最終更新: text_filing 2010年03月23日(火) 04:48:23履歴
284 ◆nw3Pqp8oqE sage 2010/03/12(金) 21:07:45 ID:8YTYuHqe
「オレンジ」
まだまだ寒さは残るものの、草木が萌え始めた3月の中頃、1人の少年が、「高須竜児」はいつものごとく自宅の台所に立ち3つのオレンジを眺めていた。
別に『今までに取った獲物の人の首に似てるな!』とか思ってるわけではない。料理の材料を吟味しているのだ。
「ヤンキー高須」それが彼の見た目からつけられたあだ名だった。
目が合うだけで相手に恐れられ、財布を渡され、知らぬ間に縄ばりが増えていく。そんなイメージをつけられていた。
それに加え、周囲に比べ若すぎる母親のおかげで、周囲の大人たちの評価も悪く人付き合いも幼少のころから苦労していた。
けど彼はそんな評判に負けることもなく、たった一人の家族である母親を大切にし、周りに渡されるお金に手を出したり、ましてやグレたりすることもなく、なによりも人に優しくすることを大切にし、少ないながらも友人には恵まれていた。
母子家庭ということもあり、お金には縁のなかった彼だが、小さなころから、母親の代わりにやっていた家事に没頭できため、
ゲームや漫画とかより掃除や料理をするほうが彼の趣味になっていてその腕前はそこらへんの主婦にも負けないものだった。
「ふう・・・」
いつものように台所に立つ。しかし料理が得意な彼といえどこの料理には気合いが入っていた。思えば今年はいろんなことがありすぎた。
高校1年の時もやはり彼は周りから誤解された。新しい環境になると彼は、周囲の誤解を解くことから始めなければならない。
けど人に優しくすることを続けた彼の人となりを理解する人も周りの年齢も上がるにつれて増えてきた。親友と呼べる友もでき、それに片想いながらも、年頃らしく、好きな人もできた。
けど自分に自信のない彼はその人と話すこともできなかった。
2年になり、親友とも、なんと恋焦がれていた笑顔の素敵な彼女とも同じクラスになれた。それに自分よりまわりに恐れられている手乗りタイガーに負けた?おかげで、去年より周囲の誤解も早く解くことができた。
そして、突然の夜の襲撃から、高須家にその『手乗りタイガー』が高須家に加わり、そこから今思えば怒涛の1年が始まった
。手乗りタイガーの恋人になるなどという新しい誤解をされたり、モデルの美少女が現れたと思ったら、その子に付きまとわれたり、ストーカーを撃退したり、
虎対チワワの対決に巻き込まれたり、ワカメの霊を見たと思ったら、夏に想い人と思いのほか距離を縮められたり、プロレスショーで悪役を演じたり、喧嘩してた人と福男になったり、
学校一の暴れん坊を生徒会長に仕立て親友を挑発したり、クリスマスパーティーで玉砕したり、インフルエンザ、修学旅行のいざこざ、そして・・・
「ふふふっ・・・」
クリームを泡立てながら彼は笑い、着々と料理が進む。
目の前に子供がいたらトラウマ級になる怖さの笑顔だが、今の彼は上機嫌だった。なんせ彼にとって特別なことが起こったのだ。ようやく・・・
「さてと・・・おっといけねえ!メールしとかねえと。」
手早く要件を打ち込み、送信ボタンを押し、彼にとって大切な人を想いつつ、再び調理に戻った。
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大橋高校、未だに木造校舎のある古きよき高校だ。静かな住宅街の坂の上にあり、偏差値は全国的にみても高いレベルにありながらも、穏やかな雰囲気の流れる学校だ。
そして学校の校舎裏・・・
