の感触を肉の壁ごしに感じとることができる! はっはっはっ、最高じゃないか!」
大先生のぶっ飛んだ発言に唖然とするクラスメイトたち。
「変態だ…」「大変な変態だ…」戦慄する春田と能登。
「あああああたしでよければいつでもお尻の穴を使って!」木原麻耶がいきなり逆上して立ち上がって叫ぶ。
「よかったら前も使ってあげてね?」と香椎。
「…駄目だこいつ、はやくなんとかしないと…」みのりんが呟く。
「いや冗談だよ?」さらりと言ってのける北村。
「死ねばいいのに」にべもないみのりん。
「これだから亜美ちゃん、いっつも北村君に冷たいのよねー」と香椎。
「会長もね」とみのりん。
『この胸ェ〜にィ、浮かぶストォ〜オォ〜ウェ〜♪』大河の熱唱は続く。



「あたしばっかよくしてもらってもよくないし、高須クンもあたしと一緒に気持ちよくなろ? 我慢しないで、ね?」
性行為をためらう竜児だが、亜美はパンツにいきなり手をかけ、一気にずり下ろす。
「もうこんなに勃起してんじゃ〜〜〜ん!」
「おっ、おい」
「これでおあいこ… ってなにこれ… ちょ、おま、こんなぶッとくてグロいのが今から亜美ちゃんのお腹の中に入るってわけ?
…つかマジで入んのコレ? あたし死んじゃうかも…」
そんなに立派じゃないって。
「高須クンって、顔だけじゃなくってアソコも凶悪ヅラだよね? こんなもんぶら下げて毎日学校来てるなんて、ありえなくない?
あたしら女子を殺す気?」
殺す気ねーし、露出したまま行ってねェし。北村じゃあるまいし。
「…つかコレマジでデカいんですけど… 逢坂さんすっげー」
それは勃起しているからです、ってそこでなぜ急に大河の話題が?
「うぅ、痛いのイヤ… でも亜美ちゃんガンバります! チビ虎なんかに負けてられるかッて〜の! モデル根性見せたるわ〜い!」
そうだ、モデルは根性! …ってなんだそりゃ。
亜美はバッグからコンドームの小箱を取り出すと、封を開けてひとつつまみだす。
「あたしも仕事柄、デキちゃったらマジでヤバいんで、悪いけど高須クンこれ使ってくれない?」
勿論です。俺だってデキたらヤバい。
「…それとも、その机の引き出しの中にもう使いかけのが入ってるとか?」
いえいえ、そのようなゴム製品は見るのも使用するのも生まれて初めてです。
「じゃあ… 逢坂さんとは着けずにヤッてんの?」
ヤッてません、ヤッておりません。
「したコトないの? 逢坂さんとも誰とも? マジで初めて?」
はい、あなた様が初めてです。
「…ふ〜ん、そっかぁ〜 …高須クンってマジ童貞なんだ…」
嬉しそうに言い、ピッと封を切りながら
「初めて同士、気楽にやろっか」



ふとんの上に仰向けで寝転がった彼女の長い脚をひらく。そのまま持ち上げていくとひざがあごのあたりまで届きそうだ。しなやかで柔軟な肢体。
「ちょ、その姿勢キツい…」
「あぁごめん」
エロゲのCGでみるまんぐり返しの体位は、現実には無理があるんだな〜と彼女の体で検証し納得する竜児、まさに外道。
むせかえるような女子の体臭。なめらかで吸い付いてくるような若い肌。
彼女の性器にあてがい、挿れようとすると亜美が言った。
「待って、キスして… あたしファーストキスまだだし」
「お」
「…いやだからそこじゃなくて上、顔のほう」
「なんだって? おーい川嶋―」
「そこに話しかけるんじゃない!」
ぐっと顔同士を近づけると、各種広告媒体で見るのとほとんど変わらない美貌がまじかにどアップになる。まじまじと見とれていると、
「…だ〜か〜ら〜 亜美ちゃん整形してねーって言ってんじゃん」
「いやそうじゃなくて、雑誌の表紙とかでみるのとマジで一緒だから、同一人物なんだなと」
「さっきからケンカ売ってる? あたしキレていい? …あたしはそんなに写真修正する必要ないんだって、まだ若いから」
その有名モデルの記念すべき初体験の場が、こんなボロ借家の一室ってのは川嶋さん的にはどうなんでしょうか… と思いつつそのままキス。
「ん… ん」
キスのあと、彼女は言った。
「ほんとは、あの別荘で、高須クンを夜の海岸に誘い出したら、キスのあと押し倒して乗っかってヤッちゃうつもりだったの」
「悪かったな、せっかくの初体験がこんな雰囲気ねー場所になっちまって」…やっぱあの時ヤる気満々だったか。
ちいさなあごから首すじにかけて唇をはわせていく。
「あっ、首とか胸にキスマークは駄目、舞台とか撮影の仕事あるから」
「…俺の背中はもう爪跡だらけなんですけど?」
「高須クンはど〜でもイイの! どうせ人相悪いんだし」
「悪かったな、じゃあいくぜ」
竜児は挿入した。彼女の蜜壺の中で重くて粘っこい水蜜が圧し潰されるような音がした。
「…っんく」
竜児の下で鍛えられた筋肉が引きつり、美しい黒髪は荒々しく振り乱され、細い体が弓のようにのけぞる。
「すまん、痛かったか?」
「こ、こんくらい、ど〜ってことねえっす… もう全部入った?」息も絶え絶えといった様子。
「いやまだ先っちょだけ」
「ぐえ〜」
「…蛙が押しつぶされるような声を出すなよ」
「いひひっ、でもなんか気持ちいい」
「ご免、川嶋… 遠慮せずにいくから覚悟して」
「おっしゃ、カモン」
本能のおもむくまま、彼女の奥深いところに向かって激しく腰を突き動かしはじめる。
「ふッ、くッ、んッ、あンッ」
彼女の瞳から大粒の涙がこぼれ落ち、くいしばった唇からせつないうめき声が漏れるのも構わず、竜児は己の欲望に身をまかせて
腰を利かせて勢いよく彼女自身につるべ打ちにぶち込み続ける。
パチン、パチン、竜児の睾丸が亜美のお尻をスパンキングする音がリズミカルに響く。
形のよいバストがばいーんばいーんと激しく揺れる。
彼女の体から次第に力が抜け、しどけなく開いた口元からついっと涎が流れる。そこに唇を重ね、唾液と舌先を吸い上げる。
「んふぅ…むうん…」
彼女の全身から甘い汗の匂いが立ち上がり、竜児を包み込んだ。そのめくるめく香りが刺激となって、さらに竜児の腰を加速させる。
亜美が腰を浮かせ、竜児の動きに呼応するように押し付けてきた。彼女の肌がねっとりと腰に吸い付いてはぺりッと剥がされる。
「たか、すクン、あたし、もうッ」
「あみ、おれも、イクッ」
彼女の長い脚が竜児の腰をはさむように後ろに組まれ、ぐっと押さえつけてきた。
互いに密着し、どこまでが自分でどこからが彼女なのかもうわからない。
わななく太腿のあいだで、竜児は長々と射精した。
先ほどから我慢に我慢を重ねていたせいか、いつものような射精の快感は乏しく、その代わりに
自分自身が彼女の中に溶け出して沁みこんでいくような優しい感覚に竜児は包まれた。



