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247 ◆KARsW3gC4M sage 2010/01/26(火) 20:54:03 ID:jjJPS5BC





[Lovers.-How you like me now-(前編)]






『櫛枝……お前の事が好きだっ! 付き合ってくれ』

ある秋の日、薄暮の土手沿いの道を帰る途中……俺は櫛枝に告白をした。
意識しあった、すれ違った、手を取り合った、仲直りした、関係が急接近した、一つ一つの事象は単一ではなく連続で…全てに意味があった。
あの文化祭から二週間が経ち、俺と櫛枝は…………『トモダチ』から『恋人』へと関係が変わった、そう…彼女はすぐに答えてくれた。
悩む様子なんて見せない、短く、ハッキリ、そして頬を綻ばせて
『よろこんでっ!』
と……。
...
..
.
「ん……ふ、は…ふ、あむ…んく」

薄暗い部屋の中に響くのはくぐもった彼女の吐息と唾液と舌が絡み合う音。
俺達は膝立ちになり、互いの肩を掴んで口付けを交わす。それはこの一時間で五度…六度と繰り返されていた。
バイトに部活に忙しい日々を過ごす彼女が都合をつけて逢いに来てくれた、だから触れ合えなかった時間を少しでも埋めようと…どちらからともなく……。

「たきゃしゅきゅん……ふふっ……もう一回チャレンジしてみるかいっ?」

櫛枝はそう言って、何度も唇を寄せてきて…気付けば一時間もこうして…。
頬を赤らめ、照れ笑いしながら彼女は俺を受入れてくれる。
付き合い始めて三ヵ月、手に触れ抱き合ってから二ヵ月、初めて口付けを交わしたのは一ヵ月前、……そして次のステップへ移るのは今日から…。

「きゅ、きゅしえだ、そのだな…アレだ、大切な話がある、……うぅ、怒らずに聞いてくれ」

恋人同士になった、身体に触れた、口付けをした、なら次は解っているよな『アレ』だ。

「何だ…と? このきゅしえださんが怒りそうな話なのかい? うむ、まあ聞くだけ聞いてみようじゃないか、ささ…遠慮なさらず」

そうだよ、俺は健全な男子だ。ソレをしたい、してみたい。興味が無いと言ったら大嘘で、それ以上に彼女ともっと触れ合って色々と知りたい。

「俺達…付き合いだしてそろそろ三ヵ月だよな?」

まずは触りから、切り出すタイミングは櫛枝の反応を見て決めよう。実は念入りに計画していたわけじゃない『衝動的に』欲求が沸き起こったのだ。

「だね、あと二日で三ヵ月目、へへへ……それでそれで?」
だが誤解はしないでくれ、前々から言おうとはしていた。だが時期尚早とグッと堪えていたんだ。
だが今日の『ちょっと濃い触れ合い』で俺は堪らなくなって……。


「お、おぅ。で、だな…そろそろしてみたいな……って」

幸せそうにはにかむ彼女を見てしまうと俺は急に怖じ気付いてしまう、でも欲求は良心に少しだけ打ち勝つ。だから主語を隠し、濁して伝える。

「………したいって何を、かな?」

彼女は恐らく俺の言わんとしている事を察したのだ、だからか赤面し恥かしそうにモジモジしながら目を逸らしてボソボソ…。

「う…っと、あ、まあ…何だ、って言われたらな……セ、セック……」

この反応なら……イケるっ!

