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237 勇者の代わりに竜児が(ry ◆NHANLpZdug 2009/12/07(月) 23:01:12 ID:+5dvNcGp




「おお、勇者よ。よく参られた−以下略。」
気がつけば、俺の手には50ゴールドが握り締められていた。
てか、ゴールドってなんなんだよ……どこの国の通貨なんだよ……
A,アリアハン
そう、俺は今、アリアハンに居た。
皆さんは、アリアハンをご存知であろうか?俺は知ってる。あのゲームのあの街だ。もう、間違いない。これは夢だ。
気がついたら、ゲームの世界でした。夢以外の何物でもない。そして、こんな夢を見てしまっている理由は一つ。
逃げたいのだ、俺は。辛い辛い現実から、逃げ出したいのだ。
振られた…振られた振られた振られた。一年以上片思いした女に振られた。俺は振られた。
失恋したんだ、あっさり。告白すらさせて貰えずに拒否された。
『告白しないで。』
そんな風に、頭っから否定された。傷付いた。だから、こんな夢を見てるのだ。
さて、夢だと解った事だし、慌てず騒がす、そろそろ起きようと思う。
……起きれない。何故だ?嘘?なんで!?ちょ……
定番だが、軽くほっぺをつねって見る。痛い…でも、あんまり痛くない。
良くわからないけど、いつもより痛くない。今度は思いっきり引っ張ってみる。
…それほど、痛くない。でも、痛くない事もない。
は?……頭がどうにかなりそうだった。
夢なのに痛い。けど、現実だとしたらそんなに痛くない。
ほっぺを思いっきりつねって感じる痛みは、何か痛い様な気がする。そんな微々たる痛みだった。
痛い事は痛いんだけど、果たして現実ならこの程度の痛みで済むだろうか?
A,済まない。
ならこれは?
A,痛い夢。
そう、これは色んな意味で痛い夢。俺はそうFAを出した。
だったら良いや。起きれないのは疲れてるからで、起きる時間になったら身体の方で勝手に起きてくれるだろう。
別に、早起きしなきゃならない事もない。と、いうか、ホントは起きたくない。起きても辛いだけだし…
と、いう訳で、俺は夢の続きを見る事にした。



俺がよそ事考えてるのも、お構いなしで王様は説明に勤しんでいた。
全く、聞く気などないのに、内容がちゃんと頭に入っているのはやはり夢だからだろう。ちなみに話をまとめるとこう。

・この国の勇者オルテガが魔王バラモス討伐の旅に出たが、現在行方不明
・一年前、その息子が父を追って旅に出たが、彼も行方不明
・このままでは世界がバラモスによって滅ぼされてしまう
・何か策は無いものか…
・そうだ、書物庫の伝記とかその辺漁って考えよう
・お、何かいわくありげな古書発見
・なになに?異界の悪魔の召還術?
・こりゃ良いや、そいつにバラモス倒して貰おう、そうしよう

で、呼ばれたのが俺らしい。なんという浅はかさ…
出てきたのが、俺で良かったな。違う悪魔呼んでたら、エライ事になってたぞ。
まあ、その話はまた違うナンバリングの話なんだけど。
「そなたのその魔眼。まさに伝説の悪魔に相違ない。
悪魔よ。契約に従い、魔王バラモスを打つのじゃ。ゆけッ勇者よ!(キリッ」
うるせぇよ。何が悪魔だ。余計なお世話だ。悪魔なのか勇者なのかどっちなんだよ。
こっちは失恋して傷心中だと言うのに、この身勝手な言い草。毒づきたくもなる。
それにしても、何という厨ニ設定。俺の深層心理には勇者願望があるという事なのか?
なら3代目とか言わないで、初代勇者をやればいいのに、夢なんだから。
ああ、我ながら、悲しくなる程の小心者だ。俺って、結局こういう奴なんだよな。
控え目で表に出れない引っ込み思案なタイプ。その癖、顔だけは恐いもんだから、皆に誤解されて……
だから、櫛枝にも相手にされないんだ……
失恋直後という事も手伝って、滅茶苦茶鬱入ってる俺がいる。