それから3日間、徹夜続きで竜児はなんとか亜美のステージ衣装を完成させた。
授業の休み時間に机に突っ伏して少しでも仮眠をとろうとするたびに、彼女がきゃーきゃーはしゃぎながらつむじ風のように襲来して、
馬乗りやら肩車やらおんぶに抱っこやら卍固めやらアルゼンチンバックブリーカーやらの様々なボディアタックをかけてきては、
竜児の貴重な睡眠時間を台無しにするのだった。
「お、俺はお前のロデオマシンじゃねェ…」
「だってずっと我慢してたんだも〜ん」
「なにをだよ」
「モデルだって彼氏が欲しいんじゃ〜い!」


ミスコンは大盛況だった。
スポットライトの中、彼女が肌もあらわな狂おしいボンデージスタイルで現れると観客は大興奮。
彼女は舞台中をところ狭しと動き回り、観客をあおり、魅了した。大衆をまるで魔法にかけたように意のままに操るさまは、まさにショーマン。
自分の美貌が持つ力、その逆らいがたい魅力が他人に及ぼす影響力を本能的に自覚した者だけができるパフォーマンス。
これはプロの仕事だ、と竜児は思った。俺の料理や掃除なんて足元にも及ばねェ。
川嶋、お前はプロだよ。


文化祭の夜。竜児は生徒たちに混ざって、夜空にパチパチとはぜるキャンプファイヤーの火を見つめていた。
ときおり、火に虫が飛び込んではパチンとはじけ、はかなく燃え尽きる。
あの日、俺と彼女は突然熱に浮かされたように、この炎より激しく化学反応のようにまぶしく燃え上がった。
明日になればこのキャンプファイヤーも片付けられて跡形もなくなる。まるで、夏の日にアスファルトに撒かれた水のように。
あるいは春の日に舞い降る雪のように、雨の中で頬をつたって流れる涙のように。
あの夜のことは運命なんかじゃない、単なるもののはずみ。まったくもって偶然の出来事。
ちょっとした事故みたいなもの。

「高須クン」
彼女はミスコンのステージ衣装のうえに黒いコートを羽織っていた。短時間で無理やりでっちあげた衣装なので、あちこち両面テープで
地肌に貼り付けている。簡単に脱ぐわけにはいかないのだ。多分、一度脱いだらしわくちゃになって二度と着れないに違いない。
まだ興奮冷めやらないのか肌を上気させながら彼女が言う。
「凄く動き易かったわよ」
「あんなに動き回りやがって、プールのときみたいにポロリしちまうんじゃねェかと見ててハラハラしたぜ」
「あたしもドキドキした。素肌の上に直接、高須クンの衣装付けてたから、なんか今でもずっと高須クンに抱かれてるみたい」
竜児は先ほどのステージ上の彼女を思い出す。
若さと美しさ、皆が手に入れたいと望むもの全てを備えもった彼女はまるで生きた宝石、みんなの宝物のような存在。
この世の他者すべてから自己という存在を全肯定された彼女は、持てる者の高揚と自信にあふれて光り輝いていた。
「それ、もう二度と着ないだろ」
「そうかもね… でも捨てずに取っておくわ。初めての思い出に」
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Posted by pon 2010年04月26日(月) 15:04:24

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