竹宮ゆゆこスレ保管庫の補完庫 - 竜のように、虎のように!
高須家では竜児と大河は存分に愛し合う事が出来ない。
母泰子が仕事に出掛けた後は二人だけの空間であるように思われるが、ここには高須家の愛インコたるインコちゃんがいるのだ。
以前その事を気に留めず居間でプレイに興じていたら、後日

「ほ、ほっほほい、ほほほっい、ほっほほいほいっ、ほ、ほほ、」

「ほーら、ウンコちゃんに見られてるぞ」
「ぃやあっ…! ブサドリが見てるぅっ! てか、ちょっ! ガン見!!」
「くぉっ! 急に締め付けが強くなったな。見られると感じるのか、た・い・が?」
「そ、そんな事…! く、悔しい、でも感じちゃうっ……!」

と、こういう時だけは流暢に、妙にピンポイントな会話を喋り出したのだ。だが、やはり自分の名前だけは言えていない。
自分の名前もまともに喋る事が出来ないのに、他の事はそつなくこなす実に摩訶不思議なインコである。
以前竜児が風邪で倒れた時にも、北村達と共に見舞いに来た亜美が吹き込んだ台詞をしっかりと覚えていたり何気にハイスペックなのかもしれない。
幸いにして竜児一人の時に喋り出したのだが、その場に大河がいたらインコちゃんはその存在を消されていたのではないか、と竜児は戦慄を禁じ得なかった。
無論泰子がいても限りなく気まずくなる事は間違いない。いやいや、そもそも誰であろうと聞かれたくはない。自分でも聞きたくはなかった。
している時と平常時とではテンションの差が大きすぎるので、激しい羞恥心に駆られ七転八倒してしまうのだ。

その後、竜児の土下座と鶏肉料理特集本による飴と鞭の説得によってインコちゃんは色々と記憶を失う事になる。

そういう訳で、普通にいちゃつくだけならまだしも、そういった行為をする時は必然的に大河のマンションとなるのだ。
万が一を考えると竜児の部屋でも危険である。ラブホテルなんてMOTTAINAI。
竜児がその話をした時、大河は最初不審げに眉をひそめていたが、高須家の防音性の低さを理由に説得すると顔を真っ赤にして暴れた後承知してくれた。
しかし、わわ私の声はそんなに大きくない!と大声で暴れる大河を宥めつつも、竜児は、今度はうちで声を我慢させるプレイをしてみようかな、などと眼をぎらつかせ鬼畜な事を考えていたりした。

閑話休題

これはそんな竜虎の日々の一幕。



『竜のように、虎のように!』


週末の帰り道、夕日に照らされ長く延びた小さな影と大きな影が寄り添いながら揺れている。

「じゃあ、着替えてインコちゃんに餌をやったら行くから。ちゃんとうがいと手洗い忘れるなよ」
「わかってるわよ。やっちゃんは今日お店の友達と外で食べるんだっけ?」
「おう」
「……。じゃあまた後でね」

大河は繋いでいた手を名残惜しそうに離すと、マンションに入って行った。
大河がエントランスに入るのを見送った後竜児も自分のアパートへと足を向ける。


「ただいまー。ん? 靴が無いって事は泰子はもう出かけたのか」

大河に言った手前自分もうがいと手洗いをしっかり済ませると、几帳面に皺を伸ばしてから制服をハンガーに掛け部屋着に着替える。

「ただいまー」

着替え終わり、インコちゃんの世話をするべく用意をしていると、こちらも部屋着に着替えた大河がやってきた。

「おう、おかえり、ってどうした? 部屋で待ってるんじゃなかったのか?」
「べ、別に良いでしょ、そんなの。ほら、さっさとブサドリの世話しちゃいなさいよ」
「おう。ちょっと待っててくれ」

そっぽを向いてテーブルの脇にどっかりと腰を下ろす大河を見やると、竜児は鳥かごを取りテーブルの上に載せる。

「インコちゃーん。今日も元気にしてたかなー?」
「ぎぃ、ぐぇげげ、げん、っんんっきーー!!」
「……」
「おうおう、可愛い奴め。ほーらご飯だよー」
「ごはっ、ごごごはっ、んん!」
「…………」
「水も取り替えて、と。どうだー?美味しいかー?インコちゃん」
「んまっんんま、まっ、ま! まん「うおおっ!! よく食べるなっ!! 腹減ってたのかな!?」!!」

餌を食べつつ不穏な言葉を発しようとするインコちゃんを冷や汗を浮かべ大声で遮りながらも、てきぱきと世話を終える。

「んっ、んんー、グッド、グッドですねー」

いまだ餌を食べながら何事か呟いているインコちゃんを尻目に、竜児は立ち上がり大河に手を差し出す。

「これで良し。じゃあ行こうか、大河」
「……うん」
「?」

立ち上がり手を握ってはきたものの、何故か不機嫌そうに口を尖らせている大河に竜児は疑問符を浮かべる。

「どうした、大河?」
「……別に。ただ折角迎えに来てあげたご主人様を駄犬がないがしろにし過ぎなんじゃないかと思っただけよ」

大河と付き合いだしてから、大河の事に関してだけはそれなりに敏感になった竜児はピンときた。
この凶暴で傍若無人な少女は人一倍寂しがり屋なのだ。意地っ張りで負けず嫌いでなかなか素直な言葉が言えないだけなのだ。
きっと、世界から切り離されたようなあの広い部屋で一人で待っているのは嫌だからこっちにやってきたのだろう。
昔の大河なら、歯を食いしばって、自分も誤魔化せない強がりを吐いていた。
そう思うと無性に愛おしくなって大河を抱き締める。驚いてビクッとするも胸元に頬を擦り寄せてくる大河に竜児は囁きかける。

「インコちゃんに焼き餅焼いてたのか? 大河」
「んなっ! しょしょ、しょんな訳無いでしょ! 鳥にまで嫉妬するようになったら流石に駄目なんだから!」

バッと胸元から顔を上げて反論してくる大河を微笑ましく眺めながら宥めるように髪を撫でる。
そんな竜児の行動に、大河は赤く染まった顔を隠すように再び胸元に顔を押し付ける。