「うおおおぉぉいっっっ!!! 大橋ぃいーっっ……ふぁいとぉおおっっ!!!」

と思ったが、全てを言い切る前に彼女は大声で絶叫し言葉を遮る。
拳を握って天を仰ぎ、力の限り……『誤魔化し』いや『かき消された』

「う……だから、な……セッ」

「う、うはあああっ!! 冬なのに蚊がっ! 蚊がいるよっ!!」

と、櫛枝は両手を振り回しまたしても誤魔化す。髪の毛はボサボサになり、これ以上ないという程に赤面し、目が落ち着きなく泳いでいる…。

「あ、あはは…………………うん、ごめんよぅ。 あれさ、…ねぇ? その覚悟はしてたっていうか…私も……うぅ
高須くんが言いたい事は解る、よ? でも…でも…でもさぁ」

一通り叫んだ後、櫛枝は俺をチラリチラリと見ながら一言、一言紡いでくれる。

「確かに……うん、してみたいんだよね…男の子は"アレ"を。頭では解ってるんだよ。
だからわ、私は…いつでも待ってるって言うのかな、うん…高須くんがしたいなら……って考えていたり。キ、キスもしたし…ハグもしたし、次は何かって"ナニ"だし?
でも…まだ足りないって想うんだ、ラヴパワーが気持ち…微妙に足りぬよ。ゆえに……一つ聞きたい事があるのです」

それは半ば独白で同時に俺への問い掛けでもある、伏し目がちの櫛枝は言いにくそうに何かを紡ごうと口を開いては閉じる。
だがそこで終わる彼女ではない、意を決し緊張した面持ちで一言で問い掛けてくる。

「高須くんは今…さ、私の事をどれくらい好き、なのかなぁ?」

肩に掛けた手にグッと力を込め、鼻先10センチの距離で彼女はそう問う。いつになく真剣な目差しで…静かに。

「私はキミ…高須竜児が好き、大好き、でも"愛してる"にはまだ…ほんの少し届かない、何故だと思う?」

続けて紡ぐ言葉では瞳が揺れて悲しそうに……。

「……俺は好きだ、大好きだぞ、櫛枝のこと。それだけじゃ足らないか?」


質問の意味は解る、彼女の問い掛けは答も同然、だが曇った彼女の顔は一向に晴れない。

「足らないね。やっぱり高須くんは鈍感だ、私はそのね…セックスがしたくないから"逃げ"ているわけじゃないんだぜ。
櫛枝実乃梨は高須くんに言わせたいことがあるのじゃ、それさえ言ってくれるなら……今日でも明日でも……どんと来い状態…だよ」

「櫛枝が俺に言わせたいこと…か、何だろうな、それは重要な事…俺達二人の関係で必要な事なんだろ?」

俺は櫛枝を大事にしているつもりだ、電話もメールもマメに送り、逢える時は他の用事より優先、弁当をペアで作り…一緒に食べる。
予定が合えばデートも欠かさない、プランもしっかり建てて、少ない小遣いからプレゼントも………それ以上を求めているのだろうか?
忙しい身の櫛枝にしてやれる『精一杯』を学生の身分な俺はしている…筈。

「そうだよ、重要かどうかは置いておいても………うん。高須くんが"したいこと"をする関係になるには、私にとっては重要。
それを考えるのはキミだっ、一時間でも二時間でも待とうじゃないか! ヒントは…あげないよん、頑張れっ!」



櫛枝はニコッと笑って俺から離れる、二人の距離が徐々に離れていく……そして部屋の中心には俺、壁際に彼女。
櫛枝は壁にもたれ掛かってこちらを向いて座りヒラヒラと手を振る。

「おおっとそこから動くんじゃねぇぞ! 一歩でも動いてみろ、こいつの命はねぇからなっ!!」

櫛枝は左手で自身の通学カバンを抱え、右手で拳銃の形を作ってグリグリと押し付ける。
つまりは人質か…意味はまったく無いけど、櫛枝らしいパフォーマンスだ。

「OK OK 解った、動かないからそいつに手出しするなよ?」

なら俺はノッておくのが筋だろう、大袈裟に両手を振って要求を呑む。

「へっへっへっ……賢明な判断だぜ兄ちゃん。よしもう一つの邪魔モノも黙らしておこう、ほれ…こうだ、ほれほれ高須くんもポチッとしな」

と、悪党チックな笑みを浮かべて携帯のフリップを開けて電源を切り床へ放る。
俺も同様に電源を切って床へ置く、ここからは謎解きの時間だ。意識を彼女からの問いに向ける。
櫛枝の方に目を向けても彼女が返すのは『笑み』と『口パク』…私のことは気にせずに考えろ…と伝えているようだ。
だからそれに甘えて俺は目を閉じて思案を始める。

