時間停止(タイムストップ)シーンのある、小説や画像、漫画、動画などを扱うサイトです。

結局二人とも、その足でその服屋に向かった。
ニュータウンから離れた場所にあるその服屋の周りには、田んぼの慣れの果てである水たまりしか存在しない。
「近くで見ると凄いねぇ! 本当にお化けがでるかもー!!」
「お…お化けなんて、 いるわけないでしょ?
それよりも、入らないなら帰るよ!」
少し声が大きくなるふたば。 実は彼女、冷めている振りして虫や心霊現象が怖いのだ。
早く家に帰りたい。 家に帰って、冷静な自分をずっと演じていたい。 今のふたばはそう思っている。
そんな彼女の気を知ってか知らぬか、さあやは嬉しそうに服屋に入ろうとする。
「ダメだよここまで来たんだから! こんにちはー!」
元気な…というよりうるさい声で叫び、ふたばの手をひっぱりながら店の中に入るさあや。
だが、店員は出てこない。

「あれ……留守かな?」
反応が無い事に残念そうな顔でさあやが言うと、空かさず
「きっと留守よ。さぁさっさと帰りましょう。」
とふたばが言う。顔は冷静だが足は内またになっていたり。
しかし、元気で明るい少女は、ふたばの思い通りにはなってくれない。
「ん〜? 何々? …… 今は留守にしています。自由に試着してください? だって!」
何でこの同級生はこうも目敏いのよ…。 ふたばはそう思い、帰る事を諦めた。

それにしても、この服屋。
不気味な場所に立っているとはいえ、服の品揃えは悪くは無い。
「ねぇ見てみて!この水着、すっごく可愛い!」
そういうとさあやが、まるで自分の物であるかのように、若干乱暴に商品を取り出す。
取り出したのはカジュアルな水着。
確かに可愛いが、10歳のさあやには少々早いデザインかもしれない。
しかし彼女はそんな事お構いなしに、試着室に飛び込んだ。
「全く、騒がしいわね。」
わざと聞こえるようにそう言ったふたばだったが、彼女も自分の好みの服を探し出す。
あんな元気な少女といたせいか、既にここが有名な心霊場所だという事を、彼女はすっかりと忘れていた。

さあやは試着室に入るなり、すぐさま服を脱ぎパンツも脱ぎ棄てて全裸になる。
大きな鏡に映る自分の全裸を隠そうともせず、彼女は素早く着替えをする。
そして、店の中から見つけたカジュアルな水着を着用し、胸に両手を当てて嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「えへへ、これでプールにいって……。」
彼女がそんな妄想を始めようとした刹那、目の前の鏡の一部がパカッと開く。
そして中から出てきたのは、水鉄砲の銃口のようなもの。
「……ええ!?」
さあやは驚くが…しかし、体を動かす余裕はない。
彼女の小さな裸体に、水鉄砲が容赦なく「何か」を浴びせる。
それは水でも液体でもない、電流のようなもの。
電流に包まれたさあやは驚きの表情を浮かべたまま、もろに電流を浴び、石になったかのように動かなくなった。
瞬き一つしなくなった少女。 彼女は生きたまま、カチンコチンに硬直してしまったのだ。
そして停止したさあやの足もとが開き、彼女はポーズを全く変えることなく、地下にへと落下した……。

前へ 次へ

2ch時間停止SS一覧に戻る

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます