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会いに来たよ sage 2009/09/18(金) 18:39:50 ID:/Fw5dBLX

「もうすぐ三十路に届いちまう」
 すみれは、窓から外を見ながら呟いた。
「Whrt"s up?」
「It"s so fine」
 青い目をした同僚の言葉に、微妙にずれた返答をする。気分もまた微妙なのだ。
 窓の外は基本的に真っ暗。だが、視点を変えると青い星がが眼下に広がっている。
 ごとんと小さな振動。ここからは見せないが、自分にとっての最後の受け取り物資を乗せたHTVが、アームに掴まれた。自分で掴んでみたかったが、やはりそれはプロに任せている。自分は科学者に徹する必要があるから。
 ここはISS――国際宇宙ステーション――の中。若くして飛行士の座を手に入れたすみれは、もうすぐ四ヶ月の任務を終えようとしていた。
 終って、地上に戻ったら、結婚式だ。辛うじて三十路に間に合う、と心の中で苦笑する。

「ドッキング、完了」
 スピーカーから、声。今回も無事に……いや、何かが違う。
「日本語?」
 たしかに、今のは日本語だ。たしかにHTVは日本製で、最近は友人飛行が可能になってはいるのだが、ここはISSだ。本来は英語で話すのが通例になっている。
 すみれがぽかんとしていると、横にいた技師のスミスが声をかけて来た。
「Sumire,You should open the door,at first」
(どういうことだ? 開けるのは、いつもスミスの仕事のはず)
「Do not afraid!」
「怖がるなって言われ、ああ……ah〜,roger,I'll do it」
 おそるおそるノブに手をかけ、回す。思ったよりも重いのは、頑丈な証拠だ。
 そしてゆっくりとドアが開く。わたしに開けさせるなんて、向こうに何が待ってると言うんだ?
「お久しぶりです、会長!」
「な”!?」
 すみれは、驚きの声とともに、無重力で立ち尽くすという器用なことをやってみせた。
「き、北村……」
「はい。寂しくは、ありませんでしたか?」
 夫となる予定の男がそこにいて、ゆっくりと漂って来た。
「なぜ、ここに」
「やだなあ、僕も飛行士のはしくれですよ」
「それはいい。だが」
 しばしの間。その北村の姿をみた皆が、全員かたまっていた。すみれ以外は来るのを知っていたのに。
 なぜかというと
「何だその格好は!!!!」
 ばきっ☆ 

―――――中継――――――

「竜児、北村君たちやっと結婚だね」
「あの壮絶な告白から、十年か。本当に追いかけていっちまったな」
 ようやく手にした小さな病院の二階兼自宅で、竜と虎はテレビに見入っていた。
「宇宙で結婚式なんて、やるじゃないか」
「素敵ね。でも、北村君の顔に、真っ赤な手形が見えない?」
「ああ。まさかとは思うが、北村だしな」
「「やっちまったか」」
 二人には、裸でISSに飛び込んで来る北村の姿が、ありありと思い浮かべられた。

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