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◆Ye9TnXLFgwt6 2009/12/02(水) 04:59:02 ID:wrVIs0JX




11 甘口

「あんたら…何してんの?」
何してんの?と聞かれても……困る。
端的に言えば、あたしは高須君の顔を敷いている。あたしの服装はTシャツに下はパンイチ。
薄い布切れ一枚越しで高須君の鼻が、あたしのアレに当たってるんだよね…
なぁ〜んでこんな事になったのかなぁ?Aコースのつもりだったのに。
故意では無くて、あくまで事故。超自然的な力によって、こうなった。
そう、いうなれば、ToーLOVEる。あたしと高須君はToーLOVEってしまったのだ。
そしたら、間の悪い事に海水浴ご一行が帰ってきた。ToーLOVEるなら仕方ない。
「はぁ、毎度発情ご苦労様。」
「いやいや、だからこれは違うんだってば。」
「良いのよ、別に。言い訳なんかしなくても。
お尻の匂いを嗅ぐなんて、ホント犬みたいだな〜
とか、思ってないし。変態共。」
「いやいやいや、だからね、これはアレなんだってば。」
「あーみん。流石に、これは言い訳出来ないでしょ……
いや、別に良いんだよ。お二人の問題だから。
ただ…お楽しみだったみたいですね。イヒヒヒヒ。」
「まあまあ、2人とも、違法でもない限り、趣味嗜好は個人の自由だぞ。
そう、露骨に引いてやるな。」
異議ありッ!!弁解の余地を求め……たいが、ムリだろ〜な、きっと。
「はいはい、解りましたよ。どうせ、変態ですよ。犬ですよ。悪かったわね。
それより、あんたら、砂塗れじゃん…部屋が汚れるから、順番にシャワー浴びてきな。」
「ニヤニヤ。あーみんがそう仰るならば、仰せのままに。
じゃ、大河、一緒にシャワー浴びようか?」
「え、別に良いけど。2人もいっぺんに入れるの?」
「大丈夫、大丈夫。大河、ちんまいから。
洗いっこしようぜ〜、アワアワで〜キャアキュアしようぜ〜」
「なんだろう……何か身の危険を感じる……」
「良いから。良いから。」
「あ、みのりんそんなに強く引っ張ら……
ちょ、誰かみのりん、止め…アッ〜〜〜〜」

人間が部屋吸い込まれていく。そんな事があり得るのだろうか?
あたしの別荘は人を喰らう恐怖の館だったんだ……
なんて、実際は、凄い勢いで実乃梨ちゃんがタイガーを引っ張っていったんだろうけど、
その勢いたるや、タイガーは真横になってピューーっと部屋から部屋へ消えていった様に見えた。
「凄いなぁ、実乃梨ちゃん。タイガーって見た目は軽そうだけど、ホントは結構重いのに、
軽々、引っ張って行っちゃったよ。力持ちさんだなぁ〜」
ッ!?その、瞬間、あたしの背筋に電気が走った。下から、上へ、ゾクゾクと未知の感覚があたしを襲った。
プロ根性でなんとか堪えたけど、危うく、みっともない声をあげるトコだった。
急に、動きやがったのだ。ずっと微動だにしなかった、座布団が、ピクッと動きやがった。
それが、良い具合に、アレに擦れて、一歩、間違えれば大惨事。
あたしとしては、そういう展開を望むところではある。
しかし、祐作なんかに見せてやるには惜しいと思う。
祐作を追い出したら、思う存分楽しもうよ、ちょっと待っててね。座布団さん。
「おいコラ、いつまで見てやがる、出歯亀野郎。
さっさと、どっか行きやがれ。シッシッ」
「あ、ああ、すまんすまん。それじゃごゆっくり。」
これで、邪魔者は消えた。
な〜んか、眼鏡の奥がイヤらしい感じだったけど……まぁ、良いや。
さて、座布団さん、お待たせ〜〜
あたしは腰を少し浮かせて、座布団さんを覗きこんだ。
さぞや、羞恥と快感に顔を歪ませて、あたしを楽しませてくれる、事だろう。
…期待に反し、青く染まった座布団は瀕死だった。

