web上で拾ったテキストをこそっと見られるようにする俺得Wiki

人を好きになるってのは、凄く暖くて気持ち良い事だ。
同時に、凄く辛くて切ない事。
俺は17歳の冬…それを嫌って程思い知った……。

恋をした。
そして一年以上想い続けて、失恋…端的に言うならフラれた。
いや、フラれた…じゃねぇ。
あれは…牽制だった。
櫛枝実乃梨…。
好きで焦がれて…段々と仲良くなれて舞い上がって、想いを告げようとしたら……叩き落とされた。
『私を好きにならないで…』
と、遠回しに言われた。
その直後から体調を崩して、しばらくの間は忘れる事が出来た。
胸の中に残った失恋の痛みを。
冬休みの間は…そんな感じだった。
でも、体調が日増しに良くなり、聖夜祭の夜の事を考える余裕が出て来ると……駄目だった。
自分の何かが悪かったのかもしれない…。
櫛枝は俺の事を…友達以上には見てなかった…。
他に好きな奴が居るんじゃないか。
そんな事ばかり考えて…墜ちていく。
正直参っていた。
翌日からは学校。
櫛枝とまともに接する為の準備…心構えなんか出来ず終い。
最終日は、ほぼ自室に籠っていただけ…。
そんな時だった。
川嶋亜美がやって来たのは……。

俺は川嶋と寝てしまった…。それも二度も。
最初の一度目は彼女の『初めて』を奪ってしまった。
そして、二度目は前夜の事。
失恋の辛い胸の内を彼女に告げたら、同情したのか…優しく包んでくれて……誘われるままに再び寝てしまった。
彼女が簡単に身体を許す様な奴では無いと俺は思う。
川嶋は俺の事を好きだと言っていた。
行動、言動。それらからも、それが偽りの無い事実だと分かっている。
行為を通して彼女は俺から『辛い事』を忘れさせ、癒して、包んでくれた。
そして気付いた。
情は情でも『同情』では無く『愛情』を持って接して、身体を許したんだと…。
そう理解した時には、彼女に…恋心が芽生えている自分が居た。
俺の心は川嶋に傾いていく。
彼女達を天秤に掛ける訳では無い。でも……。
好きになるなら……自分を見てくれる奴の方が良いに決まってる。
もう傷付きたくなんか無い……。
でも、櫛枝に告白して半月も経ってねぇ。良いのか俺?それでよう…。
現実逃避…。
結局は色々な事から逃げたくて川嶋に縋っているだけ…かもな。
と…昨晩、川嶋が帰った後からずっと自問自答している…。

『……協力させてよ。明日から放課後は亜美ちゃんと一緒に居よう?』
それは彼女を抱いた後、微笑んで頬を優しく撫でながら言ってくれた言葉…。
『一緒に居て考えよう』
とも…言ってくれた。
俺はその優しさに救われている。
いや、昨日の今日だけどさ…。
だって肝心の大河は相手してくれねぇし……川嶋の言う事のストレートさの方が救われる。
とにかく、もう少し考えて…決めよう。
川嶋が言ってたように。
そう考えをひとまず纏めて間も無く、俺はまた墜ちてしまった…。
通学路で少し髪の短くなった『いつもの櫛枝』に逢って…
眩しい筈なのに…何でか心がズキズキして……シカトしちまった。
そして教室で
『櫛枝失恋!』
とか煽られても動じてなんか無くて…ああ、そういう事なんだって…。
彼女にとっては蚊に噛まれた様なもんだったんだ…俺からの告白なんて。
『ちょっと仲良くしてたら、何でか惚れられてたんだぜぇ?
ありえねぇし』
って言われている様な気持ちになった…。
クソッ…被害妄想もいいとこだ。
櫛枝は『幽霊』が見えなかった…それだけなのに。
そう、ちゃんと言ってたじゃねぇか。

俺は自己嫌悪に陥る。
噛み締めた唇から口内に伝わる血の味…。
居た堪れなくなり、逃げる様にして向かう先は自販機の前。
きっと『そこ』に彼女は居る筈だから…。
こんな情けない俺を叱咤してくれる奴が…。
だが…そこにまだ川嶋は居なかった。
俺は彼女の『隙間』に入って待つ。
母親の帰りを待つ子供みたいに…。
無性に逢いたくて仕方無かった。
「おはよう高須く〜ん。ところで、そこは私の"隙間"なんだけどぉ〜」
ホームルーム開始十分前。そう言って川嶋は現われた。
「…おぅ」
俺の目の前に屈んで、ニッコリ笑う川嶋を見やって呟いた。
いつだったか、今と同じ様な状況があったな。
「どうしたのよ?こんな所で……、あ〜、もしかして…」
彼女の顔が鼻先数cmまで近付く。
傾げられた顔、艶のある唇、そして甘く爽やかな香水の匂い。
「……ズキズキなんだ?
ピカピカ太陽な実乃梨ちゃんを見て、ここに避難して来たって感じ?」
「…ちげぇよ。この隙間に誘われただけだ。
…埃を取ってくれと轟き叫んでるんだよ」
図星を突かれた俺は、つい言い訳じみた反論をしてしまう。
阿呆だ…。

「何よソレ。ま、いいや。ほら…」
そう言ってクスッと一回笑い、手を差し延べられて手を掴まれた。
そのまま引き上げられ、川嶋が俺を上目遣いに見ながら
「頑張れっ」
と、俺の胸にコツンと軽く拳を押し当てて、簡潔に結ぶ。
俺の付け焼き刃な言い訳なんて見透かされている訳だ。
たった一言。だけど気持ちは目一杯詰まったエール。
それを受け取ったら『頑張る』しか無い………いや『頑張れる』
でも、それって何を『頑張ろう』としているんだろうな?
……わからねぇ。
.
大河からの無言の圧力を背中に受けつつ、何とか全ての授業を終えた。
櫛枝に声を掛けるどころか、目すら合わせれずに一日を終えた訳だ。
『頑張れ』なかった。
このまま時だけが過ぎて二年生が終わって、気が付いたら卒業とかに成りかねない。
やっぱり気まずいだろ…。
お互いに…。
いっその事さ、櫛枝が望んでいるであろう『友人』から『親友の部活仲間』に戻って、疎遠になって……。
つまり自然消滅……それが最善の関係なんだろうか?
そう考えを巡らせていたら、川嶋が俺の横に来て身を屈める。
「ねぇ高須君」

「おぅ。どうした?」
そう問うと、彼女が辺りをチラッと見渡した後、こう囁く。
「…帰ろう?」
そうだった。今日から川嶋と…一緒に過ごすんだよな。
あ…飯とかどうするんだろうか。
「うちで晩飯食っていくか?」
すると彼女が破顔し、嬉しそうに返してくれる。
「良いの?ほらお母さんも居るんじゃ…」
「泰子は付き合いで外で飯食ってから仕事なんだとよ。だから心配しなくても良いぞ」
泰子が居たんじゃ川嶋も気を使うだろう。
だから、彼女が全てを言い切る前に遮る様にして言った。
「そっかぁ。うん、居ないんだ…へぇ」
残念そうだけど嬉しそう。
そんな相反する表情を浮かべた川嶋を見て、思わず口元が弛む。
器用な奴…。
そういや近頃の川嶋って素直だよな。
気持ちを隠さずにぶつけてくる…様な気がする。
俺も、もっと早く彼女みたいに行動が出来たら…結果は違ったのかも知れない。
もう望みは無いのだろう…多分。
櫛枝は…幽霊もUFOも見えなくなって、ツチノコなんか捜さなくても良くなったんだから…。
それが俺の勘違いなら、どんなに良かった事だろう。
でもそう考えて何故か違和感を覚えた。

本心では
『これで良かった』
って、思ってしまう自分への違和感。
やっぱり…俺は川嶋に惚れてしまっているんだろうな。
それも辛い時に優しくして貰って…とか単純な理由。
だけど、それが何より嬉しくて川嶋の事が気になっているのは事実だ。
誰かに慰めて欲しくて、聞いて貰いたくて、優しくしてもらいたい。
そんな時に側に居てくれているのは、大河でも櫛枝でも無く…川嶋だから……。
脈が無いと分かってしまって早々、心変わりしてしまった自分を認めたくはない。
けど認める以外に進む道は無い。
「おぅ。狩野屋に寄って買い物して帰ろう」
櫛枝との事を応援してくれている大河には申し訳無いけど…いつか説明しよう。
今は話す勇気は無い。
「うん!」
そして微笑む彼女の顔を見ながら、思考を切り替える。
川嶋と一緒に歩むには、どうしたら良いのか………。
そうだ、自分が出来る限りの方法を試してみよう。
何でも良い。
川嶋に言われるままに甘えてみる…とか。
「…高須君。ねぇったら」
「ん…、お、おぅっ!」
そんな事を考えながら歩いている内に、狩野屋の前を通り越してしまっていた。

「あ、そうだ。亜美ちゃん買いたい物があるんだ〜。ちょっと行ってくるよ」
そう言って、来た道を戻っていく彼女を見送り、俺は店内に入る。
うん。今日はロールキャベツだな…キャベツが安いし。
今朝の広告のセール品を思い出し、生鮮コーナーに向かう。
渇いた唇を舌舐めずりし、目の前の棚に群らがる主婦や主夫達の中に割って入る。
押し合いへし合いする彼等も、今日ばかりは俺を見ても絶対引かない。
ここは戦場なのだ。
古参兵な主婦に至っては、俺みたいな一兵卒等は怖くないと手に取ったキャベツすら奪っていく。
何せ普段より百円以上も安い、店にとっては赤字覚悟の出血大サービス。
俺は熾烈な乱戦の中で、ただひたすらに目に付いたキャベツを手に取っては吟味し、次の獲物を定める。
この殺気立った状況に恐慌状態になった若い新兵が、その場から逃げ出す様を横目で見つつとうとう付けた。
鮮度、重量、そして一番重要な身の詰まり具合…。
それが合格ラインを越え、かつ、高水準な獲物を…。
痛めたら最後、こんな上物はなかなか無い。
慎重に手に取って俺は古参兵に奪われない様に強く抱く。