「ま、まったく! こんな事ばっかり上手くなっちゃって…。悔しいったらないわ…」
「おう。大河限定だけどな」
「……ふん、ばかいぬ……」


しばらく抱き合っていた二人だが、意を決して竜児が身を離す。

「じゃ、じゃあ行こう、大河」
「……ぅん」

その後二人とも何となく無言で竜児のアパートを出る。お互いの手だけはしっかりと握りながら。


エントランスを通り、エレベーターに乗る。その間も二人はずっと無言だ。しかし、繋いだ手の体温の上昇がお互いの高揚した気持ちを雄弁に語っていた。
最近では、竜児が大河の部屋に行く、という事は、たまの掃除の時を除けば殆どそういった目的の為である。
だから、竜児は大河のマンションに向かう時は妙に緊張するし、興奮もする。
大河も大河で、自分の部屋に帰ると竜児との行為を思い出し、自分の部屋だというのに落ち着かなくて夜なかなか寝付けないことがよくある。
だから先程は、竜児の考えていた理由も有るが、大河は着替えるとすぐに竜児のアパートに行ったのだ。
これからするのだと思うと、尚の事落ち着いて待っているだけなど出来そうもなかった。

部屋に入るなり扉が閉まりきるのも待たず、竜児は鍵を開けて先に入った大河の腕を引き、振り向かせると抱き締めた。
そしてそのまま、頬に手を当て上向かせると噛み付くように唇を奪う。
最初はその唇を味わうように何度も繰り返しついばんだり甘噛みしたり舌で唇をなぞったりしていたが、やがて大河の唇を割って舌を差し込んでいく。
歯列をなぞり、口蓋を舐め回し、まだ縮こまっている大河の舌を巻きとっていく。
竜児の突然の行動に驚いてされるがままの大河だったが、やがて竜児の背中に腕を回すと目を蕩けさせて自身の口内を蹂躙する舌に応えだす。
お互いの舌を絡ませると、飽きる事無くしごき合い、唾液を交換し、飲み下していく。
十数分間に及ぶ濃密な舌の交わりを解き、一本の唾液の糸を引きながら唇を離す。

「んん、はぁっ。大河の唾液は、凄く美味しいな。もっと飲ませてくれ」
「はぁっはぁっ、んく。はぁ、りゅ、竜児、あんた、さかり過ぎ。まだ玄かんん、ぷはっ、こら、またぁ、んんん」

息を荒げながら赤く染まった顔で涙目の抗議をしてくる大河に、竜児は我慢できなかった。
あぁ、やっぱりこいつは凄く綺麗で可愛い。身長差のせいで上目づかいになっているのも堪らない。
大河の可愛さを再確認しつつ、力無い抗議を再び口付けて閉じ込め、大河の呼吸も唾液も奪い尽くすように舌ごと吸い上げていく。
舌を吸い上げながら片手で大河の髪を撫で、もう一方の手で頬を優しく抑え甘い拘束を与える。
次第に大河の身体から力が抜け、ずるずると床に滑り落ちていくのに合わせて竜児も腰を落とす。
そして、玄関マットの上に押し倒すような形で竜児は大河の上に覆いかぶさり、尚も舌を吸い上げる。
段々と虚ろな目になってきているのに、必死にしがみつき、懸命に舌に応えようとする大河に、竜児は嬉しそうに目を細める。
やがて、ようやく満足したのか竜児が唇を離すと、物音一つしない家に二人の荒い呼吸だけが響いて聞こえるようだった。
息を整えていると、次第に大河の目にも光が戻ってくる。

「…はぁ、はぁ、はぁ…」
「…はぁ、はぁ、続きはベッドでしよう」
「はぁ、さ、最初からベッドでしなさいよ……エロ竜児……」
「う、すまん。久しぶりだからか、なんか妙に興奮して」
「ま、あ、良いわ。……私も、そうだし」
「え?」
「いいから、ほら!」

力が抜けてしまって自力では立てないのか、大河は両腕を竜児の方に伸ばしてくる。
はいはい、と大河の背中と膝裏に手を回すと、大河も竜児の首に手を回し胸元に顔を寄せる。

「では、参りましょう姫」
「ぷっ、似合わないわよ馬鹿」
「うるせー、こういうのはノッてあげるのが優しさだろ」
「ふふっ、そうね。ならしっかりエスコートして頂戴」
「ははっ、仰せのままに」

竜児は大河をお姫様だっこにして立ち上がる。お互い高鳴る胸も朱に染まる顔もそのままに、他愛もない会話をしながら寝室へと向かう。

寝室に入ると、竜児はそこに満ちた大河の甘酸っぱい匂いを肺一杯に吸い込んだ後、天蓋付きの大きなベッドにそっと大河を横たえる。
大河の腕を首から外し、竜児は素早く部屋着を脱ぎ下着一枚になる。流石にいきなり全裸はハードルが高い。勿論脱いだ部屋着は丁寧に畳んでいる。
そんな竜児を見て、起き上がり自分も服を脱ごうとする大河を竜児は制する。

「ちょっと待った。……服は俺に脱がさせてくれ」
「……なんで?」
「知らないのか大河? 男の子は好きな女の子の服を脱がすのが大好きなんだぞ」
「……とんだエロ犬だわ」

呆れたように息をはきながらも、意を汲んで再び横たわってくれる大河に覆いかぶさり、竜児はその凶眼を緩めながら慎重に服を脱がせていく。

何と言われようとニーソックスは脱がさない。

露わになっていく大河の透けるようなきめ細かい肌に、否応なく股間が更に張り詰める。勿論脱がせた部屋着は丁寧に畳んでいる。
上下の下着とニーソックスのみを残し、恥ずかしそうに身を縮める大河を改めて眺め、目を見張る。

「た、大河、その下着は……!」
「な、何よ…」

自らを凝視してくる竜児に、益々小さくなる大河。
先程は服を脱がす事に集中していてよく分からなかったが、大河の身を包むそれは、上下共にシルク素材で意匠を凝らしたデザインのレースの黒の下着。
正に勝負下着。大事な所以外はレースの網目からうっすらと肌が覗いている。
竜児は思わず大河の頬に手を当てると、評価が気になっているのだろうか、不安げに見上げてくる大河に口付けを落とす。

「……ありがとう、大河。なんかすげぇ嬉しいよ。そしてエロい、エロいよ大河」
「そ、そう!? 竜児が喜んでくれたなら、わ、私も嬉しぃ……」

不安げな表情から一転、喜び、笑顔を見せてくるが、やはり気恥ずかしくなってしまったのか、最後の方は顔を俯けて蚊の鳴くような声で話す。
流石にエロイのは自覚していたらしい。そんな大河に竜児は内心悶える。
竜児はもう一度口付けると、桜色に染まった頬に添えていた手を滑らせ、指で大河の耳たぶを揉み解しながら舌を唇から首筋に這わせていく。
もう片方の手は大河の腕や背中、脇腹などを、手に吸い付くような感触を味わうように撫でている。

