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みの☆ゴン4 ◆9VH6xuHQDo
 …竜ちゃん〜、あれれ?酔っぱらってるのぉ?お顔、真っ赤だよ〜☆…
 なんで泰子がいるんだ、俺の妄想に…ダメだ、来るなっ
 …え〜、竜ちゃん冷たぁい。今はぁ、魅羅乃ちゃんなのですぅ…
泰子はクネクネしながら竜児に近づく。あまりの衝撃に金縛りにあう竜児。
 よせっ!泰子!魅羅乃でもどっちでもいいが、近づくなっ!今は…ここではマズい
 …そんな〜、竜ちゃんはぁ、赤ちゃんの時ぃ、い〜っぱい、オッパイ飲んでたんだよ?…
ポロン
泰子のFカップが露呈する。揺れている。カラダの動きからワンテンポ遅れている。
 おおうっ!早くしまえっ!ほ、ほら、インコちゃんも見てるしっ、ふぐぉっ!
竜児の顔面は、泰子のFカップに埋まる。喋ろうとした竜児の口の中に、柔肌がなだれ込む。
奇しくも、竜児は授乳している様な…状態になってしまった。マシュマロのような柔らかさだ。
 …竜ちゃん、よ〜し、よ〜し、してあげるね〜☆よぉ〜し、よぉ〜しぃ…
うっとりしながら、竜児の頭を撫でる泰子。竜児は泰子の心臓の音が聞こえていた。
 むふぉっ!やっ泰子!んふっ…いい加減にっ、むふ…
モガくほど、泰子のFカップの海に溺れる竜児。掴んだいる二の腕も、柔らかい。
 …いや〜ん、竜ちゃんの目、シビれる〜ぅ。いっぱ〜い、甘えていいんだよっ、
  あれぇ?竜ちゃん、うふふっ…そんなトコ触ってぇ…エッチなんだぁ〜っ☆…
つい、超反応してしまった下半身を手で隠したが…泰子にバレてしまった。
 おうっ!泰子っ!見るなっ!インコちゃんも、頼む!見ないでくれっ

 イ、イン…インモラル…
インセストだの、インブリードだの喋り出したインコちゃん。結構喋れるくせに、
なんで自分の名前くらい言えないのか…沸騰する脳ミソの片隅で竜児は疑問に思う。

 …やっちゃんがぁ、竜ちゃんのココっ。代わりに触ってあげるね〜っ…
相変わらずの金縛りで、竜児は泰子のなすがまま。あっけなくチャックから、
泰子のやわらかい指で肉棒が取り出される。反っている。血管が脈を打っている。
 …うわっ☆竜ちゃん、大っきぃ〜い。ほら、ほら、ほらぁ〜☆ど〜お?…
泰子は、自分の指に、充分な唾液を垂らした。その濡れた指は、竜児の丁度、
スジの部分を、往復する。カリの部分に引っかかる。
 た…堪らねぇ…もうどうにでもしてくれ…ふおおっ、く…櫛枝…すまねえ…
竜児は諦め、快感に流される。そして登りつめ、ドクンっと竜児は体液を解放する。


「わっ…忘れようっ…」 
嫌悪感、羞恥心、いくら妄想とはいえ、激しい後悔。…マザコンっていうレベルじゃない…
竜児は大河と同じく、泰子の乳にトラウマを残す事になってしまったようだ。
時計は真夜中の1時。
結局竜児は、午後10時頃まで呑んでいて、稲毛のおじさんにタクシーで送ってもらったのだ。
無理矢理流し込まれたアルコールの影響でベッドに直行、そのままダウン。
…で、今の妄想に繋がる訳だが、
「…うえ…気持ち悪い、泰子は毎日よく、こんな事…風呂、入るか」
竜児は泰子の買い置きしてあるウコンの力を拝借、そしてシャワーを浴びた。