その様子を見て突貫してくる敵兵を躱し、
買い物カゴに入れてしまえば俺の勝ちである。
至高のキャベツを得て、新たな戦場へと旅立つ。
合挽肉…これを手に入れなければならない。
玉葱、パン粉、タマゴは冷蔵庫に有った。
後は…。
.
「…で、亜美ちゃんは一時間近くも待惚けを食らっていたんだぁ」
「…すまん。ついつい他の物も目に付いて…」
会計を済ませて恍惚感に包まれながらマイバッグに戦利品を詰め込んでいると、川嶋が非難の目を向けてきた。
曰く一時間近く待っていたらしい。
店の中でも入れ違いになって合流出来なかったとか。
俺は低身低頭で謝り、説明に始終したのだった。
「まぁ良いよ。待惚けの埋め合わせしてくれたら」
少しだけ頬を緩めた彼女がそう言う。
「埋め合わせ、な。出来る範囲なら何でもするぞ」
川嶋の機嫌が治るなら…。
そういう意味を含ませて俺は『埋め合わせ』の内容を問う。
「ん〜…、何にしようかなぁ。う〜ん」
下唇に人差し指をあてがい、考える姿に一瞬だけ目が奪われる。
グロスで艶の増した、煽情的な桃色の唇…。
昨夜、貪った彼女の唇の味を思い出して、俺は堪らなくなる。

と、同時に深い自己嫌悪に陥る。
川嶋の事を無意識に『そういう目』で見てしまった自分を殴りたい気持ちになってくるのだ。
だけど考えるのも無理は無いだろう。
情深く包んでくれた川嶋を…
そして俺の身体の下で汗ばんだ肢体を寄せてしがみつく姿を覚えてしまっているから…。
蕩け、憂いを帯びた切ない表情で甘く喘いでいた事や、
熱く受け入れてくれる彼女自身の『味』『匂い』…それ以外にも沢山有る。
『川嶋亜美』を身体と脳裏に刻まれて、気を抜くと思い出してしまう。
「…じゃあ美味しい晩ご飯を食べさせて」
優しく微笑んだ彼女が、唇に当てていた人差し指で俺の鼻をつついて囁く。
鼻先に口付けされた様な気分になってドキッとしてしまう。
頬が、耳が、顔全体が熱く熱を帯びていく…。
「おぅっ!任せとけ!絶対に満足する飯を作ってやるよ!」
照れ隠しにグッと拳を握って、目の前でガッツポーズしながら彼女に告げる。
「あは♪期待しちゃうわよ?」
元通りの明るい顔で川嶋が続ける。
「じゃあ急ごう?私、お腹減っちゃった。誰かさんのせいで」
悪戯っぽい上目遣いで見詰められ、手を差し出される。

「…バッグ、半分持ってあげる」
と、言われてもマイバッグは一つだけだ。
まさか鞄でも持ってくれるのか?
「そうか、じゃあ頼む」
そう思った俺は鞄を川嶋に渡……そうとして阻まれる。
「それじゃなくて、こっちだよ」
と、彼女が笑いながらマイバッグの持ち手を片方掴む。
つまり、残った片方を持てという事だ。
これって歩きにくいんだな。
互いの歩幅を合わせて並んで歩く訳だから。
間隔を開けて歩くのは難しい。
だから必然と寄り添う様になるのだ。
互いに一言も発せず黙々と歩を進める。
何と言えば良いのか……照れる。
傍目から見たら、恋人同士が仲良く帰っているみたいに写るだろう。
スタイルの良い美人と目付きの鋭いガラの悪い男…のカップル。
必然と目立っている。
それを川嶋も感じているのだろう。
少し俯き加減で歩いている。
…こういうのって良いな。
川嶋と……いつか、こうやって歩きたい。
ふと、そう想った。
こんな袋なんか介さずに直接手を握って……って。
そこで櫛枝の名前が出て来なくなっている自分が少し悲しい。
一度想い始めたら、凄い勢いで惹かれているんだと自覚する。

歩みに合わせて揺れ、街頭を反射してキラキラと輝く彼女の艶髪。
吐く息は白く流れていく。
微かに赤みが差した頬。
…綺麗だ。
意識すると体温が上がり、マイバッグを持つ手が汗ばむ。
…今更だけど緊張している。
影が重なって一緒に溶ける様すら堪らなく愛しい。
もし…俺が恋人になりたいと望んだら川嶋は…良い返事をくれるのだろうか。
多分、即答で了承してくれて晴れて恋人同士になれる筈。
でも、それだって100%では無い。
俺は自身が惚れやすい性格なのかも、と疑ってしまっている。
仮の話、優しくして貰えたら他の娘でも、恋をしてしまうのかも知れない。
偏見無しで受け入れてくれて、自分と正反対な性格の櫛枝に恋"していた"ように……。
進行形では無く過去形……になっちまったんだな、櫛枝との事。
だから自信が持てない…。
川嶋がそれを察したら断られるかもしれない。
…それが一番怖い。
そりゃあ『もし』とか『かも』なんて仮定の話を想像しても意味が無いかもな。
でも、俺は臆病になっている。
また痛い目を見たら、立ち上がれ無いだろう。
『結局は恋愛"ゴッコ"じゃん』
とか嘲笑られたら…。

俺は擬似恋愛…しているのか。
いや違う。しっかりと恋している。
あ、そういえば川嶋が言っていたよな。
『焦ったら…後悔するかもよ?いっぱい悩んで、考えて、試してみて…さ。
時間が掛かっても見付けれたら、その時に決めなよ』
と…。
絶対に見付けてやる。
この感情を一時だけのものにしたく無い。
出来るなら…永く、ずっと…こうして…。
そう想えたら、ちょっとだけ心が軽くなった。
今朝、川嶋から貰った
『頑張れっ』
は、自分に自信が持てる様に……迷い無く、川嶋に想いを告げる為に使おう。
「着いた」
「着いちゃったね」
時間が経つのは早い。
この甘い一時の名残惜しさからか、俺達は同時に呟いてしまう。
彼女も残念そうだから…恐らく、俺と同じ事を想っていたのだろう。
だが終わりでは無く始まりで、バラバラな歯車が一つハマった訳だ。
『一緒に買い物して家まで帰って来ただけ』
たったそれだけで大きく前進した。
川嶋ってすげぇよ。
今までの俺なら一年掛かりで進んだ道を、僅か数時間で進めてしまったのだから。
彼女を居間に通して、俺は早速夕飯の準備に掛かる。

川嶋の為に存分に力を奮って、美味いと言わせたいから…。
.
「高須君さ、ちょっとだけ優しい顔付きになったよね」
それは晩飯を食い終わって、しばらくしてだった。
二人で何をする訳でも無く並んで壁にもたれ掛かっていると川嶋がそう言った。
「はあ?…優しい顔付きって、俺そんなにヤバい表情してたか?」
この鋭い三白眼の事か?
これは生まれつきだ…ほっとけ。
「険しい顔だったんだ、夕方まで。ほら、なんか近寄り難いっていうか」
ああ、そういう事か。
そう言われれば、今日は学校で誰も話し掛けてこなかったな…。
能登や春田すら。
「何て言ったら良いのか、おぅ、少しだけ気分が楽になったんだよ」
俺のちょっとした変化。
それも自分でも気付かない様な、些細な変化を感じ取ってくれる川嶋に驚きつつ、
襖に貼られた桜のパッチを見ながら俺は淡々と呟く。
大河が木刀の切っ先で開けた穴を塞いでいるパッチ…。
剥れ掛かっているソレを見ても、何故か直そうとは思えない。
このまま剥れてしまっても…って、何でだろうな。
今は大河の事は関係無いのに、そう思ってしまった。

「ふぅ〜ん。そっか、良かったじゃん」
俺の顔を下から覗き込んだ川嶋が優しい笑みを浮かべて、続けて紡ぐ。
「一歩前進したんだ。もう…ズキズキ無くなっちゃった?」
心に負った怪我の痛みは引いたかと問う川嶋に返事を返す。
「いや、まだ痛ぇよ。ズキズキしてる。
でも………川嶋のおかげで楽になってるぞ」
それは隠さずに伝える。
大切な事だからだ。今、彼女に一番教えたい言葉…だから。
「…うん」
川嶋が姿勢を元に戻して恥かしそうに俯いて呟く。
「一人でウジウジ考えているより、こうして居てくれるだけで嬉しいし助かってる
ありがとう」
そう締めた後、一瞬迷って彼女の頭を撫でる。
「うん…、ん」
バカにするなって言われたら、すぐに止めるつもりだった。
でも彼女は気持ち良さそうに俺に撫でられている。
目を閉じて、うっとり…は言い過ぎかもしれん。
でもそう表現するのが正しい…感じがする。
それはそうと、今なら……試せるかも。
川嶋に甘えれる……よな。
昨日みたいに。
その…変な意味じゃなくてな。
甘えさせてくれって言ったら……昨日みたいに優しくしてくれるだろうか。

「なあ、川嶋。お願いがあるんだ。聞くだけ聞いてみてくれないか」
そう考えると俺の中で火が燻り始める。
だから駄目元でお願いしてみる。
「ん、なに?」
「…膝枕してくれないか」
そう言うと、彼女が微笑んで頷く。
「良いよ……おいで」
足を横に崩してスカートの裾を正し、太股をポンポンと軽く叩いて呼ばれる。
慈愛に満ちた彼女の優しい声に吸い寄せられる。
膝に頭を乗せて、落ち着きの良い部分を探る。
川嶋がくすぐったそうに膝を動かす。
二、三度、後頭部を擦り付けて俺は息を吐く。
柔らかい…それに暖かい。落ち着く…。
目を閉じて、心地良い膝の感触を堪能する。
すると額に暖かい手が当てられ、優しく撫でられる。
「まだ痛くても、いつか絶対に治るから…。
……亜美ちゃんが治してあげる。
いつでもこうやって甘えても良いよ」
そう言ってくれた事が嬉しくて、俺は強く頷く。
こうやって優しく接してくれるだけで……強くなれる気がした。

