最終更新: text_filing 2010年04月11日(日) 02:21:36履歴
83 ◆KARsW3gC4M sage 2010/04/07(水) 22:25:48 ID:NIsxrwum
[Lovers.-How you like me now-(後編)]
陽が落ちて真っ暗な部屋の中で聞こえるのは俺達の息遣いだけ…。
上半身を起こした俺は仰向けで寝転がる実乃梨の姿に魅入られていた。
乱れた着衣を正すこともなく、紅潮した顔をし…トロンと蕩けた瞳はウルウルと俺を見詰める。
庇護欲と加虐心、相反する二つの感情をくすぐられる仕草。溢れる生唾を飲み込んで右手をそっと彼女の頬へ……。
触れた一瞬、ピクンと彼女は身体を強張らせ……すぐに力を抜いて瞳を閉じる。
俺達の間に会話は無い、何だろうな…言葉を発しなくても心で繋がっているとでも言えばいいか。
もっといい例えで言うならアイコンタクトで…だ。
俺は枕の下に手を突っ込みある物を探る。
「りゅーじきゅんは準備がいいねぇ」
すぐに見つかったソレを見て実乃梨はクスッと笑う。
それは俺が用意した訳じゃない、どういう事か大河がくれた。
『アンタ、明日にでもみのりんに下心丸出しで襲いかかりそう。これだから万年発情期の駄犬は……。
危険だから去勢しておこうかとも考えたけど…ふん…それはあんまりよね?
まあ…元・飼い主として親友の為に、よ。勘違いするな』
とか何とか言いながら俺にコンドームを一つ放ってきたのだ、かれこれ二か月前に。
アイツはアイツなりに協力してくれたのだろう、だから実乃梨が来る日は必ず枕の下に忍ばせておいた。
俺達の年齢で行為をするなら用意しておくのが当たり前、彼女を傷付けたくはないから。
「おぅ…まあ…えっと…」
「ふふふ…それ貸してよ」
緊張でしどろもどろになった俺を見て実乃梨は右手を伸ばす。
コンドームを受け取った彼女はためらいなく包装を開ける。
「りゅーじきゅんは緊張でガチガチだぁ…ここは一つみのりんが着けちゃろう」
「お、おぅ…」
そう受け答えして彼女は身体を起こして相対して座る、そして身を乗り出して俺の股間を覗き込む。
「えっと確か…こうやってだ…うーんあれ? うりゃあっ…ありゃ?」
そしてムスコにコンドームを着けようとするがなかなか上手くいかない、どういうわけか巻き下ろせないのだ。
「あー…ああ、これ逆だ多分、めんごめんご」
彼女はそう呟くとコンドームを裏返す、そして再びムスコと格闘する。
「ぅおうっ…!」
指先が薄膜を被せようと蠢く…人差し指が親指が薬指が中指が…小指が…。
十指が揉むように…扱くように…敏感な部分で蠢く、その淡い刺激に背筋をゾクッとした震えが走る。
ムスコを徐々に覆っていくコンドームの感触は締め付けられるように微妙に痛い…こんなもんなのか?