「・・君はもう、私のことなんか飽きたんでしょ。他の子の荷物持ったりして褒められてデレデレしちゃったりしてさ!」
「違うよ!あれは僕がぶつかったお詫びで、僕が好きなのは君だけだよ!」
とある男女が、ここにいた。学校の校舎裏、男と女の二人きり。しかし、流れるのは甘い雰囲気ではなく、何かと険悪なムードが流れる。
「本当に?」
「本当だって!!」
「なら私で名前を呼んで言ってよ!」
「好きだよ!!!さくらちゃん!!」
「幸太君・・・私も」
「さ〜く〜らちゃん♪」
「幸〜太君♪」
「あは〜ん♪」
「ふふふ〜ん♪」
桜色のショートカットの少女と茶色の短髪の少年が手を取り合い・・・
「はぁ・・・」
その様子を見ていたある少女が心底どうでもよさげに長い髪を揺らしその場を去った。
決して相変わらずいちゃついている2人をわざわざ付けたわけでなくたまたま聞こえてしまい、
なぜか今日は時間を置いて家に来いというメールをもらったため時間が空いていたので暇つぶしに見ていただけである。
若干見せつけるかのごとく、いちゃつく二人に軽く殺意が湧く、来なきゃよかったと少し思ったがこの場に来るとあの事を思い出す。
思い返せばだいたい1年前あの場で自分は告白したのだ。そしてたぶん覗いていた奴もここから見ていたのかなと思う。
彼女の名は「逢坂大河」天下無敵の「手乗りタイガー」と呼ばれる少女である。
なぜ彼女がこんなあだ名なのかというと、まず彼女はミスコンに選ばれるほどの美少女であり、入学時から男子の目を引くほどの容姿であった。
長く緩やかなウェーブを描く栗色の髪、フランス人形にたとえられる整った顔立ち、当然多くの男子から交際の申し出があったのだが、
すべての誘いにパンチやキック付きの断りの返事を出した。
145cmにも満たない小柄な体、暴力的な性格、そして「大河」という名前から「手乗りタイガー」と呼ばれるようになった。
彼女に普通に話せるのは恐らくソフト部の女部長1人と、周りを寄せ付けなかった彼女だったが、2年の4月にとある少年と出会ったことで彼女の人生が一変する。
きっかけはラブレターを書いたことだった。決死の思いで、
なぜか気にしてしまっていたメガネをかけていて、ソフト部で、生徒会の少年に告白しようとしてラブレターを出すことにしたが、
やはり恥かしくなってどうしようか悩んでいた。そしたら、なぜかヤンキー面の少年がやってきて、手紙の入れたカバンを持っていこうとした。
慌てて取り返そうとしたものの抵抗むなしくカバンを取り返すことはできず、その場は退散することしかできなかった。
けど、ラブレターを出した事は恥ずかしすぎて知られる訳にはいかない、それに確かあのヤンキーまがいは自分の向かいのボロアパートに住んでいたはずだ。
ということであいつが寝静まるのを待って、ラブレターの奪還、あるいはすでに知られていた場合を考え記憶の抹殺を試みようと、この夜に勝負をかけた。
結果はここ最近ろくなものを食べてなかったため敵地で倒れるという最悪の結果となったが、その時作ってもらったチャーハンの味は一生忘れないだろう。
その後、お互いがお互いの親友を想っていることが分かり、互いの恋愛が成就するために、共同戦線を張ることを約束した。けどそう簡単にうまくいくわけでもなく、結局協力のかいはあまりなかった。
けど今改めて大河は思う。最初のほうは竜児を脅して主に向こうにいろいろやってもらった。関係ないのに、家事全般三食付きで世話になった。
それに竜児のことを犬呼ばわりしたが考えれば犬は自分のほうだったかもしれない。
ご飯で餌付けされ飼いならされて。竜児に私を飼う気はなかっただろうけど形的には、そうなわけだし、最初、私と竜児が付き合ってると思われるのも今思えば自然なことだよね?