「お〜い。大丈夫ぅ?」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。高須君はぐでーんとしてピクリとも動かない。
先程のは、最期の力を振り絞った、末期の足掻きだったのだろう。
「刺激が強すぎたのかなぁ〜?なんだかんだ言っても、童貞君なんて所詮こんなもんよね。」
…とか、いいながら、実は、あたしもかなり興奮している。
お腹の奥が、まるでマグマが煮えてるみたいに熱くって、ギューッて何かに締め付けられてる気分。
下着も、ちょっと汚れちゃったかも…。さっきお風呂入って、着替えたばっかりだと言うのに。
もう…どうしてくれんのよ。責任取ってよ。
「これで、起きなきゃ襲っちゃうぞ〜」
ペチン。ペチン。蒼白な頬に往復ビンタをお見舞いしてやる。
……。起きる気配なし。どうする?ホントに襲っちゃおうかな?
でも、大丈夫、かな?やっぱりマズイかな?
女から男への性的暴行、強姦罪は立証が難しい。多分、このパターンなら、仮に高須君に訴えられてもセーフ。
祐作をはじめ、タイガー、実乃梨ちゃんの証言もあたしを有利にするだろう。
双方、合意の元でした、と。
いや、法的な事はこの際、問題じゃない。
問題なのは、このまま、意識のない高須君をムリヤリ襲ってしまって、高須君が目を覚ました時。
その時、拒絶されたりしないだろうか?嫌がらたら?避けられたら?
そしたら、今の微妙な関係さえ危うい事になって、取り返しのつかない事に、なるんじゃ…
あたしには、それが一番恐ろしい。ムリヤリな一線の越え方して、それで全部パーになったりしたら…
重すぎるリスクに、千載一遇のチャンスを前にして、あたしは二の足を踏んでいた。

臆病者。情けない……
かつてあたしは、同じく臆病だった実乃梨ちゃんに腹をたて、大喧嘩した。
なのに、あたしは、自分が同じ立場に立たされた時、動けないでいる。
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
動け動け動け動け動け動け動け動いてよッ!!
なんて思ってみたって足が竦んで動けやしない。あたしって、結構、本番に弱いタイプなんだよな〜
変に考えたりせずに勢いでヤっちゃえば楽だったのに……今更、遅い。
ああ、今にして思えば、あの時の実乃梨ちゃんの気持ちも解る気がする。
実乃梨ちゃんは、高須君をタイガーに譲るだの、譲らないだの、タイガーに対する罪悪感だとかそんなのじゃなくて、
きっと、怖かったんだ。友達っていう安全な関係を壊すのが怖かったんだ。
解る。解るよ。あたしなんか、ずっと高須君とそうなりたいと思ってたのに、ここへ来て、急に臆病風に吹かれてるんだもん。
高須君がこんなに近くに居るのに…高須君が…高須君が…
あたしは、高須君の頬にそっと手を添えた。
やっぱり、あたしには勇気がない。だから、今はこれだけ。

………。

ぐにぃ〜〜。
「ひゃひぃ!?」
高須君のほっぺは、面白い位、よく伸びる。
「ひぃひゃい。ひぃひゃいって。」
ほっぺ引っ張られて、苦痛に表情を歪め、ひっどい面になってる。
「ひふ。ひふひふ。ひゃめて。」
愉快な悲鳴を上げて、あたしを楽しませてくれる。
おらおら。ポッケ村の村長かよ、てめぇは。もっと苦しみやがれ。
あたしが、こんなに悩んでんのに、ぐーすか寝やがってよぉ。
なんて事は、ちょっとしか思ってないから、これ位で勘弁してあげるか、仕方ない。
「おはよ〜。良い夢見れた?」
あたしは高須君のほっぺから手を離し、にっこりと微笑みかけた。
「お、おう。俺はいったい!?」
「やだ、覚えてないの?」
「おう。風呂から出た後の記憶がスッパリだ。
何か、臭くて息苦しい夢を見たよ。何があったんだ?俺に。」
く、臭い!?今、こいつ臭いって言った?言うに事欠いて臭い?
このあたしが、パーフェクト美少女たるこのあたしが臭い?
いくら、デリケートな部位とは言え、そんな匂いなんかある筈が……
いや、嗅いだ事ないけどさ。でも、きっと、フローラルな香りの筈。多分。