「うーん上手くいかないねぇ…引っ掛かってる? ん…ちょっと我慢してね?」
俺の股間の間に跪いた実乃梨の姿を見ながら感慨深くそう考えていると、彼女はそう言って……。
「せーの…うりゃあっ!!」
と掛け声と共に力を込めて人差し指と親指で作った輪でコンドームを押し下げる…遠慮無しに思いっきり…な。
『にゅるん…ピリッ』と『グキッ!』という音が俺の股間から響く…。
「いっってぇっっっっ!!!」
『そんな乱暴にしないでっ!!』と俺は心の中で絶叫して悶絶する。
「おぅいえ〜…破けちゃったい、って…おおぉっと!? 大丈夫かりゅーじくんっ!!」
プルプルと震えながら脂汗を垂らして悶絶する俺を見て実乃梨は慌ててムスコから手を離す。
「お、お…おぅだ…いじょ…うぶ」
そう言うのが精一杯、そんな姿を見て彼女は恐る恐るムスコを撫でる。
「ごめんよぅ、痛かったよね…うぅ…あうぅ…その…なんてか…まさかこんな事になるなんて…みたいな?」
「いや…お…ぅ、あ…ってぇ…気にするな…あぐ…」
俺は無理な力が掛かって鈍痛が走る根元を擦りつつ彼女に目を向ける、すると心配そうな表情をし頂垂れている実乃梨が居た。
「あーえっと…ん、そのうち痛みは取れるぞ、多分…」
『そんな顔はするな、俺はお前の笑顔を見ていたい』
そう紡ぐ代わりに頭を撫でる、二度…三度と。
「…ちょっと調子にのってた、恥かしい…からさテンション上げて……乗り切ろうとして…それにりゅーじくんと"大切な事"をするから舞い上がっていて…」
シュンと落ち込みポツリポツリと呟く、これは今日は何も出来そうにない。
だが収穫が無かったわけじゃない、二歩…いや三歩は前進した。満足したと言えば嘘になるが…。
「いいって…もういいから、ほらこっちに来い」
そう言って実乃梨を抱き寄せて頬を寄せる、こうするだけで幸せじゃねぇか…今日はこれでいい、次の機会だってあるさ。
実乃梨は無言で頬を擦り寄せてムスコから背中に手を動かして抱き付いてくる。
そのままジッと動かず俺に身を委ねていた、だが数分もすると実乃梨は顔を上げ決意を秘めた目差しで俺を見詰めて震える唇で紡いでくれる。
「もし…もしだけど、りゅーじくんのおちんちんが大丈夫なら、だけど…………このまましてみる? ……セックス」
と…。
「あー、いや…気持ちは嬉しいんだがゴムはさっきの一つしかねぇんだよ、だから………」
まだ多少は痛みが残っているが激しくしなければ行為も出来そうだ、だが避妊が出来ない。
何度でも言ってやる俺は彼女を傷付けたくない…だからそれだけはしっかりしておきたい。
「いいよ……」
僅かに俯いた実乃梨がそう囁き…
「初めてくらいは、さ…このまましても……いいよ、ん…それにここで止めたら治まんないよ…お互いに」
左腕を俺の首に回して抱きつき、ゆっくり腰を上げていく…。
「りゅーじくんが何を言っても私は…やめない、ちょっとだけ冒険しよう?」
俺は何も言えずに彼女の紡ぐ言葉に身体の自由を奪われる、頭の中では自制しようと足掻いていても…身体は……。
「んぅ…ふ、はっ…はっ……しちゃうよ? りゅーじくんが嫌じゃなかったら……本当にしちゃうか…ら」
彼女は右手で裂けたコンドームを外してムスコを指で摘み、熱く潤った秘部に触れる寸前まで腰を降ろす。
「…冒険してみるか」
大層な事を宣っていても実のところ俺には『止める』という選択肢は欠片も残ってはいない、彼女の勢いに『流された』のではない。
本当はしたくてしたくて仕方無くて…でもカッコつけていただけ、心の奥底では実乃梨にそう言われるのを期待していたのだ。
だからあっさりと心変わり。
それに好きだから…愛しているから見てみたい事、感じたい事、共有したい感情がある。 過ちを恐れているだけじゃ先には進めない。
もちろん避妊をするわけじゃないから細心の注意は払う、確率が減るように…、せめてそれくらいはいいよな。