野生の生物は自分の縄張り、食料を確保しなければならない。両方がなかった私は周囲が敵に見えこの世がみんな敵だと思っていた。
けど竜児が自分に居場所とおいしい料理を提供してくれた。やっちゃんにもよくしてもらえたし初めて家族というものが理解できたと思えた。『家族ってこんなに素敵なんだ』ってね。
「やあ!逢坂じゃないか!まだ学校にいたんだな」
そろそろ帰ろうとして下校時間も割と過ぎ閑散とした昇降口にたどり着いたとき、クラスメイトであり現生徒会長、北村祐作に出会った。
「あっ、北村君。私は今帰るところ。北村君は?」
北村は基本的に忙しい。ソフト部と生徒会の両立を成功させているうえに成績もトップクラスまさに優等生といったところだ。
「ああ、生徒会の仕事をしているんだが、1年の2人、幸太とさくらが見当たらなくてな。」
目をつぶり、メガネに手をかけながら北村は答えた。すると、
「う、うん。確か校舎裏にいたよ。」
嫌な顔を北村に見せないようにさっきの忌々しい記憶を忘れつつ答える。
「そうか。仲がいいのは感心だが仕事をさぼるのはよくないな。わかった。ありがとう逢坂。気を付けてな。」
仕方なさげに北村が2人を捜しに行こうとする。
「じゃあね北村君頑張ってね。」
日の時間も少し伸びてきた3月の夕方、上履きからローファーに履き替え大河は『自宅』に向かう。その『自宅』は自分の箱庭でなく、家族の待つ家へと向かう。
去年北村君に言われた通り北村君と『いい友達』になれたと思う。前は北村君と話すのもままならなかった。
告白したあのときもしそのまま付き合っていたらどうなっていただろうか?その時は多分死ぬほどうれしいと思うんだろうけどそのまま気がおかしくなっちゃうかもしれなかった。
顔見るだけでドキドキしたし、うれしいんだろうけど気持ちは確実に落ち着かない。
そう考えると、北村君の隣よりあの犬の隣のほうが私のとって落ち着くところになったようだ。なぜだか知らないけど竜児の隣はものすごく気が安らぐ。
それに一緒に行動していたこともあってか竜児はいつでも助けてくれた。私はどんなに救われただろう。去年まで感じてた孤独を感じることもいつからからかなくなった。
この帰り道もたとえ一人であろうと退屈な道ではなくなった
。自分に帰る場所があることの喜びを踏みしめつつアパートに向かう。私が上がりこみ始めてもうすぐ1年だ。いつものように竜児は晩御飯の支度をして待ってくれているだろう。
「♪〜〜〜」
鼻歌交じりに足を進める。なので気付かなかった。後ろから迫る猛獣使いの影に・・・
「お疲れ様でした〜〜〜」
日も暮れつつある頃、大橋高校のグランドに響く女子生徒たちの声、今しがたソフトボール部の練習が終了したところだ。
「今日どうする〜?」
「どうしようか〜?そういえばおなかすいたよね〜?」
練習が終わり片付けのない上級生部員の声がこだます、関東大会にも行ったこともある大橋高校ソフト部の練習はもちろん厳しい。
特に現キャプテンの代になり周囲のチームにも大橋高校が注目されるようになった。
しかし秋ごろからエースでもあるキャプテンの調子が不安定になり始め、それにつられてかチームの成績もなかなか良くならなかった。
しかし練習熱心な彼女は自らの努力の甲斐もあり最近の対外試合でもなかなかの成績を収め始め今年の夏は全国大会にも行けるのでは?といわれるようになった。
もちろんキャプテンを中心としたチームワークと放課後までの居残り練習のおかげだ。
「キャプテン!今日も残っていきます?」
下級生の女子部員がキャプテンに尋ねる、実力も申し分なく、テンションの高い(たまについていけない時もあるが・・・)
キャプテンは下級生の人望も厚い。いつものごとく、ともに練習あるいは指導をもらおうとキャプテンに声を掛ける。
「もちろん今日も!!…って言いたいところだけど、ごめんよ〜!!きょうは外せない用事があるんだぁ!」
顔の前で両手をパンと合わせ、後輩の『わかりました。お疲れ様です。』という声を背にキャプテンはグランドを後にした。
