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402 98VM ◆/8XdRnPcqA sage 2010/02/13(土) 03:08:42 ID:L6MErYSu





「おつかれっしたー。」
「はーい、おつかれ。」
「っれしたー。」「したー。」

「……」
「おい、亜美。 なんだ、今日のトーク。 最終的には上手くまとめたが… 一歩間違ったら…。」
「間違わなかったんだからいいじゃないですか。」
「…お前、どうしたんだ? いつものお前らしくないぞ。」
「…いつもの私ですか…」
「そうだ。 お前は『女優、川嶋亜美』だ。 他の同い年くらいのタレントとは格が違うんだ。わかってるな?」
「……はい。」
「…わかってるな?」
「はい。プロデューサー…。」

溜息をつくサングラスの男。 30後半の色気のあるいい男。
『降旗』といえば、業界で知らないものの居ない敏腕プロデューサーだ。 その敏腕が今、一番力を入れているのが…
『女優、川嶋亜美』だった。


     落書き   ルペルカリアの外れくじ 裏面


「着替えます。」
出て行ってくれという意思表示。 ここは引くべきだというのは敏腕ならば当然判断できる。
そして、フォローする言葉も、勿論忘れない。
それが、亜美がこの男を嫌いになりきれない所以だった。

「暫く、だれも楽屋には近づかないようにする。 準備が出来たら電話をよこせ。」
「……はい。」

そして、軽く肩に手を置き、そして楽屋を出て行った。

「ふぅ… けじめ、か。」
失敗した。 やるんじゃなかった。
「楽になると、思ったのにな…。」
椅子がひっくり返りそうになるくらい寄りかかる。
長い髪が床につきそうなくらいに。
「お幸せにって…バッカじゃね。 悔しくて仕方ないくせに…。」
涙が溢れてきた。
痛い。
こんなに痛い。
うやむやにして自然に忘れるのを待つべきだった。 今はそう思う。
だって、どうしようもなく胸が痛いから。
だれも、その痛みを分け合ってくれる人はいないから…。
そんな時に、携帯がなる。 メールの着信を知らせるために。
メールは降旗からだった。
『明日も早い。 一人になるな。 誰でも良いから話して、明日は何時もどおりに仕事が出来るようにしろ。
なんでもいい。 誰でもいい。 とにかく一人になるな。』
……やっぱり、嫌いにはなりきれない。

離婚調停中の男の言う事だ、ある意味これ以上ないほど含蓄がある。
そして、それ以上に胸が痛くてしかたなかった。

携帯のアドレスをカチカチと送る。
ふと、目に止まった名前。
特に何も考えずにダイヤルしていた。




『………』
『………』
3回目を待たずに切ろうとして…
『はい、櫛枝です。』
『あ、 み、みのりちゃん……』
『おおおー、あーみんかい! いやーこいつは驚きだぁ!』
『う、うん。 久しぶり。』
『うんうん。 高校卒業以来だねぇ。』
『ごめん、ずっと連絡しなくって…』
『いいってことよ! こうして電話してくれたじゃん。 櫛枝はそんなことは気にしないぜぇ。』
『ふふふ。 みのりちゃん、相変わらずだね。 ありがと。』
『いやいあぁ、当然だよー あーみんは大事な友達だからねぇ。』
『そっか… 友達… か。』
『………』
『………』
『…あ、あのね』
『あーみん、テレビ見たよ。』
『………っ!』
『話したかった。 よかったよ。 電話してくれてさ。 あーみん、携帯番号変えちまったから、かけれなくって。』
『見てたんだ… な、なんか恥ずかしいな…。』
『恥ずかしがる事なんか、何にもない。 よくやった! 感動した!!』
『…あ、ははは。 ほんと変わってないなぁ…』
『あーみんは頑張ったよ。 かっこよかった。 絶対、絶対、高須くんにも伝わったよ。 この櫛枝が保障する。』
『………。』
『でも、痛てぇよなぁ… やっぱ転んだら痛てぇよ。』
『……ぐすっ』
『いいんだよ、あーみん。 泣いちまいな。 おもいっきりわんわん泣いちまいなよ。 私が傍にいるから。 なんて
いっても、高須くんへの失恋にかけちゃ大先輩ですからなぁ、櫛枝さんは。』
『もっとも、傍にいるっても、電話だけどね。 あははは。』
『うっ… うっ… うぁ… うぁああああああ…』
『大丈夫なんだよ… あーみんは一人じゃねーから。 櫛枝も、大河も、高須くんも… ずっと一緒だよ。ずぅっとね。』

……
………
暫くして、亜美はまた女優になる。
涙の跡を隠して、楽屋を出る。 颯爽と。 
「随分遅かったな亜美。」
「すみません、プロデューサー。」
「待たされすぎて、腹が減った。 どうだ、近くに美味いラーメン屋がある。 俺のとっておきだ。」
「こんな時間に食事なんて…」
「たまにはいいだろ。 嫌いな男とで悪いが、付き合え。」
「はぁ…。」
「ん、これってパワハラか?」
「くすっ… いえ、私の意志でお付き合いします。」
「そうか。」

「あ、本当に美味い店だが、替え玉はなしだぞ。 太る。」

胸の痛みは無くならない。 けれど耐えることは出来そうだ。 目を開けば……案外、世の中は愛に溢れているから。
そう思って亜美は、その男に始めて心から微笑んだ。

                                                                おわり。


404 98VM ◆/8XdRnPcqA sage 2010/02/13(土) 03:10:40 ID:L6MErYSu
お粗末さまです。

櫛枝むずかしーw 
やっぱ私にはみのりんは書けないわw
スマソ。

401 98VM ◆/8XdRnPcqA sage 2010/02/13(土) 03:07:55 ID:L6MErYSu
こんばんは、こんにちは。 98VMです。

さっきの亜美ちゃんサイド書いちゃったw 
超短いです。
衝動書き、乙。 ということでw


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