無題664

初出スレ:5代目664〜

属性:近親相姦




昼休みが終わり、もうすぐ五時間目の授業が始まろうとしている。
わたしたち三年生は体育館に集められていた。“親と子のための道徳セミナー”と書かれた大きな垂れ幕がステージに飾られている。生徒はクラスごとに縦一列に整列し、その隣に保護者が座ることになっている。わたしの隣の椅子は空いていた。
「花のお父さん、来ないの?」
後ろの席の章子に話しかけられて、わたしは振り返った。
「来るって言ってたんだけど‥‥、分かんない」
曖昧な笑みを浮かべながら答えると、章子の隣のおばさんはどことなく困ったような表情を浮かべて微笑んでいた。
セミナーのあとには大学進学に関する説明会をするからなるべく保護者に参加してもらうように、と担任から強く言われていた。そのことを告げると、淳悟は本当にめんどくさそうに「行くよ、ちゃんと」と短く言った。
わたしは内心不安だった。周りを見回してみると、空席はほとんど無かった。やがてチャイムが鳴り響き、大阪のオバサンのような講師の話が始まっても、淳悟は来なかった。

わたしはいつの間にか頭を垂れて眠ってしまっていた。どれぐらい時間が経ったのだろう。突然、体育館の扉が開く音が響いた。その音に反応して目を開けると、体育館の入り口に見慣れた細長いシルエットが浮かび上がっていた。
だらしないのにどことなく気品を感じさせる没落貴族のような雰囲気と、ほったらかしの長めの髪で隠れがちな整った顔立ち。姿勢はいいのに、そこはかとなく漂うさびれた空気。淳悟だ。
その場にいた全員が、淳悟を見た。
「‥‥すいません、遅くなりまして」
そんなこと露ほども思っていないようなぶっきらぼうな口調で誰にともなく口にすると、壁際に座っていた担任が慌てて立ち上がった。
「あの、生徒の隣に席を用意してますんで‥‥っ」
淳悟は担任に向かって小さく頭を下げると、周囲の注目を一身に浴びながらわたしの方に歩いてきた。迷いなく、ぶらぶらと。
そんな淳悟の姿にわたしは見とれた。高校生の保護者にしてはあまりに若すぎる淳悟の登場に、体育館がにわかにざわめき始める。淳悟はわたしの正面で立ち止まった。
「‥‥来てくれないかと思った」
小さな声で呟くと、淳悟はかすかに微笑んで「来るさ」と一言だけ言った。そしてどかっと音を立ててわたしの隣の椅子に腰を下ろした。長い足を無造作に投げ出して、つまらなそうな表情で正面を見据えている。これが、わたしのおとうさんであり、私の男――――。
このような場に堂々と遅刻してくる父親を恥ずかしいと思う気持ちと、周囲の視線を惹き付ける淳悟を誇らしく思う気持ち。わたしは複雑な気持ちを抱いたまま、黙って椅子に座っていた。講師のオバサンは二、三度咳ばらいをすると、何事もなかったかのように話を再開させた。

講師のオバサンは思春期の子供と親の間で大切なものはどうちゃらこうちゃらとかいうつまらない話を延々続けていた。そして「皆さんのお話も聞かせてもらおうかしら」と言ってステージから降りると、適当な生徒と保護者にマイクを向けて当たり障りの無い質問を繰り返した。
やがてオバサンはわたしたちの方へ歩み寄って来た。
「こちらのお父さん、随分お若いのねえ。おいくつかしら」
気持ちの悪い笑顔を貼り付けて、淳悟に話しかけた。淳悟がオバサンの方を見もせずに「三十二」と吐き捨てるように答えると、体育館がざわついた。質問をしたオバサンも、まさかという表情を浮かべて固まった。
「え、だってこの子高二でしょう。じゃあ十六の時の子供なの?」
講師のオバサンはまるでワイドショー好きの主婦のような目になっていた。
「まあ、そうなりますねえ」
そう答えた淳悟は、唇の端にうっすらと不敵な笑いを浮かべていた。
「あなた、それは駄目よ!」
オバサンがいきなり大きな声を出したので、わたしを含めた周りの人間は皆驚いた。それでも淳悟は動じずに、思いっきり面倒臭そうな顔をして黙っていた。
「子供が子供作るようなもんじゃない。そんなの駄目よ。産まれてくる子供が不幸になるって考えなかったの?」
‥‥このオバサンは一体わたしの何を知っているのだろう。身体の奥で小さな炎が点火した。
オバサンは機関銃のように淳悟を批判する言葉をまくし立てた。彼女は遅刻して来た挙げ句にまったく自分の話を聞いていない淳悟に苛立っているようだった。
周りの生徒や保護者、教師は皆静まり返っていて、体育館にはオバサンの五月蝿い声がよく響いていた。淳悟は明後日のほうを見ながら、平然とした様子でオバサンの一方的な批判を浴び続けていた。