「あれ?櫛枝じゃん。残っていかないってことは今日はバイト?」
ソフト部の部室で先に着替え始めていた部員が居残り練習をせず珍しく早めに戻っていたソフト部キャプテン櫛枝実乃梨に声を掛ける。
「いやいや、今日は友達の家にお呼ばれだぜ」
「へぇ、手乗りタイガーの家?」
早速今まで来ていたユニフォームを脱ぎながら答える。
「んいや、大河の家じゃないよ。」
「じゃあ誰もしかしてこれ?」
にやつきながら小指を立てて部員は聞く
「違うって!友達の家だって!!」
実乃梨は若干慌てつつ答える。
「怪しいね〜、あんたの仲のいい男ったら北村君か高須君とかかな?」
そんな問いを流しつつ片付けをする動作を早め。
「もう!そんなんじゃないってば!!急いでるからもう行くね」
意味ありげな笑みで『頑張ってね〜』という冷やかしの声を聞き流しつつ実乃梨は手早く着替えた制服を身にまといスポーツバックとバットを肩に背負い携帯を一度見ながら足早に学校を後にした。
『櫛枝実乃梨』手乗りタイガーやヤンキー高須に比べるともちろん高校内での知名度は劣るものの、
関東大会に出場するほどの強豪ソフト部の中心選手でそれなりに名も通っている。だが恐らく校内の評判を聞くと変な人との答えが返ってくるだろう。
赤のショートカットに突出してないものの可愛らしい顔をしているが、その実、常にハイテンションで元ネタをとりにくいネタなどを連発し、
彼女のノリについて行くのは校内最強の手乗りタイガーだけというのがあってか、普通の生徒は彼女のネタをスルーすることが多い。加えてジョニーズを軸に多くのバイト掛け持ちをしているというのもあり恋愛の話はほとんど出ない。
それに実乃梨は恋愛というものを信じなかった。それはあると言われたり、ないと言われたりしている幽霊と同じものだと思っていた。
だって見えないし身近に感じない。男の子と2人で隣にいて…ということを実乃梨は楽しいとかドキドキするとか思えなかった。
しかし高二の夏に友達の別荘でそんな話をある少年にポロッとしてしまったがその考えが変わると思わなかった。
けどだいたい文化祭の後頃からその話をした少年のことが気になるようになってきた。けどその少年を好きになっていいのかと悩むようになってしまった。
なぜならその少年は自分の親友にとってなくてはならない存在だからだった。でも親友は別の人が好きなのかなと少し思っていた。
学校を抜けて、自宅でもバイト先でもないところに向かいながら実乃梨はふとあのころを思い返す。
大河が生徒会選挙で暴れた日、大河の本当の思いに気づいてしまったあの日。
そして自分も高須君を想っていることを・・・
確かに高須君は付き合うには申し分のない相手だった。
だって『高須君はちゃんと私を見てくれた。』自分が周りから浮いてるな、と思うこともたまにある
。結構思うがままに行動してるし、多くの人は多分自分をスルーしてるのもわかる。去年まで自分についてきてくれたのも大河くらいだったし。
特に幽霊の話・・・照れくさくて思い返せばばかばかしい話…でも高須君は笑うこともなくあきれることもなく真剣に私の話を聞いてくれた。あれは結構うれしかったんだ。
でも高須君と付き合うことを一番ためらわせたのは私が高須君と付き合うことで大河の生活を壊してしまうという憂いがあったからだ。
高須君の顔を見るとドキドキする。でも大河への思いもありそのことで胸が苦しくなるようになった。
眠れない夜を過ごすようになり、少し露骨かもしれなかったかもしれなかったけど高須君を避けるようになってしまった。
そういった悩みのせいで部活に迷惑を掛け、挙句の果てにダンスパーティーも危うく壊してしまうところだった。
いや壊したんだ、何気なく打った打球で大河の星を壊してしまった。綺麗に輝いてた星はものの見事に粉々になっていた。
それは大河が大切にしていたもの、私の中でも何かが壊れる音がした。
