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けいとらっ!Eパート ◆v6MCRzPb66

竜児は、櫛枝家を飛び出したあと、大河に電話を掛けたがつながらず、メールも不発。
大河の実家に行ったが不在、母親の会社に至っては門前払いだった。
そして、竜児が大橋駅のロータリーで、途方に暮れているにいた、その時、
「公衆電話から?」
竜児の携帯に着信。例の男だった。

「竜児くん。話しがしたい。大河さん、川嶋さんも一緒だ。場所は…」

待ち合わせ場所は、大橋駅のビル2階のカフェ。大河の良く行く雑貨屋さんの隣…
一年前の文化祭の時、大河の父、陸郎とベーグルを食べた場所だ。
「あそこ…か…2、3分ってところか…」
見上げていた駅ビルに、竜児は走り出す。

***

「あっ、そうそう、このCDの5曲目ね。タイガー、本当に聞いただけで弾けるの?」
「ん。へーき。…ふうん、こういうの好きなんだ。ばかちーも普通の女子高生なんだねえ…」
「なによそれ?違うの。R&Bって、意外に唄うの難しいのよ?だから…って、聞いてねーしっ!」
「ふごっ、ヴぁかちーも…ゴクン…ベーグル食べちゃいなよ」
「でけーなコレっ!…前にも言ったけど、あたし顎関節症なのよね。指2本以上口開けられないの」
「へーっ、そうかい。…あんたの彼氏になる奴…かわいそっ、ププッ」
「チッ!エロタイガーくたばれっ…、つーか、そう言うあんただって、……あ、来たわよ…」

公衆電話から、カフェの入り口に戻り、そのまま待っていた男が、竜児と一緒に戻って来た。
「おうっ、ふたりとも…すまねえ…」
「ばんわっ、亜美ちゃんは今日は、ただの証人だからっ、気にすんなよっ」
窓際の席に向かい合って座っている大河と亜美。ふたりの美少女は、竜児を見つめている。
「…竜児、わたしの隣座って」
「大河っ、お前に言わないといけない事があるんだ!俺は…」
走って来た勢いのまま、一気に話をしようとする竜児。男が制止する。
「竜児くん、とりあえず座ってくれ。それに俺が君を呼び出したんだ。先に話させてくれないか?」
大河の横の席を引いて、着席を促す男。竜児は座る。少し落着いたみたいだ。男も座る。

「食事を楽しみに来たんじゃない。端的に話す。二つある。ひとつめ。俺は、大河さんと結婚したい。
 政略結婚だからじゃない。単純に大河さんに惚れたからだ。こんないい女。二度と出会えない。
 しかし現時点では君の恋人だ。俺はどんな手を尽くしてでも、必ず君から奪い取る。
 たった今から、君は俺の宿敵だ。いいな…竜児っ」
宿敵。そうだ。こいつは虎だ。俺は竜だ。竜虎相打つ…。思わず竜児は武者震いする。
「話し合いなんだろ?俺の意見は聞かないのかよ?」
「俺の話の後だ。ふたつ目。君は、強敵だからな…君を潰す為に、俺は余力は残さない。
 全力で勝負する。つまり…宿敵はふたりと要らない。竜児、君の父親は、もうどうでもいい。
 …以上だ」
ハッとする竜児の顔を見て、男は恫喝する。
「そんな目していると、俺に大河さんを奪われるぞ?竜児」
竜児は、大河に実乃梨の事を話に来た。どうやら、竜児の思惑は筒抜けだったようだ。
そして、竜児が実乃梨の元へ行きやすい状況を創ってくれているように、思える…
自分の想いを伝えるだけしか考えていなかった竜児は、恥ずかしくなる。そして、
何も言えなくなる。言わなければいけないのだが…俺のターンだが…唇が震える。
言おうと思っていた想い…逃げては行けない。何と言えばいいのか?どうすれば…
意を決し、竜児は隣に座る大河へ顔を向ける