「いやいやいや。臭いなんて事無いでしょ。
てか失礼じゃん?それ。いくら高須君だってぶっとばすよ?」
あたしは、怒りをグーに握りしめ、ぷるぷると震えている。
「いや、だから、夢の話だから…
何を怒って……って、お前、なんだよ!?その格好。」
格好?ショーツはちゃんと穿いてますけど?
「え?何?」
「何?じゃねぇよ!!
あ〜〜っ。思い出したぞ、確か、入浴中に、襲撃されたんだ。
背中流したげる〜☆とか言って。で、その時、脱いだんだろ?ズボン。濡れるから。
俺は、見ない様にずっと後ろ向いて耐えたのに、何でまだ、下着姿でうろついてんだよ!?」
「え〜〜っ?だってその後、お疲れの高須君を癒やす為にマッサージしてあげたじゃん?
まあ、ヘタレの高須君はずっとうつ伏せになって、こっち見ようとはしなかったけど。」
「え!?そうだっけ?」
「んもう。そこは思い出さないの?」
「全然。とにかく、ズボン穿いて来なさい。」
「えっ〜〜。別にイイじゃん。下着も水着も一緒じゃん。」
「ダメ。俺が目のやり場に困るからダメ。」
「そんなの、亜美ちゃん知らねぇし。
ねぇ、せっかく起きたんだし、あたしとイイ事しようよ。
チャンスだよ?今なら、ふ た り き り」
「イイ事?……ってダメダメダメ!!お前が着替えないなら、俺が部屋出る。」
……なによ。そんな拒否しなくたってイイじゃん。
ノリは冗談っぽく言ってるけど、あたしだって恥ずかしいのにさ…ヘコむじゃん ……
「…はいはい、わかりましたよ。着替えりゃ良いんでしょ、着替えりゃ。
イイですよ〜だ。ふ〜んだ。」
「ゴメン。いや、俺も、その、怒鳴ったりして悪かった。
別に、お前の事が憎くて、怒鳴ったりした訳じゃなくて…
むしろ逆、あ、いや違くて、そうじゃなくて、え〜と……」
はぁ……。あたしは溜め息つきながら部屋を後にした。
高須君が、まだ国境がどうとか歩哨が何だとか言ってたけど、放っておいた。

やっぱりズレてるんだよね……
あたしが傷ついた事に気付いてくれる様になった事は嬉しい。素直に嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい。
けど、何で傷ついてるのかって言うのが、高須君にいまいち理解されてない気がするなぁ…
今も、怒鳴られた事より、恥かかされた事にヘコんでるんだけど……はぁ。
よもや、自分の女としての尊厳が危機に立たされる事があろうとは……
川嶋亜美としてこの世に生を受けてより17年、一度たりとも考えなかったわ。
ムリに襲ったりしなくて正解だった。まだ、好感度足りないのかなぁ、やっぱ。
あたしも勇気が無いのに高須君に勇気を持てと言うのが、そもそもムリな相談なのかなぁ?……
とぼとぼと廊下を歩くあたしに、掛かる声が一つ。
「よう。お早いお帰りで。」
………。
「何だ、祐作かよ。消えてろ。
てか、あたしを見るな。眼鏡叩き割るぞ、ドスケベ野郎。」
あたしの美脚はお前が見てイイもんじゃねぇ。とっとと失せな。
「心外だな。俺は、お前や櫛枝では勃たん。神に誓っても良い。
仮に、もしこれが逢坂だったら、俺の自制心は脆くも崩れ去るだろう。これも神に誓っても良い。」
「よし。歯を食い縛れ。お祈りは済んだか?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする準備はおK?」
一応、拳を固める振りだけするが、はっきり言って、今、こんな奴相手にする気はない。
手が穢れる。疲れたし、もう部屋で寝たい。そこどけよ、ちくしょう。
「まあまあ、八つ当たりは良くないぞ。その様子だと、失敗したんだろ?
まあ、ムリも無い。相手は高須だしな。」
祐作はあたしにやる気がない事に気付いてるらしく、やたら絡んで来る。
キモイ。てか、こいつがあたしと以心伝心でどうすんだよ?誰得だよ!?
「はぁ?」
「亜美、お前は鏡を見た事があるか?ズバリ、答えはそこにある。」
ど〜ゆ〜意味!?鏡なら毎日見てるっつうの。
今朝も世界で一番美しいのは、このあたしだと告げられたよ。
おにょれ。ホント覚えてろよ、祐作。
「………」
「まあ、俺の言葉の意味は後でゆっくり考えてみてくれ。
それよりも、だ。」
「………。何よ?」