と、言う訳で、全くやる気が出ないが、とりあえず。

−1日目−

正直、1日目とか言ってるが何日続くかわからない。目が醒めたらそこで終了。だってこれ夢だし。
けど、まあせっかくだから、見れるとこまで見てやろうと思う。
クドいようだけど、起きた所で、俺には辛い現実しか待ってないのだ。
勇者りゅうじ。つまり、俺の冒険は概ね順調だった。
王様から貰った支度金で購入した、こんぼうと旅人の服の序ユニクロセットに身をやつし、薬草を貪りながらカラスやウサギイジメに精を出している。
幼気な動物を虐げる趣味は持ち合わせてないが、こんなデカいカラスや角生えたウサギが居てたまるか。
なので、別に問題ない。これはどう見てもモンスター。自分の良心にそう言い聞かせる。
そして、仲間は居ない。酒場で仲間と出会える事は当然知ってる。
けど、正直、今は誰とも会いたくない。誰とも話たくない。そんな気分なのだ。
俺は孤独な勇者。ロンリージョー。仲間なんて要らない。必要ない。
独りで狩ってるだけあって、レベルも順調に上がっている。なんせ経験値は4倍。
もうレベル7だ…と思う。はっきり断言は出来ない。多分7くらい。多分。
そして、ちょっと調子に乗ってしまった。次に気づいた時、俺は王様の前で正座させられ説教されていた。
「おお、りゅうじよ。しんでしまうとは情けない。」
お前を召還するのに、どんだけG掛かった思う?だの、蛇のスープと蛙の干物じゃ不満か?だの、
ネチネチクドクド説教された。うるせぇよ。知るか。不満に決まってるだろ、そんなの。
しかしながら、俺にも反省すべき点はある様に思う。
レベル7だし、いっかくウサギ位楽勝と思ったのが良くなかった。夜暗くて良く見えてなかったのがもっと良くなかった。
今にして思えば、奴はアルミラージだったんじゃ?奴の赤い目を見た瞬間、急に眠くなって、気がついたら、このザマだ。
何で、夢の中で眠くなるんだ?理不尽だ。1対3でラリホーなんて理不尽だ。


やっぱり1人旅は辛い。明日、酒場で仲間作ろう。
格好つけて、ロンリージョーとか言ったけど、ごめん。アレは忘れて欲しい。
王様の愚痴を右から左に流しつつ、俺はそんな事を考えていた。
しかし、聞く気は無いのに、内容はしっかりと頭に入ってくる。くそ。何て嫌なシステムなんだ。

−2日目−

「出会いと別れの静代の酒場へようこそ。」
仲間を求めて、酒場へと入った俺を迎えてくれたのは静代と名乗るママだった。
あれ?ルイーダの酒場じゃないの?
静代に聞いてみるとルイーダはオーナーの意向で新オープンしたお好み焼き店に転勤になったらしい。
この世界にお好み焼きがあるのか?とか思ったが、考えたら負けかな?とも思う。気にしない事にした。
「あの、仲間が欲しいんですけど…」
「あ、はいはい。出会いをお求めですね?じゃあ、この中から気に入った子指名してちょうだい。
あ、3人までね。それ以上はダメよ?」
静代が差し出したリストにはこう記されていた。

・うおのめ おとこ けんじゃ
・もりそば おとこ ぶとうか
・かをる おとこ せんし
・たいが おんな とうぞく
・みのり おんな ぶとうか
・あみ おんな あそびにん
「……………」
うおのめ、いきなり賢者かよ。チート乙。
いやいやいや、そこじゃない。そこじゃなくて、女子3人の名前が非常に気になる。
…だよな?これはそうだよな?本人か?本人なのか?
いやいや、これは俺の夢の筈。だったらそれは俺の中のあいつらじゃないか?
もしかしたら、同名の別人という可能性もある。会いたくない。あいつら2人は良い。別に良い。
ただ、女武闘家の顔は見たくない。本人なら見たくない。どんな顔すれば良いかわからない。気まずい。
でも、本人じゃないなら。あくまで、夢の中の櫛枝なら、会いたい。顔を見たい。
現実の世界じゃ、きっともうあの笑顔は二度と見れないと思う。だから、せめて、夢の中でくらい櫛枝の笑顔がみたい。