「…大河…俺は、お前の事…きっ…ううっ…」
わかっていた事だが、大河はブワッと涙が出てしまう。
「…嫌いだ…お前の事が、嫌いだ…だから…おっ、俺と別れてくれ…。うおおおっ」
「うん…わたしも…竜児が、ふぇっ、大…嫌、ぃ…ふえええっっつん!」
大河は竜児に抱きつき、最後のキスをする。

大河は、男と一緒にタクシー乗り場にいた。亜美を見送った後だ。
竜児はとっくのとうに、走り去ってしまっていた。

「お前…スゴいやつだな」
男は、空を見上げてた。柄にも無く、熱いモノが零れないように。
「そうね。自分でもそう思うわ。でもあんたは思ったより馬鹿よね?ジャンボ」
「ジャンボ?俺の事か?」
男は40cm下からの可愛らしい声に反応する。

「あんた、虎っぽいじゃん?わたしみたいに。でもデカいからジャンボ。文句ある?」
「いや、…気に入った。それで良いぜ、リトル」
「なっ、なによリトルって!そのままじゃんっ、嫌だ。普通に大河って呼んでよ、もう
 …ばっかみたい…いいわジャンボ。許してあげる。ふたりの時だけね」
大河はさっきまで大泣きしていたのに、急にイジワルそうな顔つきになる。

「まあ、それはいいが…なんで思ったより馬鹿なんだ?教えてくれ」
「本当に、馬鹿よ。あんた…こんなきき綺麗なレディーが、フィアンセになってあげるって
 言ってるのにっ、もっと、やったーっ喜べないの?馬鹿よね、馬鹿虎っ」
生意気な口ぶりに、男の感傷は崩壊、あの、旧友と再会したような、人懐っこい笑顔になる。

「馬鹿はお前だ。知らないのか?虎の交尾は2日間に百回以上するんだぜ」
真っ赤になる大河、しかし…
「ふんっ、楽しみだわ」

櫛枝家。両親は弟の祝賀激励会に出席したが、帰ってくるのが面倒になって、
明後日の月曜に戻ってくる…と、留守電に入っていた。チャイムが鳴る。
「櫛枝っ!」
「高須くん…本当に…戻って来たんだ…」
「そうだっ、戻って来た。櫛枝の前に。櫛枝を、恋人にするために…」
実乃梨は人差し指で、竜児の唇に触れる。魔法が掛かったかのように、竜児は黙る。

「高須くんっ…高須くんってさ、ハッキリ言わないとわからない系だよね?遠回しって苦手だよね?」
「…なんだよそれ…でも…当たっている、かもな…」
嬉しいような、悲しいような、複雑な表情で、実乃梨はゆっくり話し出す。

「わたしね、高須くんと恋人になりたいって思ってるよ?でも、だめなの。理由があるの。
 大河もさ、望んだら破滅しちゃうからって言ってたじゃん?あんな感じで。理由があるの。
 ぶっちゃけ、高須くんよりソフトの全日本を選んだ、本当の理由なんだけどさ…」
「…それを…話してくれるのか?」
竜児の心臓の鼓動が速くなる。走って来た時よりもだ。

「だって、高須くんとソフトボールで迷うっておかしいと思わなかった?普通比べないじゃん?
 だから…本当の理由…その理由を聞いても、それでもわたしを選んでくれるなら、その時は…
 …ごめん、話がそれた。うん。順番に話すね。まず…質問から。高須くん。運命って信じる?」
意外な質問に、竜児は感じたまま答える。
「そうだな…神様を信じるかに近いよな。でもその中でもあがきたいとも思うぞ、俺の意思で」
実乃梨がちょっと、光ったかのように見えた。実乃梨は続ける。

「本当?うん…じゃあ次。…あのさ、UFOの話したよね、それくらい恋愛って、
 わたしにとって現実味なかったんだよね。でも、高須くんがわたしに見せてくれたんだ。
 高須くんがいたから現実になったんだ。それで…解っちゃったんだ。自分の事…自分の正体が…。
 あのさっ高須くん。去年、一緒に北村くんの家に行った事、覚えてる?」
覚えていない訳が無い。あの時…竜児は、実乃梨を永遠に愛すると、誓った。