俺が返した言葉を聞いて実乃梨が屈託の無い笑顔で笑った後、ムスコの先が膣口に触れる。
「ん…んくっ、はあぁ…ふっ…う。あっ…ひぅっ…っっ…く!」
彼女は大きく息を吐きながら体重を掛けてゆっくりゆっくり腰を沈めていく、ムスコの先に熱くてヌルッとした感触…。
「はあ…はあ……、くぅっ! ったぁ……は…う……うくっ」
次にムスコの頭が圧迫感を覚え、微かに痛いような気持ち良いような不思議な感触に包まれる。
彼女は痛みに耐えながら喘ぐ、徐々に圧迫感が強くなりギチギチに締め付けられる感覚と共に俺は腰から震えが走る。
実乃梨の体温、質感、質量…それらを直に味わっている歓喜の震えだ。先程に食らった痛みは微かに残っているが気にならない…それほど興奮している。
挿入ていく時に感じた『痛み』は実乃梨の身体に力が入っているからだと気付く、だからギチギチに締め付けられている。
既に右手はムスコから俺の首に回され両腕で身体を支えながらギュッと抱き付いている。
浮かれた気分でもどこか冷静な自分の姿に少しおかしくなってしまう、ムスコの半分は膣内に挿入り総毛立つ快感に全身を浸蝕されていく。
「いったぁ…、すぅ……んくっ……んんっ!!!」
そう実乃梨がこぼして息を吸い込んで一気に腰を沈めた。
狭くて柔肉で押し返されそうに締まった膣内へヌルンと受入れられて俺はビクッと身体を硬直させる。
実乃梨が微かに呻いて背中に爪を立てる、相当痛いらしい…だからこう問い掛ける。
「お、おぅ…痛いだろ大丈夫か、よ」
使い古されたテンプレートな一言、だがそれ以外に掛ける言葉が思い付かない。
そして次の瞬間に俺は息を飲んでしまう、彼女は痛みに涙することなく苦悶の表情を浮かべて唇を噛んでいるから。
「めっっっちゃくちゃ痛い!! くぅっ…裂けそう…てか裂けてる? は…う……初めてなんだから痛いに決まってるさ!」
立てた爪を更に食い込ませて彼女は大きな声でそう言った後、俺を上目遣いで見詰めてこう続ける。
「でも……幸せなんだよぅ、りゅーじくんと"繋がっている"って実感出来るから。
くふっ……だから頑張れる、勇気を出せる」
そう紡ぎ終えると彼女は緩慢な動きで腰を前後させ始める、熱く蕩けた膣肉で俺を絡め取っていく。
彼女の言葉に感動し胸が熱くなる、俺は幸せ者だ…こんなに愛されている。
「はっ…は……はぁは…、くふぅう……っ!」
狭まった膣壁をグリグリと擦り付けて彼女は自身の『味』を俺に刻んでいく、結合部から鳴る水音が妙に生々しくて…腰砕けになりそうな快感に興奮して絆されていく。
初体験は男がリードするべきなんだろうな…でも俺は実乃梨の想いを尊重して全てを委ねる。
「うあっ……んっ…っ、ひぅう……」
ギュッと胸を…腰を…全身を押し付けてくる彼女の首筋に軽く吸い付いてみる、するとキュッと更に締められてすぐに弛緩して…。
それは新たに教わった実乃梨の『味』…病み付きになりそうな甘い刺激。
「んあ、はあは…あ……んくっ! あっ…ひあっあっ…あ」
途中休みを挟みつつ彼女は腰を振る、時折ムスコが抜け出そうになるとまた奥まで挿入直して……首を少しだけのけ反らせる。
優しく甘く強烈な快楽に融解されて汗ばんでいく…控え目に動いてもこんなに気持ち良いとは思わなかった。
前後左右から膣壁で押され絡み付く愛液と柔肉の感触に陶酔してしまいそうな痺れに絆される、だから自然と俺も腰を揺すってしまう。
こんな事を覚えたら誰でも安くない金を出してでもしたくなる、そんなヤツに嫌悪感を抱いてもいた…だけど今なら少しは共感できる気もする。
すげぇよ…すげぇな……そりゃあハマっちまうよ……。
「はふ…っ、ちょっぴり……気持ちよくなってきた…かも、痛気持ちいい…みたいな。お腹の中がトロンってしてビリビリしちゃう……、くふぅんっ…。
"りゅーじくんは気持ち……ひぅっ…いい?" 」