『ラヴパワーが足らない』 『好きだけど"愛してる"まで到達しない、できない』 『俺に言って欲しい言葉がある』
要約するならこうだろう、この三つのキーワードを纏めて一つの答にしなければいけない。
『ラヴパワー』の意味、彼女が言いたい本当の意味、それは多分…キスだ〜ハグだ〜では無く、先程俺が考えた『精一杯』では無い別の事だろう。
なら『愛してる』にするには『大好き』から発展させろという事か。
そして『言わせたいこと』は…これが一番のネックで彼女からの問いの核の部分。
………行動ではなく態度、気持ち? そういった意味なのか、なら俺には自信がある。
大好きだ、愛してると言わないのは恥かしいからだ、面と向かって言おうとしても……照れるじゃねぇか。
そ、それに櫛枝も急に言われたらビックリするだろ、だから自重している一度も言っていない、それなりに考慮しているんだ。
これは彼女と付き合う前、大河と共に行動するまでの一年間に作った『プラン』に基づいている、完璧
なら……こうはなっていないよな、完璧では無いから櫛枝は問い掛けてきた訳なのだから。


おぅ……て事は、何かが足りないのだ『プラン通り』でも何かが欠けていて櫛枝はストップを掛けている。
解らん、いいや漠然と思い浮かんではいるが霞んで見えない。
何が邪魔して霞んでいるのかは認めたくないが俺が必死になって考えた『プラン』なのだろう。
じゃあこの際だ『プラン』は頭の中から捨ててスッキリ、1から考えてみよう。櫛枝の気持ちになって、だ。
何度も言うが俺達はハグもキスも済ませて『次の段階』へ登ろうとしている、したい。
肉体的にも精神的にも繋がる事で俺達は更に関係が良くなる。
と言うのも俺達は交際して三ヵ月近く経つが、なんだ…『友達気分』が抜けていない気がする。
友達の時に一番気持ちが盛り上がった文化祭の終了した日からの延長線上なのだ、そこから区切りが出来ていない?
でもようそれじゃあハグもキスも出来なかっただろう、彼女はスルリと身を翻しただろう。
中途半端な状態なのだ『友達以上恋人未満』であり『恋人同士』でもある。
半端な関係だから櫛枝は『行為の誘い』に答えてくれない。
それは何故か、ああ…何かスッキリしない、モヤモヤする、あと少しで掴めるのに答は靄の中。

櫛枝…櫛枝実乃梨……本気で惚れているのに…この気持ちが伝わらないのか? ん、待て…今何かが過ぎったぞ?
おぅ『櫛枝』と頭の中で名前を呼んだら一瞬だけ『何か』が……。
ああ…頑張れ、掴め、俺は忘れている、重要な事だ、キスよりハグよりセックスより大事な事だ、そう直感する。
……名前だ。俺達は互いの呼び方が『友達』のままなんだよ。
そうだ、そうだった、名字で呼び合っていたらおかしいよな。
恋人同士という密な関係になっても名字で呼び合うのは違和感を覚える。今さらだが…。
昨日、今日から付き合い始めてわけじゃない、それくらいの期間なら『友達気分』が抜けずに名前で呼べなくても不思議ではない。
ああ…そうだよな、ハグやキスは彼女なりの妥協だったに違いない。
『ここまでさせたんだから名前で呼んで欲しい』
そう訴えていただろう、だが俺は気付かない…だから鈍感だと言われた。
彼女はより密な関係になろうとしていたのだ、なのに俺ってヤツは…、それが憶測でしか無いのは間違ない。だけどそう考えたらつじつまはあう。
愛情表現の一つなのだ、名前を呼ぶことは。