「わたし…実は高須くんと一緒に帰りたかったの。大河と仲がイイの知っているのに。
 あーみんは来ないの判ってたし、大河も、気を使ってくれて、来ないの判ってた。
 ズルくない?ズルいよね。でも、そうしてでも、高須くんと一緒に帰りたかったのっ… 
 …だから言ったじゃん。怖いって。わたしの全てを知ったら、高須くんに嫌われるかも…」
実乃梨は足下を見つめる。竜児は即答する。
「それっくらい、問題ねえし、逆にそうだったのかと、嬉しいくらいだ」
話の中枢に迫る。顔を上げた実乃梨の唇は…ふるえていた。

「じゃあ…最後。もし…わたしが高須くんと恋人になったら…なっちゃったら、
 大河みたいに別れたり出来ない…他の女の子と話したり仲良くするのも辛いの…
 もし浮気なんかしたら…あなたを許さないかも…あなたを殺しちゃうかも…
 わたし、嫉妬深いの、わかったの。恋人じゃなかった今までだって…だから…
 今のままなら、まだ…だから…お願い…捕まえたら、二度と離さないで、もし…
 運命がそうだったとしても…わたし…」
そんな事言われて、なんと答えたらいいのか…と考える前に、竜児の口は勝手に動く。
「俺は、高須竜児は、運命のイタズラで、お前が俺を殺す事になっても…俺は、
 それを受け入れる」
実乃梨は…もう泣き顔でクシャクシャだった。
「実乃梨!好きだっ!。俺と付き合ってくれ!ジャイアントこんにちはだっ!!!」
竜児はオレンジ色のヘアピンを握った手を、実乃梨に差し伸べた。
「わ…わたしも…竜児くん好きっ…大好き…ふえええっ…」
実乃梨はヘアピンを受け取り、今日最後の涙と共に、竜児の胸に飛び込んだ。
「実乃梨…離さねえ…」

***

次の日の朝。竜児は新聞を読んで知った。都内近辺の夜空に、巨大なUFOが目撃された事を。
それは、輝かしく、綺麗で、美しくて…まるで何かを祝福しているようだったと。
…長い間抱き合っていたふたりは、その祝福に気付かなかったのだ。

ピアノの美しい旋律が響く。
大河は、亜美の希望曲の前奏部を弾きはじめる。

♪hey… ah…ummmm…oh…yeah…

亜美の声は、きれいだ。ピアノに負けず歌声が主張している。金が獲れるレベルだ。

♪簡単には好きにはなれないけど…恋に振り回されたい…

肩を揺らしながら拍子を取る。音楽の女神、ミューズが乗り移ったかのように、
亜美は唄いながら踊り出す。ベリーダンスのような艶かしい動き、ターンする度、揺れる長い髪…
調子の乗るから本人には言えないが、ディーヴァという言葉がぴったりだった。

演出的に、この曲は、亜美と大河だけで演ろうって事にしたのだが…大正解だろう。
竜児は思わず、観客と化してしまい、北村も聞き惚れている…まあ、無理もないのだ。
それは、近い未来。この年の年末に、亜美は銀幕デビューする。そして、竜児の目の前
で揺れている亜美の黒髪は、500万人もの瞳を魅了する事になるのだから…曲が終わる。

「うわ〜、やっぱわたし上手いわ…映画だけでも忙しいのに…カラダが二つ欲しいっ、どうしよっ」
「ばかちー風情がふたりいたら、チョー迷惑っ、まあ、歌はまあまあだけど…
 でもなんか…悔しい…わかるでしょ?竜児っ。この焦燥感っ、不快感っ」
「おまえのピアノも良かったぞ。数回聞いただけで弾けるなんて、俺的に奇跡に近いっ。
 まあ確かに悔しがるほど川嶋が上手かった事は認めるけどよ…」
「おほほほほほっ、あれ?もうこんな時間っ、…いまごろ実乃梨ちゃん、合宿か〜」
「そうだな、今年は男子ソフト部だけなんだが、櫛枝は部長だから、女子ひとりでも、
 行くのは仕方ないなっ」
え?北村が3人の視線を一身に浴びる。
「おうっ?そ…そうなのか、北村?」
「言わなかったか?いやー、櫛枝も、なんだかんだで部員に結構人気あるしなあ、
 あいつも彼氏作る、いいチャンスだろ。はっはっはっ」
「なっ」
亜美が目を細める。エロい目になる。こういう時の亜美は、無敵だ。
「え〜っ?ムサい男祭りの中に、紅一点?…それって…乙女の危機じゃな〜いっ?
 聞いた話だとっ、祐作以上のヌーディスト部員もいるらしいし、あはっヤバめ〜っ!!
 いっくら実乃梨ちゃんだってぇ、複数の男相手じゃあ…実乃梨ちゃ〜ん可愛いし〜…
 まあ私ほどじゃないけどっ」
「おうっ、何言ってんだ?そっそんな事…」
「なによ竜児、分りやすいわね。気になるなら今から行きなさいよ…まあ手遅れかもしれないけど…」
気になるっ、でも昨日誓った、抱きしめた…でもっ