川嶋の手の平が額から頬へ流れ、慈しむ様に撫でてくれる。
幼い頃、泰子が撫でてくれた時に感じた心休まる気持ち。
無条件に気を抜いて、何も考えずに身を任せれる。
鼻をくすぐる女の子特有の甘さと、彼女の香水の匂いが俺を酔わせる…。
弱めにしてある暖房で暖められた川嶋の甘酸っぱい匂いが心地良いんだ。
「川嶋…」
俺は彼女の腰に両手を回して抱き付く。
もっと彼女を感じたくて、腹に顔を埋めて深呼吸する。
さっきより濃い川嶋の匂い…。
女の子に対して、こういう事をするのは駄目だろうな。
でも……抑えが効かない。
よほどの事が無い限り、川嶋は受け入れてくれるから…。
それを知ってしまった俺は、彼女に『甘える』という事に抵抗が無くなっていく。
鼻先を押し当てて、徐々に抱き付く力を強める。
それを川嶋が手櫛で返して許容してくれた。
無条件に与えられる優しさに触れて、嬉しくて…気持ち良くて。
余計な考えは頭の隅に追いやられてしまう。
「…この部屋、寒いね」
そうポツリと川嶋が呟く。
「…暖房の温度、上げるか?」
と、俺は言った後…邪な事を考えてしまう。

それは川嶋の気持ちを踏みにじってしまう事だと分かっている。
だが、言ってしまう。
欲求に負けてしまって。
「…それとも俺の部屋に行くか?
ここより暖かいぞ」
と…。
とりわけ変な事を言っている様には聞こえないだろうけど、真意は…違う。
寒さを防ぐ術……川嶋と抱き合ったら暖くなれる。
そうしたら俺は堪らなくなるだろう。
また彼女の事が欲しくなる。
それが前述の『欲望』という訳だ。
下心丸出し…だよな。
下手したら嫌われるだろう。
言った後、襲ってくるのは強い後悔。
だから慌てて言い訳しようとした瞬間、川嶋が呟く。
「…うん。行こっか?」
そう頭上から聞こえて俺は耳を疑う。
確かに『うん』って言った。
川嶋なら俺の言っている意味は理解しているだろう。
暖房のある部屋からわざわざ寒い部屋に移動して暖まるとか……普通、おかしいと思うだろ?
実は『そのままの意味』で捉えているとか?それは無い筈…。
下品な言い方になるけど、暗に『ヤラせろ』と言っているんだぞ。
それを踏まえて了承したのか?
こんな風にグルグルと考えを迷わせている内に、川嶋が再び口を開く。

「行こう…、ねっ?」
やっぱり川嶋は察しているのだろう。
微かに甘さの混じった声で俺を促す。
「…すまん。川嶋…実は嘘付いてた」
やっぱり…駄目だ、こういうのは。
彼女の優しさに付け込む様な酷い事はしたくない。
「上手く部屋に誘い込んでヤってやろう、って最低な事を考えちまった。
俺、川嶋の事を忘れられなくて……。
またしてみたいって思って、思わず言ってしまったんだ。
…ごめん」
そう…最低だ、俺って奴は。
軽蔑されても仕方無い。
ほら…何にも言ってくれねぇ。
こりゃ嫌われたな…絶対に。
当然の報いだ…。
そう結論付けて俺は彼女から決別の言葉を掛けられるなり、罵倒されるなり…断罪されるのを待つ。
だが川嶋は黙って懺悔を聞いた後、俺を覗き込んで問い掛けてきた。
「それって身体目的?
それとも……私の事を知りたい、仲良くなりたい、甘やかされたい、って想ったから言ったの?」
「それは…川嶋に甘えたかったから…」
そう聞かれた俺は迷わずに後者を選択する。
…彼女に心の弱い部分を晒して甘えたかったのだから…。

「ん。だったらエッチ…しても良いよ」

再び俺は自分の耳を疑ってしまう。
だから川嶋が紡いでくれる言葉を余さず拾って確かめようとする。
「"部屋で暖まる"って、そういう意味だって端から分かってるし。
分かってるから、行こうって言ったの。
だって高須君は相手を思いやれる奴だから、変な下心なんかで誘ったりなんかしない」
彼女がクスッと微笑んで紡ぐ。
「人を好きになるのって理屈じゃないもん。
高須君が私に寄り掛かりたい…甘えたい。
そう想って言ってくれたんでしょ?
なら…良いじゃん、それで。
私は高須君の事が好き。高須君が少しでも私を想ってくれているなら……理由なんか必要無い」
「…おぅ」
妙に説得力のある川嶋の言葉に感心してしまう。
同時に
『健気だな』
と想う自分がいた。
『好きだから…良いよ』
自分の事を『身体だけ』で見ているのかもしれないんだぞ?
実際は違うけど、俺はそう考えているのかもしれない……。
でも信頼してくれて身体を許しても良い…って言ってくれている。
胸がキュッと締め付けられる感覚。
そう…これには……墜された………完璧に惚れちまった。
そうだ。理屈なんかじゃねぇよな。

人を好きになるのに理由付けなんか…いらねぇ。
俺は起き上がって彼女と向き合い、つぶらな瞳を見詰めて口を開く。
「………俺、川嶋としたい。

お前の事が好きだから…」
でも、このくらいの『理由付け』なら良いよな。
彼女を想いたいから…。
「うん。私も高須君の事が好きだから、したい…な」
頬を染めた彼女が微笑んで俺の手を取る。
そして俺は彼女を引き寄せる…。
「あ…」
胸の中で川嶋を抱き締めて背中を撫でる。
「まだ全部の気持ちが整理出来てないから告白…は出来ないけど
いつか絶対に言うから…絶対に」
そう紡ぐと川嶋が身体を震わせる。
こう言ったのは、俺が彼女に対して誠実でありたい…そう伝えたい為。
「あはは…そういう事はまだ言わなくても良いって…しっかり考えて…って言ったじゃん?
気が早くね?
でも………凄く嬉しい」
額をグリグリと胸板に押し当てて、
鼻声を隠す様に茶化した口振りで彼女が笑う。
だけど…しっかり気持ちは返してくれる。
その可愛らしさに俺は堪らなくなる。
どちらからともなく、一緒に立ち上がって、
引き立てる様に彼女の手を引っ張って部屋の中に入る。

部屋の灯は点けず、そのままベッドの中に潜り込む。
「制服…シワになるよ」
掛布団の中で彼女に覆い被さり、リボンを解こうとした時そう言われる。
「後でアイロン掛けてやるよ」
ハンガーに掛けたり、畳んだり、そんな時間すら惜しい。
「だぁめ…汚れちゃう。
ねっ?亜美ちゃんは逃げないから…
制服…掛けさせてくれないなら、やめちゃおうかなぁ〜」
意地悪な笑みを浮かべ、彼女が囁く。
「おぅ。分かった、ほら脱げよ」
逸る気持ちを抑えて起き上がり、そう促す。
「高須君が脱がせて」
すると川嶋がそう返して起き上がり、俺の膝の上に乗る。
横向きになり、両手を首の後ろに回し……膝を立てて…さ。
スレンダーな身体付きだからか、胡座をかいた俺の膝にスッポリ収まった彼女は華奢で…可愛くて…。
お姫様…みたいだよな。
俺は黙ったままブレザーに手を掛ける。
何も言わないのは…胸がドキドキしていて、うわずった声になりそうだから。
ボタンを一つ、二つと外し、肩口から片方づつ袖を滑らせる。

彼女が首に回した手を片方だけ外し、脱がせるのを手助けする。

首筋に当たる彼女の吐息がくすぐったい。
そう。暖くて…甘い川嶋の吐息が俺を高揚させる。
続いてリボンを解いて、ブラウスを脱がせに掛かる。
右手でボタンを外しながら、並行して左手でスカートのジッパーを下ろす。
徐々に露わになっていく彼女のきめ細かい白い肢体……綺麗だ。
月明りで映えて白さが増している…。
最後に靴下を脱がせて、衣類を畳んで…よし。っと…ハンガーを取らないとな。
川嶋の膝裏と背中を腕で支えて、ゆっくりベッドの上に降ろす。
一瞬だけ彼女の身体が硬直し、すぐに身を委ねたのを感じた。
たったの数秒の動作。
それでも反応を返す川嶋が愛しい。
立ち上がって壁に吊したハンガーに制服を掛けて、俺はベッドの端に腰掛ける。
掛布団を彼女に被せ、自分の部屋着を脱ごうとしたら、川嶋が手で制する。
「亜美ちゃんが脱がしてあげる…」
掛布団を羽織り、四つん這いで俺の横へにじり寄って甘く囁く。
そして膝立ちになり、スウェットの端に指を掛けて、インナーのTシャツと共に優しく壊れ物を扱う様に脱がしてくれる。
それは残ったズボンも同様に…。
ただし下着だけは残してくれる。

「…おいでよ高須君」
そして元の位置に戻った川嶋が手招きする。
「おぅ…」
なるべく冷静を装ってはいる。けど…
実際は胸が高鳴っている。
三回目…でも俺にとっては初めてと言っても過言では無い。
本当に彼女を抱きたい。
そう想って行なう契だから…。
俺は掛布団の中の川嶋に覆い被さる。
ギシッとベッドが軋んで鈍い音を立てる様子を、何処か遠くで聞いている気分になる。
「ふふっ。高須君…」
川嶋が俺の後頭部に腕を回し、グッと引き寄せる。
朝、自販機で顔を寄せた時より近く…。
零距離で、額同士を重ねてジッと俺を熱ぽく見詰める。
ほんの僅かに潤んだ瞳、朱の差した頬…甘い川嶋の匂いも吐息も間近に…。
「んっ…、ふ。ちゅ…、ん」
堪らず、俺は彼女の唇に吸い付く。
甘い声を洩らし、更に強く頭を引き寄せられ、川嶋が啄んで誘う。
だから俺は彼女の口内に舌を潜らせて返す。
「あ…、んっ、くちゅっ…っは。んんっ」
舌先で彼女を捉えて、絡ませ…戯れ合う。
川嶋が俺の舌を唇で何度も甘噛みし、唾液を含ませてくる。
ゾクゾクとした震えが背中から首を巡って、腰へと伝い、また背中へ…。