「ふぁぁ、りゅうじ、りゅうじぃ…」

竜児の舌は首筋を過ぎ、鎖骨の窪みを通り、胸元まで舐め下りていく。
大河が拠り所を求めて竜児の頭を抱え込むように腕を回してくるので、耳をいじめていた手を放し、大河の片方の手と指を絡ませて握りあう。
舌でブラジャーと胸元の境目をなぞりながら、空いている方の手で器用にホックを外し取り払う。普段から泰子の下着を、最近では大河の物も洗濯している竜児にはこの程度お手の物だ。
解放されプルンと揺れる控えめな胸。竜児がその魅惑の丘に心奪われていると、先程まではふはふと仔猫のように可愛らしく喘いでいた大河が、息を整え声を掛けてくる。

「ふぅ、ん、りゅう、じぃ、胸、ちっちゃくてごめんね……」
「なーに言ってやがる。いつも言ってるだろ。好きな女の子の胸なら小さかろうが大きかろうが素晴らしいんだぞ。
それに大河の胸はこんなに柔らかいし形も綺麗だ。そして勿論…」
「…んん! っああ…」
「こうして優しく揉んだり…」
「ひゃうぅ! だ、だめぇ…」
「んちゅ…こうやって乳首をいじめてあげたりすると敏感に感じてくれるのが堪らなく嬉しいしな」
「ひぃっ!ぅああ、っくぅぅぅ」

握り合った手はそのままに、竜児は空いている手でじっくり優しく片胸を捏ね、もう一方の胸の頂上で固く尖る乳首に吸いつく。
舌で弾くとプルプルと存在を主張するそれを甘噛みすると、大河は甘い悲鳴を上げて腰を浮かし、背を弓なりに反らせてトサッとベッドに落ちた。

目の焦点を失い、口の端から唾液が垂れて来ている大河に、片手でいまだ乳首を転がしつつ、竜児は握られたままの手で口元を拭おうと手を伸ばす。
すると大河は伸ばされた竜児の腕を両手で包みこむと、パクリと指を咥えこんでしまった。

「うおっ!? くぅっ!」
「んん…ちゅ…ちゅぱ…れろ…むぐむぐ」

吸い、舐め、甘噛みしてくるそれは、正に指をフェラされているようなものであり、不意を突かれた竜児は性器に直接されている訳でもいないのに不覚にも暴発しそうになってしまった。
大河からのまさかの反撃に竜児はきつく目を閉じ、歯を食いしばって波を乗り切る。
大河は自失状態から戻ってくると、自分が何をしているか気付き慌てるが、竜児の快感を堪えている表情を見ると、得意そうに鼻を鳴らし、今度は積極的に指をしゃぶり始める。

「……ふふん。じゅ…じゅぅ…ちゅ…れろれろ……」
「くっ! はぁはぁ…ちょっと、まっ、った! ぅぅぅ」
「じゅぅぅぅぅぅ!」
「うぉぉ! こ、この!」

このまま責められるだけでは不利と悟ったのか、竜児は驚きと快感で止まってしまっていた大河への責めを再開する。

「っ! ふぅぅん! ちゅ…れろれろ」

先程からさんざんとろとろじっくりほぐされていた大河の身体は、持ち主の意思と裏腹に、再開した愛撫にすぐに屈してしまう。
それでも大河は負けず嫌いを遺憾なく発揮し、懸命に舐め続けている。
竜児は責める胸を交代しては執拗に吸い上げ、所有権を主張するかのように大河の胸をキスマークで埋め尽くす。
しかしそこは気遣いの高須竜児。外から見えるような場所には付けていない。どれもブラジャーで隠せる位置ばかりだ。首筋などの目立つ場所は舐めるに留めている。
いつの間にか胸だけで何度も軽くイッていたのか、もはや脱力して息を荒げ、指に熱い吐息を浴びせているだけの大河を満足げに見ながら、竜児は舌を胸から更に下方へと侵攻させる。
大河の小さな臍の縁をなぞり、軽く穿つように舌を差し込む。それと同時にニーソックスを履いたままの脚に片手を伸ばし、吸いつくような感触を堪能するように撫でさすっていく。
大河は臍を責められる異質な感覚に、一瞬ビクッと震えるも、やがてその感覚も快楽として受け入れていく。

臍を責め終わり、竜児は一旦身を起こすと、今までそれだけは離すまいとするように抱え込み、またちゅぱちゅぱと舐められていた指を惜しみながらも引き抜く。
宝物を取られたかのように一瞬悲しそうな眼をする大河に罪悪感を覚えてしまう。
自由になった両手で大河の腰を軽く持ち上げ、大河の秘部を覆うパンツをするすると抜き取る。畳む。
それは既に大河の愛液に塗れ、じっとりと重さを感じられるまでになっていた。
パンツを抜き取られた事に気付いた大河が力無く脚を閉じて隠そうとするより早く、竜児は脚の間に体を割り入れてしまう。
そのまま腿裏から手を回しがっしりと固定すると、竜児は大河の秘部に鼻先が触れるほど顔を近づける。
頭の上の方から「こらぁ」とか「うううう」とか聞こえてくるが竜児は気にしない。心ゆくまで視姦する。
大河が一生懸命竜児の頭を押し退けようと手で押してきているが、あまり力の入らない今の状態では微動だにしない。

無毛のように見えるが、淡く健気に生えている。きっとこれを剃られたら大河は泣いてしまうだろう。

……剃ってしまおうか……

いかんいかん!と竜児は頭をよぎる邪悪な考えを頭を振って振り払い、目の前の御馳走に集中する。…振り払い切れたかは謎のままだ。
もう何度も竜児を受け入れているというのに、大河のそこはいまだ処女であった時のように清楚なたたずまいだ。
しかし、竜児の無遠慮な視線に抗議するように膣口がパクパクと開閉を繰り返している。
竜児は、幾度もの絶頂で愛液に濡れ、きらきらと輝いているそこに魅かれるように口づけ、舌で割れ目をなぞり襞をかき分けていく。
膣口に舌を差し入れると溜まっていた愛液がどろりと流れだしてくる。竜児はそれを味わいながらじゅるじゅると啜りあげる。