三つのキーワードがパズルのピースがはまるように一つになる、それが正解か不正解かなんて迷う暇は無い、俺は行動あるのみ。

「うぉいっ…早っ! 何だい、もう答が解ったのかい?」

サッと立ち上がった俺を見て彼女は驚きの声をあげる、その様子を認めて一歩づつ前進する、彼女は微動だにしない。

「お、おぅ…簡単だけど難しい問題だった、そして一番初めに気付くべき部分だったよ。だからまず初めに言っておく、すまん」

彼女と向かい合って腰を下ろした俺は謝罪する、すると彼女は息を呑んだ…気配で解る。

「えっと…いやいや、高須くんが謝る必要が解らないっていうか、ちょ…待った待った……顔を上げてくれい、流石の櫛枝さんもビックリだ」

彼女の一言一言に俺は下げた頭の角度を深くしていく、気遣ってくれているのか側頭部を両手で挟まれ持ち上げられた。
強制的に目を合わせられたわけだ、だから俺は目を逸らさない、ジッと見詰める。

「…どうしたんだよう、どうしたんだよう高須くん。私は意地悪してキミに謝らせたいわけじゃないよう」

弱々しく彼女はそう呟いて俺にグッと顔を近付けて心配そうに覗き込んだ。


「…実乃梨ぃっ!! 寝ても醒めてもお前の事ばかり考えているぞ!! 恥かしいから言えなかったけど愛している、惚れ込んで、一緒に居るだけで幸せだっ!!
どのくらい好きかだなんて簡単だっ! MAXだ全開だ、ベタ惚れに決まってるだろっ!! この両手の幅×∞っ!!」

俺はそのタイミングを逃さずに答える、彼女からの問いに……。ちょっとふざけた感じに見られるかもしれないが俺は正気だし本気だ。
両手を左右に大きく広げ、指先がプルプル震えるくらい目一杯に腕を伸ばす。
尺度の例え、解りやすく伝えたつもりではあるけど………届けっ!

「な、なにおぅっ!! 負けるかっ! りゅーじきゅんが∞なら私だって∞だっ!!!」

と彼女は叫び、俺の両手に重ねるように腕を伸ばす……目一杯。
名前で呼んだら名前で返してくれる、それもすんなりと。つまり俺の予想は当たったらしい。
眩しい夏の太陽を連想させる満面の笑みを浮かべて彼女は続ける。

「うぬぬ……な、何ぃ……私の想いよりりゅーじきゅんの想いの方が強い、だと?」

そう、彼女の腕の長さだと少しだけ俺と手を重ねる事は出来ない。

「いや∞だから計るのは駄目だろ、出来やしない。だから……俺達は横並び、そうだろ?」

そう言うと彼女は頷いて腕を伸ばすことを止める、その代わり……強く抱き締められる、愛しそうに背中を撫でながら。

「やっと…名前で呼んでくれた。 "実乃梨"って……ずっと待ってたんだよ…鈍感さんめ」

「悪かったよ、気付くのが遅かった。ごめんな……」

肩に顔を埋めた実乃梨の頭を撫でてみる、一回、二回…ピクンと彼女は僅かに震える、だが次第に力を抜いて身を委ねてきた。

「謝らなくて良いよ、私の方が謝らなくちゃ……実はウソをついてたんだ。
本当は名前で呼んでくれるだけで良かったのに、ちょっと困らせてみたくて……色々と付け足して、さ。
私は傲慢だから……竜児くんを試すような真似をした、ごめんなさい」

そこで一旦区切って、実乃梨は呟く、申し訳なさそうに…。

「 "愛してる"に届いてないなんて嘘、もうとっくに届いていて私は…竜児くんしか見えていない、傲慢で欲張りだから…離したくない」

と…、最後に『正解おめでとう&ありがとう』と言って彼女は俺を下から見上げる。
頬を染め、瞳を潤ませて縋るような目差しで俺を見詰めて……甘えた声で囁く。


「………りゅーじくん、セックス…しよう?」

俺は魅了される、彼女のこの表情に……。
憂い、戸惑い、幸福、羞恥、好奇、照れ……様々な感情を織り交ぜた表情に…。
初めて口付けした時、抱き合った時、そして今。その場面で必ず見せてくれる彼女の表情。