「ふっ…、くちゅ…ちゅ、ふ…あ…、ちゅぱっ」
徐々に顔をずらし、奥へ奥へと侵入すると、鼻っ面に当たる彼女の鼻息が荒くなっていく。
ねっとり絡ませてくる舌、甘酸っぱい唾液…。
そして、俺の行為に敏感に反応してピクンと身体を跳ねさせて、強く強く腰に足を絡ませる。
下着の中で息子が目覚める。
それは川嶋が秘部を押し当ててくるからだ。
と…自分に言い訳してみる。
仕方無いだろ。
プニプニと柔らかくて熱い『川嶋』がグイグイ押し付けられるのだから…。
「んあ…た、たかすくぅんっ…。まだ足りない…よ…。あむっ」
息継ぎしようと口を離すと、川嶋がそう呟いて唇を貪られる。
送られる唾液を啜って、俺も送る。
重ねた唇から彼女がゴクッと音を出して咀嚼する様子が伝わり、俺は発情する。
「くちゅっ!く、うぅん…はっ!ちゅっ!ちゅっ!」
『もっと…もっと頂戴…』
そう催促する様に川嶋が強く吸う。
舌を、唇を…情熱的に求められる。
俺も川嶋が欲しくて互いの舌を探って、弾いて、寄せて…口内を啜る。
それを嬉しそうな喘ぎを洩らして受ける彼女と溶け合う。

「ん、ふ…ちゅっ!………あ」
離さないとばかりに強く寄せてくる川嶋から唇を離すと、名残惜しそうな声を洩らす。
トロンと蕩けた目で…俺を見て、期待に満ちた様に身体を捩らせるんだ。
それは俺も同様で、背中に手を滑らせて抱き心地の良い川嶋の身体を撫でる。
手の平に吸い付くきめ細かい柔肌。
それを拘束する下着を外そうとまさぐる。
「んふ♪今日はこっち…」
そう言って彼女が俺の右手を取って胸元に誘導する。
フロントホックだったんだ、そりゃあ背中を探っても見付けれねぇや。
人差し指と親指でホックを摘んでグッと内側に寄せる。
そっと指を離すと下着が外れ、胸板に柔らかい胸が当り…密着する。
「高須君、ブラ外すの馴れ過ぎ…」
『妬いちゃう…』
そう最後に呟いて川嶋が手で頬を撫でる。
泰子の下着、いや衣類全般を洗って畳むのに馴れているから、当然の如く構造も知っている訳だ。
川嶋だって、それは知っている。
だけど嫉妬してしまう。そんな姿が凄く可愛いく、いじらしい。
「あ…っん、ん。あ、はぁ」
俺は『妬くなよ』と言う代わりに彼女の胸を手の平の中に収める。

収まりきらず零れ、マシュマロの様に弾力を返す大きな胸。
その質量を堪能する。
手の平で円を描く様に転がし、指先を軽く食い込ませて揉みしだく。
「っあ…。んくっ!………ふ、ふあぁ…あ」
瞳を閉じた川嶋が甘く啼く。
AVの女優が見せる『演技』なんかでは無く、
本当に気持ち良さそうに、甘く甘く…切ない喘ぎを洩らして…。
俺が川嶋を啼かせている…んだ。
自分が『上手』なんかでは無いと分かってても、目の前で啼く姿を見てしまうと更に息子が張り詰めていく。
この段階で弾けんばかりに硬くなっている。
それを感じたのだろう。川嶋が俺の腰を更に強く引き寄せて、クイックイッと秘部を擦り付けてくれる。
「あ…ふぅ…。んあっ!あ、あぁ…」
硬くなった乳首を捉えて、軽く摘む。
すると熱を帯び始めた身体を密着させて震わせる。
「や、あぁ…っ。あっ!」
摘んだまま優しく引っ張って指の腹で転がす。
背中に動かされた手が俺を掴む。
爪先が少し食い込み、微かに痛みが走る。
それは多分、彼女が蕩け始めたから無意識にしている事。
擦り付ける秘部が敏感な部分に当たり、手の平の中でも愛撫されて欲情しているんだ…。

凄く柔らかくて気持ち良い…何回揉んでも、そう思ってしまう。
モチモチのプルプル…そんな表現がピッタリな彼女の胸を夢中で揉みほぐす。
指先でピンッと乳首を優しく弾いて、弾いて…続いて親指の腹で転がす。
「は…っ、は…あ。ん、あ……キモチイイよぅ…」
耳元で甘ったるい声で啼き、そう囁かれる。頬に舌を這わせながら…。
「どこがキモチイイんだ?…教えてみろよ」
俺は彼女をイジメてみたくなる。
…恥かしい事を言わせたり、羞恥を煽る様な行いをして可愛い反応を見てみたいのだ。
「あふ…。……おっぱい……んあ」
クスクスと笑いながら川嶋が囁く。
ハアハアと欲情した吐息を俺に吹き掛けながら……。
「それじゃあ分かんねぇよ。ほら…ちゃんと言ってみろ…なっ?」
川嶋は必死な俺の姿を見て、楽しそうに…そして愛しそうに見やって教えてくれる。
「ん…ふぅ…。高須君と触れている所……全部キモチイイよ…」
ああ、やっぱり彼女の方が一枚上手だ。
上手くあしらわれてしまった。
でも…可愛い反応に違いは無い。
川嶋らしさ…が出た答だと思う。
「ん…、ふふ♪んっ…、んあっ…」

なら、もっと溶かしていけば更に可愛い反応が見れるかもしれない。
だから俺は身体を下にずらしていく。
頭まで掛布団の中に隠れて、彼女の胸に顔を埋める。
大きくて、柔らかくて、暖くて、甘い香りがする川嶋の胸。
呼吸に合わせてフルフルと躍る桃色の乳首。
それを口に含んで、優しく吸う。
舌先で軽くつついた後、小刻みに舐めながら…。
「あ…う、んんっ。は…。あっ!」
犬歯で甘噛みし、軽く引っ張る。
すると川嶋の啼き声が僅かにだけど大きくなる。
やっぱり良いんだ…コレ。
昨夜した時には『痛み』なのか『快感』なのか分からなくて止めちまったけど…。
また一つ分かった。
それが嬉しくて…俺は徐々に強めていく。
「んうっ!は…っう!はっ!あっ!あっ!」
ねっとりと唾液を絡ませながらねぶり、唇で強く揉む。
啄む様に…圧迫し、布団の影から彼女を観察する。
ここから見えるのは彼女が顔を横に向けて、人差し指を噛んで耐える姿…。
でも抑えきれない切なげな艶声と、熱を帯び始めた身体のギャップ。
その仕草が妙に色っぽく、健気で…もっと乱してみたくなる。

「ひあっ!あっ、あぁっ!!や、た、たかすくぅんっっ!は…っあっっ!!」
次第に俺は気付き始めていた。
川嶋は敏感なんだって…。
あと、物の本に『身体の相性うんねん』とか書いてあったし…。
以外と『相性』が良いのかもな、俺達。
川嶋が俺の愛撫で乱れている姿が自信を付けさせる。
俺は入れ込む、彼女との繋がり…『相性』をより強く結ぶ為に。
「ふっ!ふっ!……あくっ!!うぅっ…ん!!」
最後に一回、強く吸い付いた後、乳首から口を離す。
そして反対の乳首を強くねぶる。
初めは優しく…なんかじゃなく、先程同様に強く激しく。
彼女に聞こえる様にわざと愛撫の音を発てて。
何回も何回も小刻みに乳首を舌で弾いて、時折ねっとりと舌を這わせる。
同時に強弱を付けて吸い、唇で、歯で甘噛みする。
川嶋が俺の頭を掻き抱く。
頭だけじゃない、太股で脇腹を挟んでグッと引き寄せてもいる。
「あっん!!んっ!!んっ…はっ!あ!」
布団の中で濃厚になっていく甘酸っぱい川嶋の匂い。
俺をクラクラさせ、陶酔させる媚薬だ。
川嶋は不思議だ…。この匂いは俺を落着かせてもくれるし、こうやって酔わせもする。

こんな事を言うと彼女は嫌がるかもしれないけど…。
『母性』と『女』を兼ね合わせて持っているんだな…って。
優しく包んで手を引いてくれる母性。
強く寄せて、全てを受け止めてくれる芯の強い女性。
上手く言い表せないけどさ、普通なら誰だって惚れてしまうだろ。
そんな魅力的な彼女の愛情を一身に受けているのだ俺は。
まだ付き合ってすらいない、気持ちを整理するとか宣ったヘタレな俺なんかに注いでくれている…。
川嶋が言ってたよな。『大河が家族で、実乃梨ちゃんが太陽なら……私は何だろうね?』
みたいな話。
ああ、さっき飯食いながら言ってたんだ。
『女神』だ…。
くっせぇ事言うけど…うん。そうだ。
家族が入り込めない、太陽が差し込まない…そんな部分を見てくれているのは女神…なんだろうな。
「は…あ。高須…くん?どうしたの?」
そう問う彼女の声で俺は我に返る。
愛撫するのを忘れてたみたいだ。
「ん…何でもねぇ。…下着、脱がすぞ」
ともかく、俺は川嶋を悦ばせる事に喜びを感じていた。
そして…甘酸っぱい彼女の匂いも味も欲しくて仕方無い。

繋がるだけでは物足りない。
彼女の全てを見て、感じて、自分の物にしたい。
そんな感情が芽生えていく。
「うん…。ねぇ高須君、指はいいからさ………舐めてよ。
…亜美ちゃん、高須君に…して貰うの…好きなの。我慢出来ない…」
俺の願いをトレースする様に、おねだりする彼女。
思わず願望を口に出して言ってしまっていたのかと疑ってしまう。
でも心の中で止まってはいたのだろう。
何故なら、そういう時に彼女が紡ぐからかいの言葉とかが無いから…。
「おぅ。じゃあ…」
俺は更に深く布団の中に潜る。
折れてしまうんじゃないかと思ってしまう程に括れた腰、でも貧相という意味では無い。
無駄な肉が無いんだ。
それでいて必要な部分は魅了たっぷりに…。
だから全体的に柔らかい、例えば…。
『ココ』とか…。
彼女の下着に指を掛けて慎重に脱がせる。
それを腰を浮かせて手助けしてくれる彼女の柔らかい尻を撫でながら…。
そう。柔らかい部分…それは下腹部全体。
尻は勿論。太股や……秘部周りの『土手』とかも…。
決して薄くは無い、だが濃くも無い整えられた陰毛に隠された柔肉。