「いや、買い出しの件だ。そろそろ行かないと晩飯に間に合わん。近くにスーパーとかあるか?」
「ない。てか別にイイじゃん。あたし、食欲無いし。」
「バカ。お前は無くても、俺らはあるの。逢坂や櫛枝だって、遊び疲れて腹空かしてるだろうし。
大体、明日の分も買わなきゃならないんだぞ!?まさか丸2日何も食わない気か?
それにお前の事だから変な時間に、お腹空いた〜とか言うに決まってる。」
祐作の癖に正論だ。腹立つ。確かにこのまま寝て、起きたらお腹空いてると思う。
…だから、なんで祐作なんだよ。祐作にあたしを理解されてても、嬉しくもなんともない。むしろ、うざい。
「はぁ、わかったわよ。ちょっと降りたら、スーパーあるから、買い出し行って来て。
あんた、免許持ってたっけ?車庫のスクーター出して行って来てよ。鍵は玄関の小物入れ。
カゴとか無いから、荷物持ちに誰か誘った方が良いかもね。
ちなみに、あたしは今から寝るし、実乃梨ちゃんとタイガーは揃って入浴中。1人、居間にフリーな奴が居るわ。
あんた1人でも死ぬ気で頑張ればなんたかなるかもね。ま、ご自由に。
あと、夕飯をカレーにする気なら、甘口のレトルトを1袋買う事。
ま、あたしは別に辛口で良いんけど、舌までお子様な奴が一人居るからね。
以上、質問は?」
「おお、凄い仕切りっぷりだ。流石、亜美。
よし、では任せて貰おう。何、大船に乗ったつもりで居てくれ。じゃ。ハッハッハ。」
とか言って、得意気に高笑いをあげながら祐作は去って行った。
何が、大船だよ…たかが買い出しで。
あ…あいつが下敷きになる事、言い忘れた……けど、ま、いっか。祐作だし。

この時のあたしは、とにかく眠くて頭が回っていなかった。
この後、この買い出しをきっかけに、大変な事が起こるのだけれど、
この時はまだ、そんな事を考えもしなかった。
悔しいのは、あたしより祐作の方が頭が回るという事実。そして、祐作に感謝なぞ、しなきゃならなくなったという結果。
あたしが、寝てる間に祐作がしでかしてくれたGJとは何か。

その辺を考えながら、あたしの次の話を待てば良いんじゃない?
次回のカレーは『辛口』
てか、あたし、さっきから誰に話してるんだろう……
誰かとお話してるのか、それとも独り言なのか、良く解らない。
祐作が買い出しに出ている間、良く解らない夢を見ている。そんなトコかな?
とりあえず、もう少し眠れる筈。まだ、あと約1時間、あたしの心地よい睡眠は続く。
そして、この後、あたしは生涯でも屈指の素敵な目覚めを体験する事になるのだ。


143 ◆Ye9TnXLFgwt6 sage New! 2009/12/02(水) 05:29:21 ID:wrVIs0JX
ねり難うございましたーー

今回はここで終わりです。
こんな引きでなんですが、次回『辛口』の前に読み切りを一つ挟もうかな〜と、思ってます。
短編『虎の威を借る』3年になった麻耶ちゃんのお話です〜お楽しみに。

このページへのコメント

竹宮ゆゆこ 32皿目でググってみ。

Posted by とおりすがり 2010年06月17日(木) 05:24:35

本スレてどこにあるんですか?

Posted by ゆっきー 2010年06月17日(木) 02:33:05

シリーズものの続きは気になりますねえ。
◆Ye9TnXLFgwt6さんの事情もありますから
なんとも言えませんが
続きを首を長くして待っているわけです。

Posted by 管理人さん 2010年05月08日(土) 22:37:19

本スレで作者が音信不通になってるからな
気に入ったSSがあるなら、感想をスレで言ってもらえるとありがたい。
スレも盛り上がるし、書き手もやる気が出るから

Posted by スレで規制くらってるので書きこ 2010年05月05日(水) 21:54:48

エンドレスあーみん7っていつ更新されるんですか?w
今更ですけど・・・w

すごく更新楽しみに待ってますw。

Posted by ゆっきー 2010年05月03日(月) 23:37:46

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