「うあぁ…だめぇ、りゅう、じぃ、そんなに、音、立てて…あぁああ…くぅううっ、吸わ、ないでぇっ……!」

秘部ごと吸い上げられるような強い快感に大河は白い喉を晒し、堪え切れない、と眦に溜まった雫を散らし首を左右に振る。
大河の泣き声に近い喘ぎ声を聞きながら、竜児は更に奥まで舐めようと、より顔を密着させ舌を差し込んでいく。

「あぁぁ…だめ、だめだよぅ…」

強過ぎる快楽に怯え、逃げようと腰を引く大河を許さず、逆に更に顔が埋まるほど引き寄せると、益々舌をきつく絞り上げてくる膣壁をかき分け、同時に鼻の頭で押し潰すように陰核をこすり上げる。

「……っっ! っぁああああああ――――っっ!」

脚をピンと伸ばし、つま先をぎゅっと丸めて、ぶるぶると震えながら大河が絶頂を迎える。
やがてくったりと身体から力が抜けても、大河の膣口はぶしゅっぶしゅっと断続的に潮を噴き出していた。


ちゅぽっと音をたてて舌を抜くと、竜児はやり切ったイイ表情で汗を拭うように浴びせられた潮を拭う。
絶頂の余韻を長引かせ、快楽の火を消してしまわないように、でもその身体をいたわる様に、大河を優しく撫でていく。

大河は、意識が戻って来ると、しばらくぽーっとしていたが、先程の自分の痴態を思い出したのか、段々とその綺麗に整った眉を吊り上げていく。

「よくも、よくもやってくれちゃったわね…飼い犬に手を噛まれるとはこの事よ…」
「いや、噛んできたのはお前だろ」

大河の言葉に、竜児が先程まで大河に散々舐めしゃぶられてふやけた指を見せると、確かに噛み跡が付いている。
胸を責められてイッていた時に無意識に強く噛んでしまったらしい。

「うるさいうるさいうるさーい!!」
「うおっ!?」

恥ずかしくなったのか、大河は力無く起き上がり、どーん、と竜児に倒れこむようにぶつかるとそのままベッドに押し倒す。

「今度はあんたがはしたなくひぃひぃと喘ぎ声を漏らす番よ」

腰の辺りから聞こえてくる声に竜児は、それって自分がはしたなくひぃひぃ言ってたって事じゃ、と思ったが、指摘すると暴れそうなので口をつぐむ。

「うっわ、竜児、あんた下着べちょべちょじゃない。もしかして出しちゃったの?」
「…いや、それは、我慢汁というやつだ」

それでも、そんなもので下着を濡らしてしまった事が恥ずかしいのか、竜児はそっぽを向いて答える。

「…男の子って出さないと辛いんじゃないの?」
「…そりゃ、そうだが、俺は大河に気持ち良くなって貰えると嬉しいし、気持ち良くて悶える大河を見るのも好きなんだ」
「そ! …そんな事言っても許してあげないんだから。これはお仕置きなんだから。ご褒美じゃないのよ…」

大河の言葉に竜児が答えると、大河は嬉しさと恥ずかしさを噛み殺すように口元をむにょむにょと波打たせる。
そして、竜児の下着を抜き取ると、竜児とは違い畳む事などせず、ぽーん、とベッドの下に放り投げる。
締め付けから解放され、びくびくと震えながら天を突くように威風堂々たる姿をさらすそれに、大河は思わず唾を飲み込む。

「うわー、相変わらず犬のくせにここは馬みたいね。ん、ちゅ、これが、れろ、私の中に入るなんて、むぐ、ちゅぱ、信じられないわ、はむ」
「はぁ、はぁ、くっ…!」

大河は竜児の肉棒に手を添えると、我慢汁を舐めとる様に舌を這わせていく。

「はむ…じゅ…れろれろ…んん…ずず…」

亀頭を咥え、表面を磨く様に舌を絡めていき、時折溢れる唾液と共に啜りあげていく。

「うっ、はぁぁ、気持ち良いよ、大河ぁ…」

竜児は大河の頭を撫でながら、与えられる快感を満喫するように目を閉じ、身を委ねる。
普段は聞けない竜児の蕩けた声を聞くと、大河は嬉しくなって更に熱心に肉棒を責め立てていく。

「あーん…んっ…んっ…んっ…じゅる…んっ…ずず…じゅうぅぅ…」

大きく口を開けて亀頭全体を口に含むと、唇で絞めつけ、舌を絡ませながらゆっくりと頭を上下に動かしていく。
勿論全部は飲み込めないので、その小さな手でも肉棒をしごきたてる。
先端からどくどくと溢れ出る先走りを啜り、中のものも吸い出そうと強烈に吸い上げてくる。

「くっ、大河、そろ、そろ」

肉棒を襲う強烈な快感に、長く味わっていたい、と我慢し続けていた竜児にも限界が差し迫って来た。
このままでは大河の口の中に出してしまいそうだ。竜児が大河の頭をぽんぽんと軽く叩いて、離れろ、と合図を送る。

「……ずじゅぅうううううう!」
「ぬぉ!? っぐううううっ! ……っくぅ!」

大河が逆に今までで一番強烈に吸い上げながら高速でしごき上げると、遂に限界を超えて竜児が射精する。

「んんーっ!…ごくっ、ごくっ、ごくっ、ごくっ」

大河は、喉を叩く勢いで飛び出したゼリーの様な精液を、自分の唾液で薄めながら、ごくりごくりとその白く華奢な喉を艶めかしく上下させ、飲み込んでいく。
竜児は射精しつつも、ただただその様子を凝視している。

「んぐ、ごくっ、ごくっ、ぷはっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…。まったく、どんだけだすつもりなのよ…。ためすぎなのよ…。
じゅぅっ、もう、くちのなかもおなかのなかも、あんたのせいしでいっぱいだわ…せいしのにおいでよっちゃいそう…こんどから、ていきてきに、ぬいてあげなくちゃ…」

ようやく射精が終わり、大河は口の中の精液を飲み干すと、残りも吸い出すように吸い上げ、陶酔したような目で舌足らずにぶつぶつと呟いている。
竜児はそんな大河に強烈に劣情を誘われ、射精して尚硬いままの肉棒を大河のお腹に擦りつけるように抱き締める。