「おぅ……しよう、なぁ…み、実乃梨……こっちに来いよ…もっと…もっとだ」

俺は堪らなくなる、背筋に下から上へゾクゾクとした歓喜の震えが走る。だからか身を委ねた彼女の腕を引いて自身の胸の中へ抱く。
あぐらで座る俺の膝に跨がらせる、ピッタリ密着し抱き合う。制服越しでも暖かくて柔らかい。
余分な脂肪が無く、絞まり、少しだけ筋肉質な身体……、でも肩幅は狭く力を込めたら折れそうな程に華奢で…。
制汗スプレーの匂いと香水の匂い、シャンプーの匂い、そして…甘酸っぱい女の子特有の匂い……。
五感を刺激される『実乃梨』に絆され…俺は動けなくなる。

「重たくな…い? 大丈夫?」

彼女は肩に置いた手をゆっくり首に回し、首筋に顔を埋めて囁く。

「全然大丈夫、実乃梨はオマエが思ってるより重たくなんかねぇよ。軽いぞ……マジで」

「…ふふ、りゅーじきゅんもやっぱり男の子なんだね、力持ちだ…じゃあちょっとだけ甘えてみよう」

彼女は嬉しそうにそう笑い両足を腰に巻き付かせ、柔らかい下腹部が押しつけられて衣擦れの音と共に擦れる。
擦り付けられているってわけじゃない、密着してもなおジリジリと肢体を寄せてくるから、だ。

「りゅーじくん…ん…ほら……ん〜」

彼女は俺にせがむ、瞳を閉じ顔を近付けて口付けをねだる。少し荒い呼吸は興奮しているから、桜色に染まった頬は自身から迫る羞恥から…。
潤った血色の良い唇に目を奪われる、甘く薫る実乃梨の匂いに胸が高鳴り締め付けられて……もう限界だった。

「実乃梨ぃ…っ!」

「んっ! あ、ふ…んぅ…は、あ……はむっ…ふっ」

唇を重ねて彼女の舌に吸い付く、甘噛みと共に啄む……続いて口外で絡ませる。実乃梨は吐息を漏らしてソレを甘受する。
舌先同士が触れ、伝い、絡み合う…彼女は唇で俺を咥えて口内へと誘い入れてくれる。

「は…ふ、あっ…ん、ちゅぱ…」

優しく吸われ、舌で引き寄せられて奥へ奥へと誘われていく。だから俺は彼女の口内で舌を這わして返す。

「んん、む……ちゅく、ちゅっ! んぅう……、んんっ!」

『今までここまではしなかった』 例えば歯茎、舌の裏、上顎…そんな所まで余すことなく蹂躙する。舌を絡ませるだけじゃない。
実乃梨は艶の混じった甘い声で喘ぐ、微かに震える身体を俺は左手で抱き締めて右手は背中から下方へと滑らせる。

「んむ、ぷは…はっ…んんっ?…。ん…いいよ、触りたい…んだよね?」

口付けを止め、ジッと彼女を見詰めて許可を求める。手は腰の辺りで停止。すると彼女は照れ笑いしながら許容してくれる。

「へへ…何か恥かしいね……あ、ふ…んんっ」

スカートの上から尻を撫でてみる……柔らかい。これだけでも俺は堪らない、大きくも無く小さくも無い手の平で感じる程良い感触に魅了された。
実乃梨はくすぐったそうに身を捩らせ強く抱き付く、再び顔を肩に埋め微かに呻く。甘く甘く…啼く。