俺は静代に3人の名を告げた。
「うふふ。女の子3人ね。欲張りさん☆皆、可愛い娘だわよ。
呼んでくるから、ちょっと待っててくれるかしら?」
期待して待っててね〜〜
静代はそう言い残して、店の二階へと消えていった。
鬼が出るか蛇が出るか。
待つこと少々。あ〜不安だ。もし、櫛枝が会うなり俺を避けたらどうしよう…
そんな事されたら、俺はきっと立ち直れない。きっと、冒険の書がお気の毒な事になるだろう。
ああ、不安だ、心配だ、億劫だ。
「うるさいんだ、ばかちーは。ばーか。ばーか。」
「ふざけんなよ、チビとら。ばーか。ばーか。」
「まあまあ、2人とも、いいじゃん。こまけぇこたぁいいんだよ。」
「「細かくない!!」」
階段から聞こえてくるのは、普段の聞き慣れた声。そして会話。
ああ、櫛枝だ。あれは以前の櫛枝だ。大河と川嶋のアホな喧嘩を健気に仲裁する櫛枝だ、ああ櫛枝だ、櫛枝だ。
夢の中だって良い。俺は、以前と変わらぬマイスウィートエンジェルを見る事が出来て嬉しかった。
ホントに嬉しかった。感無量だ。
「はーい。おまたせ。女の子3人連れて来たわよ〜」
静代+見知った3名が階段を降りてきた。
「両手に花でも1人空いちゃうわね。幸せものだねお兄さん」
静代は下世話な事を言ってカウンターへと戻って行った。
「おお、高須君が勇者様かい?よろしくね。わたしは実乃梨、見た通りの武闘家だ。」
さっと差し出される櫛枝の左手。え?握手?良いの?うわ〜い。櫛枝の手だぁ〜や〜らか〜いなぁ〜
でも夢…なんだよな、これ。ああ、現実でも櫛枝の手を握ってみたかった。
「大河。てか竜児相手に今更、自己紹介も無いでしょ。」
「亜美。バラモス倒すとか、冗談きっついわ〜。そんなアホな旅にあたしを呼ばないでくれる?」
「「ふん」」
2人は息ぴったりのタイミングで、お互い背を向ける形にそっぽを向いた。
………。失敗した。どうせなら櫛枝との2人旅にすりゃ良かった。
やっぱ、2人っきりは気マズイかな〜とか思っちゃった俺のバカバカ。夢なら何とでもなったろうに……


ゆ 武 盗 遊
戦力的にバランスがよろしくないパーティーは、チームワークまで最悪だった。
まず、盗賊は不機嫌がデフォ。理由はこうだ。
「何で私が盗賊なんだ。」
何でも、寝てたら滝の夢を見て、滝の質問に答えたら、
『あなたはおっちょこちょいな盗賊です。』
と、一方的に言い渡されたらしい。滝に職業選択の自由を侵害された、と大河はえらく憤慨している。
そして、遊び人も不機嫌。一応、理由を聞いてみたところ、
「ハワイを貸切って休暇を満喫していたと思ったら、いきなり酒場に連行された。
あ、ちなみに高須君はあたしの召使いだったよ。」
と、意味の解らん事を言われた。
そして、武闘家。櫛枝はいつも通りに笑顔で、俺の唯一のオアシス。
だと思ってた。思ってたんだけど、櫛枝まで意味の解らん事を言い出した。
「私は、これから香港で開催される櫛枝リサイタルのツアーに行く筈だったんだけど…
あ、夢の話ね。コレ。そんな夢見てたと思ったら、気づいたら酒場に居てさー
多分、これって夢の続きなんだろうけど…
で、大河とあーみんが対立してるのは、これは誰の夢?って事でさ。
お互いに、これは自分の夢だ。お前なんか呼んだ覚えはない。私の夢から出てけ!!…ってさ。
謙らない訳よ。私は別に誰の夢だって構わないと思うんだよね。
細かい事は気にしないで、皆で仲良く楽しめばさ。」
いや…細かくは無いだろ。え?てか、これって俺の夢じゃないの?
「なんだい高須君まで。誰の夢だって良いじゃん。」
いや、そこは結構大事だろ……だいたい、もしこれが、他人の夢だとしたら、俺の思考及び人格、ひいては存在そのものが問われてくる。
それに、俺は俺しか知りえない俺の情報を知っている。だから、これが他人の中の俺だとは思えない。
「いや、それなら私だって。私だって私しか知らない事知ってるよ?
他人が私のこんな事やあんな事まで知ってるとは思わない。」