「大河、大河! もう入れるぞ、良いよな!」
「…ふぁ? 竜児? ちょ、ちょっと落ち着いて…」
「駄目だ! 待てない! 大河が悪いんだぞ!」
「え? え? りゅ、竜児? ステイ! ステイよ竜じぃぃぃぁぁぁぁぁ―――――っ!!」

竜児は大河を押し倒すと、素早くベッドサイドのテーブルから常備してあるコンドームを取り出し、興奮に手を震わせながらもささっと装着する。
呆けていた大河も、押し倒された衝撃に我に返り、三白眼を血走らせている竜児を制止しようとする。
しかし、竜児は胸を押してくる大河の腕を捕らえ、一まとめにして頭の上に押さえると、自分の足で大河の足を割って身を滑り込ませる。
あれよあれよと身動きを封じられ、戸惑う大河だったが、入口に竜児のやけどする様な熱い感覚を感じると、きっ、と竜児を睨みつけ命令を下す。
が、当然そんな命令を聞く筈もなく、竜児はその狭く熱いどろどろした膣内の奥、子宮口まで一息に肉棒を押し進め、ずん、と亀頭を叩きつける。
大河はその一撃に手を押さえられたまま、腰を跳ね上げると、背筋を弓ならせ、全身をピーンっと突っ張り、やがて事切れるように脱力する。
大河の膣内は狭く、隙間無く張り付いてくる襞がまるで肉棒を咀嚼するように蠢いている。
絶頂の直後は全体が噛みつくように締め付け絞り上げてきていたが、今はゆるゆると味わうように絡みついてくる。
その気持ち良さに身震いし、竜児は、二回目じゃなかったら入れた時点でイッっていたかもしれない、と思う。
意識を失って弛緩している大河の腕を離すと、背中に手を回し抱き締める。
大河の首筋に顔を埋めると、大河の全身から発散しているフェロモンのような汗の匂いを吸い込む。
甘い匂いに陶酔しながら、ゆっくりと腰を動かし、柔らかく絡んでくる襞を捏ね、亀頭で子宮口を何度も軽く小突く。

「んっ……んっ…ふぁっ?…りゅうじ?…んあっ!…まだ突いて…ぅあんっ!」

意識が戻った大河は、自分のお腹を一杯にして、尚もこんこんと突き上げてくる感触に、縋りつく様に竜児にしがみつく。

「ああぁ…りゅうじぃ…りゅうじぃ…うあぁぁ…きもちいいよぉ…ふぅぅん…くぅぅん…」

竜児は胸元に縋り付き、子犬のように鼻を鳴らしている大河を持ち上げると、対面座位の体勢にする。
すると大河は両足を竜児の腰に回しクロスさせ、全身で抱きついてくる。
竜児は大河の小さなお尻に手を回すと、その軽い体を持ち上げるように上下させると共に、ベッドのスプリングを生かし、タイミングを合わせて自分の腰も上下させる。
溢れる愛液が竜児の太ももを濡らし、シーツに新たな染みを作っていく。

「ああっ…んんっ…ああっ…んんっ…はぁっ…はっ、りゅ、りゅうじ、きす、きすぅ…」

抱き合い、お互いの汗に濡れた体をこすり合わせるように密着させる。
抜き差しに合わせて喘ぎ声を上げる大河が、舌を伸ばし、竜児の唇を舐めながらキスをせがむ。
竜児も腰の動きを止め、大河の舌に応える。
竜児と大河はお互いを見つめ合いながら、唇を合わせずに、舌同士を空中で絡ませ続ける。
やがて磁石のように引かれ合い唇を重ね、更に深く舌を繋げる。
我慢出来なくなってきた竜児が腰を軽く突き上げると、大河も応えて腰をくねらせる。

「ふーっ、ふーっ、ぅんっ、ふぅぅっ、んんっん、はぁーっ、あぁっ、はぁーっ」
「はぁーっ、はぁーっ、んっ、んっ、はぁーっ」

段々と突き上げる間隔と強さが、速く、強くなっていく。
激しさと息苦しさに息が荒くなってくるが、それでも舌は絡ませ合い、荒い呼吸の合間を縫っては唇を合わせる。
竜児の肉棒が子宮を持ち上げるように深く、強く突き刺さり、何度もイッているのか、大河の膣壁がぎゅうぎゅうに竜児の肉棒を締め上げ、奥へ奥へ誘うように蠢く。
お互いに限界を感じ、唇を重ねながら目と目で合図を送る。
ラストスパートと竜児が腰の速度を上げると、大河が耐えきれずに唇を離す。

「んんーっ、ぷはぁっ、ぁああああぁ! イきそうだよぉ、もう、もう、あぁぁ! こわいよ、りゅうじ、もっとつよく、だきしめてっ」

全身全霊でしがみついてくる大河を、竜児はきつくきつく、そのままもう二度と離さない、と言わんばかりに抱き締める。

「大河っ、俺もっ、もうっ」
「うんっ、うんっ、いっしょに、いっしょに、りゅうじ!」

そして止めを刺す様に、ずどん、と一際強く膣奥を叩く。

「うぅっ、大河っ!」
「あああっ、りゅうじっ、ああああああ――――――っ!!!!」

大河がイクと同時に、その絞り上げられるような締め付けと、真空に入れたような吸い上げに、竜児も堪らず射精する。
ゴムを突き破らんばかりの勢いに、ゴム越しに子宮口を叩かれているのか、射精のリズムに合わせて、大河もびくっびくっと痙攣する。

射精が終わると、お互いがお互いにもたれかかるように脱力する。
しばらくして、竜児は、萎えないうちにゴムを外さなくてはならない、と名残惜しく思いつつも大河の中から肉棒を引き抜く。

「んぁんっ」

抜かれる感覚に、大河が軽く喘ぎ声を上げる。

「……」

竜児は慣れた手つきでゴムの口を縛る。ふと大河を見ると、脱力してベッドに横になり荒く息をついている。
大河の呼吸に合わせて、ぱくぱくと膣口が開閉を繰り返し、その度にどろりと愛液が垂れている。

