最終更新: text_filing 2009年12月13日(日) 04:09:06履歴
この世界には人はおろか、生物など存在しません
代わりに複数の色が世界を支配しています
その中でも黒色と赤色は忌み嫌われていました
赤色は気に入らない事があると相手を威嚇し
黒色は黒いというただそれだけの理由で周りを恐れられていました
ある日、黒色が白色に羨望と恋心を抱き
またある時は赤色が青色に恋心を抱き始めました
二つは相反する色ながらも、目標に向かって協力していきました
結果は・・・散々でした
そして二つの恋が打ち砕かれてから、世界が混沌と化してしまいました
互いの色が憎しみ合うように
何故こうなってしまったのかは分かりません
誰にも・・・ね
さて、最後に質問…
この様子を語っているのはだ〜れ?
「ふぅ・・・」
最後の一文を書き終え、一息つく。
自販機と自販機のスペース。いつものこの場所で体育座りをしている。
「何書いてるんだろう、私」
最近になって始めたポエム。何故始めたのかははっきりとわからない。
ただ、書かずにはいられなかったのかもしれない。
書き終えてすぐに誰かの足音が聞こえてきたので持っていた手帳をお尻の後ろに隠す。
「お? 川嶋じゃないか?・・・相変わらずそんな狭いとこに」
自販機の前に現れたのは高須君。何故かここにいるといつも彼と会う。
他の知り合いとも会わないように抜け出してきたのに。
「いいの。ここは私の場所なんだから」
できれば誰とも会いたくはなかった。特に彼とは。しかも、彼がそれについて全くの無自覚なのが余計に私の傷を抉る。
なんて罪深い性格なのだろう。そんなことだから ゛本命の゛相手だけでなく、自分までも壊してしまうんだ。
そう、これから、絶対にね・・・。
「お?もう行くのか?なんかさっき作業していたみたいだったけどいいのか?」
「別に〜。ていうかさ、プライバシーを覗くのは犯罪だと思うんだけど?」
「なんでそうなるんだよ・・・まあいいや、そこ座らせてもらうぞ?」
「ご自由に。私、先に行ってるわ」
私は後ろに隠していた手帳を素早くポケットにしまい、立ち上がりそのままその場を去ろうとした。
・・したのだが、少し進んだところで自分の足が私の意思に反するかのように止まってしまった。
「ん?どうしたんだ、川嶋?」
「・・・あ〜高須君に聞きたいことがあるんだけど、」
「ああ、何だ?」
「私は周りから見て何色だと思う?」
「は?」
彼が何を言ってるんだと困った顔をしているのを見ながら、私は再び歩き出す。
「お、おい川嶋! 俺はまだ何も答えて、」
「ごめん、やっぱり何でもない。無かった事にして」
その後も、後ろから彼が私に何か叫んでいたが気にせず立ち去った。
歩きながら廊下の天井を見上げながら溜息を吐く。なんだろう、このやりきれない気持ちは。
そのまま教室には戻らず女子トイレに早足で駆け込む。勿論誰もいないことを確認しながら。
洗面台の鏡。その前に立ち、鏡に写りこんでいる自分を見つめる。
そして鏡の中の子に笑顔で質問した。
「アナタハイッタイナニモノデスカ?」
終わり
259 ◆ozOtJW9BFA sage 2009/12/08(火) 18:05:09 ID:vHQIJ6QR
これで終了です。sageて…るよ…ね?
見て頂いた方ありがとうございました(_ _)
254 ◆ozOtJW9BFA 2009/12/08(火) 17:55:50 ID:vHQIJ6QR
されてた!駄目もとだったのにw
…というわけで、とらドラ!でSSを初投稿します。
タイトルは未定、キャラは川嶋亜美と高須のみ登場です。
ダーク傾向?かもなので、苦手な方はスルー願います。
ちなみに短編構成です。
それでは他の方の投下がなければ投下します。
「たいがのゆううつ」
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