「なんだ高須?大丈夫だ。去年なんかは、合宿で5組カップル出来たんだぞ。安心しろ!!」
笑い出す亜美、頭抱える大河、もう6時を回っている、この時間から電車だと無理だ。

「北村っ、お前の兄貴のバイク貸してくれ、頼むっ」

山梨県の河口湖までは高速で約2時間弱。竜児は北村の兄のビッグスクーターで高速を走る。
買ったばかりで、まだ新車の匂いが残っている。竜児はもちろん免許がない。
「実乃梨っ…」
信じていない訳ではない、しかし…心が黒くなる、嫌な感じだ。カーナビが方向を指示する。
竜児はスロットルを全開。500ccのエンジンは、それに従い、ツインエンジンの甲高い音を奏で、
スピードメーターを振り切り、漆黒のハイウェイを切り裂いていく。

***

ペンションでは、部長との別れを惜しむ、ムサい男祭り達が、入り口に集結していた。
「なんだいなんだい、お前達、そんな永遠の別れでもないのに、大袈裟じゃのお」
男子部員どもは、先に帰ってしまう部長、実乃梨との別れを惜しんでいた。
じゃあ、あたしゃ、帰るから〜っと言ってから、もう30分経つ。もうすぐ最終バスだ。

本当は2泊の合宿だが、実乃梨の実家は無人だし、やっぱりエロゲーじゃない限り、
女子ひとりでお泊まりっていうのも禁忌な事。最終バスで帰る事にした。
男子に勝る、実乃梨の卓越した実力を認め、普通に別れを惜しむ者、
邪な考えを持っている者、おいおい泣き出す者…実乃梨は大人気だ。
そして…1人くらいいるのだ。その部員は思い切って実乃梨に告白し…瞬殺。

「いや〜っ、ゴメン。わたし彼氏いるんだわっ」
うおおっ!と絶叫する部員しかし、周りに慰める仲間達がいる。大丈夫だ。
おっ?最終バスが着たようだ。…あれ?バスじゃない…それは、ものスゴい勢いで
迫って来て、ものスゴい勢いで、実乃梨達の目の前で急停車した。バイクだ。
そして…バイクは、ガシャッと倒れる。ライダーも転がっている。

「実乃梨っ!…お…おうっ…転んじまった…」
実乃梨の彼氏様が到着した。

***

ETCが故障してしまったのと、外装が壊れたまま高速に乗るの事を、
不安に思った竜児と実乃梨は、道志みちという、一般道を疾走していた。
「えへっ…竜児くんってさ、やっぱり…素敵だねっ。もう予想GUYって感じ…」
山間の一般道は、真夏と言えど、少し肌寒い。実乃梨は竜児をギュウっと抱きつく。
「お…おう、俺もなんで今、実乃梨とバイク乗っているのか、意味判らねえ…」
「うふーん?竜児くんさっ、わたしの事言えないよね〜、心配だったんでしょ?」
「う…、いや、信用してない訳じゃあねえけど…気がついたら…すまねえ」
「あやまることないよ。わたしも同じ事するかもよ?似てるのかな?わたしたち」
実乃梨は安心する。嫉妬してくれて、ちょっと嬉しかった。もしかして、竜児なら、
本当に、以心伝心出来るのではないかと思った。念ずれば、竜児は実乃梨の事…
実乃梨は念じてみた…

