竹宮ゆゆこスレ保管庫の補完庫 - ○ゅーじ
○ゅーじsage 2009/09/15(火) 12:50:46 ID:rr+XQ9m0

卒業式を終えた竜児がふと校舎を見ると、風にたなびく長い髪が見えた。
(大河!?)
 走りだす竜児。
 だが二階に駆け上がり、教室の戸を開けたが、だれの姿も見当たらなかった。
(そこかな)
 教室の片隅にあるロッカーを、そっと開けてみる。

「にゅーじ」
「ンンぬぁんだとぉ!?」

 そのなかで、大河が赤ん坊を抱えて見上げていたのだ。
「りゅーじのにゅーじだ、どうするおやじ」
「う、うわっ。たしかに、嫁に来いとかなんとか言ったけど、マジかよ」
「なにさ、去年は今すぐにでもって勢いだったのに。ホレ、どーする」
「いや、ちょっと、心の準備が……て、俺、そこまでしてないだろ」
「へへー、バレたか。このコは弟だ。かわいいだろ?」
 大河は笑いながら赤ん坊を見せびらかした。
 教室の反対側には、笑う母親の影。上手くいったのだろう、と竜司は思う。
「ああ、かわいいな」
「そう思ったら、今日は出かけるぞ」
 大河は母親に赤ん坊を渡すと、竜児のうでを掴んで引っ張り始めた。
「ちょっとまて、どこに……」
「どこでもいいでほ、ほら来なさいバカ犬っ!」
「お、い、だぁ〜」
 なんか大切なことを言い忘れてる。でもまあいいか……。