「…………」

ゴムを捨てた後、竜児が大河に覆いかぶさり、上から顔を見下ろすと、それに気付いた大河が力無く竜児の首に腕を回す。

「えへへ、気持ち良かったよ、竜児ぃ」

まだ赤く染まり、汗で髪を張り付かせた顔のまま、幸せそうに大河が微笑みかける。
そのまま竜児を引き寄せると、ついばむように口付けをし、今度は照れくさそうにえへへ。

「………………」

竜児は、素早くベッドサイドのテーブルから常備してあるコンドームを取り出し、興奮に手を震わせながらもささっと装着する。…あれ?この文さっき見た。

「え? え? りゅ、竜児? ステイ! 今度こそステイよ竜じぃぃぃぁぁぁぁぁ―――――っ!!」

待ったなし。イッてまだ余韻の残る膣を再び突き上げられ、大河が甘い絶叫を上げ、またくったりと脱力する。
そんな大河の太ももに手を回すと、竜児は大河を抱えたまま、すっくと立ち上がり、ベッドを下りる。

「んんっ!」

その衝撃に、竜児の肉棒が深く刺さり、大河が喘ぎ声を上げる。
片手で大河を抱えたまま、器用にベッドから色々な液が染み込んだシーツを外し、ベッド脇に置いておく。
竜児は部屋を一瞥し、他にすべき事が無いのを確認すると、改めて大河を抱え直す。

「あんっ!」
「では姫、一緒にお風呂に入りましょう」
「なに、いってんのよぉ、この、ばか、いにゅぅぅ、ぅあんっ!」

竜児は玄関でお姫様だっこした時のように大河に話しかけてみるが、やはりこの状況では余裕は無いらしい。

「大河は力が入らないだろうから、俺が責任を持って高須棒で隅から隅まで綺麗にしてやるぜ」

そう言って、竜児は浴室に向かって歩き出す。
大河は、竜児が一歩踏み出す毎に襲う甘い刺激に、そしてこれから浴室で起こるであろう甘い出来事に、今はただ、竜児の肉棒をきつく締めあげる事で応えるのであった。

「…ぁぁぁ…んんっ…ぁぁぁ…ぅんっ…」

竜児が歩を進める毎に廊下に大河の愛液がぽたぽたと落ちる。
足を踏み出す時に引き抜かれ、地面に着く時に深く突き刺さる。
その度に大河は甘くか細く喘ぎ、今はもう竜児に支えられるままにその身を任せ、肩に頭を預けている。
脱力した本体とは裏腹に、大河の肉襞は接着されたように竜児の肉棒に張り付き、その形を確かめるかの如くにゅるにゅると絞り上げる。
竜児はその感触を心地良く味わいながらゆっくりと歩を進め、洗面所に到着する。

「ひゃうっ!」

大河を片手で抱え直し、扉を開ける。中に入ると、そのまま真っ直ぐ浴室に向かい、浴槽にお湯を溜める為に自動お湯張りのスイッチを入れる。
大河の家で何度もお風呂に入っているからこの作業も既に慣れたものだ。
浴槽に湯が溜まって行くのを確認し、浴室の椅子に、どすん、と腰掛ける。

「あうっ! はぁ、はぁ…」

当然今までずっと繋がったままである。最後の突き上げがおわり、ようやく落ち着けた大河が息を整えていく。

「……はぁ、はぁ、ふぅぅ…ねぇ、竜児、お風呂入るのは良いんだけど、私、ニーソックス履いたままなんだけど……」
「おう。脱がなきゃな。でも抜きたくないんだよなぁ」

大河の問い掛けに、竜児がニーソックスに包まれた大河の足を惜しむように撫でさすりながら、深刻な面持ちで答える。

「んん…馬鹿ね、抜かなきゃ脱げないじゃないの。ん? 脱がなきゃ抜けない? ん?」
「そこで、俺は考えたんだ。抜かずに脱ごうと! ん? 脱がずに抜こう? ん?」
「……まぁ良いわ。で、どうするの?」
「おう、大河はちっちゃいから出来ると思うんだ。まず、足を畳んでくれ」
「ちゃんと支えててよ……ぅんっ…はぁ…お腹、ごりごりしてる…」
「そして、ぐりん、と」
「にゃぁぁぁぁぁぁ―――っ!」
「くっ!」

竜児の太ももに跨ったままの大河が、竜児に腰を支えられながら体育座りをするように膝を抱え込むと、膣の前面を亀頭のえらがごりごりと引っ掻く。
小さくまとまった大河を、肉棒を軸にして後ろを向かせるように180℃回転させる。
膣内をぐるりと掻き回された大河が浴室に絶叫を響かせ、肉棒を食い絞る。

「ほ、ほら、これで良し。じゃあ、脱ぎ脱ぎしよーなー」
「…こ、この、ばかいにゅ…えろいにゅ…」

竜児は脱力してしまった大河に後ろから覆いかぶさり、愛液や汗が染み込み少し重くなったニーソックスを片足ずつするすると抜き取っていく。
そして、脱がせたニーソックスを鼻に当てるとその芳しい香りを堪能する。

「すぅーっ、はぁーっ、あぁ、大河の匂いがする……」
「っっ! ……あ、あんた最近変態染みて来たわね…」

耳のすぐ脇で竜児の陶酔し切った声を聞き、大河が羞恥に頬を赤く染めながら、首を反らし睨みつける。
目元にも朱を散らせ、挑むように睨めつけてくる大河に、竜児はぞくりとした興奮を覚え、手に持っていたニーソックスを、ぺいっ、とシャンプーなどが陳列している棚に投げやる。
どうせ後で洗うのだから構わない。
自由になった両手を大河の脇から抱きしめるように回し、引き起こして背面座位の体勢にすると、自分にもたれかからせる。

髪に顔を埋め、その匂いを余す事無く肺に送り込む。
そのまま鼻で髪をかき分けていき、現れた小さな耳をパクリと口に含む。

「…ふふっ、くすぐったいよ、竜児…あっ! ふあんっ!」

竜児が鼻を押し付け匂いを嗅ぐくすぐったい感覚に身を捩じらせ、くすくすと小さく笑い声を上げていた大河だったが、耳を口に含まれ、むぐむぐと甘噛みされると途端に甘い声を上げる。