「おうっ、停まったっ、ガス欠だ…」
やっと、山間を抜け、湖が見えたと思った所で停まってしまった。
数十メートル先を見ると、明かりが見える。…いわゆるラブホテルだ。

「そこまでは念じてねえんだけど…」
エスパー実乃梨は、今後あまり力を使わないように決意するのだった。

「…竜児くんっ!はっ恥ずかしいからっ!早く選んじゃって!」
「おおうっ、そうなんだが…やり方が判らねえ?ボタン?どっどこにする?」
「どこでも良いぞっ、うわわわ、誰か来たっ…ヤバいヤバいひえええっ」
「なっなんで隠れ…おうっ…」
ホテルのロビーで、暴走状態になったふたりは、何故か…観葉植物の影に隠れる。
実乃梨の身体が密着する。密着する部分に、竜児は全神経を集中してしまう。
…ねえ、どの部屋にする?…ここっドリームチェアー完備だって…え〜エッチッ…
そして、カップルは部屋に消えた。

「ちょちょっと、竜児くん!!どっ…どりいむちぇあーって何ぞ?うああああっ」
「しっシラねえよっ、なんだ、その…何にも浮かばねえ!!ラブホっ!深えっ!」
「わわっ、また誰か来たっ…隠れろっい!竜児くんっ、とりゃあああっっ!」
またもや観葉植物の影に潜む。もうノゾキだ。犯罪スレスレじゃないのか。
…ええ、どこでもいいですっ…一番安い所で…いいんです、大丈夫ですから…
…わたしみたいな三十路過ぎの独身…ええ……じゃあ…行きましょうか…
そして、カップルは部屋に消えた。

「…竜児くん、今のヒト知ってる?顔見えなかったけど…」
「知らない人だった。と思う。大丈夫だ。さあ、俺たちも部屋を選ぼう…」
冷静になったふたりは、最後の1部屋のボタンを押す。満室のサインが点灯した。

***

「…どこの部屋だ?…おうっ、ここかっ」
部屋のプレートが点灯している。ガチャッ…鍵も開いている。
「おじゃま…しまっおうっ」
「もうっ、竜児くんっ!恥ずかしーよっ!早く部屋に入って!ええいっ!」
ドンッと、背中を押される竜児。おおうっと、転げるように部屋に入る。
雰囲気も何も、あったもんじゃない。まあ、俺達…らしくていいのかも。

ゴージャス。そんな言葉がぴったりの部屋だ。ホテルの最上階だった。
「おうっ、広いなっ、なんかラブホって、もっと、狭くて、汚くて、臭いイメージが…」
「見てっ、竜児くんっ、お風呂場すっげーよっ!ライオンの口からお湯が出るのっ!」
「どれっ、おおうっ、広くて、清潔だっ、プロの仕事だな!すげえ…」
バスルームの隅から隅までピカピカ。ポケットに忍ばした高須棒の出る幕は皆無だ。
感心している竜児に、実乃梨はプイっと、ふてくされる。
「あのさーっ…竜児くん…別にいいんだけどさっ。か…彼女とホテルにいるんだよ?
 その…もっと、なんつーかよっ、いや、なに…あはは、な〜に、言ってんだろ…わたし」
床に目を落としてしまった実乃梨だが、真っ赤な顔が、竜児には見えてしまっている。

「実乃梨…正直言うと、俺も、どうしていいのかわからなくて…現実逃避というか、
 誤魔化しているというか…なあ、直球でいいか?」
竜児も顔が真っ赤になる。本当に緊張しているのだろう、心臓の音が聞こえる。

「直球?あははっ、いーよっ、直球勝負。好きだぜっ。よしっ、どんとこいっ!」
両手を挙げた実乃梨を…竜児は…抱きしめた。耳元でささやく。
「好きだ…、実乃梨。その…やりてえ…」
竜児の直球は、実乃梨のど真ん中に突き刺さる。実乃梨は一瞬、液体になった気がした。

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