時間停止(タイムストップ) - カチコチ運動会 2
時間を止めた時、グランドでは小学4年生の女児10人が、飴食い競争をしていた。
これは机の上にある、粉の中にある飴を探し出して、それを食べて持ってくるという競技だ。
学校側は、本当は「パン食い競争」をさせたかったらしいが、色々な理由で却下され、仕方なくこれを行っている。
児童達はルール通りに、机の上にある箱を見ていた。飴を探す為に。
自然に前屈みになる児童達。そんな少女の小さな体が、時間と一緒に凍らされていた。
「アレ? 体が―」
児童の一人がそう言うのを千歳は聞いたが、しかし、そう言った児童も、既にカチンコチンに硬直している。
うるさかった運動会のグランドが、一瞬にして静寂に包まれた。
時間を止められた人間は、自分では動く事も、喋る事も出来ない。髪の毛から足の先まで全て、硬直してしまうのだ。
大きな口を開けて必死に飴を探している小学4年生の児童達も、彼女達を応援している他の児童達も、動かない。
千歳の眼中にはないが、大人達も皆止まっていた。

千歳は堂々と、全てが止まったグランドに登場する。
時間が動いていたら一瞬で羽交い絞めにされて、文字通り締め出されただろう。
だが、今この運動場で動く事が出来るのは、千歳のみだ。
誰も彼女の事に気づかない。
ここにいる人間は全て、彼女の思うがままに動く人形である。


千歳はまず、必死になって飴を探している女子児童に近づいた。
机に向けて身を屈めている為、お尻が後ろに突き出ている。
そのお尻を守るのは紺色のハーフパンツだ。
千歳は、ハーフパンツはブルマやスパッツに比べて色気の無いものだと思っていたが…。
「これはこれで……お尻のラインが出て良い感じだな。」
女子小学生というものは、余程顔、もしくは服が酷くない限り、どんな格好でも似合う存在だ。
固められた女の子は、千歳が何もしない限り、ずっとこのポーズを続けている。
普段は活発に動き回る女の子が、ピタッと硬直する。それだけで美しいものなのだが、、千歳は女の子を固めるだけでは満足しない。
と言うより、目の前に動かなくなった女の子がいるとすれば、「健全な女の子好き」ならやる事は一つだろう。

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