そう彼女は甘い吐息を漏らしながら耳元で囁く、頬を擦り寄せて肩で息をしてブルッと一回身震いする。
「気持ちいい…な、正直…ビックリしている。その…言いにくいんだけどよぅ……クセになっちまいそうだ」
「ふふ〜♪ そう言って貰えたら痛いのを我慢した甲斐があったね。
……ねぇ? "好き"って言って?」
甘えた声でそうおねだりされて断れるヤツなんて居ない、ましてや愛しい彼女に言われたら嫌なわけない。
「実乃梨の事が好きだっ」
「んんっ…もう一回」
「好きだ、大好きだ」
「もう一回…」
「愛してるぞ…俺は幸せ者だ」
そうやり取りすると彼女は額をコツンと俺に合わせて首を僅かにかしげて嬉しそうに微笑む。
「嬉しい…な、ふふぅ♪ やっば…顔がニヤけちゃう」
俺の言葉に喜びを顕にする彼女は可愛い、とてつもない破壊力を秘めている。
恐らく実乃梨はこの甘える姿を誰にも晒さない親にも兄弟にも友人にも……そういった人達には天真爛漫な姿しか見せない。
こんなに可愛い姿は『俺だけ』にしか見せてくれない、たった一人で独占出来るのだと想うと感無量で同時に『サカリ』が余計についてしまう。
もっと甘えん坊な仕草を見て蕩けた声で啼かせてみたい、荒々しく情熱的に交わってそんな『実乃梨』を引き出して征服したい。
そんな欲求が生まれて…理性の糸がチリチリとほつれていく。
でも初体験でそんな欲望に身を任せた醜態を曝したくないという気持ちがどこかで引っ掛かっていて…。
このまま時間が経つのを忘れるくらい永い時間を掛けて二人で溶け合うのも魅力的、そうするのが彼女が望む交わりなのだろうか…。
「なあ実乃梨、俺も…お前を気持ちよくさせてやりたい…どういった事をして欲しい?」
だから思い切って訪ねてみる、独りよがりな事をして俺は満足するかもしれないけど彼女は興醒めする可能性だってある。
この密で濃い一時をただの一秒でも永く過ごして『りゅーじくんとして良かった』と想えるようにしてやりたい。
痛みを堪えて俺を引っ張ってくれた彼女に対する精一杯の『恩返し』はそういう愛情で届けたい。
俺がこの欲求と理性の狭間で瞬時に引き出せる答はそれしかなくて、同時に最善で最大の愛情表現だと思うんだ。
「んぅう…じゃありゅーじきゅんに動いて貰おうか、な? 私じゃ上手く出来ないし……」
口元を右手で隠して彼女は恥かしそうにそう言って一拍を置き、更に続ける。
「強く抱き締めてキスして……いっぱい"好き"って言って貰って……優しくして欲しい…………なんちゃって、はは」
望みを俺に伝えた後、照れ隠しなのか実乃梨は背中に立てた爪に僅かに力を入れて笑う。
「おぅわかった…しっかり捕まっておけよ??」
俺は彼女を繋がったまま布団の上に寝かしつかせて覆い被さる、いや…抱き付く彼女に引かれるまま組み伏せる…が正解かもしれない。
「りゅーじくん…ん、あ……いいよっ……来て?」
彼女が両手を広げて俺の頭を抱き抱えておねだり。
俺は堪らず彼女の柔らかい唇を貪る、舌で抉じ開けて遠慮無しに蹂躙していく。
「んむぅ〜、んぅっう! ひゃふ……あっ……ちゅぷっ」
彼女が侵入してきた俺を引き寄せてやらしく絡み付いてくる、鼻息荒く戯れる。
とりあえず挿入るところまでムスコを挿入てゆっくり膣内を掻き回してみるとビクンと実乃梨が跳ねる、一回軽く突き上げると艶のある声で啼く。
「っくふ…ぴちゃ…ちゅくっ……ふぅっ…ん、んっ! んっ!」
一回、二回と緩く突いてみると彼女は身悶えし、その毎に口付けが止まり少し間を開けて恐る恐る舌をしゃぶる。
このくらいなら痛くはないようだ、もしかして痩我慢をしていたのかと勘ぐってみたけど…この反応なら大丈夫そうだ。
実乃梨はシーツをギュッと掴んで俺の抽送に喘ぐ、押し殺した呻きに近くてそれでも漏れる艶声が淫らで…。
侵入を拒むように狭まった膣内を優しく貫く、離したくないと絡み付く柔肉から強引に引き抜く…。
