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391 奈々子様のちょっぴり?な昼下がり sage 2009/12/15(火) 01:13:15 ID:CTljArRq




結論から言うと。
危なくマジでヤっちゃう所でした。

――― 高須君の鉄壁の意思と、意気地なさに、乾杯。

もう少しであたしは亜美ちゃんの友達で居られなくなるところだった。
……本当に危なかった。
タイガーはなんだか自業自得な感じがするから、『ま、いっかぁ』位に思ってしまったけれど。
流石に亜美ちゃんはいたたまれな過ぎる。
あんなに高須君にモーションかけてたのに、ほとんど相手にされてなかったもんなぁ。
それが、あたしが一夜にして最後までいっちゃったら、あまりにも哀れじゃない? 亜美ちゃんが。

とはいえ、高須くんと上手くいかなかったのは亜美ちゃんが悪い。 と、あたしは思ってる。
本気なら本気で、正々堂々、直球勝負すれば、十分勝ち目あった筈だから。
もっとも、亜美ちゃんは色々と恵まれ過ぎな気がするから、あのくらい意気地なしで丁度いいのかもしれないけれど。
…それに。
亜美ちゃんが弱ってるの見てると、なんか……
……すごく、ゾクゾクしちゃう。

くすっ。

やっぱり、あたし、どこか壊れちゃったのかなぁ…。

ううん、きっと普通よ。 普通。 
亜美ちゃんがあんまり綺麗で、可愛くて、エロい体してるからいけないんだと思うなぁ。 ねぇ、そうだよね?


     埋めネタ   〜奈々子様のちょっぴり?な昼下がり〜


その夜、高須君に送ってもらった自宅には明かりはついていなかった。
過保護な父は、あたしが帰ってくる前に眠ることなんてない。
つまり、そういう事。
あたしは、誰かと一緒に帰ってくる可能性を最初から考慮して日程を組んだ。 ただそれだけ。

言葉巧みに高須君を家に上げるのはそう難しくなかった。
あとは普通にビールとおつまみなんか出して、高須君を質問詰め。
うやむやにして帰るわけにはいかなくて、でも答えにくい質問なら山ほどあった。
亜美ちゃんと、櫛枝と、それと、タイガー。
複雑な関係だけに、ちょっと気をつかうし、慎重になったけど、正直な高須君は誤魔化すのが下手で。
思わず説明を始めて時間を浪費する。
緊張して喉が渇いて、ビールを飲む。
……面白いように罠に嵌っていく。

上着を脱いで、部屋があったまってきたなら、もう一枚、薄着になる。
高須君は、あたしの胸元を見ないように見ないように…
本当に、可愛い。
きっと、タイガーにお預けくらって、その上、亜美ちゃんの色気に当てられて、これ以上無いくらいガードが緩くなっている。
「もったいないなぁ……高須君さえその気なら、亜美ちゃん、一晩限りでも体許してくれると思うなぁ……。」
「なっ、な、なに言ってんだよ! んなこと出来るか!」
「でも、亜美ちゃんはそれでも幸せな気持ちになれるんじゃないかな… 初めての人が高須君になるんだもの。」
実際にそうなったら亜美ちゃんはタイガーとの関係で深く傷つく。 だからこれは艶話に持ち込むためのネタふり。 
亜美ちゃんをダシにしたのが上手く作用して、話がだんだんエスカレートし、次第に怪しい雰囲気になってくる。
やがて、堪えきれず、逃げ出すように帰ろうとした高須君に、あたしは容赦なく体を寄せた……。
至近距離で、唾を飲み込む音が聞こえた。
スマートに見えるのに、意外と筋肉質な胸板。 少しづつあたしの胸の鼓動も高鳴る。
三白眼を白黒させて、高須君は喉に詰まったようにあたしの苗字を呼ぶ。

……もしも、『奈々子』と呼ばれていたら、あたしはその場で崩れてしまったかもしれない。

高須君は女を突き飛ばすなんて出来ない。
必死で男の本能と戦っている。
もう、十分に酔って、理性のタガが外れているはずなのに、それでも堪えていた。
その目の前で少しづつ薄着になるあたし。
すぐにあたしは下着姿になって、女の匂いを高須君の鼻腔に押し込む。
そしてあたしの唇は、淫靡な声で彼の名前を囁く。

本当は、あたしを引き剥がすためだったんだろう。
虚ろに伸びた手があたしの胸に触れて、体を押しのけるように……動かなかった。
その後はダムの決壊のように。
あたしの苗字を呼んで、高須君はあたしの体にかぶりついた。

……もしも、『奈々子』と呼ばれていたら、あたしはその場から逃げようとしたかもしれない。

ひとしきりあたしの体をその手で、唇で、まさぐった彼を伴って、ゆっくりと床に倒れこむ。
彼の一物は既に固く腫れあがって、準備は万全になっていた。
指を滑らせ、その形をなぞっていく。
ベルトを外し、その生の姿を露にしようとした、その時だった。