「…頭痛ぇ…」
今日も雲ひとつない晴天。さわやかな春の日差しが心地よい…はずだったが、竜児は寝不足で、
こめかみの辺りが少し痛い。幸いにも気持ち悪いのは改善し、酒は抜けたようだ。が、
「ちょっと、あんた…少し酒くさいわよ…近寄らないでくれる?シッシッ」
竜児は実乃梨との約束通りに、大河にモーニングコールをした。大河は3回目にやっと起きた。
「くっ、くさいか?おかしいな、ちゃんと二回も歯磨きしたのに…」
ハ〜ッと念入りにブレスチェックする竜児。もうすぐ天使とご対面だからだ。
「みっのり〜んっ!おっはよ〜っ!!」
「大河!おはようさん!よく起きれたね?どうどう、い〜娘だよぉ。竜児くんも、おはようさん!」
「おうっ、おはよう…櫛枝。ちょっと寝不足で…ぐふぉっ!なん、で…腹蹴る…逢、坂っ…!」
実乃梨に抱きついていた大河は、その体勢のまま、真後ろに立っていた竜児の腹にバックキック。
大河は、実乃梨の『高須くん』→『竜児くん』に気付いたからだ。竜児は腹を抱え、崩れ落ちる。
「ねぇ、みのりんっ!こいつに昨日の帰り、何かされた?大丈夫だった?それとも、
 何か弱みでも握られたの?わたし、みのりんの味方だから!なんなら今コロす?」
ギンッと大河は虎の目になる。対する竜児は、もともと竜の様な目だが、目しか恐くない。
「あはは、やんくるないさぁ。ちょっぴり、竜児くんに相談に乗ってもらっただけだよ」
そうなの?みのりんっ?そうだよ大河〜っ!しかし大河は今イチ納得していない様子…
「ちょっと竜児!言っておくけどね!みのりんは、わたしのものよ!もし…もしあんたが、
 みのりんを不幸にしたり、泣かせたりしたら…この手で、貴様を地獄に落とす!」
「…落ちろじゃなくて、落とすのかよ!だいたい俺が、櫛枝にそんな事…する訳ないだろっ」
大河は、実乃梨と竜児の顔を交互に見る。二人の間の微妙で甘酸っぱい空気を…捉え、そして、
「…みのりん、わたしコンビニで、お昼のパン買ってくる。竜児と先に行ってて。
 じゃあ後で、教室でねっ! 竜児っ、カバン持ってけ!とりゃあっ!」
大河が投げたカバンは、放物線を描き、うずくまる竜児の後頭部に落下した。
身軽になった大河は、飛行機のように手を伸ばし、ミニスカートを翻し、走り去った。