ゾクゾクとムスコから腰、そして背中から巡って惚けそうな痺れに身体が火照って堪らず残った制服を脱ぎ捨てる。
複雑に入り組んだ『実乃梨』に翻弄されてドキドキし、漂う女の匂いに刺激されてムラムラ…。
「はあはあ……はふ…っん! りゅーじくん…りゅーじくん……だ、めぇ…力入んなぁ……あんっ!」
唇を離してツツッと唾液の橋が二人の間に渡る姿、次第に無防備なトロントロンに蕩けた顔を見せるようになった彼女…俺の興奮は頂点に向かって突進む。
短い感覚でコツコツ…彼女の一番奥を小突いてキュウッッと締められる感触を得て、思い切って力一杯突き当てる。
「う…ぅコレ……痛くないか?」
芯があるような弾力とムスコの先を包む柔らかさ、この二つの腰砕けになる快感を与えてくれる部分…。
それは恐らく子宮なのだろう、そこへ何回もノックしながら彼女に問い掛ける。
「ううん…大丈夫。あ、あのね……もっと…して…」
熱に浮かされてウットリした表情で返し、フトモモで脇腹を挟む。
「もっと色々してみよう? りゅーじくんが"気持ちいいやり方"とか…でセックスしてみよう。
りゅーじくんが気持ちよかったら私も気持ちいいし…」
喉がカラカラに乾いて言葉が出ず何度も頷き返す事しか出来ない。
唾を飲み込んでも潤せず、数回咳払いするとなんとか一言発せれた。
「おぅ…少し強めに…してみる」
「おぅよ〜、んあ♪」
子宮をムスコで撫でる、ねっとりねっとり焦らして円掻きするのはちょっと意地悪。
こうすると彼女の高ぶりに合わせて心地よく揉まれ熱い愛液の海を堪能出来るからだ…。
口内で愛撫されたらこんな感じなのだろうか、繋がっているのに別の行為への興味が沸いてふと舌の這う感触を思い出して身震いする。
「ふあっあっ!! ひあっ…ん、んんぅっ…あひっ」
駄目だ今は彼女との交わりに集中しないと…とブルッと一回頭を振ってガツガツ強く貫く。
両手を彼女と合せ、しっかり指を絡ませて繋いで俺達は一心不乱にお互いを求める。
「あ…ぅ、あはっ…あんっ、あっ、あっ!!」
彼女が大きく喘ぎ口元を一筋の唾液が伝う、それを舐め取ってそのまま首筋にも舌を這わせる。
ギシギシ…ベッドが軋む激しい営みでシーツが乱れ、額から球のような汗が彼女に落ちる、ムスコに膣肉が隙間無く喰い付きうねったヒダが擦れる。
彼女の膣内から引き抜く際に伴う痺れに腰が砕け、火照った体温に溶かされ…ジンジンと疼く。
高まりつつある欲求に抽送は激しくなっていく、そうでなくても激しく求めてしまっていただろう。
天秤に載せた愛情が性欲にほんの少し負け、気遣う気持ちを欲望が覆い隠す。
純潔を捧げてくれた実乃梨に痛みを与えたくない…そんな気遣いを忘れたように獣の交尾さながらに突いて突いて…。
それは彼女が『気持ちいい』 『好きなようにして』と言ってくれたから、だから…と言い訳して自分に言い聞かせている。
そう…必死なのだ、傍目から見れば無様だろう…でも本能には勝てない。
肉欲が理性に勝てるかよ、惚れた女を抱いていたら夢中になる当たり前だ。
僅かに上体をのけ反らせた実乃梨は憂いた表情で俺を一望してすぐに恥かしそうに顔を背ける。
それが『何を表しているか』は今の俺には分からない、ただ…凄くそそられる。
「っく…うぅっ…はっ! はあ…はっ! み、みの…りぃっ」
鋭くなった感覚は敏感になっているムスコを暴走させて膣内で跳ねさせる、ああ…もう駄目だ。もう…射そう…。
自分が早漏なのか遅漏なのかはたまた正常なのかなんて知らないが、この実乃梨の表情を見て欲求は頂点に達する。
込み上げてくる射精感に意識を手放そうとする、だがそこで冷静になる。
このまま果ててしまえたら…しかしそれは駄目だろ、ああでも…いつムスコを引っ込抜きゃいいんだよ? 達する直前、それとも今、もしかしたら既に遅い??