「あ…んん、っ…ふ、ふあっ……うぅ、え…え?」

尻と並行して左手でブラウスの端から中へ…腰から背中へ撫でながら滑らせる、困惑した声色を出す実乃梨に聞いてみる。

「そのよぅ…俺、見てみたいんだよ実乃梨の胸というか身体…いいよな?」

自分が焦っているのは解っている、一つ知ったらすぐ次へ……彼女の身体に興味深々なのだ。

「あ、あはは…でもね、うん…ほらまだ明る、い…し。恥かしいよ……そ、それにさ!
りゅーじきゅんにプヨプヨなお腹を見せる訳にはーーっ!!
ちょっと油断してたら少し! マジで少しだけど太っちゃって! とても見せれる状態じゃないから!!」

俺の言葉に実乃梨は顔を上げ慌ててそう口走る、真っ赤な顔でうろたえながら。
俺は彼女の下着の留め具に指を掛ける、願いを黙殺しているわけじゃない…大切に想うからこそ見たいし触りたいから…推し進める。

「あ…ぅ、だ…駄目だって……本当に恥かしいんだよぅ、りゅーじくんに幻滅されたくない…から、っふ…」

実乃梨は俺から目を逸らしてモジモジし始めた、羞恥と戸惑いと興味が見え隠れしている。

「じゃあこうしよう、腹は見ないし触らない…強引な事はしないから、なっ? これなら大丈夫だろ?」

そう提案したのはそれが一番の『落し所』だから、実乃梨は俺に腹を見られる・触られるのが嫌なのだから…。

「う…そう来たか、うーん…うん、おっぱい…とか…も、もちろん"アソコ"は見るよね、どうしようどうしよう。
……どうにもならないなぁ…よ、よし!ガチの裸は…お腹は絶対に見ないって約束出来る?」


彼女はしばし悩んだ後伏し目がちにそう聞いてくる、実乃梨なりの精一杯だ…俺の答なんて決まっているよな。

「約束する、俺は実乃梨が見られたくない"部分"を見ないし手出ししない、でもいつかは…痩せて元に戻ったら…見せてくれるんだろ?」

と返してみると彼女は少し間を開けて頷く、同時にこう紡ぎ返してくれた。

「 "いつ"になるかは解らないよ、何せりゅーじきゅんが作ってくれるお弁当が美味しいから、ガツガツいっちゃうからさ…おぬしは罪作りな漢よのう」

と…。期待して待っておこう、それに彼女が弁当を残さずに食べてくれる理由…それを再認識出来ただけで…ああっ…幸せだ、主夫冥利に尽きる。

「うん…じゃあおっぱい触る?」

その問いに俺は下着の留め具を外して答える代わりとする。
彼女はクスッと笑ってタイを解き、ブラウスのボタンを上から一つ…二つ…三つ、四つと外して胸元を晒して下着をゆっくり上へずらす。

「お…ぅ……」

プルンと震えるマシュマロもしくはプリン…それが第一印象だった。形が良くて…そこは日焼けしていないから白くて…大きくて…。
ピンク色の乳首が彼女の呼吸と羞恥でモジモジする動きに合わせて微かに揺れる。