「ごくっ…」
甘酸っぱい彼女の『雌の匂い』、その生々しさに俺は生唾を飲み込む。
……嫌いじゃない匂い、何より川嶋の匂いだから…好き。
彼女の膝小僧を持って、グッと開きながら少しだけ上に反らせる。
そして膝裏に両腕を差し込み、その状態を維持させて……人差し指で撫でる。
下から上にゆっくり、秘部に沿ってなぞっていく。
「んっ…。はっ…あ」
くちゅ…。
微かに潤っている秘部から聞こえる泣き声…。
熱くてトロトロな『川嶋の涙』
ピクンと腰が震える姿に興奮しながら、俺は顔を埋めていく…。

「んっう…。ふっ!は…ぅん…、は…あ」
俺は川嶋の下腹部に顔を埋める。
酔ってしまいそうな濃ゆい彼女の匂い、汗ばんだ身体のしっとりと吸い付く感覚。
焦らす様に秘部を下から上に舌を這わせる、ゆっくりゆっくり…。
「っはぁ、あっ…。ん…んあぅっ!」
舌先に纏わりつく愛液、汗とは明らかに違う『味』
そのまま舌を這わせて、敏感な部分を舐めてみる。
「あっ…。ふっ、…ふあ。あ…う」
優しく、それでいて加減はせずに…舌の表面で。
川嶋が啼く。甘えた艶声で。
微かに震える腰を捩って…。
「はっ!あっ!っ…ふっ!あっ!あっ!」
唇で敏感な部分の皮を剥いて、小刻みに舐め回す。
その愛撫に合わせて彼女が躍る。
ヒクンヒクン…。
そう形容したら良いだろう。
拘束した太股が跳ね、快感から腰が引けている。
「ひあっ!!あっ!ら…めぇ!っんん!!あひぃ…っ!!」
逃がさねぇ…。
腕に力を掛けて、彼女の腰を更に浮かせる。
そして吸い付く。強く吸引しながら小刻みに舐め回す。
彼女が口で愛撫してくれる時の様に容赦無く、だが愛情はしっかり込めて。

「あっ!!あっ!やぁあっっ!!あっ!!」
腕を押し返そうとする強い力、強い快感が堪らないのだろう。
乱れて、跳ねる身体を押さえ付けて夢中でねぶる。
舌先で感じる小さな突起、熱を帯びてヒクヒクと痙攣しているんだ。
彼女が悦びの声をあげて啼く姿が嬉しくて、奉仕にも熱が入る。
「あっっ!!!はっ!はっ…あ…、は……。ああっ!!」
強く吸ってから口を離して、秘部を舌の表面でねっとり舐めあげる。
そして再び吸い上げる。舌で弾きながら…。
彼女の両手が俺の頭を押さえる。
萎縮する様に身体を縮こませ、でも腰は俺の顔に押し付ける。
目一杯に力強く舌先で弾く。数え切れないくらいに…。
「ひあうぅっっ!!ひあっ!!あっっ!!あっ!!あんっっっ!!」
唾液を絡ませ、吸って、擦って…。
彼女はとうに蕩けていて、もう充分だろう。
でも、俺はそうとは思っていない…。
まだ『彼女』に満足はさせていないだろうから。
そうだ…。
『ココ』も…舌で愛撫したら…啼くのかな?
「んあ…ちょ、高須…くん。やだ…ぁ」
両手で秘部を拡げる。
それは、ちょっとした好奇心…。

こうしないと『出来ない事』だから…、そう、だからしちまうぞ?
より濃密な雌の匂い、トロントロンにほぐれて、刺激を求めてヒクヒクしている赤味の強い…ピンク色の『川嶋』
「んうっ!っんん…あっ、ひあっ!」
舌先に力を入れて、膣内に挿入する…。
熱く蕩けた柔肉を掻き分けて拡げていく、締まった膣肉の弾力に押し返されそうになる。
「っ…は、あふ、…ら…め」
川嶋が俺の髪を掴む、頭部に加わる微かな痛み。
「あ…あ…、は…いってきてる…ぅ…、あ、ひ…」
彼女がうわ言の様に洩らす甘い声。
それを聞きながら、俺は挿入る限界まで呑ませる。
舌の筋肉が吊ってしまいそうな程に目一杯、力を入れて突出した舌。
僅かに蠢かしてみると、彼女がビクッと震える。
「ひあっ!…ひっ…う!……っふ!」
そして同時に膣が舌をキュウキュウに締め付けてくる。
つまり…気持ち良いんだろうな。
俺は彼女の膣内で舌を蠢かす。
先程より少しだけ速く、強く…。
「んんっ!あんっ…ん!っ…はぁ!」
膣壁を小刻みに擦り、昨夜見つけた『弱い場所』を抉る。
腰が引けてしまっている彼女を強く引き寄せて、執拗なまでに弄ぶ。

「んあぁ…ああっ!!…んくっ!はうぅっ!!」
偶然を装って敏感な部分を鼻先で転がし、緩慢な動きで舌を抽出する。
川嶋の熱い愛液が漏れ、俺の顔を濡らす。
奥へ奥へ…そして舌を突き上げながら一気に引く。
「ああぁっ!!!たかすく、ぅん!ら、らめらってぇ!!…あうっ!!!」
すると彼女がより大きな声で啼きながら懇願する。
『駄目』
と…。
その願いを俺は強めに吸って却下する。
弱い場所をグイグイ押しながら、陰唇を唇で甘噛みして。
「あっ!!あっ!!……蕩けちゃうぅ…よぅう…」
彼女が抑えた声で呟く。
俺は息子がビクッと跳ねてしまう。
高揚感に包まれて背中がゾクゾクするんだ…。
川嶋を蕩けさせて甘く啼かせている自分、その状況に興奮していた。
…他でもない俺が彼女を濡らしている。
啼かせて、泣かして…『高須竜児』を覚えさせている。
発情した川嶋が腰を振って身悶えし、貪欲に貪っている様を見たら…
『もっと教えてみたい』
そう思うのは自然な流れだった。
「あ…ふぅ。は…っ、はっ…。あ…あっ」
舌を引き抜いて、再びねっとり秘部をねぶる。

唾液を絡ませた舌で、ヒクヒクとおねだりする秘部を愛撫する。
端から端まで、下から上へ。
一回、二回…。同じ軌跡を等速で辿っていく。
「くふぅ…、ん。ふ…、ふあ…っ」
ずっと同じ動作で愛撫を続ける。
それは俺のちょっとした悪戯。
『教えたい』から彼女が『望む』まで…止めない。
抑えられて燻った欲求に身を焦がされ、不満そうに…でも俺にされるがままの川嶋の姿はそそられる。
いや…彼女のどんな仕草にだって俺はドキドキしてしまうだろう。
からかいの言葉に混じる本音、甘える姿、そして折れそうな時に抱き締めて…包んでくれる優しさ。
川嶋との触れ合いは、まだ片手で数えれる程だけど…それでもこれだけ想えるんだ。
「くっあ…たか、すくん、ん…も、もっと……強く、っふ。
亜美ちゃん切ないよ…ぅうんっ」
そう想いながら、ひたすら単調な愛撫に徹して、五分も経った頃だろうか。とうとう川嶋がおねだりし始める。
そう。腰を捩らせ、泣きそうな声色で言うんだ。
「切ねぇ…んだ?例えばこことか?」
俺は舌先で膣口をつつく。
先みたいに挿入はしない…が、川嶋は期待していた様で腰をビクッと跳ねさせた。

「何処が切ないのか分かんないから……おぅ、そうだ。教えてみろよ」
俺はわざとらしく彼女を焦らす、先程は聞けなかった『恥かしい言葉』を聞きたいという欲求が首を擡げてきたから…。
「あっ…わかって、る…んっ…くせに……。ふっ!」
不満気にそう洩らす彼女の内太股に舌を這わせる。
舌が触れるか触れないか…そんなもどかしさを覚えさせる様な具合に。
「いや、分からねぇんだよ。なあ…川嶋、教えてくれないと出来ないぞ」
「んんっ!…だからぁ、高須君の"目の前"の所…だよ。…っひう!」
かたくなに明言は避けようとする彼女をいたぶり続ける。
秘部周辺に舌を這わせて、太股を撫で、舐め回して…。
そして、遂に川嶋の方が折れる。
「ふっ!ふっ!あ…、い、言う…言うからぁ意地悪しな、いでよ……、んっ」
仕方無し…という風な言い方に僅かに混じった涙声。
それは甘さと熱さも含んでいて…俺の理性を揺さぶる。
「お…まん………こが、切ない…の」
プライドの高い川嶋が恥かしそうに小さな声で呟いた『やらしい言葉』
それを聞いた瞬間、全身をゾクゾクとした興奮が駆巡る。

息子がこれ以上無い程に血が通い、痛いくらいに硬くなっている。
すぐにでも挿入てしまいたい…。
この熱く蕩け、柔らかくて狭い『川嶋』の中へ。
だが、あと少し…ほんの少し我慢だ。
彼女を多少でも満足させてから繋がりたい。
俺は性交で彼女を満足させている自信がないのだ。
だから愛撫で努力しよう。
という訳だ。
エロ本やらエロDVD…そこから得た知識と、川嶋と覚えた悦ばせる術。
それらを織り交ぜてみたら彼女を絶頂に導けるかもしれない。
「んふぅ…っ!っふ!あっうぅ…、ひあぁ!」
敏感な部分をねぶる。
舌先でチロチロと小刻みに弾き、強弱を付けて吸いつく。
同時に右手を膝から抜き、彼女への拘束を外して中指と薬指を膣内に挿入る。
「んんっ…うぅ!あっ!あ、はぁ…♪」
根元まで呑ませて膣内で指を弾き、
揉みほぐす様に指を蠢かして、敏感な部分を優しく舐め回す。
すると川嶋が太股を俺の頭に寄せて甘く啼く。
…熱くほてった膣肉が指に絡み、吸い付いてくるんだ。
美味しそうに『おしゃぶり』している。
「はうぅっ!!す、凄いぃっ…あんっ!…あふっ!!」