「むぐむぐ、れろれろ、はむはむ」
「ああっ! ふぅぅんっ…くぅぅんっ…あぁぁん…」

甘噛みされ、耳の襞をなぞるように舐め上げられ、穴に舌を差し込まれ、そのまま抜き差しされる。
ぴちゃぴちゃ、じゅぽじゅぽ、といった水音が頭に直接響かせられるような感覚に大河は子犬のように鼻を鳴らし、身を震わせる。
竜児は、挿入したままの肉棒を絞めつけてくる大河の肉襞で反応を確認しながら、舌を耳から、頬、首筋と下に滑らせていく。
大河が振り返り、後ろ手に竜児の首に手を回し、切なそうに唇を求めて舌を伸ばしてくるが、竜児はそれに気付きながらも、敢えて頬を舐めたり額に唇を落としたりと焦らす。
その眦に涙の粒が溜まっていくのを横目で眺め、口元を意地悪く歪める。

「…竜児、竜児ぃ、キス、キスしてよぉ…」

我慢し切れなくなった大河が哀願する段になって、ようやく竜児が大河の唇を奪う。

「…ふぁ、んちゅ、ちゅ、ちゅぱ、ふぅん…」

待ち望んだ竜児の唇に、舌に、貪る様に大河が唇を強く押し付け、舌を絡みつける。
目を閉じて必死に舌を絡ませる大河は、竜児が唾液を送り込んでくると、んくんくと喉を鳴らして嚥下していく。
竜児は舌を絡ませたまま大河の胸に片手を伸ばし、固くしこる乳首をころころと転がし、押し込み、擦り上げる。
くぅん、と鼻を鳴らす大河に構わず、もう一方の手をずっと挿入したままの結合部へ伸ばす。
皮を被ったままの陰核を指でノックし、皮を剥き優しく撫で、仕上げにぎゅっと捏ねる。

「っっっっ―――――!!」

ぶしゃっ、と二度三度と潮を吹き出し、竜児の肉棒をきつく締め上げる。
舌を竜児に唇で挟まれたままの大河は、絶頂の叫びも竜児に飲み込まれる。
ぎゅうぎゅうに絞り上げる肉襞に、竜児も腰から下が溶けてしまいそうな快感を覚えるが、何とか波を越える。

「ぷはっ、はぁっ、はぁっ」
「…ひゅーっ、ひゅーっ、ぅぅん…」

唇を外し、息も絶え絶えな大河の膝裏に両手を回し、持ち上げる。

「ほら、大河。前、見てみろよ」

竜児は、虚ろな目をして浅い呼吸を繰り返している大河の頬を舐めて覚醒を促す。

「…ぁ、りゅうじ…? なに…?」
「前」
「え…? あっ!? いやっ、こんな格好!」

大河が竜児の声に前を見やれば、そこには竜児に足を抱え上げられ、膣に突き刺さる竜児の肉棒も露わに、鏡に映し出される自らの姿が有った。
幼女が小用を足す時のような格好に、大河は羞恥に鏡から顔を背ける。

「ほら、しっかり見てみろよ、大河。お前すっごく綺麗だぜ」
「うそうそうそっ! こんなの駄目!」

大河はぶんぶんと首を振ると、ぎゅっと目を瞑ってしまう。しかし、目を閉じた事で先程鏡越しに飛び込んだ光景が強く認識されてしまう。
私、いつもあんな顔してたんだ…。あんな、いやらしい顔……それに、竜児のもあんなに口を広げて咥え込んで……。
竜児はそんな大河の耳元に口を寄せると、諭すように優しく話しかける。

「…嘘なんかじゃない。汗でしっとり艶めいてる身体も、赤く染まった顔も、蕩けた眼も、俺のを咥え込んで離さないあそこも、全部全部綺麗だ…」
「……っ」
「…目を開けてよく見るんだ、大河…」
「…ぁ…ぁぁ…」

耳元で囁かれ続ける竜児の声に、ぞくぞくと背筋を震わせながら恐る恐る目を開いていく。
大河の眼に映るのは、先程見た通りの光景。やはりまた目を閉じてしまう。

「目、閉じるなっての。これからもっと綺麗になるんだからな」
「…え?」

竜児の言葉に思わず目を開けて聞き返すも、途端に体を持ち上げられ、下ろされる。

「あぁっ!」

軽い大河の身体を、肉棒の抜けるぎりぎりまで持ち上げ、引き下ろし、子宮口を押し潰すように根元深く潜り込ませる。

「ひぃんっ!」

膝裏から手を回され抱えられている大河は、成す術も無く竜児に身体を上下されてしまう。

「ああぁん! いやぁ、だめっ、はあぁんっ! ああっ、こんなぁっ!」

ずちゅずちゅと水音を浴室に響かせながら、大河は小さな舌を突きだし、目に涙を浮かべながら喘ぐ。

「ああ…気持ち良いよ、大河…」

陶然とした声を大河の赤く染まる耳を舐めながら聞かせ、竜児は更に大河を上下させるスピードを速めていく。

「あひぃ、ひぁ、あああぁ、いやぁ、らめぇ、らめぇぇぇ、もう、もう、やめぇ、りゅうじ、りゅうじぃぃ!」

大河が自由の利かない身体を捩り、襲い来る快楽から逃れようとするも、がっちりと抱きしめられ、びくともしない。
しかもその抵抗が災いしたのか、奥に奥にと潜り込んでいた竜児の肉棒の狙いがずれ、大河の肉襞の神経の集中した所をごりっと擦り上げる。

「ふぁあああああ―――っ!」

可愛らしい声を上げて脱力した大河に、竜児もその煽りを受けて肉棒を痛いほど締め付けられ、自らも頂を目指して動きを激していく。

「はぁっ、はぁっ、大河! 大河! お、俺も、そろそろ…!」
「うんっ、うんっ、りゅうじ、きて、きてぇぇっ!!」

切羽詰まった竜児の言葉を受けて、大河ががくがくと首を上下させ答える。
竜児がぐっと腰に力を込めて大河の子宮を持ち上げるように押し付けると、大河の肉襞も本能に従い精液を啜り飲もうと強く絞めつけ、蠢く。

「ぐぅぅっ……!」
「あ――――っ! あ――――っ! あ――――っ! あぁぁ……っ!」

大河の膣内に根元まで収められた竜児の肉棒が脈打ち、三度目とは思えないほどの精液がゴム越しに子宮口を強く叩く。
竜児は残りもなすり付けるように、二度三度と更に腰を押し付ける。
大河も腰をくねらせながら、竜児の射精に合わせてびくびくと身体を痙攣させると、竜児の肩に頭を預け脱力する。
やがて、力を失った竜児の肉棒がにゅるりと大河の膣内から抜け落ちても、二人は寄り添いながら息を荒げていた。

「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ」
「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ…え!? うそ! ああっ…駄目ぇ…!」