「逢坂っ!マジかよっ!…まあカバンくらい、別にいいか…」
実乃梨の目前な事とツーショットになった事で、超寛大になる竜児。…が、実乃梨がちょっとおかしい。
「…大河の奴…」
実乃梨はそう、念仏のように唱えた…が、竜児と視線に気付くと、パッと柔らかい笑顔に変わる。
「だ…大丈夫かい?竜児くん。ほら、立って。大河のカバンの紐。片方よこしたまえ!」
すっと手を差し伸べる実乃梨。竜児は、ぎゅうっと心臓を強く掴まれた気持になる。
「おうっ…サッ、サンキュー。…ああっ、カバンの紐?片方?こうか?」
大河のカバンはまるで、捕われた宇宙人のように、竜児と実乃梨の間を取り持つ。
「これでよしっ!大河ったらしょうがないねぇ。教室に着いたら、大河の事シメてやろうねっ」
竜児を見上げる実乃梨。桃のような頬にかかる髪。その香り。今さらながら、竜児は意識する。
「そ、そうだなっ櫛枝っ。あたっ、あたっ、あたたたっ」
「俺の秘孔は表裏逆!退かぬ!!媚びぬ!!省みぬ!!フハハハッ」
「違う。あた…頭。少し切ったか?」
やっと言えた。髪の毛を指摘された実乃梨は、軽く何度も、手でかきあげる。
「よく気付いたねえっ。家の近くの美容室、8時までやってるんだよ。行くヒマ無いから、
 本当はベリーショート〜って思ったけど、美容師さんに似合わないって脅かされたんだ」
「…まあ、短くても似合ってんじゃねえ?でも…今の髪型も良い、と思う。女子って感じで」
それを聞いた実乃梨は、なんとなく、複雑な顔色になる。嬉しいけど…って感じだ。
「竜児くんも、小学校の時、あだ名あったって言ってたよね?極道くん…だっけ?わたし、弟と、
 少年野球やっててさ、丸刈り、マルガリータだったから、Mr.レディってあだ名だったんだ。
 あの頃と違って、今じゃあ、頭も刈れないメメシコちゃんになっちゃったけどね」
「…別に刈らなくても良いだろ。てか、なんだよメメシコちゃんって。ムシコナーズかよ」
「シコしか合ってね〜ぜ、竜児くんっ。意外すぎて衝撃的だわ」
見えない網戸〜っと口ずさみ、実乃梨はまた、明るく太陽のように輝く。竜児も満悦。
どうしても、二日酔いのやさぐれ不良少年が、学校崩壊を策略している様に見えるのはご愛嬌だ。
「そうだ、昨日ハンカチありがとうな。ちゃんと洗濯して、アイロンもかけた。後で返す」
朝起きて、最優先で1発目にやった事だ。仕上がりも淀みない。
「なんのなんのっ!でも貸したときより綺麗になっている気がするなあっ…あのさっ、竜児くん。
 …北村くんと、仲良いよね?突然なんだけど…なんか、北村くんに、噂とかないのかな?
 その…恋愛関係とか、女性関係というか、スキャンダルというか…なん〜て…」
正面を向いたまま、少し声のトーンが落ちる実乃梨。竜児は色ボケした頭を切替えるのに5秒掛かった。
「なんだ、突然…いや、聞いた事ねえな…彼女とかはいないと思うぞ。意外に人気はあるけどな」
「ふーんそっかぁ…ねぇ、竜児くんっ!今日の体育の時間、ちょっと計画があるんだけど…」

1限目が終わり休み時間。実乃梨と竜児はジュースの自販機の前にいた。
昼休み以外は自販機は使用禁止なので誰も来ない。内緒話するには絶好の場所である。
実乃梨の計画はこうだ。今日の3限目の体育。通例で新学期の体育の授業はバスケットバールをやる。
最初の準備体操、パスの練習までは男女混合。二人一組になって行う。
「でね?普通に、わたしは大河。竜児くんは北村くんと組むよね? で、わたしと竜児くんが、
 隣同士でパス練習するの。そこでわたしが、大河が投げたボールを顔面で受けて、鼻血ブーするから。
 そしたら隣にいる竜児くんが、大丈夫か〜っ!て、わたしを保健室つれてくの。
 んで、余った北村くんと大河が、一緒にパス練習するって計画なんだけどさっ」
どうやら実乃梨は、何故か、大河と北村を組ませて、親睦を深めて欲しい…らしい。
竜児にはその必要性が判らなかったが、実乃梨の計画に、竜児が協力しない訳が無い。
なぜなら彼女が好きだから。竜児は全力で承諾する。
「わかったっ!…しかし鼻血ブーって…可能なのかそれ…」
「ミッション・ポッシボーにするんだよっ!気合いでっ、がんばろうぜっ」
コーヒーは残っていたが、チャイムが鳴り、ふたりは並んで教室へ駆け出した。

***

計画は、意外な人物に妨害される。
「まーるおっ!あたしとやろうよ!」
「む?ああ、構わないぞ木原。だが、その呼び方はやめろ」
体育館で、黒間先生の下に集合した矢先、弾けるボディの17歳。木原摩耶が勝負に出た。
「お?気合い入ってる奴らがいるな?それじゃあ準備体操から始めるぞー。広がれー」
北村を木原に奪われ、呆然としていた竜児の傍らに、いつの間にか香椎奈々子がいた。
「高須くんっ。わたしと組みましょ?うふふっ」
「おうっ?俺と?…そ、そうだな香椎。組むか」
しょっぱなから計画は崩壊。しかも竜児は、初めて話した女子と組んでしまった。
実乃梨は無難に大河と組んだのだが、軟派な数人は、その流れで勝手に男女ペアになる。
俺と組む女子、この指とまれ〜っと、最後まで粘っていた春田浩次だったが、同じく
粘っていた能登と最終的に組み、運命的な友情を分かち合っていた。