「失礼かもしれないけど、あなたご職業は?」
オバサンのあまりに下世話な質問に、淳悟は呆れた様子ではあ、と小さく息を吐いた。
「その質問はこの講演に関係あるんですかねえ」
相手を嘲るようなかすかな笑みを浮かべながら、ぽつりと言う。それを聞いたオバサンはばつが悪そうな顔をして黙り込んだ。しかしすぐにさっきまでの勢いを取り戻して、
「子供が子供を作るなんて、人間のすることじゃないわ。信じられない。目先のことしか考えてないのね」
また飽きもせずに淳悟の批判を始めた。
頭で考えるよりも先に、身体が勝手に動いた。
わたしは椅子から音も無く立ち上がると、淳悟の前を横切ってオバサンと向かい合い、勢いよく彼女の頬を叩いた。ばちん、という乾いた音が体育館中に響き渡り、この場にいるすべての人間が言葉を失った。
わたしは訳が分からないとでも言いたげな表情を浮かべているオバサンを、めちゃくちゃに殴り出した。髪を引っ張り、服を掴み、拳を振り上げた。
呆然としていた先生たちがハッと我に返り、慌ててわたしの方へと駆け出して来た。周りにいたクラスメイトの何人かと共に、暴れるわたしを抑え込んだ。みんな、信じられない、という顔をしていた。
「な、なんなのよあの子!!」
髪型や服がぐちゃぐちゃに乱れたオバサンは、ヒステリックに叫んだ。それを何人かの教師がなだめ、ただひたすら頭を下げていた。

わたしは大衆の視線に晒されていた。ふっと我に返って周りを見回してみると、誰もがわたしを恐れるような怯えた視線を向けていた。担任が「腐野‥‥」と力無くわたしの名前を口にした。頭の中は真っ白だった。
のろのろと、救いを求めるように淳悟のほうを見た。淳悟は、珍しく驚いたような表情を浮かべて、わたしをじっと見つめていた。
「‥‥だ、だって」
わたしは叱られた子どものような気分だった。
「おとうさんを、ばかにするから」
そう口にした瞬間、ぽろぽろと涙がこぼれてきた。身体の勝手な反応に、わたしは慌てた。こらえようと思っても、涙は止めどなく次から次へと流れていく。
淳悟がゆっくりと立ち上がって、わたしの正面に来た。背の高い淳悟は泣きじゃくるわたしの顔を覗き込むかのように軽く身をかがめた。
「何泣いてんだよ、お前は」
困っているような、だけどやさしい、へんな笑顔を浮かべて言った。
「だって、‥‥淳悟を、淳悟が‥‥」
幼い子どものように泣き続けるわたしの頭に、淳悟がぽんと片手を乗せた。大きくて、だけど華奢で、温かい手。こんな状況下においても、淳悟に触れられたことで、わたしの身体は人知れず悦びを感じていた。
これさえあれば生きていける。
これさえあれば、もう何もいらない―――。
「別に気にしてねえよ、あんなの」
吐き捨てるようにそう言うと、淳悟はわたしの肩を掴んで一気に引き寄せた。わたしは淳悟の固い胸の中にすっぽりと収まる形になった。おとうさんからは昼間でも夜のにおいがする‥‥。身体が勝手に反応してしまうのを、わたしは必死になって抑え込んだ。
周りの人たちは皆、息を飲んでわたしたちをじっと見つめていた。
淳悟は一人平然とした様子で担任に声をかけた。一連のわたしたちの行動を呆然と眺めていた担任が、慌てて返事をした。
「ちょっと、外出て来ていいですか。こいつが落ち着くまで」
顎でわたしを差しながらそう言うと、担任は「‥‥どうぞ」と短く答えた。
淳悟は担任に再び小さく頭を下げ、わたしの肩を抱いてゆっくりと歩き出した。わたしは淳悟に促されるまま、引きずられるようにして歩を進めた。
わたしたちは、見てはいけないものを見てしまった、という好奇の視線を身体中に浴びながら体育館を出た。こうやって淳悟と寄り添いながら歩いていると、おとうさん特有の夜のにおいが濃密さを増したような気がして、こころがぶるぶると震えた。