余韻に浸りながら息を整えていると、不意に大河が驚愕したような声を上げ、竜児が不思議に思う間も無く、続いて絶望に満ちた声を上げる。

「…大河?」
「いやっ! 見ないでっ、見ないで竜児ぃ…!」

竜児が声を掛けるのを切っ掛けにしたように、抱え上げられたままの大河の股間から黄金の放物線が描かれ始める。
弛緩し、力の入らない下半身は、大河の意思を無視したままそれを続けてしまう。
目を見張り、唖然としながらも、全てを目に収めんと凝視する竜児に、いやいやと涙を散らしながら首を振る大河。

「…………」
「…ぅぅ、ぐすっ、ぐすっ…」

羞恥の余り、手で顔を覆い泣き出してしまった大河を、竜児は無言のまま立ち上がり、代わりに椅子に座らせる。




こんな事もあろうかと……。

竜児はシャンプーなどが陳列された棚に手を伸ばすと、ボトル群の陰に巧妙に隠しておいたそれを手に取る。

「大河」
「いやっ! 言わないでぇっ!」
「違うんだ、大河」
「違うって何がよ! ……って、ええっ!!?」

竜児の呼び掛けに首を振る大河だったが、再度の呼び掛けに開き直って顔を上げる。そして…

「おう。こういう事だ」
「あ…う……え…」

引きつったように声も出せない大河に、竜児はさも遺憾そうに首を振る。

「どうやら俺は……興奮してしまったようだ……!」

びくびくと反り返り、新たなコンドームを纏わせた竜児の凶悪なブツ。

「な、そ、いつの間に、って、ええ?」

ぐるぐると目を回し、処理限界を超えてあわあわと声を出せない大河に覆いかぶさり、浴室マットに押し倒していく竜児。

「え? え? りゅ、竜児? ステイ! 今、この時こそステイよ竜じぃぃぃぁぁぁぁぁ―――――っ!!」…これ三回目!

そして再び浴室に大河の甘い悲鳴が響くのであった……。



「…変態、馬鹿犬、発情期…」

あれから腰が抜けるほど責め立てられた大河だが、今は風呂椅子に座らせられながらぶつぶつと恨み言を呟いている。
先程までは竜児の足の間に収まりながら、朦朧としながら湯に浸かっていたのだ。
そんな大河の後ろに膝立ちになり、その長髪を目の細かい櫛でくしけずっている竜児。
頭を洗う前には、まずこうして髪に付着した細かい埃を取るのだ。本来なら髪が乾いているうちにやるのだが今回は仕方がない。

「…それはもう何度も謝っただろ。…よし、お湯を掛けるから目、瞑れー」
「ん…」

大河が目を閉じたのを確認し、シャワーで丁寧に髪を湿らせ、汚れを十分にすすいでいく。
大河のお気に入りの柑橘系の香りのするシャンプーのボトルを二、三回押して手に取ると、軽く髪に付けてよく泡立ててから頭皮をマッサージするように洗う。
しっかりとすすいだ後、タオルでよく水気を取り、トリートメントを付け馴染ませる。
そのままくるくるとターバンのように髪をまとめ、頭にタオルを巻いて浸透させていく。
トリートメントを浸透させている間、泡立てネットで石鹸を泡立てる。
たっぷり泡立て、泡を手に取り、大河の首、背中、腕と擦りすぎないように優しく洗っていく。
そして脇の下、胸、お腹と洗っていき、前に回ると臣下のように跪き、股間や足、足の指の間もしっかりと洗う。
この時は竜児も役得とは思っているが、大河の身体をいたわる事を目的としているので、邪な考えを捨てている。ようやく賢者タイムが訪れているのも多少関係が有る。
自分に全てを委ねてくれている大河を、心底から大事にしたいと思う。
大河も、我を無くすほどの快楽の嵐に晒された後、竜児がこうして自分をいたわってくれるのが、少し恥ずかしいがとても嬉しくて頬が緩むのを感じる。
大事にしてくれているのを実感できる。涙が出そうなほどの幸福感に包まれる。

「ねぇ、竜児…」
「おう。どうした?」
「大好き…」
「…おう。俺も大好きだ」
「…えへへ」
「ははっ…」

揃って顔を赤くしながら笑い合う。これからもきっと続く、幸せな光景。


「…よしっ、髪の毛すすぐぞ」
「…うん」

気恥ずかしい雰囲気に、竜児が気を取り直し大河に声を掛ける。
タオルを取り、残しが無いようにしっかりとすすいでいく。
そのまま自分と大河の全身も軽くすすぐ。

その後、浴室から出てお互いをバスタオルで拭きあう。
あらかじめ大河が用意しておいた服に着替え、並んで居間に向かう。
ちなみに、大河の家でするようになってから竜児の着替えもある程度大河の家に置いてあるのだ。

竜児は大河を椅子に座らせると、その後ろに立ち、長髪を丁寧にドライヤーで乾かす。
温風である程度乾かし、冷風で仕上げる。
緩やかなウェーブを描く長髪が光を受けて艶々と輝き、天使の輪を描く。
その仕上がりに、竜児は満足そうに頭を撫でながら髪を梳いていく。
大河もゴロゴロと喉を鳴らしそうな程顔を緩め、竜児の手に押し付けるように頭を寄せている。
しばらくそうしているうちに、大河のお腹が空腹を訴える音を高らかに奏でた。

「…あはは、お腹減っちゃった」
「おう! 今日は昨日からじっくりことこと煮込んだハンバーグと野菜たっぷりのポトフだぞ!」
「わぁ! 早く食べよ!」
「うちに用意してあるから温めるだけで食べられるぞ」

気恥ずかしそうに振り返り話す大河に、竜児も安心させるように頭を撫でて答える。
大河はぴょんと椅子から飛び降りると、にこにこしながら竜児の手を引いて玄関へ歩き出す。
竜児も優しく笑いながら引かれるままに大河の隣に並ぶ。
並んだ竜児の腕に自分の腕を絡ませ、その顔を見上げ、笑みを浮かべる。
それに応えて竜児も微笑みを返す。
来る時とは違い、お互いスッキリした顔で爽やかな笑顔。
それでも、繋いだ手から伝わる熱も、想いも変わらない。

もう二人は見付けたのだ。手に入れたのだ。

世界に隠されていた、優しくて、とても甘い、手に入れるべきたった一人を…………。