ラジオ体操が終わり、柔軟体操に移る。ペアを組んだ奈々子が竜児の前に座る。
「高須くん。…やさしくしてね?」
そうだった、よく考えたらボールを使うのは最後の最後だ。竜児はペアを組んだ、
奈々子の背中を押さなくてはいけない。奈々子は長い髪を束ね、うなじを晒していた。
体育着に、ブラジャーの線が浮き出ている。一瞬、竜児は躊躇する。
「お…押すぞ、香椎」
竜児の指が、奈々子の肩甲骨に触れる。指に肉感がリアルに伝わる。柔らかい。
「んふっ…高須くんっ。もっと強くしてもいいんだよ。んふっ」
竜児に振り向く奈々子。口元のホクロに目がいく。竜児は平然を装うのに…必死だ。
少し、汗の匂いが混ざった奈々子の芳香。触れた手から、心臓の鼓動が伝わる。
「はい。じゃあ、今度は高須くんの番ね」
にっこり微笑む奈々子。よくみたら可愛い。というかオトナっぽい。
「おうっ、俺、カラダ堅えから、なるべく強く押してくれ。なるべくでいいけどな」
竜児は座り、脚を伸ばす。奈々子は、えいっ!っと全体重を乗せて竜児の背中を押す。
ぷにょん。
何だろう?この感触。まるで…そう、母親の泰子に抱きっ…っということは…
「たたっ…高須くん、ごめんね?手滑っちゃった。平気だった?」
竜児の右耳から、菜々子のほくろは、10cmと離れていないくらい接近している。
背中で、柔らかくて気持ち良いものが、タユタユ揺れているのを感じる。ボインだ。
17歳のボインの感触は、やはり泰子のとは違かった。これは夢ではない。

「コルァッ!みのりんの前で、何ぃやってんじゃああっ、このエロ犬がああっ!!」
あまりの抱擁シーンに、堪えられなくなった大河が、数メートル先から助走する。
素早く理解した菜々子は竜児から離れる。大河は、タンッと、踏み切って高く飛び…
「ばっ、やめ…はぐぁぁっ!!!」
↓?←+K(強)  大河は竜児に必殺技、キャノンストライクを決めた。

「竜児くん、大丈夫だった?いきなり大河が飛び出したから、止められなかったよ。
 …でも、竜児くん…香椎さんとの柔軟体操。とっても楽しそうだったよねぇ…
 わたしがというものがいながら…な〜んてねっ、冗談さっ!」
実乃梨からそんな事言われて、香椎からの超簡単なパスを取り損ねてしまいそうになる竜児。
体操が終わり、既にパスボールの練習が始まっている。竜児は計画通り、実乃梨の隣を死守。

「櫛枝…言い訳はしねえ…実は俺に考えがある。俺がワザと暴投して、北村を仕留める。
 すまねえって言いながら、俺は保健室に北村を連れていく。余った香椎と木原が組んだ後、
 櫛枝が顔面キャッチして鼻血を噴出。戻って来た俺が逢坂と、櫛枝を保健室に運ぶ。どうだ?」
竜児は、昨晩の親友北村の裏切りを忘れていなかった。その報復も兼ねて、実乃梨に提案した
「ほーっ、大胆な作戦ねえ…!わかったわゼロッ、弾けろブリタニアッ!」
よくわからないが、多分実乃梨は激励してくれているんだと思われる。香椎からパスが来た。