『口でされるのが好き』
先程そう言っていた川嶋が腰を振ってサカる…『指でするな』とは言われていない。
両方を用いて愛撫すれば問題無い。
「んあっ!!あっ!!あっ!!あくうぅ…っん!!」
膣内を掻き回し、纏わりつくザラザラとしたヒダを撫で、
強く吸い付くと同時に唇で甘噛みし、舌で抉る。
発情した雌の声で啼き、快感に身を躍らせた川嶋の姿。
愛撫に変化を加える度に彼女が跳ねる。
「やっ!やっ!あぁっ!!たかすくぅん…っ!たかすくぅん!!」
彼女が何度も俺の名を呼び、蕩ける。
もう腕を押し返そうともしない。
むしろ頭を手でグイグイ押し付けて腰をフリフリ…。
その仕草が堪らなくて夢中で貪る。
もう一方の拘束を解いて、親指で敏感な部分の皮を剥いて更に強くねぶり、
敏感な膣壁の奥を指で円を描く様にしながら圧迫する。
「うぅっんっ!!っはぁ…あっ!!ひゃうっ!!」
このコリコリした部分を愛撫すると川嶋は堪らないらしい。
昨夜、恥かしそうにカミングアウトしていた…。
その時は川嶋も『するんだ』と驚いた。
男なら、まあ…分かる。でも身近な異性が……自慰しているんだ。
そう知って興奮が高まったのを思い出す。

「ふっ!ふあっ!!あっ!!あんっ!!あっ!!」
ギュウギュウに締めてくる膣肉を掻き分けて指を曲げる。
圧迫する力はそのまま、小刻みに速く擦ると彼女が腰を僅かに浮かせる。
啼く声は甲高くなり、汗ばんだ太股が俺の後頭部をグイッと強く引き寄せる。
「ふあぁっ!!た、たかすくぅんっ!!んあっ!!イッちゃう!!あみちゃんっん!!イッちゃうようぅ!!!」
ヒクンヒクンと膣が痙攣し、川嶋が腰を振って甘える。
敏感な部分を唇で強く圧迫しながら舌先に力を入れて小刻みに舐め回し、
指を曲げたまま奥まで一気に叩き込む。
「ひああっっっ!!!!!」
痛い程に膣が締まり、川嶋が大きく跳ねて絶叫する。
熱い愛液の飛沫が僅かに顔に掛かる。
「ん…あ…。ん…く。はっあ…!はあ!……んんっ、あ」
川嶋が達したのだ。
それも多分、本気で…。
ヒクヒクと全身を震わせて浅く息をしている。
「お、おぅっ!?だ、大丈夫か?」
俺は身体を起こして彼女を抱き起こす。
予想より激しい絶頂を見せつけられ心配になったからだ。
「はあっ…はあ!んぅ…、っふ…」
彼女は頬を赤く染めてトロンと蕩けた瞳を俺に向ける。

「スケベ…」
彼女が一言そう発したのは、それから数分経ってからだった。
力が入らないのだろう。
俺の腕にしがみついて乱れた呼吸を整えた後、ポツリと呟いたのだ。
上目遣いに熱ぽく見詰めながら。
「おぅ…すまん。調子に乗ってやり過ぎた…」
「…別に謝んなくたっていいわよ、…………凄く気持ち良かったもん」
ギュッと俺に抱き付いて顔を伏せたまま彼女が紡ぐ。
そう言って貰えて俺は天にも昇りそうな気持ちになる。
「……高須君。次はさ」
満たされた気持ちを堪能していると、川嶋がそう言って顔を上げる
「……おぅ」
その表情に俺は胸が高鳴る。
去年の初夏の頃、あれほど怯えて逃げていたストーカーを川嶋自身が撃退した日…。
隣の居間で彼女が見せた、縋る様に瞳を潤わせたチワワの目。
それを思い出させる……庇護欲をそそる上目遣い。
作り物では無い甘えた表情、それ自体は触れ合う中で何度も見ていた。
だが、今回のそれは……そんなのより、もっと……可憐で、熱に浮かされていて…色香を漂わせている。
発情しきって蕩けた瞳で見詰め、甘える様に身体を擦り寄せているんだ。
一言で言うならノックアウトされた。

「……亜美ちゃんが…高須君を良くしてあげる」
「っ!?」
気付いた時には俺は川嶋に馬乗りにされていた。
時間にしたら一秒とか二秒とか…一瞬の事。
俺はすっかり魅入られていた。
だから川嶋が俺に伸し掛かって、ベッドに押し倒してきた時に我に返ったのだ。
「うわ…ガッチガチ…。お腹に引っ付く位、おっきくなってるんですけどぉ」
「うあ…」
彼女が悪戯っぽい目付きで意地悪そうに呟きながら、下着の中に手を差し入れ、息子の頭を逆手に握る。
スベスベした気持ち良い感触…柔らかくて暖くて…俺は惚けた声が出てしまう。
「ふふっ♪高須君はぁ…亜美ちゃんの大事な所を舐めて興奮しちゃってたんだぁ?へぇ〜クスクス」
手の平の中で優しく揉みながら、川嶋が楽しそうに紡ぐ。
でも、川嶋も興奮している…んだと思う。
素の言葉遣いに混じった、荒い呼吸…そして慈しむ様な言い様。
嬉しそうな顔で、刺激に飢えて敏感になっている息子を愛撫している。
「エッチぃお露…出てるし。ヌルヌル…。んんっ、我慢させちゃった」
親指の腹でクリクリと息子の先を転がし、先走って漏れた体液を纏わせながら申し訳無さそうに紡ぐ。

川嶋の指が下着の端を掴み、ゆっくり脱がされ……太股の辺りで止まる。
「…すぐに楽にしてあげる」
そして彼女が身体をずらして俺の膝の間に蹲る。
「うぅっ!っは…!」
川嶋の暖かい吐息が近付いた次の瞬間、息子が熱くて、柔らかく…ヌルヌルした場所に居た。
「んっ…ふ…。ん…」
それは彼女が口内へ息子を呑んだから…。
窄ませた唇が息子の頭から徐々に根元の方へ…。
擦り付けられるプルプルな唇、先から裏筋を撫でる様に這う舌。
髪を掻き上げて、悩ましげな声を洩らして川嶋が…愛撫してくれようとしている。
「っ…ふ!……く、ぅ」
「ちゅぷっ、ちゅっ!……んんっ」
息子を半分程呑んで、川嶋が甘く吸う。
唇でゆっくり扱きながら、舌先を蠢かせる。
ピリピリ痺れる微弱な電流…それが腰から背中に流れていく。
「ちゅくっ、ちゅぴ…。ちゅっ…ぷぶ…、ふ」
唇が息子の頭の下を甘噛みしながら、舌で強くねぶられる。強めに吸われてもいる。
その強い刺激に思わず彼女の頭を押えてしまう。
「…んぅ?はふ…、ちゅっ!ちゅぶっ!ちゅっ!ちゅうううっっ!!」
だが彼女は、その手を掴んで引き剥がし激しく吸引してくる。

「くあぁっっ!!か、川嶋ぁあ!!」
今度は俺が拘束された訳だ…。
先程の『仕返し』なのだろう。
卑猥な音を発てて川嶋がしゃぶり付く、ベロベロとねっとり舌を絡ませながら…。
小刻みに抽出され、そういう愛撫も駆使して蕩かされる。
腰の感覚が無くなっていく…。熱く融けて砕かれる。
「ちゅっぷ!ちゅっぷ!!ん…あ…、ちゅぶっ!ちゅっぷ!」
とてつもない気持ち良さ。ゾクゾクと身体が震え、力を込めた舌で弾かれた時なんて腰が跳ねてしまう。
何より視覚的に興奮する。
容姿端麗な彼女が瞳を閉じて頬を染め、俺の下腹部に顔を埋めている姿。
白い肢体が愛撫に合わせて揺れ、形の良い尻が突き上げられていて……何ていうんだ?
ああ…『雌豹』が獲物に飛び掛かる様なイメージ。
愛くるしいチワワを彷彿させる中に隠された…獣。
堪らない…。
「ふ…あ、たかひゅくんのおひんひん…またおっひくなっは…」
そう川嶋が嬉しそうに、そしてたどたどしく呟く…。
一言紡ぐ度に蠢く舌が丸まって、弾いて…巻いて…。ゾクッと強い快感に襲われて俺は身体を震わせる。
別に意識して言っている訳では無いだろう。
いくらあの川嶋だって…。

彼女が持つ『異性の庇護を求める方法』なら、もっとあからさまに言う筈…。
それ自体は知り合って間もない頃に経験した事。今、ここに居る川嶋は違う。
相手を悦ばせよう、気持ち良くなって欲しい、そんな気持ちがひしひしと伝わる。
この身体に沸き起こっている震えは、そんなむず痒い心情から来る歓喜。
……あと空気をぶち壊す様だけど、やっぱり気持ち良いのだ。
これは余計な言い回しなんかしなくても良い。事実なのだから。
「ちゅぶっ!!ちゅ、ちゅくっ!ちゅっぷ!ふ…、ちゅぶ!」
多量の唾液を絡ませ、強く吸引しながら、息子の先から竿の半分より少し上くらいまで、唇を引っ掛けて愛撫される。
舌が縦横無尽に這い、時折当たる犬歯がもたらす痛みすら快感に繋がる。
俺の腰は砕けてガクガクと暇無く震える。
やがて彼女の手は俺の腕から腰へ回され、愛撫が更に強く激しさを増していく。
唇と舌…口だけで川嶋は俺を登り詰めさせる。
「ふ…、どう…かな?気持ち良い?」
チュポンと口内から息子を離し、川嶋が手で優しく扱きながら問い掛けてくる。
「お、おうっ!凄く…気持ち良いぞ!」