体育館を出て、わたしたちは身を寄せ合ったままふらふらと歩いた。誰もいない食堂の前を通りかかった時、淳悟が足を止めた。
「喉渇いた」
独り言のように呟くと、ジーンズのポケットに片手を突っ込んで小銭を取り出し、自販機でペットボトルのミネラルウォーターを買った。ごくごくとそれを飲み下す淳悟の横顔を、わたしは赤くなった瞳でただ見つめていた。
「飲むか?」
ふいに訊かれて、わたしは頷いた。
淳悟は一瞬だけ何か考えたかと思うと、再び水を口に含んだ。そしてわたしの顎を片手でやさしく持ち上げて、唇を重ねた。そうっと唇を開くと、淳悟の口内から水が流れ込んできた。
口移しで受け取った水を、わたしはごくりと飲み込んだ。そんなわたしの様子を淳悟は静かに見下ろしていた。
喉の渇きは潤ったけれど、それとは違う“渇き”がわたしのこころをますます蝕んでいく。
わたしはたまらなくなって、淳悟のシャツの裾を引っ張って、固い胸におでこを埋めた。つい今しがた泣き止んだばかりだというのに、再びどうしようもなく泣きたい気分だった。
淳悟はわたしの頭をやさしく撫でながら「どうした」と訊いた。わたしはまた涙をぽろぽろと流しながら、震える声で言った。
「おとうさんが、ほしいよ。すごく‥‥」
懇願するように顔を上げると、おとうさんは困ったような表情を浮かべてわたしを見下ろしていた。

「おとうさん、お願い‥‥」
今にも消え入りそうな震える声で、わたしは必死に懇願した。淳悟はしばらくの間何も言わずに突っ立っていた。
わたしは淳悟の大きな右手を包み込むように両手で掴むと、骨ばった長い指先をそっと口に含んだ。とにかく、一秒でも早く、おとうさんが欲しかった‥‥。
淳悟はわたしのいきなりの行動に戸惑いを見せた。だけど、振り払うことはしなかった。
「花‥‥」
力無くわたしの名前を呼んだおとうさんは、なんだか今にも泣き出しそうな顔をしていた。わたしはそんなおとうさんを上目遣いに見上げながら、ひたすら指に舌を這わせた。おとうさんがいつもわたしにしてくれるように、やさしく、丁寧に。
わたしが口元から小さく息を洩らすたびに、おとうさんの表情は険しくなった。おとうさんは首を曲げて、わたしのおでこに自分のおでこをそっとくっ付けた。愛撫を続けるわたしの口元を、至近距離でじっと見つめていた。
「花、‥‥どこか人が来ないところ、あるか」
淳悟が声を発すると、吐息が顔にかかった。もうそれだけで、わたしの身体は至高の悦びを感じている‥‥。わたしは淳悟の指をくわえたまま、こくんと頷いた。
そして、わたしたちは手を繋いで再び歩き出した。

わたしたちが向かったのは、ほとんど人が近付くことのない取り壊し間近の旧校舎だった。
教室は基本的に施錠されているが、鍵が開けられたままになっている部屋がひとつだけあることを、わたしは大掃除の時にたまたま発見していた。
淳悟はためらうことなく土足のまま旧校舎に足を踏み入れた。わたしもそれに倣い、ローファーのままで進んだ。
「‥‥ここ」
わたしの誘導で空き教室に一歩足を踏み入れた瞬間、淳悟は背中から腕を回してわたしを強く抱きしめた。いつもと同じ、抱きしめ方。夜のにおいが、強くなる――。
「花。‥‥‥花ぁ」
わたしたちは飢えていた。お互いが欲しくて欲しくて、たまらなかった。わたしは淳悟の長い腕の中でくるりと身体を半転させた。そして立ったままお互いの唇に食らい付いた。
わたしの短い舌に、淳悟の長い舌がまるで蛇のようにまとわりついてくる。そのあまりの勢いに一瞬おののいてしまっても、淳悟の舌はわたしを捕らえて決して離さそうとはしない。
ぴちゃ、ぐちゃ、ぐちゅ、という二人の唾液が混ざり合う音と、お互いの苦し気な吐息が静かな教室に響いて、頭がおかしくなりそうだった。
どちらの唾液なのか分からなくなるぐらい濃密に舌を絡め合っていると、おとうさんはわたしの身体を密着させたまま器用に移動させた。わたしは唇を合わせたまま、古ぼけた机の上にそっと寝かせられた。