「よしっ…」
竜児はバムバムッっと、ドリブル。バスケットボールを思い切り振りかぶり、投げた!バシッ!
「あひ〜んっ☆」
竜児、渾身の一投は、ロン毛の同級生、春田の顔面を誤爆。さらに能登のパスも追い打ちで命中。
ライフが0になった春田は崩れ落ちる。黒間先生とクラス委員の北村が春田に駆け寄る。
「どうしたんだっ、誰が怪我した!?春田か!?」
北村は春田を抱え、保健室に運ぶ。落ち込む竜児に、実乃梨はドンマイッと肩を叩き、励ました。

結局余ったのは、木原と能登。仕方なくふたりはペアを組む。
「ちょっと、木原〜っ。ちゃんと投げろよ。練習になんないじゃん」
「なによっ。っていうか、なんでわたし、能登とペア組んでんのよ…えいっ!どうだっ」
能登は照れ、木原は不貞腐れる。ふたりのパス練習は次第にドッヂボールのようになっていった。

***

竜児は切迫する。香椎とペアを組んでしまい、春田を撃沈した…体育での失敗を反省していた。
もう失敗は許されない。だんだん趣旨がズレて来ている様な気もするのだが、気にしない。
体育の着替えを終え、実乃梨と竜児は、またもや仲良く自販機の前にいた。実乃梨が切り出す。
「失敗は、成功のマーマだよ!竜児くんっ。次の作戦!お昼休み、まず、勿体ないけど、
 わたし牛乳パックこぼすわ。ブワーっと。で、ソレを見た竜児くんが、間違って買ったから〜って、
 言って、わたしに新しい牛乳パックをくれるの。その御礼にわたしが、お弁当のオカズあげるぜって、
 さりげなく合流、4人で一緒に食べるの。…どうかな?」
拳を握りしめる実乃梨。大きな瞳の奥に、太陽の炎が見える。その炎に月が明るく照らされる。
「なるほど…今度は、成功させねえとな…」
竜児も拳を握る。実乃梨はニヤリとし、まるで、昔からの相棒のようにハイタッチする。

***

昼休みになり、竜児は、実乃梨と牛乳パックを買ってきた。
「よし櫛枝。もし制服が汚れたら、俺が応急処置するからな。思いきって、やってきてくれ」
「応!胸すわって進むなり!」
教室の入り口から、ふたりはそれぞれ、大河と北村へと向かう。のだが、
「高っちゃ〜んっ!いくら非行少年だからって、ひどくな〜い?痛かったよ〜!」
「おうっ!春田っ!すっすまねえっ。顔面大丈夫だったか?」
「顔面の骨、折れたかと思ったよ〜、あっ、ミルク…お詫びにミルク頂き〜☆」
春田は、竜児から、牛乳パックを奪い、一気に飲んだ。…仕方ない…
「おいち〜っ!おひょっ!顔面の骨、治った!」
「初めから折れてねえよ。でも…マジですまなかった。北村も、代わりに介抱してくれて有難うな」
「気にするな高須!クラス委員として当然…おやっ?一年のマネージャーか?どうした?」
恐縮そうに、教室を覗き込む1年の男子生徒がいた。北村が席を立つ。暫く話をして…
「櫛枝!ソフト部の緊急ミーティングだ。弁当持って部室に集合だっ」
「え?そうなの?…あっ、竜児くん、良かったらわたしの牛乳パック飲んでいいぜ。
 飲みかけだけど…ごめん、抜けるね。今日はついてないなあ、また頑張ろ!」
実乃梨は申し訳なさそうな顔をして教室を出る。何故か竜児は大河と向かい合わせに座った。
「あんた…なんでここに座んのよ…目障りなんだけど…」
牛乳パックを飲んでいる竜児は、大河の言葉は聞こえていなかった。

放課後。竜児と大河は、グラウンドのフェンスの外にいた。実乃梨と一緒に下校するためだ。
「あ!みのりん手振ってる。おーいっ!…うわっ、そんなに振らなくても…」
「おうっ、今度は、変な踊り始めたんだが…逢坂っ、なんだあれ?解説してくれっ」
「竜児。元ネタが判らなくても考えちゃダメ。感じるの。そんなんじゃ、みのりんの…ま…いっか」