ああ…分からねぇ分かんねぇよ考えが定まらない、気持ちいいしイくのを我慢するのに気を取られて……。
でも激しく抽送するのを止められないのは雄の性で、こうして迷っている間にも限界は近付く。
「く…うぅ! みにょりぃ…イき…そっ」
彼女の頭を抱き抱えて耳元でそう囁く、迷っている気持ちを彼女に察して貰いたいのか達する許可を得たいのか…自分でも分からない。
「あっ! い、あ…あっ! いいよっ…ぅ!」
彼女が何回も頷いてくれたのを見て俺は更に荒々しく蹂躙する、欲望を放つギリギリの一瞬まで求めていたい…だけど万が一を考えて早々に膣内から慌ててムスコを抜き取る。
「っう…は…あ…あく…は!」
蕩けて乱れた呼吸で纏わりつく愛液を絡めながらムスコを掻く、その様をチラッと実乃梨が盗み見て…恥かしい、が今さら…。
だが落ち着いて考えたら彼女に自慰を見せつけているようなもんだよな、もう達する一歩手前という状況じゃなければ絶対にしない。
そ、そうだ! おぅ…何処に射精すりゃいいんだ? 焦りつつ辺りを伺う、このまま彼女の下腹部へ…いやいや制服にまで飛びそう。
じゃあティッシュの中へ……お、おぉう何処にあるんだよ見つからねぇ! 自分の手の平の中? それとも…ゴクリ……実乃梨の口の中へっ!!
いやいやそれこそ駄目だろ色々と! あああどうしよう!
くそっやっぱり実乃梨のく…じゃなくて恥丘か…いやしかし経験上制服とか布に付着した精液は拭き取りにくい、陰毛もしかり!
「あーえっと…りゅーじきゅん??」
「お、おぅ!?」
あまり長々とほっとかれた実乃梨は不満気に俺を呼ぶ、その声に我に返ると………ムスコが萎えた。
『興醒めした』とかじゃない自分でも何故ムスコが萎縮していくのか理解出来ないのだ。
「おちんちん…ちっちゃくなっちゃった」
俺の顔とムスコを交互にチラリチラリと見比べ実乃梨がそう呟く。
「す、すまん……これはつまり…決して実乃梨の身体が気持ちよくなかった訳じゃなくてだな……」
身を起こしてうなだれる俺の顔を斜め下からジーッと覗き込んだまま彼女は口を開く。
「んふふ〜解ってるぜよ、実乃梨しゃんはそれくらいお見通しさ〜つまり、ね」
チッチッチと人差し指を左右に振って実乃梨はビシッと俺を指指す。
「りゅーじきゅん! ずばりキミは疲れてるんだっ!!」
『どや? 正解やろ、ふふん』といった感じの勝ち誇った顔で見詰められる。
「人って疲れていると本領を発揮出来ないんだよ、新陳代謝も崩れるし、うんきっとそうだ!