おとうさんはわたしに覆い被さるような体勢になって、執拗にわたしの口内を貪り続けた。
わたしの口元から二人の唾液が混ざり合った液体がたらりとこぼれると、おとうさんは従順な犬のようにその液体を舐め取った。
やがて淳悟の舌はわたしの口元を離れて、徐々に下降して行く。
首筋を舐め回されていると、わたしはくすぐったくて思わず吹き出してしまった。そんなわたしの反応を見て、おとうさんは苦笑いのような、複雑そうな笑みを浮かべた。
「なんだよ、さっきまで泣いてたくせに」
「‥‥だって、くすぐったいもん」
「耐えろ、もう少し」
おとうさんはいつでもわたしを大切に扱ってくれるけれど、わたしの幼い身体はまだ刺激に慣れておらず、快感に辿り着くまでにはこのくすぐったさを乗り越えないといけない。
わたしは頷いて、ぎゅっと目をつむった。おとうさんの舌が再び動き出す。
制服のブレザーを脱がされ、わたしはブラウスにスカートという薄着になった。
おとうさんの指が襟元のボウタイをするりと外し、ブラウスのボタンに伸びる。焦らすようにひとつひとつゆっくりとボタンを外してブラウスを開くと、わたしの白くて滑らかな肌があらわになった。
まだ成長途中の控えめな胸は、白いシンプルなデザインのブラジャーに覆われていた。
おとうさんは動きを止めて、わたしの上半身をまじまじと見下ろしている。
「おとうさん、そんなに見られたら恥ずかしいよ‥‥」
顔を背けようとすると、淳悟がわたしの頬を両手で包み込んでそれを拒んだ。
「いいだろ、別に。俺のもんなんだから」
さも当然のようにそう言って、わたしの頬から片手を離した。離した片手はわたしの鎖骨をなぞり、やがてブラジャーの中に侵入した。

淳悟の細長い指が、わたしの胸の突起を弄り始めた。おとうさんはおとうさんだから、わたしの気持ち良いポイントをすべて知っている。押したり、こねたり、つねったり。
やがてブラジャーを外され、わたしはブラウスを肩に引っかけている以外、上半身に何も纏っていない状態になった。
控えめに立ち上がったわたしの乳首を、おとうさんが口に含んだ。舌の先を使って、まるで飴玉を舐めるかのようにころころと転がす。もう片方は指でいじくられている。
「あッ‥‥」
わたしが小さく声を洩らすと、おとうさんは愛撫を若干強めた。軽く歯を立てたり、強く吸い付いたり。
「ん、やっ、淳悟ぉ‥‥っ」
わたしは刺激を与えられるたびに跳ねるような声をあげた。淳悟の頭に両手を回して抱え込む。
「おっ、おとうさん、‥‥ごめん、ね」
ふいにわたしがそう言うと、淳悟は不思議そうに顔を上げた。口元からは細い銀色の糸が伸びて、わたしの突起の先に繋がっている。
「胸、ちっちゃいね。わたし‥‥」
わたしが顔を赤らめながら言うと、淳悟は一瞬だけポカンとして、その後すぐに人懐っこい笑顔を浮かべてクククと噛みしめるように笑った。
「なんだよ、そんなこと気にしてんのか」
わたしは無言で頷く。
「でっかくなるよ、そのうち」
「本当?」
「ああ。別にこのまんまでもいいけど、俺は」
淳悟は胸への愛撫を再開させた。
やがて片手は下降していき、わたしのお腹を撫で、スカートをめくって、太ももに触れた。

太ももの内側を撫でられて、わたしの身体はびくんっと跳ねた。淳悟は焦らすかのように太ももの周辺を撫で回し、なかなかその先に進もうとはしない。わたしの身体は次の段階を待ち焦がれていた。
「じ、じゅん、ごぉっ‥‥」
懇願するように名前を呼ぶと、淳悟はやさしく微笑んだ。
「‥‥花」
わたしの名前を呼んで、ショーツの上から、そこに触れた。最初はやさしい手つきでそうっと割れ目を撫でていく。
次第に指の動きは大胆なものになっていくけれど、布越しの刺激にはすぐに物足りなさを感じてしまう。わたしは知らず知らずのうちに身体をくねらせて、さらなる刺激を求めていた。それに気付いているのかいないのか、淳悟の指がショーツの下に潜り込んだ。
ごつごつしたおとうさんの指の感触が、一本、二本。
ずっとずっと待ち焦がれていたものの訪れに、わたしはますます昂った。
すでにわたしの性器はかなりの湿り気を帯びていて、いやらしい水音が自分の耳にまで届いた。
「お前、もうこんななってる」
わたしの秘部から抜き出した指を、淳悟がいじわるく顔の前に持ってくる。指先はじっとりと濡れていた。
「い、いやぁ‥‥っ」
わたしが恥ずかしがって目を逸らすと、淳悟はにやりと笑って自分の指先を舐め上げた。
再び淳悟の指がわたしの中に入ってくる。その動きは段々と激しさを増していき、わたしは机の上で身をよじりながらひたすらに喘いでいた。
「やぁ、あッ、おと、おとうさぁんっ」
「‥‥何だよ」
「す、すきっ。すきよ、淳悟ぉ‥‥」
「ああ。‥‥俺も、好きだよ」
その言葉が何よりもうれしくて、何よりも大切で、わたしは淳悟の背中をぎゅっと強く抱きしめた。
おとうさんがわたしの中を掻き回す卑猥な音が、静かな教室に響き渡っている。








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2011年03月18日(金) 07:52:33 Modified by tknt7188




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