櫛枝のあんな事やこんな事?ゴクリ……いやいや、スケベ心出してる場合じゃない。
これはかなり重要な話だ。己のアイデンティティーに関わってくる超重大事項。
なるほど…奴ら譲らない筈だ。どうせ、またしょうもない小競り合いしてるんだろうと思ったが、
こんなスケールのデカイ争いをしていたとは……こりゃバラモスどころじゃねぇぞ。
だって、これが誰かの夢だとしたら、本物の俺は別に居る訳だ。つまり俺は偽物の俺。
夢見てる誰かさんが目覚めちまったら、偽物の俺はどうなる?
A,消えるね、100%。
流石、櫛枝は大物だよな。櫛枝だってその事に気づいてない訳じゃないだろうに。
「大物?別にそんな事ないよ。それに私はこれが高須君の夢なら、それで構わんよ。」
なんで?
「そりゃ君が勇者だからさ。」
櫛枝の悩殺ウインクが俺の心に突き刺さった。きゅうしょにあたった。こうかはばつぐんだ。

かくて、己の存在という壮大なテーマを個々に抱えた新生パーティーの冒険は始まった。
俺だけレベル7という事で、皆よりちょっと強い。パーティーの反応はそれぞれ違った。
「おお!!やるな高須君。私もあやかりたいぜ〜」
「竜児だけズルイ。私にも強い武器買って」
「高須君に戦闘は任せた。てか、亜美ちゃん戦わないよ?
この美肌に傷でもついたら、どうしてくれんのさ?責任。取ってくれんの?
あ、でも戦わないけど装備は買ってね☆」
どれが誰のコメントか、いちいち言うのも億劫だ。
ロマリアに着く頃には、パーティーの戦力がハッキリした。
結論、俺と櫛枝しか戦えない。
川嶋の奴は、前述の通り、身を守るか、ようすを見るか。とにかく戦わない。
そして、大河は強い事は強いのだが、やたら転ける。とにかく転ける。そして、ターンを無駄遣いし、やたらピンチを招く。
おかげで、薬草が尽きてしまった。でも、ほっとくと死んじゃうだろうし。流石に、大河を見殺しにする訳にはいかない。
言うまでもなく、大河>>>薬草だから、俺だって薬草が惜しいとは思わない。
ただ、薬草を戦闘中に使用するターン消費がMOTTAINAI。端的に言えば、川嶋が薬草係してくれりゃ、話は早いのに……


はぁ……。レベル上げよ。もうちょっとレベル上げなきゃ話にならない。
ただ、もう今日は日が暮れそうだ。夜の狩りは危険だ。苦い思い出が、トラウマが蘇る。
と、いう訳で、今日は冒険の書に記録してから休む事にする。

・ぼうけんのしょ1 りゅうじ

え?これって今日あった事、全部、洗いざらい書かなきゃダメなの?
神に隠し事はなりませんよ……たって……いや、わかりました。わかりましたよ。書きます。書きますから。
教会のサービス停止とか恐ろしい事言わんで下さい。
えぇと、今日は実は、川嶋の身体に16回みとれてしまいました。あのスタイルでバニースーツは反則だと思います。
川嶋+網タイツが最強だという公式が俺の中で確立しました。
正直、賢者に転職させる気になれません。
いや、櫛枝の事ももちろん好きです。彼女の武闘着姿も、そそるものがありました。
神よ、こんな罪深い私をお許し下さい。まる。



PS。ナジミの塔の盗賊の鍵。先代勇者が持って行ってて無かった(涙)
先着100名様の卵が買えなかった時と同じ位悲しかった。(大泣き)




245 勇者の代わりに竜児が(ry ◆NHANLpZdug sage 2009/12/07(月) 23:10:05 ID:+5dvNcGp
オワリダヨー
バラモス倒せるかどうか解らないけど、良かったら見てあげて下さいね。
ドラクエなんて知らないって人は勘弁してね。
正直、3は名作だからぜひプレイして欲しい。

236 勇者の代わりに竜児が(ry ◆NHANLpZdug sage 2009/12/07(月) 23:00:25 ID:+5dvNcGp
「勇者の代わりにバラモス倒しに行くことになった」
#xLM.氏さん、勝手にパロってゴメンね。許してね。

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