大河の視線が横にずれた。その視線を追うと、ひとりでストレッチしている北村の姿があった。
たぶん生徒会の仕事で、部活に遅れて来たのであろう。何か叫んでいる。指示を出しているようだ。
実は今日の緊急ミーティングで、北村と実乃梨は、各ソフト部長に抜擢されたとの事だった。
指示を終えた北村は、辺りを見回し、竜児と目が合った。すると北村はズボンのチャックを一瞬降ろし、
すぐ戻した。…いったい何の意味があるというのだろう…理解に苦しむ。…大河がいない。
と思ったら、しゃがんでいた。大河は北村のサービスカットを見逃してしまった。

「…ねえ竜児。なんかわたしに隠し事してない?あんたと、みのりん。教えなさいよ」
「別に隠し事なんか…櫛枝に、その…相談受けただけだ」
ジロリと、大河は竜児を見上げる。目線を正面に戻し、溜息をついたあと、話し出す。
「…わたしと北村くんの事でしょっ?みのりん優しいから。やっぱり、見られたか…」
「まあ、逢坂と北村絡みなのは、確かだ。正直…俺も櫛枝の相談事、よくわかってねえ」
なんで逢坂と北村の仲を取り持つような事をしたのか?竜児は首をひねる。
「あんた、本っ当ーに鈍感、ドンキングね。でも、そういう所が、気にいられたのかもね…」
「なんだよ、ドンキングで悪かったな。そんなんで、誰かに気に入られても複雑だけどな」
オンナってのは、もうちょっと、わかりやすく表現出来ないのだろうか?まるでクイズだ。
髪の毛を掻きむしる竜児。そのわかりやすい表現に、大河は少し、微笑む。
足下の大河は、しゃがんで小さくなっていたカラダを、さらにキュッと縮こまる。
…そして、自分の膝に、口を当てながら、大河は竜児に自分のクイズの答を教えた。

「わたし。きっ…北村くん、好き…好きなんだ。だから、みのりんあんな事したんだよ」
「なっ、なんだって?!逢坂!そ、そうなのか?…だって去年、逢坂は北村からの告白を、
 断っているよな?なんでだ?好きなのか?どっちなんだ?わからねえっ!」
「…だって。知らない人にいきなり告白されても困るじゃない。みのりんの隣で…いつの間にか、
 その…意識しちゃって…なによ…あんただって、みのりんの事好きじゃない。おあいこよっ」
プーッと大河は膨れる。よく見たら耳まで赤い。こういう仕草の大河は、…ものすごく可愛い。
竜児はグラウンドの実乃梨に目線を戻す。まだ踊っていた。
「まあ、な。おあいこだな。俺も、櫛枝の事。マジで…好きだ」
明るく、部員にアドバイスしている実乃梨。竜児は恋心に縛られ、視線が固定され、動けない。

「あの娘、綺麗だもの。あんたがみのりんを選んだ気持ち、わたしにはすごくわかるもの」
竜児はやっと分かった。単純な答えだ。竜児と大河は一緒だったのだ。
「そうか…逢坂が北村を選んだ気持ち。俺もわかる…北村、あいつは本当にいい奴だ」
竜児と大河は月だ。そして実乃梨と北村は、太陽なんだ。

「わたし、先に帰る。あんたはみのりんの事待つのよ。みのりんに伝えてくれる?
 もう心配しないでって。明日…北村くんに告白するって…バイバイ、高須くん」
「え?高…先に帰るって、おいっ!逢坂っ!…告白?マジかよっ」