川嶋や香椎と比べてはいけない、彼女達は規格外なのだ。同年代の平均からすると実乃梨は充分に大きい。

「ど、どう? 自信は無いんだよね、あーみんみたいに大きくないし…」

両手で下着を持ったまま実乃梨は上目遣い、そして申し訳なさそうに紡ぐ。

「実乃梨、それは違うぞ…俺は大きさなんか気にしねぇよ。それにお前の胸以外に興味なんて無ぇから…」

俺はそう言うとそっと手を胸に伸ばす、包み込むように…。

「ふふ…ありがとう、ちょっと気持ちが楽になったよ。ところで…狼の目付きだねりゅーじきゅん? …狩りの時間かい?」

「おぅ」

俺達は見詰め合う…互いに何も言葉を出さず、照れ笑いし、どちらからともなく一回だけ軽く口付ける。

「んあ…あ、ぅ……。ふ…あ、…うぅ、ん」

その口付けが終わるのを合図にして俺は彼女の胸に十指を埋める、押し返されす弾力、堪らなく柔らかくて吸い付く肌触り…否応なしに興奮していく。

「は…ふっ、ぅ…あ、あ……はあ、んくっ…ひぁんっ!」

優しく絞る、埋めた指で揉みしだく、手の平の中で転がして…。実乃梨は控え目な声で喘いでいて…徐々に硬くなっていく乳首を摘んでみると甲高く啼いた。


それは今まで聞いた事の無い実乃梨の『女の啼き声』で…ビクッて身体が跳ねて…。

「んぅう〜っ……! あ、あっ…あっ! はっ…あっ、あはぁっ!」

その切なさと艶が混じった啼き声に俺のムスコが目覚める。下着の中でムクムクと大きく、硬く…張り詰めていく。
くの字に曲げた人差し指の第二関節に乳首を乗せて親指で挟んでクリクリと転がしてみる、それはAVだか何かで見た愛撫。

「うぅ…り、りゅーじくん…ん、駄目だ…よぅ…あっ! 変な声出ちゃうから…それ駄目ぇ…あんっ!」

『駄目…駄目…』

瞳をギュッと閉じて、そううわ言のように呟きながらも彼女の顔は蕩けていく…僅かに開いた唇から漏れるのは甘えた声色の喘ぎだけ。
親指の腹で優しく転がして、人差し指で擦って弾いて、再び揉みしだく。不規則に繰り返す、胸を揉みほぐしたら次は乳首、そんな調子だ。

「ふっ! …ふぅ! は…ぅっ! やっ、あっ! あぅ…あっ!! あんっ!!」

実乃梨の喘ぎに熱っぽさが加わり…1オクターブ高く啼き出す。体温も高くなった気がするし…汗ばんでいく様はしっかりと伝わって…。
きめ細かい柔肌がほんのり桜色に染まり、汗ばんだ身体が手の平に吸い付いてくる。


「っ…んう、はっ! くふぅんっ!」

俺の手の平の中で形を変え、元の形に戻ろうと押し返してくる胸…気持ち良い触り心地をある程度、堪能したら次は…やっぱり…。

「や、あっ…ぁ! はふっ!! ん、ふぅ…あっ、あっ!!」

胸は『母性の象徴』で男は『マザコン』な訳で…両手で彼女の腰を引き寄せて密着した身体を引き接がす。
そうして生まれた上半身の僅かな隙間に顔をねじ込んで、ここまで言えばもう解るよな?
俺は吸いたい、舐め回してみたいのだ、このピンピンに硬くなって自己主張をする乳首を…。
俺は一度だけねっとり舌で舐め上げて、むしゃぶりつく…『優しく』とか『徐々に強く』なんてしない、出来ない。

「ひぅっっ!! あ…あ、ん!! はぅっ!?」

強く吸い付いて、唾液を絡ませた舌でねぶり回して…そんな荒々しい愛撫に実乃梨は頭を抱き締めて包んでくれる。
慈しむように頭を撫で、甘えきって発情した艶声で啼いて、胸を押し付けてくる。
下着の中でムスコが跳ね、期待でドキドキ…痛みすら覚えた。俺も彼女と同様に発情していく。

「り、りゅーじきゅんはおっぱいが好きだねぇ、っくふ! 赤ちゃんりゅーじくんだぁ…うりゃっ♪」


実乃梨はそう囁いて更に強く俺の頭を抱き締める…。

続く





257 ◆KARsW3gC4M sage 2010/01/26(火) 21:08:13 ID:jjJPS5BC
今回は以上です。続きがかけたらまたお邪魔させていただきます。
では
ノシ


246 ◆KARsW3gC4M sage 2010/01/26(火) 20:52:41 ID:jjJPS5BC
皆さんお久しぶりです、新作が書けたので投下させてください。
前作の感想を下さった方々、まとめて下さった管理人さんありがとうございます。
このSSは以前に投下した[Lovers.]および[Lovers.-after days-]の続編でみのドラです。
時系列的には[Lovers.]より前の話です。
※微エロ描写有り 苦手な方はスルーしてやってください。
それでもよろしければ次レスから投下します。

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