「香椎…、お前、どうしたんだ? 何があったんだよ……。 何で、お前はそんなに辛そうな顔してるんだよ……。」

反則よね? こういうの。

「そうよ。 …辛いの。 …痛いの。 …苦しいの。 …寂しいの。 …死ぬほど寒いの。 だから。 誰でもいい…暖めてよ…。」

それであたしは、その瞬間だけ、正直者になってしまった。
そして高須君の手が止まって、沈黙が上下に重なった男女を覆う。

「俺は… 香椎の力になりたい。 友達だと思ってるから…な…。 だが……」
「なら、抱いてよ。 あたしを暖めて、くれないかな……」
「……………本当に、それしか無いのか?」
「ええ。 それしか無いと思うわ。」

それから… 
久しぶりで男に抱かれる体は、敏感に快楽を貪る。
胸の先端が弾かれる度に、上半身が焼け付くように熱くなり、股を高須君の手が通り過ぎる度に、背骨が痺れる。
自ら体を激しくよじって、快感を味わいつくそうとするあたし。
やがて、もう誰でもよくなる。
あるのはただの性的興奮と動物じみた快感だけ。
愛情も、友愛もなく、ただの本能だけの行為に没頭していく。
それはもう、多分、男と女ではなくて、雄と雌。
激しく、いや、あるいは淡白に、その行為は繰り返された。
………

「はぁ……」
自分の溜息に、ドッキリした。
相当長いこと物思いに耽っていたみたい。

結局、高須君は、最後の最後でビビッて入れなかった。
避妊具がなかったってのもきっと理由ね。
高須君はそこには超敏感に反応するみたいだし。 父親の事がトラウマになってるのね、きっと。
まぁ、何はともあれ。
とりあえず、高須君が鉄壁でないことは判ったわね。
それと、本当にバカみたいに優しいってことも。 過ぎたるは及ばざるが如しって、まさにこの事だわ。
かえってその優しさが相手を傷つける事だってあるのに…。
やっぱり、亜美ちゃんをけしかけるのは止めにしよう。
なんとなく、あたしじゃなくて亜美ちゃんだったら、高須君も止まれなかったんじゃないかな、って思う。
そうなったら、亜美ちゃんとタイガー、それに高須君、皆が皆、しゃれになんないくらい傷ついちゃいそうだし…。
そこに櫛枝が武力介入してきたら、しっちゃかめっちゃかになりそうだし。

それにしても…
高須君。
やばいなぁ…。 絶対、後悔しまくってるよね。 
多分に酒の勢いが混じってたし、っていうか、そもそも全部あたしの謀略だけど。 
本当に、なんであんな事しちゃったかな… あたしも思ったより酔ってたのかしら?
なんか、こんな事でタイガーとおかしくなったら嫌だわ。
かといって相談できる人も居ない。
どうやってフォローしたらいいんだろ。
それに…

超弩級の鈍感だって思ってたのに ……見抜かれてしまった。

今回の出来心は本当に、大失敗だったかも。
やっぱり、ちゃんと計画練って行動しないとだめよね。
ああ、憂鬱。
亜美ちゃん攻略の手立ても、もう一度考えないといけないし。

それにしても…この哲学概論の講義も相変わらず超退屈ね。 …出席カードは最初に配って欲しいわ。
仕方ない。
とりあえず、メールだけでも送っておこう。 高須君に。

……
…………
人も疎らな、離れの小講堂。
エコ対策なのか殆ど効いてない冷房の音のほうが、教授の声より耳に障る。
うだるような暑さの中、いかにもやる気無さそうに、机に突っ伏す学生たち。
その一番後ろの方の座席で、奈々子は何度も何度も携帯を閉じたり開いたりしている。
決心したはずなのに、なかなか文章が浮かばず、ただ携帯をもてあそんでいた。
講義も終わりに近づいた頃、ようやく文字を打ち始める奈々子。
当たり障りの無い言葉を選んでキーを押す指が、僅かに震える。

その指が震えてしまう訳を……

奈々子は、努めて考えないようにしていた……。

                                                                   おわり。



395 98VM sage 2009/12/15(火) 01:16:52 ID:CTljArRq
以上です。 お粗末さまでしたー。

できれば27皿目には例のブツを投下したいです。
今回はちょっと長めの予定です。


390 98VM sage 2009/12/15(火) 01:12:05 ID:CTljArRq
こんばんは、こんにちは。 98VMです。

恒例の? 梅いきます。
実は、この埋めネタシリーズ、数行先を考えながら書いてるって感じで、
先の展開とか全然考えていません。
行き当たりばったりw でも、基本時間は巻き戻さない方向なので、前回
急遽タイガーにしたせいで、奈々子様のターンがぶっとんでしまいますた。

梅ネタ共通時系列 3レス です。

このページへのコメント

このシリーズ好きです。

0
Posted by 名無しの読み手 2010年03月13日(土) 20:00:17 返信

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