うわずった声で俺は返す。
感情も本能もこれ以上無い程に高ぶっていた。
俺の心が全て川嶋で満たされて『余計な事』も『辛い事』も流されて…『綺麗』になっていく…。
「ん…あのね。じゃあ…もっと気持ち良い事しようよ」
そう言って川嶋が、迷いがちにベッドの下に放られた鞄をまさぐり始める。
「コレ……使う?」
身体をベッドに戻して相対した時、その手には茶色い紙袋が握られていた…。

「高須君が買い物してる間に買って来たんだ」
起き上がり、川嶋から駅前にあるドラッグストアーの名前がはいった紙袋を貰う。
「何だこれ、開けても良いのか?」
彼女が小さく首を縦に振って肯定したのを確認して口を閉じているテープは剥す。
中身に心当たりは無い………いやあるにはあるんだが、まさか…な。
「お、う…」
中から出て来たのは板チョコサイズの箱だった。
白地に鮮やかな文字……そして36個入り…と。
まさかのまさかで予想は当たった訳だ。
これってコンドーム…だよな?
「あ〜…。ほら毎回、何も対策無しはアレでしょ?
高須君も気になるだろうし」
と、頬を人差し指で軽く掻きながら川嶋が照れた様子で言った。
「ま、まあ、確かに…」
俺はそう返しながら箱を食い入る様に見ていた。
昨日までは成り行きで…みたいな感じだった。
行為の直前に一瞬だけ避妊の事は頭を過ぎったが、深く考える余裕は無かった。
だが、今考えると結構危ない事をしていたんだな…と思う。
万が一の事があって一番傷付くのは彼女なのだから。
こういうのを一人で買うのは恥ずかしかっただろう、本来なら俺が買っておくべきだった。

年頃の女の子、それで無くても川嶋は人の視線を引き付ける。
綺麗だし、スタイルも良い。
同じ位の年の同性の中で有名人…売れっ子モデルだから。
こういう物を買っている姿を見られるのはマズいだろう。
申し訳無い気持ちになってくる
だが彼女の気遣いが嬉しいのも事実で…。
「川嶋ありがとう」
その気持ちに謝って返すのは失礼だ。
だから俺は『ありがとう』と紡ぐ。
「うん。これで気兼ね無く出来るね、…高須君と最後まで繋がっていたいし…、あ」
そう言った川嶋が可愛くて俺は手を引いて抱き寄せる。
「俺も川嶋と…」
『繋がっていたい』
その一言は最後まで言わせては貰えなかった。
何故なら彼女が唇を重ねてきたから…。
戯れる様に、啄む様に、優しく口付けされた後、しばらく見詰め合っていたら川嶋が俺から避妊具をひったくる。
「んふっ…高須君、亜美ちゃんに見とれて"大事"な事を忘れているし」
と微笑みながら手早くビニールを剥ぎ、中から一つ小箱を取り出して、更に一綴りになった避妊具を引っ張り出した。
「コレ、着け方分かる?」
川嶋が一つ避妊具を切り離し、人差し指と中指で挟んで聞いてくる。

「いや…何となくしか」
『今まで使う相手が居なかったしな…』
それは心の中で呟いておく。
やっぱりコレは一度でも装着をミスると再使用不可なのだろうか?
おお…それはいかん。
一つでも無駄にしたらMOTTAINAI、だから逆に俺からも聞いてみる事にする。
「川嶋は知ってるか?」
と…『知ってるわけないじゃん』という返事を頭の中で想像しつつ。
「知ってるよ」
「だよなぁ…って、おぅ!?」
だが返って来た言葉は予想外で俺は驚きの声を洩らす。
『何故に知ってるんだ』
率直にそう思った。
まさか…その、使った事あるのか?
『俺だけ』だと思っていたけど…違うのか?
いや確かに『初めて』は俺が……じゃあ海外に仕事に行っている時に…。
等々、グルグルと頭の中で様々な考えを過ぎらせていると川嶋が噴出す。
「ぷっ…、高須君…今、変な事考えてたでしょ?」
ニヤニヤ笑いながら、川嶋がグイッと顔を近付ける。
「例えばぁ…亜美ちゃんが他の男の子と"コレ"使った事ある、とか」
斜め下から覗き込む様に彼女が呟く言葉。
まるで俺の考えを見透かしているかの様に言い当てた。
「う…もしかして…マジなのか?」

「ふふっ…どうだろうね?亜美ちゃんって超絶可愛いしぃ」
図星を突かれたうえに、川嶋の言った事に俺の心は掻き乱される。
俺しか知る者が居ない川嶋を知ってしまった奴が居るのでは無いかと…。
思わせぶりな言い方に不安が募る。言い様のない苛つきも…。
「……………う・そ」
「おぅっ!?」
だけど、その不安と苛つきは一瞬で吹き飛ばされて霧散する。鼻っ面に食らったでこピンと共に…。
「保健体育の授業で習ったの。うふふ…高須君ってば面白い〜。
顔が赤くなったり黄色くなったり…最後には青くなって…信号みたいだったぁ」
含み笑いで川嶋が俺に対してそう言う。
…からかわれた。
シャレにならねぇ…。心臓に悪い。
だが…
「…私は"高須君だけ"だから」
川嶋が眉を僅かに下げ、消え入りそうな声で呟く。
「少しだけ疑っちまった。川嶋、悪かった…」
そう。川嶋からしたら『普段と同じく』からかってみただけ。
そうしたら俺があらぬ事を考えたのだ。
今、一番信じたいヒトを疑ってしまった…。
その事が腹立たしい。
「謝るよりさ…行動で示してよ」
確かに俺達はまだ『恋人未満友達以上』だけど心は繋がっている。
互いに信じないと壊れてしまう。

どんな些細な事でも…。
綱渡りをしている様な危うい関係なのかもしれない。
「ん…」
だから一緒に手を繋いで渡れば良い。
俺が川嶋を引っ張ってやる。
謝罪より行動…そう言う彼女に俺は口付けで示す。
先程、川嶋がしてくれた様に啄む。
一回、二回…唇で戯れ合う。
「…ん、ありがとう高須君」
俺が唇を離すと川嶋が微笑んで紡ぐ。
彼女が俺で『遊ぶ』のは今に始まった事ではない。
だから気にしないでおこう。
「川嶋…しようぜ」
「ん。じゃあ着けてあげるね」
俺に見せ付ける様に川嶋が、包装を唇で破りピンクの薄膜を摘む。
そして先の突起を指先で摘み、息子にあてがう。
彼女の白く細い指が、ゆっくりゆっくり息子の先から薄膜を被せていく。
巻かれたゴムが下がっていく毎に微かに加わる圧迫感。
たまに引っ掛かったり、巻き込んだり…でも確実に覆われていく。
「高須君…乗っていい?」
根元まで被せられ、続いて彼女がそう聞いてくる。
「おぅ。川嶋…来いよ」
そう言うと、胡座をかいた俺の膝の上に彼女が跨がる。
首の後ろに左手を回し、右手で息子を持って…。
「ん…う。ん、ん…んあ…」

冷たい外気に晒されていた息子が熱くて狭い彼女の体内に呑まれていく。
柔らかい膣肉に息子が搾られながら揉まれる。
それは彼女の呼吸に合わせて僅かにだし、薄いゴム越しだけど…確かに感じる。
そして汗ばんだ身体が密着し、腕が、足が俺に絡み付く…。
「ふ…う、あ…んん。ふっあ…」
根元まで挿入り、奥まで貫き終えると、
甘く切ない喘ぎを洩らしながら、彼女が強く俺を抱き締める。
胸板に押し潰された柔らかい胸、そこからトクントクンと伝わる川嶋の鼓動。
暖くて…熱い。
俺は彼女の背中に両手を回して抱き寄せた。
腰に回された足がグッと強く巻き付き、俺達は限界まで密着する。
「ね、ぇ重くないか…な?ふ…、うんんっ」
「川嶋は重くなんかねぇ、すげぇ軽いし」
そう。川嶋の体重は軽い。
でも妙に抱き心地は良い。
無駄な贅肉が付いている訳では無いのに、なんでだろうな?
「あは…だよねぇ。亜美ちゃん超痩せてるし…、ん…高須君」
冗談めいた口調で川嶋が微笑みと共に返して、頬を寄せる。
「凄く暖かい。身体がポカポカしてる…」
耳元でそう呟かれ、俺は彼女と同様に囁く。
「川嶋、お前の方が暖けぇよ」

俺は腰を緩やかに前後させる。
息子の頭に絡み付くザラザラした膣肉。何も着けて無い時より僅かに感覚が薄い。
でも…やっぱり気持ち良いんだ。
ゾクゾクと背中を走る快感の電流に溶かされそうになる。
「あ…ふ。たかす…くぅん、奥ぅグリグリしちゃ…ひうっ」
川嶋がビクッと跳ねる。そう、彼女にとっては奥を抉られている感覚なのだろう。
彼女も円を描く様に腰を動かし、刺激を求め始める。
「はあ…、あ…あ。堪らない…よぅ。あぁ…あ」
柔らかい肉が密着して擦れ、纏わりついてくる。
その気持ち良さに腰が溶けてしまいそうになる。
「んくぅ!は…ぁん、はっ…はっ」
甘ったるい川嶋の匂いと…生々しい雌の匂い。
それらが鼻をくすぐり、布団が身体と擦れる音と川嶋の浅い呼吸、切ない啼き声が耳元で聞こえる。
押せば柔らかく弾き返して、吸い付くきめ細かな白い肌。
膣肉で締め付けられ、彼女の体重が掛かって奥深くで揉まれ、快感が連続して打ち寄せてくる。
キシキシと微かにベッドの軋み音が増していくのは、川嶋がカクカクと腰を小刻みに擦り付けているから。
横目で見てみると、トロンとした瞳で気持ち良さそうに俺を貪っていた。