ほら今日の体育の時間にやたら張り切っていたじゃん? 凄く頑張り過ぎて自分が思っているより身体が疲れとるんじゃよ!」
「お、おぅ…俺って疲れてるのか?」
捲し立てるように一気に彼女はそう言う、途中からそれが『気遣い』だと気付いて更にヘコむ。
「あ………あっと…そうだ! そうだよ! ワッハッハッ…ハ」
快活に笑い頬を人差し指でグリグリと押してみても反応がイマイチな俺を見て実乃梨もションボリする。
「んん…りゅーじくん落ち込まないでよぅ、今日はたまたまだってそういう日だったんだよ。
次の……た、例えばだけど明日のバイトが終わったらまた"セックス"みたり? とか…ねっ?」
両手で頬を擦られ、俺の目に飛び込んだのは実乃梨の申し訳なさそうな顔、無理して作った笑みを浮かべている。
「だな…たまたまなんだよな、次の機会に…また」
こんな顔をされたら困る、心配されるのが心苦しくて堪らない、だが凄く嬉しくて墜ちた気持ちが浮上していく。
「そうそう! この一回で終わりってわけじゃないんだから次に賭けようよ」
安心したのか二カッと太陽を彷彿させる笑顔で彼女が紡いでくれて俺はホッとする。
二人して乱れた着衣をいそいそと正したり、秘部の汚れをティッシュで拭って…なんだろうこの寂しい感じは…。
「まあまあこっちにおいでりゅーじきゅん、みにょりんお姉さんが慰めちゃろう」
始末が済んで実乃梨が正座してポンポンと膝を叩く、つまり膝頭をしてくれるのだろう。
もちろん俺は断ることなく彼女の柔らかい膝に頭を載せて目を閉じる。
「途中まで痛かったけど…最後の方はマジでっ! …気持ちよかったよ」
小さな手が額を撫でていき、次第に細い指が髪を梳き始める。
「りゅーじくんに愛して貰えて今すっごく胸の中がポカポカしてる、またしようね」
そんな優しい言葉を紡いでくれる、やっぱり良いもんだ恋人ってのは…。
「またしような、次は失敗しねぇし…ガチで」
「おぅよおぅよ、及ばずながらこの櫛枝実乃梨が手取り足取りでお手伝い致しましょー、ところで…うぅん、一つ聞いてもいい?」
優しくあやしながら紡いで貰える、俺への愛情をひしひしと感じて心地よい…。
「ん?」
「キスとかハグとかはしてたじゃん、で今日はセックスして…私、りゅーじくんの事がもっと大好きになった。
もうね"Love×3"くらいになったさ! でね…でね……あぅ」
途中から実乃梨はモジモジし始めて終いには照れ隠しか俺の髪をガシガシと掻く。
だが何回も深呼吸と咳払いをしてこう問われた。
「はうゆーらいくみーなう?」
終わり!
95 ◆KARsW3gC4M sage 2010/04/07(水) 22:41:52 ID:NIsxrwum
以上、完結です。スレを跨いで長々とお待たせしてすいませんでした。
また投下中の支援ありがとうございます。
何か書けたら来させて貰います。
では
ノシ
82 ◆KARsW3gC4M sage 2010/04/07(水) 22:24:52 ID:NIsxrwum
皆さんお久し振りです。
[Lovers.-How you like me now-]を書終えたので投下させて頂きます。
前回の感想をくださった皆さんありがとうございます、またまとめてくださった管理人さんありがとうございます。
前回より時間が経ってしまっているので簡単にSSの補足をさせて頂きます。
※みのりん×竜児 で、昨年の春に投下した[Lovers.]の前段話になります。
性行為の描写がありますので苦手な方はスルーしてやってください。
それでも大丈夫! という方は是非呼んでやってください。
では次レスから投下します。
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