必死で直そうとした、絶対に直すのは無理と思ったものを。でもその時高須君が手伝いに来てくれた。でもその時の私は高須君と顔を合わせたくなかった。
何より悩みの元だったしそれに今の状況で高須君に助けてもらいたくなかった、
いや違う。嫌われたりみじめな私を見られるのが嫌だったんだ。すれ違ってる中で久しぶりに2人きりになった状況がこれじゃあね・・・・
でも高須君は言ってくれた「お前を助けるんじゃなく自分のためにやるんだ」ってね。
ずるいよ高須君・・・こんなこと言われたら誰っだって君に惹かれちゃうよ。
大河の星は高須君の協力の甲斐あって、いびつながら星の形に戻った。大河も宝物を壊した私を優しく許してくれた。
普通なら絶交ものの状況で。そして高須君はこんな私をクリスマスパーティーに誘ってくれた。
でもわかるよ・・・いくら私でもさ、クリスマスに誘われてるんだもん理由は一つしかないよね。
それに私は2人に何も言えない状況。それでもとてもパーティーなんてものに行く気になれなかった。あちこちで光るイルミネーションはあの時の私にはまぶしいだけだった。
でも大河は私にどうしてもパーティーにいや高須君に会って欲しいみたい。私が来ないと高須君は帰れなくなるという脅し文句付きで。
でもいいの大河?本当にそれで?多分告白されたら私は「うん。」と言うしかない。断る理由より付き合う理由の方が多いもの、でも・・・
私の中で自分と大河の天秤は決まらず、もう一度大河に直接聞こうとした『私と高須君が付き合っていいのか?』を。答えは聞けなかった。
いや聞く必要がなかった。だって『竜児ぃぃぃ〜〜〜〜〜っっ』って叫びながら泣いているんだもん。それを見て高須君と付き合う気には到底なれなかった。
だって知ってしまったから、大河にとって高須君はがどれだけ大切な存在なのかを。だから告白を聞かないという最悪の逃げの手段をとってしまった。
だってそれを聞いて「ごめん」という勇気は私にはなかったから。高須君には悪いことをしたと思ってる。
そのあと苦しいながらも必死に隠しながら高須君と接した。気まずいような雰囲気は出したくなかったしさ。
でもそれがさらに高須君を苦しめることになるとは思わなかった。でもそうすることが私にとっていいことだと思ってたんだ。
でも修学旅行、あ〜みんに私が冷血女みたいな言い方をされた時にはさすがにカチンときた。
私だって苦しむよ?いつものようにふるまうのがそんなに悪いこと?そしてなぜかそりでぶつかっただけでキレられて喧嘩した。
私はそう時どう思っただろう?あ〜みんにいろいろ悪いことを言ったのは覚えてる。でもそのあと無視されたりしたけど仲直りできた。
それにあ〜みんはやっぱりいい子だよ。大河の次にね!
「おっといけねえ、なんかしんみりしちまったZE!」
ついうっかり声に出してしまい顔を赤らめ周囲を見回す。
どうやら今の声を拾った人はいないみたいだ。なんで今年を振り返ったんだろう。不思議に思いながら先ほど届いたメールと時間をもう一度確認する。
それに改めてこのいろんなことがありすぎて、楽しくもあり大変だった1年を過ごせてよかったと思う。それにまだ終わってないよ?ね、大河?
「おおう!!あれは愛しのマイハニーではないか♪」
前方50メートルくらい先に長い髪を揺らす顔は見えないが小柄な美少女を見つけた実乃梨はターゲットめがけてダッシュを始めた。
ひとまず今日はここまでです。明日はもちろんあの人から始まります。ではまた明日きます。ノシ
283 ◆nw3Pqp8oqE sage 2010/03/12(金) 20:46:51 ID:8YTYuHqe
初めまして。初投下です。九時までだれも投下してなかったら投下したいと思います。今回は恋愛色が薄いですがどうかお付き合いくださいませ。
284 ◆nw3Pqp8oqE sage 2010/03/12(金) 21:07:45 ID:8YTYuHqe
投下します。題名「オレンジ」
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