「ふっ!う…んん、あ!あ…ひっ!あっ!」
しがみつく力が強まっていき、ピッタリと寄せられた腰同士がぶつかる。
息子の先にグリグリと擦り付けられる膣の奥の弾力のある部分。
柔らかいけどコリコリしていて、擦れるとゾワゾワと総毛立つ感覚に襲われる。
息子の頭の下辺りに絡み付くザラザラした膣肉、それは舌が這いずり回るのにも似た強い刺激。
「っあ!……あっ!!あっ、うっ、あっ!!!あは…ぁっ!!」
もっと強い刺激が欲しい、川嶋の可愛い姿も見たい、だから俺の手は背中から尻へ滑っていく。
柔らかい尻を下から鷲掴みにして強く突き上げる。
すると彼女が身体を跳ねさせ、白い首を反らせる。
俺はその首筋に顔を埋めて甘える…鼻先をグリグリと押し当てて。
「くふぅっ!あ…、たかす、くぅんっ!はっ…あ、あっあぁ!!」
柔らかい膣肉を掻き分けて突進む快感、引き抜くと腰が蕩けてしまいそうな浮遊感。
膣壁がピッタリ吸い付き、彼女が悦ぶ毎に揉まれて搾られる。
その堪らない刺激、気を抜くと今にも達してしまいそうになる。
だからか俺は無意識に川嶋の喉元に吸い付いてしまう。

獣が交わる様に激しく腰を打ち付け、強く吸い付いて彼女の身体に俺の想いと質量を刻む。
「ひあぁっ!あっ!あふぅっ!!や…あ、あぁっ!!たかすくぅんっ!!たかすくぅん!!」
彼女が俺の頭を強く抱き締めて躍る。
川嶋と俺は溶け合っていく。
互いに身体がほてり、汗だくになって触れ合う部分がジンジンと疼く。
「ふ…、う。ん…あぅ♪……あっ!!あっ!!」
だけどまだ足りない。
まだ見ていない『川嶋』は沢山ある。
見せてくれるよな?
そんな欲求が俺をつき動かし、繋がったまま彼女の身体を動かして四つん這いにさせる。
向かい合った姿勢から後背に変わる際、彼女がブルッと大きく身体を震わせて悦んだ声で呻く。
そのまま俺は彼女に覆い被さって、シーツを掴む手に指を絡ませて握る。
「か、わしまぁっ、くぅ…身体、痛くないか…、ふっ!!」
ガツガツと柔らかい尻に腰を打ち付けながら川嶋に問い掛ける。
上体をシーツにベタッと付け、尻を突き上げた体勢の川嶋が蕩けた表情で紡ぐ。
「う、うぅんっ!!い、いいよぅ!!たかすくぅんがぁ…あみちゃんの奥に当たってるぅ!!ひあっ!!」
と…。

問い掛けた内容とは違う答だけど川嶋は相当気持ち良いらしく、舌足らずな甘えた声で啼いている。
「んうっ!んあ、ぁあっ…あんっ!!あっ…く、うぅんっ!!」
桜色に染まり、憂いを帯びた川嶋の甘い発情した啼き声、サラサラした艶髪から香る匂い。
俺は彼女の髪に顔を押し付けて抽出の速度を速める。
敏感な息子の頭が膣壁に絡めとられて、引っ掛かりながら熱い胎内を蹂躙していく…。
腰が砕けそうな快感に全身が支配され、止まらなくなる。
「あんっ!は…あぁ!あんっ!!あんっ!!」
彼女も俺と躍る。
突き上げる動きに合わせて腰をフリフリ…そんなスケベな腰遣いで…。
恐らくは無意識にしているのだろう。
『もっと…もっとぉ』
そうおねだりする様に尻を押し付けてくる。
「あんっ!あんっ!!…ふ、ひゃあっ!?あっ…らめ…っ!!」
「お、おぅっ!?」
そんな時だった、それを見つけたのは。
それは艶髪から覗く彼女の耳…、俺は何気なしに唇で甘噛みしてみたんだ。
すると、ただでさえ締められていた膣内が更にキュウ〜って…。
一瞬、腰から力が抜けてしまい、その強烈な『味』に達してしまいそうになる。

そして…俺は夢中で彼女の耳をねぶる。
あの堪らない痺れの虜になってしまって…。
「ひ…っあっ!!あ…ふっ!!た、たたかすくぅんっ!!らめぇ…あみちゃん蕩けちゃうようぅ!!」
耳の形に沿って、舌先でチロチロと小刻みに舐めると川嶋が震え、膣内も呼応して震えて締まっていく。
熱い愛液を湛えた柔らかい膣壁が息子を縦横無尽に…まるで形を確かめるかの様に蠢く。
それに加えて、膣の奥の方はザラザラしていて…おぅ、そうだな『カズノコ』みたいな感じ。
言葉で言い表すのは難しい、しいて言うなら夢見心地で翔んでいる気持ちだ。
「か、噛んじゃ…あっ!!あ、あっ…ひうぅ!!」
犬歯で何度も甘噛みしながら、ねっとり緩慢な舌遣いで責める。
息子を根元まで深く挿入て、円を描く様に掻き回すと彼女が俺の手を力強く握り返す。
そして乱れきって、熱に浮かされた川嶋がガクガクと腰を震わせるんだ。
もう堪らない…。その仕草が可愛く、それでいて健気で…。
「っ!う…あ…っっ!!…は…っあ…はあ!」
その事で感きわまったんだと思う。
突然襲って来た腰がムズムズする感覚。
絶え切れずに俺は射精してしまう。

「んっ!あ…はぁ…!…はぁ…あっ…あうぅ」
川嶋が身体を震わせて浅く息をしている。
その様を俺は彼女に覆い被さったまま、何処か遠くから見ている様な…不思議な感覚に陥る。
激しく脈動し、避妊具の中に吐き出される精液が纏わりつく。
その違和感と熱く痺れた思考が耳鳴りを伴いながら醒めていく。
「ん…あ…、おち、んちん…ビクンビクンして…る。んんっ……」
浅い呼吸で途切れ途切れに川嶋がそう呟く。
ポーッと蕩けた笑みを浮かべ、嬉しそうに…。
そんな彼女の呼吸に合わせて…膣肉が…ヒダがウネウネと蠢く快感。
最後の一滴まで搾り取られそうな…強い刺激。
射精が終わり、痛みにも似たジンジンとする疼きが敏感になった息子を包む。
その…ゴム着けてもコレなんだよな?
じゃあ…着けずにしたら…。
とか考えてしまい、俺は我に返る。
それは……もっと先だ。俺達は『子供』だからまだ無理。
と…。
自身の中で生まれそうになる欲望を必死で抑えて、俺は川嶋をしっかりと抱く。
.
事後、俺達は無言のままベッドの上で壁にもたれ掛かっていた。
何も纏わず、膝を抱えて…でも『気まずい』とか『余所余所しい』わけではない。

何だか照れるんだよな。
初めてな訳では無いのに…初めてした様な気持ち。
だからか、事後の甘い語りやスキンシップも出来なくて…。
そんな時だった、川嶋が俺の身体に寄り添ってきたのだ。
「…高須君…寒い」
そう一言だけ紡いで、再び押し黙る。
「おぅ…。だったらこうすれば寒く無いだろ?」
俺は掛布団を彼女と纏って肩に手を回す。
ちょっと馴々しいかもしれない。
だけど…こうしていたい。
「うん。…あのさ、変な事言うけど」
そう川嶋が言って俺の手を握る。
「…二年生が終わるのって、あと三か月も無いんだよね」
「おぅ。そうだな」
その問い掛けの意味が分からず、俺はひとまず頷いて彼女の出方を待つ。
「色んな"関係"とか"しがらみ"を纏めるのに、それだけしか無いんだな…って。
私、高須君に"考えろ"とか言っちゃったけど、自分も考えなくちゃいけないんだよね」
そう言われて俺は首を傾げる。
俺はともかく、川嶋も考えなくてはいけない事があるのか?
と…。
この流れからして、俺や川嶋…周りを取り巻く人間関係を含めて…の話だと思う。
だからこそ疑問に思うんだ。

「川嶋もあるのか?そういうの」
「あるよ。いっぱい…ね」
意味深に川嶋が呟いて遠くを見る。
その横顔は辛そうだ。
「大河や実乃梨ちゃんの事。もちろん高須君の事も…全部ひっくるめて考えなくちゃ…」
深く溜息をついた後、川嶋が身を乗り出して俺の瞳を見詰める。
「…それが全部、片が着いて…その時、高須君が、まだ私の事……想ってくれていたら……」
川嶋が俺の膝に置いた手に僅かに力を込め、小さな声で続ける。
「また……高須君に告白させて……欲しいな」
そう言った彼女は不安そうで、でも決意を秘めたまなざしをしていた。
「………っ」
その真直ぐ俺に向けられた瞳に魅入られて、息を呑んでしまう。
「高須君は焦らずに考えていて欲しいんだ。でも私は…」
そう言って彼女はコンドームの箱を手に取って再び口を開く。
「コレ……が無くなるまでに"絡まった糸"を結び直して来るよ」
『絡まった糸』が何なのか…ハッキリとは分からない。
でも、その『糸』が綺麗に結べて、俺が考えを纏めたら、俺達は…。
「…分かった。なら俺は焦らずに…考える。…お前と一緒に」

「でも、その"糸"って奴を結び直すのは川嶋と俺じゃ出来ないのか?」
「…高須君が手を出したら、もっと絡まっちゃう。だからそれは亜美ちゃんに任せてよ」
優しい笑みで川嶋がそう紡いで、俺の身体に抱き付く。
「…それって凄く難しくて辛い事なんだ。だから…少しで良いから頑張れる勇気を…頂戴?」
川嶋が俺を見上げて顔を近付けていく…。俺達の影が重なって唇が触れて、数秒後には離れる。
川嶋と居るだけで、こんなに心が満たされて、癒されて、もっと見てみたくなる。
触れて、重なっても…それでも全部は見れない。
何故なら俺達はまだ恋人にはなれなくて、まだ少し時間が掛かる。
だけどいつかは全部、見れる。
一年間持ち続けた櫛枝への『想い』を完全に断ち切れたならば。
そして、何の迷いも無く川嶋に言ってやるんだ。
『川嶋、お前の事を誰よりも愛している』
と…。
そう。
それが俺が川嶋亜美に
『伝えたい言葉』



終わり

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