大河は走っていたが、…ズッコケた。
そして竜児を手で静止。立ち上がりホコリを払い、グラウンドの照明をゲシゲシ蹴り…
再び走り去った。

「おまたせっ!!あれ?竜児くん、大河は?待ちくたびれて帰っちまったかな?」
「ああ、櫛枝。ちょっと前まで逢坂も待っていたんだが、急に先に帰るって。
 …そう言えば、今日はファミレスのバイトなんだろ?時間平気なのか?」
「6時から。あと1時間あるし、ダイジョーVだぜっ!んじゃ、歩きながら話そっか!」
校門を出る二人。4月の午後5時は薄暗く、所々で街頭が点灯しはじめている。
こういうゴニョゴニョした話をするには、丁度良い雰囲気なのかも知れない。

「あのさ、逢坂から、伝言があるんだ。櫛枝に伝えて欲しいって。逢坂。明日、
 北村に告白するんだと。…で、お前にもう心配すんなって。…言ってた」
あっけに取られる実乃梨。再び歩き出すが、若干ふらつき、竜児と肩がふれる。おととっ。
「ごめん…そっか、大河…やっぱりお節介だったかな?…なんかわたしだけ…ん〜…。
 竜児くん、どう思う?北村くんと大河。上手くいってくれるかな?いって欲しいけど…」
実乃梨は竜児に問う。その瞳は憂いを帯び、本当に心配なんだ…と竜児に伝わった。
「なんか、難しいよな。外野がやいやいと人の恋路に口出すのはどうかと思うけど、
 俺達の親友同士だから、状況が特殊だよな。俺も上手くいって欲しいし、応援したい」
朝に、実乃梨と待ち合わせした交差点を過ぎ、竜児の家と逆のケヤキ道に出る。
通るのは3回目。3回とも、実乃梨とふたりで通った。そんな事を竜児は思った。

「大河ってさ、あんまり人の事…特に男の人を褒めたりしないのね。でもね、
 北村くんの事…成績が学年トップですごいとか、生徒会で副会長になったとか、
 ソフトでどうとか、今考えたらイロイロ褒めてたのよね…北村くんのいない所で」
たしかに大河が誰かを褒めるなんてレアだ。本当に大河は、北村に恋をしているんだろう。

「なあ、櫛枝。今日の朝、俺に北村の噂話とか聞いて来たよな?実は俺、心当たりがあるんだ」
春休みの駅前で、すみれの前で、赤面していた北村を想い出す竜児。たぶん…間違いない。
「そうなの?竜児くんっ!心当たりって、それってどこの生徒会長?」
「そうなんだ、生徒…なんだよ櫛枝っ、知ってたのかよ?」
「いやいや簡単な推理なのだよ、ワトソンくんっ!北村くんも、大河と一緒っ。狩野先輩の事、
 すっごーい褒めてるよ。入学以来、常に成績がトップだとか、壊滅的だった生徒会の財政を、
 一代で建て直したとか…そりゃあ聞いてもいないのに、狩野先輩を、褒めマクリーン事件なのよ。
 それに、部活やクラス委員で、どんなに忙しくても生徒会を最優先にするしねっバレバレだよっ」
「ほら、狩野先輩って文武両道で、人間としてもすごいだろ?恋愛じゃなくって、憧憬っつーか、
 目標とか、そんな風に北村が思っていたんじゃねえかって、思ったけど…そうだな…北村は、
 狩野先輩の事、女として好きだよな…俺、恋愛とかそんなの慣れてねえから…櫛枝鋭いな。スゲエよ」
「ヘイヘーイッ高須ボーイ!わたしの事を褒めマクリーン事件しても、何も出ないぜ?」

「…何も出ないのか?」
なんとなく言った竜児の一言。この会話の流れだと、好きなヒトを褒めるって流れ…
次第に顔が赤くなる実乃梨。竜児は自分で言った言葉の大胆さに、自分で驚いていた。その時っ

「ブッハーッ!!鼻血が出たっ!竜児くんっ!たふけて…」
「くっ櫛枝っ!気を確かに!!傷は浅いぞっ!」

結局心配でファミレスまで竜児は付いていった。

狩野すみれ。絶対カリスマの君主、生徒会長。パーフェクト兄貴。
大河の恋敵として、最大の壁が立ちはだかる。

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